月がよく見える場所で虫たちが奏でる音に耳を傾けていたら、突然声をかけられた。
その声の主はものすごく退屈そうな顔をしていた。
「ねぇ、妹紅?」
「……なんだよ?」
「暇だわ」
「…知るか」
今となっては普通に、それこそ当たり前のように傍にいる輝夜…。
昔なら絶対にありえないことだと深く考えた。
何がよくてコイツと一緒にいるんだか…。
ほんの10年くらい前に慧音にこう言われたのをふと思い出した。
『輝夜と一緒にいるようになってから、お前はずいぶん落ち着いたな』
まあ、昔は輝夜を殺すためにこれまでを生きてきた。
永遠に死ぬことのない身体でいる限り、それが私の唯一の生き甲斐のようなものだったから。
そうじゃなきゃやっていけなかった…。
「妹紅、私と遊びましょうよ」
「いやだね」
「つまんないわね」
「…あっそ」
だって、私の父はコイツのせいで死んだんだぞ。
そして私は蓬莱の薬とやらで不死身の身体となってしまったわけだ。
その時の私は今思えば自分でもびっくりするくらい荒れていた。
輝夜を殺すために力をつけた。
父のカタキを討つために…。
「…相手しなさいよ」
「なんで私が…。今日はそんな気分じゃない」
「…私、淋しくて死んじゃうわ」
「…何の冗談だ? 笑えないぞ」
「…悪かったわね」
「永琳のところにでも行けばいいだろ?」
「今は、妹紅。貴方と一緒にいたい気分なの」
「…勝手にしろ」
「そうさせてもらうわ」
でも、もうそんなことはどうでもよくなった。
私も今は輝夜と一緒にいたい。
こんなの昔の私が聞いたら……、きっと殺されるな…。
本当に、私は変わったな。
「……おい、輝夜」
「なぁに?」
「なんで寄りかかってくるんだよ」
「勝手にしろって言ったのは妹紅じゃない。私の聞き間違いだったかしら?」
「…ったく、」
「ふふっ」
今さらながらに思うこともある。
輝夜って綺麗だよな…。
誰が見てもそう思うだろう。
輝夜の傍にいるとなんだか心が落ち着くんだ……時々だけど。
いつもはうるさくてしょうがない。
「…なぁ、輝夜」
「なに?」
「今日…お前んとこに泊まらせてくんないか?」
「…えっ!?」
そりゃ驚くわな。
いきなり泊めろって言われても困るよな。
でも、今日はこのまま帰るのはなんか嫌なんだ。
「だめか?」
「え? いや…、だめじゃ、ない、けど…。いきなりどうしたのよ?」
「べつに? 今思ったことを言っただけだ」
「そ、そう…。私は全然、かまわないわよ?」
「そっか。じゃあ、行こう」
「…うん」
ずっと傍にいてくれなんて、口が裂けても絶対に言えない。
でも、どうせ死ねないんだ。
これからも一緒にいるんだろうな…。
とか、ちょっと考えてみたりする。
「えっと、…妹紅?」
「…ん? どうした?」
「あの、えっと…。私も今思ったこと言うわね?」
「は? まあ、いいけど。なに?」
なぜそんなにも顔を赤く染めるんだ。
こっちまで伝染してくるじゃないか。
「……ずっと、私の傍にいてちょうだい」
頭が真っ白になった。
すべての機能が一気に停止したような感じだ。
「お前なぁ、…ったく、…ばかぐや」
「なっ!? なによそれぇ!」
「良い名前じゃないか。蓬莱山ばかぐや」
「人の名前で遊ばないでよ!」
「なんだよ。暇だったんだろ? 遊んでやってるんだから文句ゆーな!」
「だからってそんな遊びがある!?」
頬を膨らまして怒ってくる輝夜が意外にも可愛くて、ついついからかってしまった。
それくらいべつにいいだろ。
ちょっとくらい余興がなければ世の中つまらないものだ。
父の心を奪った女…。
私の心を奪った女…。
親子揃って何をやっているんだか…。
それでも後悔はしていない。
だって、気付いた時には好きになってしまっていたんだから…。
「ほら、もうそろそろ行こう。寒くて死にそうだ」
「それ何の冗談かしら?」
「…うっせー」
その声の主はものすごく退屈そうな顔をしていた。
「ねぇ、妹紅?」
「……なんだよ?」
「暇だわ」
「…知るか」
今となっては普通に、それこそ当たり前のように傍にいる輝夜…。
昔なら絶対にありえないことだと深く考えた。
何がよくてコイツと一緒にいるんだか…。
ほんの10年くらい前に慧音にこう言われたのをふと思い出した。
『輝夜と一緒にいるようになってから、お前はずいぶん落ち着いたな』
まあ、昔は輝夜を殺すためにこれまでを生きてきた。
永遠に死ぬことのない身体でいる限り、それが私の唯一の生き甲斐のようなものだったから。
そうじゃなきゃやっていけなかった…。
「妹紅、私と遊びましょうよ」
「いやだね」
「つまんないわね」
「…あっそ」
だって、私の父はコイツのせいで死んだんだぞ。
そして私は蓬莱の薬とやらで不死身の身体となってしまったわけだ。
その時の私は今思えば自分でもびっくりするくらい荒れていた。
輝夜を殺すために力をつけた。
父のカタキを討つために…。
「…相手しなさいよ」
「なんで私が…。今日はそんな気分じゃない」
「…私、淋しくて死んじゃうわ」
「…何の冗談だ? 笑えないぞ」
「…悪かったわね」
「永琳のところにでも行けばいいだろ?」
「今は、妹紅。貴方と一緒にいたい気分なの」
「…勝手にしろ」
「そうさせてもらうわ」
でも、もうそんなことはどうでもよくなった。
私も今は輝夜と一緒にいたい。
こんなの昔の私が聞いたら……、きっと殺されるな…。
本当に、私は変わったな。
「……おい、輝夜」
「なぁに?」
「なんで寄りかかってくるんだよ」
「勝手にしろって言ったのは妹紅じゃない。私の聞き間違いだったかしら?」
「…ったく、」
「ふふっ」
今さらながらに思うこともある。
輝夜って綺麗だよな…。
誰が見てもそう思うだろう。
輝夜の傍にいるとなんだか心が落ち着くんだ……時々だけど。
いつもはうるさくてしょうがない。
「…なぁ、輝夜」
「なに?」
「今日…お前んとこに泊まらせてくんないか?」
「…えっ!?」
そりゃ驚くわな。
いきなり泊めろって言われても困るよな。
でも、今日はこのまま帰るのはなんか嫌なんだ。
「だめか?」
「え? いや…、だめじゃ、ない、けど…。いきなりどうしたのよ?」
「べつに? 今思ったことを言っただけだ」
「そ、そう…。私は全然、かまわないわよ?」
「そっか。じゃあ、行こう」
「…うん」
ずっと傍にいてくれなんて、口が裂けても絶対に言えない。
でも、どうせ死ねないんだ。
これからも一緒にいるんだろうな…。
とか、ちょっと考えてみたりする。
「えっと、…妹紅?」
「…ん? どうした?」
「あの、えっと…。私も今思ったこと言うわね?」
「は? まあ、いいけど。なに?」
なぜそんなにも顔を赤く染めるんだ。
こっちまで伝染してくるじゃないか。
「……ずっと、私の傍にいてちょうだい」
頭が真っ白になった。
すべての機能が一気に停止したような感じだ。
「お前なぁ、…ったく、…ばかぐや」
「なっ!? なによそれぇ!」
「良い名前じゃないか。蓬莱山ばかぐや」
「人の名前で遊ばないでよ!」
「なんだよ。暇だったんだろ? 遊んでやってるんだから文句ゆーな!」
「だからってそんな遊びがある!?」
頬を膨らまして怒ってくる輝夜が意外にも可愛くて、ついついからかってしまった。
それくらいべつにいいだろ。
ちょっとくらい余興がなければ世の中つまらないものだ。
父の心を奪った女…。
私の心を奪った女…。
親子揃って何をやっているんだか…。
それでも後悔はしていない。
だって、気付いた時には好きになってしまっていたんだから…。
「ほら、もうそろそろ行こう。寒くて死にそうだ」
「それ何の冗談かしら?」
「…うっせー」
凄く良かったです!!
姫様可愛い過ぎだろ! 求婚したくなるのもわかるわ……
大変よろしい。もっとやれ。
だがこのもこてるはすばらしい出来だった。
ごちそうさまでした。
もこてる万歳!