Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

頭痛

2010/05/16 05:12:21
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地霊殿。
一室。


「もーいーくつねーるーとーこーどもーのーひー」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……おそろいーねわたしたーちこれでおそろいーねああしあわーせ」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「ほう……なかなかわかっているようね……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「ボンジュール……マドマァゼーエル……」
「……」
「てってってー、てってっててー」
「……」
「さっきから何怒ってるのよ? お姉ちゃん」
「あんたはさっきから何してるのよ」
「何をしてるかと言われれば特に何もしていないし本を読んでいるだけとしか答えざるを得ないのが私の実情なんですけど」
「そうですか」
「何の脈絡もなくいきなり丁寧語でそーなのかとか言われると実の妹に対する態度として何か含むところがあるんだよと示唆しているように感じられます。止めたほうがいいでしょう」
「こいし。私は頭が痛くて寝込んでるのよ。外に行って遊びなさい」
「そんなこと言われても私はちょっと退屈だし……」
「退屈ならたまには、自分のペットとでも遊んでやったらいいでしょ……」
「どうやら私の身体がいつもお姉ちゃんを求めているらしい。愛とか彷徨う狩人だから。」
「わけがわからない……うう……いたた……」
「頭が痛いのは脳みそがあるからね。つまりいっそのことくりぬけば……」
「そりゃ、脳みそごと抜き取れば痛みも感じなくなるんでしょうけどね……。……」
さとりはちょっと気まずい顔をした。こいしはなんとも思わない顔でうなずいた。
「ほう……みなまで言わなくても、私の言いたいことがわかるなんて、お姉ちゃんは流石にすごいなーさすがだなー。やはりこの私のお姉さんというだけのことはあるなー」
「なんだか妙に偉そうね、それ。やめてちょうだい」
「それほどでもないから」
「ほめてないから」
「だが、たとえほめてなくてもほめられたと言ってしまうのがこいしちゃんだった。ほめられてからやっとほめられたと言ってしまうのは二流のこいしちゃん。真のこいしちゃんはほめられる前にもうほめられたと言ってしまっていた……」
「うう……すごく……鬱陶しいわ。どうしようこの妹……」
「そういうときにはとりあえず笑えばいいんじゃないかな。笑えよお姉ちゃん」
「どっちかというと怒りたいんだけどね」
「怒りたいときには笑ってしまうのが人間なんだって誰かが言ってたわよ? お姉ちゃんは妖怪だけども見た目は人間よりなので、別にやってもいいのよ? ちら」
「嘘つきなさいよ……」
「嘘だなんてひどいわ!! ただ適当なこと言っただけなのに!!」
「……」
「……」
「……」
「メルトダウンってなんだろうなものすごく熱いのかなその名の通りとろけるくらい甘いのかな 核融合ってすごいなメルトダウンができるなんて」
「なによそのひどいポエムみたいなものは……」
「そうだわ! 私にいい考えがある」
「ふうん」
「頭痛のときはおでこにキスすると治るんだってなんか頭の中身が桃色っぽい人ばっかり出てくる本でそう言ってたわ。それ」
「ふうん」
「私もまず間違いなく偏った妄想の果てのなにか救いがたいものだとは思うけど、まあ試してみる価値はあると思うの」
「ふうん」
「お姉ちゃんはどれが良い? ①白馬の王子様にキスされてゴールイン。頭痛が治る ②妹にキスされてテイクアウト。頭痛が治る ③現実は非情である。治らない」
「④妹がどこかにフェードアウト。頭痛が治る」
「まあ! さすがは私のお姉ちゃんだわ! すごくうぇっとに富んでいて積極的!」
「そうですか。……え? どこが?」
「でもそこはちゃんと妹「が」でなく「と」にすべきね。んもう、照れちゃってえー。仕方ないなーやっぱり強引にするしかないかー。よいしょ。ぎゃおー」
「あーもー。……ちょっと、乗らないでよ……!」
さとりは言った。だが、案の定、こいしにはまったく効かない。
さとりの上に馬乗りになってはしゃいでいる。
「さーてどこから食べようかなー髪かな。睫かな。耳たぶなんかもいいな。お姉ちゃんてなんだろうな。ものすごく熱いのかなその名の通りとろけるくらい甘いのかな」
「いいから降りなさいよ……痛いいたたたたた、何で噛むのよ!!?」
「あれ? キスするつもりだったのに。無意識怖いですね。ごめんなさいお姉ちゃん。痛かった? んちゅ」
こいしは、今しがた自分がかんだ額にそっとキスをした。
歯形がうっすら残って、そこだけ紅くなっている。
「どうですか? 治りましたか? 痛くない? もう一回してあげようか? んちゅ」
「いいからもう降りなさい……」
「すぐには効果が出ないのかも知れないわね。それじゃまたあとで来ます。さよなら」
「はいはい」
扉が閉まった。さとりは額をさすった。
頭痛は治まらないが、額はむずがゆくなったようだ。
「はあ……」
5月14日はこいしの日
無言坂
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
朝っぱらからなんて糖分を摂取してしまったんだ…
2.名前が無い程度の能力削除
もう5/16なんだけどとかそういう無粋なツッコミは心の奥に仕舞っておいて、
大変素敵な古明地姉妹でした。
こいしたんが可愛すぎて悶絶です。
ありがとうございました。
3.名前が無い程度の能力削除
無言坂さんの書く古明地姉妹は可愛すぎていけない
4.奇声を発する程度の能力削除
オーバーしてるけど関係ない!
甘すぎます…
5.名前が無い程度の能力削除
ときどき来るこの姉妹シリーズおもしれえ。
でもそれだけじゃないんだよね。そこもいい。
6.名前が無い程度の能力削除
最高でした
7.名前が無い程度の能力削除
こんにちはさとりん、こいしちゃんは今日も可愛い
8.名前が無い程度の能力削除
ネタ多すぎるwww
9.こじろー削除
今は鮮やかなスカーレットってそういう……
こいしちゃんかわかわ
さとりんの頭痛の特効薬はこいしちゃんの愛ですね!
10.名前が無い程度の能力削除
近頃、自分の中でこいしがどんどん可愛くなっていく、何故だ!
 痛くない? もう一回してあげようか? んちゅ
これだけで三回は死ねた。この短い中で四十八回は死ねる。5月14日は危険日だ!
11.名前が無い程度の能力削除
こいしちゃんかわいいよハァハァ