Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

霊夢「ふぉあぐらっていうのも食べ飽きたわねぇ」

2010/05/13 23:59:04
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 ある日の宴会、紫が外の世界からフォアグラを仕入れてきた。
高級食材という触れ込みもあり、最初は皆が飛びついたが、その独特のこってりした味わいは日本文化が根強い大半の幻想郷住民の口には合わなかったようだ。
ちなみに新聞記者の天狗と夜雀はフォアグラの原材料を知った時点で気絶した。
その為大量のフォアグラが余り、宴会の開催地であった博麗神社に寄贈されたのだ。

「不味くはないんだけど、しつこいのよね」

焼きフォアグラにフォアグラの煮付け、更にはフォアグラの味噌汁にフォアグラご飯、それに胡瓜の糠漬け。
これが今日の霊夢の昼食の献立であった。
ちなみに朝食は胡瓜の糠漬けが茄子の糠漬けに変わっただけで、他は同じである。

別に霊夢は貧乏ではない、裕福というわけではないが食うに困らない程度の生活をしている。
ならばフォアグラ料理の数を減らして他の料理を何品か追加すれば良い様な物だが、そうもいかない理由があるのだ。

そう、フォアグラは保存が利かない。

季節はもう初夏を迎えようとしている今、霊夢にとってフォアグラの消費はまさに時間との戦いなのである。

「ふー、ごちそうさま」

最後に熱いお茶をずずっと啜り、霊夢の今日のフォアグラ尽くしな昼食は終了した。

後は適当に境内を掃除したり、縁側で暇を潰していればいいのだ。
退屈に感じるかも知れないが霊夢としてはこの平和な時間は好ましい。
だがしかし、博麗神社には基本的に週に7日は誰かしら尋ねて来るのだ。
そう、基本毎日誰か来るのである。

今日の訪問者は……

「あら霊夢、相変わらず暇そうね」

七色の人形遣い、アリスマーガトロイドであった。

「暇で結構、平和が一番よ。人間はそういうものなの」

ちらりとそちらを一瞥し、視線をお茶に戻してからきっぱりと主張する。
ちなみに先ほどの一瞬のちらりでアリスがバスケットにお土産を入れて持って来てくれた事を霊夢は見抜いていた。
更に、霊夢の勘によると今日のお土産はアリス手作りのビスケットである。
枚数はおそらく30枚、オーブンに5×6列で並べて焼いたんだろう。

「そんなもんかしらね、はいお土産」

霊夢の横に腰掛けたアリスはバスケットをあけて中身をみせてきた。
そこには紛う事なきビスケットが30枚、美味しそうに敷き詰められていた。

大正解である。
博麗の巫女は伊達じゃないのだ!

しかし今の霊夢はこの香ばしく甘い香りを放っているビスケットを食べる気にはなれなかった。
大量のフォアグラを摂取したことによる胸焼けである。
とりあえずアリスにお茶を淹れてやり、ビスケットには手をつけずに自分のお茶を啜る。

「ありがたいけど、今はいらないわ」

「そうじゃないかと思った、フォアグラの匂いがぷんぷんしてるもの」

「げっ」

霊夢だって年頃の女の子、自分がフォアグラ臭をさせているというのは少しショックだった。
くんくんと身体の匂いを嗅ぐ霊夢にアリスは微笑んで教えてやる。

「ふふっ。霊夢から匂いはしてないわよ。部屋からはしているけどね」

「なんだ、ならそういいなさいよね」

自分がフォアグラ臭を放っていないと分かったら1秒もかからずにいつもの調子に戻る。
とはいえアリスも長い付き合い、気にする様子もなく話を続ける。

「無理に食べきらないでもいいじゃない、フォアグラって結構カロリーも高いのよ?」

カロリーが高いという言葉には動揺をみせない霊夢、フォアグラ臭は嫌だが体型はあまり気にしていないようだ。

「だってもったいないじゃない、早く食べきっちゃわないと」

「だからって3食フォアグラ尽くしじゃ栄養も偏り過ぎ、太らなくても病気になるわよ」

「そんなに柔な身体はしてないわ。ていうかあんたにもふぉあぐら、お裾分けしてあげようか?」

「いらない、味はそんなに嫌いじゃないけどね」

そう、アリスは幻想郷でもかなり洋風な暮らしをしている人物である。
しかしフォアグラにあまり手をつけないのはそのこってり感よりもその価値を知っているせいだ。
霊夢は適当に調理しているが、フォアグラの値段はピンからキリまであり、今回紫が仕入れてきたフォアグラならば1つ1万円はするだろう。
つまり先ほどの霊夢の昼食は最低でも4万円かかっているのだ、更に朝食をあわせると8万円。
まだ晩御飯も食べていないのに霊夢は既に10万円近くのフォアグラを食べたのだ。

「ふーん、まぁいいわよ。あと一週間もすれば食べきられるだろうし」

事も無げに言う霊夢、流石に飽きそうなものだが霊夢はやるといったならやる女だ。
その後二人は夕暮れ時まで談笑を楽しんだが、一週間フォアグラ尽くしを続けた巫女は一体どうなるのだろうかと一抹の不安を覚えるアリスであった。




そして一週間後




「はー、今日もお茶が美味しいわ」

霊夢は大きくなった。
誤解を招かぬように説明させてもらうと決して太ったのではない、大きくなったのだ。

フォアグラに含まれる豊富な栄養は少女である霊夢の成長を促進させた。

今の霊夢の身長は幻想郷の同年代の少女の中でも群を抜いていた。
改めて計ったところ、その身長は脅威の179センチメートル!
元々射撃寄りだが打撃も出来るオールマイティーな戦闘スタイルの霊夢は、この肉体により高い射撃性能はそのままに、強力な打撃性能も身に付けた。
その他の部位もフォアグラに含まれる脂肪分によってふくよかで女性的な仕上がりとなったのだ。

そう、霊夢は美しくなった。

こうして霊夢は皆に愛されて幸せに暮らしましたとさ。

めでたしめでたし。
皆さんは痛風には気をつけてくださいね。
はぴーとぴー
コメント



1.新谷かづき削除
フォアグラ…恐ろしい子…!
ちょっとフォアグラ買ってきますね!
2.名前が無い程度の能力削除
まさに博麗の巫女は伊達じゃないのだ!ですね。
3.名前が無い程度の能力削除
その後の霊夢が気になるじゃないか…
4.名も無き脇役削除
つ、痛風……い、いてぇよ~!
(女性はかかりにくいので多分霊夢は大丈夫……
 しかしビールとレバーの組み合わせは痛風患者殺しだから注意してね)
5.ぺ・四潤削除
フォアグラ一度食って嫌いになった俺は吐きそう……
一週間でそんな成長ってことはまだ新しい服が用意できてないんじゃ……
つまりドロワがレティ状態でおへそ丸見えで押し上げられた胸で腋から横ちt(夢想封印・殴
6.名前が無い程度の能力削除
179とか凄い羨ましい・・・
7.名前が無い程度の能力削除
フォアグラ…一度は食べてみたい。
8.奇声を発する程度の能力 in 携帯削除
フォアグラすげえwww
9.名前が無い程度の能力削除
紫「計算通り!」
10.名前が無い程度の能力削除
フォアグラすげえ
11.名前が無い程度の能力削除
わらたー
12.名前が無い程度の能力削除
当たり判定も大きくなりましたとさ
13.名前が無い程度の能力削除
おい!白岩さんの悪口はやめろよな!