暖かい春の日差しが降り注ぐある日のこと。
霊夢は縁側でのんびりとお茶を啜っていた。
普段飲んでいるお茶とは違い、最高級品の玉露である。何の気まぐれなのか、紫がプレゼントしたものだ。
怪訝に思ったが特におかしな所はないおいしいお茶だった。
つまるところ、この日の霊夢の機嫌はとても良かった。そう、良かったのだ。
「…ん?」
柔らかい香りを楽しんでいると、鳥居から近づいてくる人影が見えた。
自分と似たような巫女服だが色は対照的に青い。
「なんだ、早苗じゃない。どうかした?」
決意を秘めた眼差しでこちらを見つめる早苗を不思議に思いながらも問う。
「霊夢さん、勝負です」
「また?あんたも好きね」
「負けっぱなしは嫌ですから」
「焦っても強くはなれないわよ。もう少し落ち着いたほうがいいんじゃない?」
昨日今日と弾幕ごっこを挑んでくる早苗だったが、戦績は芳しくない。
それを省みての霊夢の発言だったが、
「いいえ!今日の私は昨日の私とは違います!」
「めんどくさいなあ…」
早苗の闘志を燃やすだけの結果に終わった。
大して霊夢はまったくやる気が無い。
立ち上がろうともしない霊夢に対して早苗は、
「その目に焼き付けなさい!守矢の秘術を!」
そう叫ぶと奇妙なポーズを取る。腰を落とし両腕を前に突き出す。
そして、
「っ!これは…!」
左腕を関節ごと右回転!右腕を肘の関節ごと左回転!
関節を回す痛みは奇跡の力で和らげる!
結構のんきしてた霊夢も拳が一瞬オンバシラに見えるほどの弾幕密度にはビビった!
「しまった…!」
その二つの拳の間に生じる圧倒的弾幕空間は、いとも容易く縁側を吹き飛ばす。
霊夢は持ち前の勘でなんとか回避に成功はしていたものの、紅白の巫女服はボロボロになっていた。
「…さすがですね、今のを躱すなんて」
霊夢は何も答えない。ただ、俯いたままだ。
「ですが、次はありません。これで最後です」
「…お茶」
「え?」
繰り返すが霊夢は機嫌が良かった。早苗にもお茶を分けてやってもいいと思えるくらいに機嫌が良かった。
しかし、その機嫌の元は先程の弾幕で吹き飛んでしまった。
まだ、少ししか飲んでいないのに。取っておきのものだったのに。
「ひっ!」
早苗が悲鳴をあげるのも無理はなかった。今の霊夢の目は見ただけで人が殺せそうなくらいに殺気立っていた。
例えるならモヒカンを前にした世紀末救世主のような。
「覚悟はいい?」
呟き、ふらりと一歩踏み出す。
早苗が慌てて構えるが遅すぎた。
たった一歩で霊夢は間合いに入っていた。
「ご、ごめ―」
言葉は最期まで言い切ることは出来なかった。
「ん…」
霊夢がやさしく唇を重ねたことで言葉は途切れた。
「霊夢…さん…?」
突然の行動に呆然とする早苗。
霊夢は優しく微笑み、ぎゅっと抱きしめる。
「馬鹿ね…。あれくらいで怒らないわよ」
「霊夢さん…」
早苗もそれに答えるように抱きしめ返す。
そう、二人の間に言葉はいらない。
そこには、ただ愛だけがあった。
「って話だったら素敵じゃないですか?」
「いいから怪我人はおとなしく寝てなさい」
霊夢は縁側でのんびりとお茶を啜っていた。
普段飲んでいるお茶とは違い、最高級品の玉露である。何の気まぐれなのか、紫がプレゼントしたものだ。
怪訝に思ったが特におかしな所はないおいしいお茶だった。
つまるところ、この日の霊夢の機嫌はとても良かった。そう、良かったのだ。
「…ん?」
柔らかい香りを楽しんでいると、鳥居から近づいてくる人影が見えた。
自分と似たような巫女服だが色は対照的に青い。
「なんだ、早苗じゃない。どうかした?」
決意を秘めた眼差しでこちらを見つめる早苗を不思議に思いながらも問う。
「霊夢さん、勝負です」
「また?あんたも好きね」
「負けっぱなしは嫌ですから」
「焦っても強くはなれないわよ。もう少し落ち着いたほうがいいんじゃない?」
昨日今日と弾幕ごっこを挑んでくる早苗だったが、戦績は芳しくない。
それを省みての霊夢の発言だったが、
「いいえ!今日の私は昨日の私とは違います!」
「めんどくさいなあ…」
早苗の闘志を燃やすだけの結果に終わった。
大して霊夢はまったくやる気が無い。
立ち上がろうともしない霊夢に対して早苗は、
「その目に焼き付けなさい!守矢の秘術を!」
そう叫ぶと奇妙なポーズを取る。腰を落とし両腕を前に突き出す。
そして、
「っ!これは…!」
左腕を関節ごと右回転!右腕を肘の関節ごと左回転!
関節を回す痛みは奇跡の力で和らげる!
結構のんきしてた霊夢も拳が一瞬オンバシラに見えるほどの弾幕密度にはビビった!
「しまった…!」
その二つの拳の間に生じる圧倒的弾幕空間は、いとも容易く縁側を吹き飛ばす。
霊夢は持ち前の勘でなんとか回避に成功はしていたものの、紅白の巫女服はボロボロになっていた。
「…さすがですね、今のを躱すなんて」
霊夢は何も答えない。ただ、俯いたままだ。
「ですが、次はありません。これで最後です」
「…お茶」
「え?」
繰り返すが霊夢は機嫌が良かった。早苗にもお茶を分けてやってもいいと思えるくらいに機嫌が良かった。
しかし、その機嫌の元は先程の弾幕で吹き飛んでしまった。
まだ、少ししか飲んでいないのに。取っておきのものだったのに。
「ひっ!」
早苗が悲鳴をあげるのも無理はなかった。今の霊夢の目は見ただけで人が殺せそうなくらいに殺気立っていた。
例えるならモヒカンを前にした世紀末救世主のような。
「覚悟はいい?」
呟き、ふらりと一歩踏み出す。
早苗が慌てて構えるが遅すぎた。
たった一歩で霊夢は間合いに入っていた。
「ご、ごめ―」
言葉は最期まで言い切ることは出来なかった。
「ん…」
霊夢がやさしく唇を重ねたことで言葉は途切れた。
「霊夢…さん…?」
突然の行動に呆然とする早苗。
霊夢は優しく微笑み、ぎゅっと抱きしめる。
「馬鹿ね…。あれくらいで怒らないわよ」
「霊夢さん…」
早苗もそれに答えるように抱きしめ返す。
そう、二人の間に言葉はいらない。
そこには、ただ愛だけがあった。
「って話だったら素敵じゃないですか?」
「いいから怪我人はおとなしく寝てなさい」
最後は霊夢にボコされたかオチかと思ったらもしかして腕がバキバキになった早苗さんを介抱してるのか?