Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

覗き見してみると、意外な世界が見えるよ

2010/05/07 13:35:44
最終更新
サイズ
4.42KB
ページ数
1

分類タグ

1年ぶりくらいになりますか。
覚えてらっしゃる方は居るんでしょうかね?

リハビリ程度の書いた話ですが、勢いは落ちていないと思います。

以下、本文です


























「~♪」

ここは、紅魔館の厨房。
今日も咲夜さんは、みんなの食事を作っています。

もちろん、妖精メイドもいますが、基本的に咲夜さんのお手伝いをしているだけ。
お皿を出したり、使った調理器具を洗ったりするだけで、仕込みから盛り付けまでは、咲夜さんの仕事です。

と…

トンッ

「痛っ!…」

うっかりして指を包丁で切ってしまいました。
慣れているからこその、ちょっとした油断っていうのは誰しもがあること。
それは、普段からナイフという刃物を扱っている咲夜さんでも同じです。
ましてや、機械ではありません。人間ですから、ミスは誰だってありますよね。

「誰か絆創膏を持ってきてくれるかしら?」

「はい、わかりました」

こういうときの備えも万全です。
屋敷の要所にちゃんと救急箱が備え付けてあるんです。
厨房・図書館・門番詰め所などが代表的な場所ですね。
永遠亭という立派な薬局(?)もあるので、常に補給も効きますしね。

「…メイド長、絆創膏はありますが、消毒液がないです~」

おやおや、今回はなぜか一つ足りないようですね。
『完全で瀟洒な従者』という二つ名を戴く咲夜さんにしては、凡ミスですね。

「まぁ、それでもいいわ。仕事に支障がでるから、絆創膏だけでいいわ」

切ってしまった指に絆創膏をペタッと貼って、まだまだ仕事は続きます。
そうです、屋敷の管理を任されている咲夜さんには、休憩時間はほぼありません。
本人が、時を止めて休む時間は別ですが。

「メイド長~、この皿はここでいいですか~?」

「あぁっ!なんでそんな所に置くのよ。ちょっと待って、すぐ行くから」

あら、消毒のことなんてもうすっかり忘れていますね。
調理中だから、消毒しても料理からアルコール臭がしてしまうからですかね?
けど、その状態で掃除もするんですから、どうかと思いますけどね~







~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

数日後

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~






お昼のちょっと前。
この時間帯は、咲夜さんにとっては特別です。
なぜなら、屋敷の主が目を覚ますからです。
その食事の準備前に主人の様子を伺って、主人の気分でメニューが決定するからです

「おはようございます、お嬢様」

「ん、おはよう咲夜。今日も憎たらしいくらいにいい天気ね」

いつものような会話をしてから、これまたいつものように着替えを手伝い
そして、朝食のリクエストを待っているんですね。
と、今回はちょっと違いますね。

「あら、咲夜。あなた指が赤くなっていない?」

そう言うのは、屋敷の主。
レミリア・スカーレット様ですね。
咲夜さんは、妖精メイドを束ねるメイド長にして、レミリア様の従者なのです。
人間なのに、すごいですよね。

「え、そ…そうでしょうか?」

着替えを手伝っていた時に視界に入ったんでしょうか。
隠していたことを言い当てられた咲夜さん。
表情が驚いていますね、当たり前ですが。

「そうやって言いよどんだって事は、その状態を隠し通そうと思った訳ね。この私に」

「! い、いえ…そのような事は」

このレミリア様。
幼女の様な外見をしていますが、中身はれっきとした吸血鬼で、咲夜さんの何十倍も生きています。
友人のパチュリー様と比べても、年の差は明らか。
外見とは裏腹に、こんな風にカリスマがあるのです。不思議ですね。

「なら、指を出して御覧なさい」

「…わかりました」

差し出したその手の指。
数日前に包丁で切ってしまった場所が、ほんのりと赤くなっています。
絆創膏を貼ってはありますが、その範囲よりも大きくなっているので、隠しきれていないんですね。

「ふん。おおかた、厨房かどこかで切って、ろくに消毒もせずに放っておいたんでしょう?」

「面目次第もございません…」

「まぁいいわ。こんな状態じゃ満足に仕事なんて出来ていないんでしょう?暇を与えるから、診てもらっておいで」

さすがはレミリア様。
従者のケアは忘れませんね。こういう細かいところまで気配りできる辺りが流石です。
ある人とは大違いですね。

「…わかりました、では失礼致します」

そういうと、咲夜さんがフッと消えてしまいました。
時を止めて行ったんですね。
レミリア様の気遣いを無駄にしないように、可能な限りの事をする。
なかなかできることじゃないです。そして、だからこそ固い絆が生まれるんですね。

「さてと」

そういうと、レミリア様が立ち上がりました。
今日、これからの食事。一体どうするんでしょうか。

「そこのお前、見ているんでしょう?さっさと降りてきなさい」

…バレてたみたいですね。
グングニルが飛んでくる前に、素直に降りるとしましょう。

「…まったく。罰として、私の朝食はあなたが作りなさい。不味かったらその時は…」

わ、わかりましたよぅ…
でも、ま。

こういう日常の繰り返しが積み重なっていくから、面白いんですよね。色々と。
あの人もこういう風になってくれないかなぁ…
パチュリー「覗き見を趣味とするなら、それ相応の犠牲は覚悟しておきなさいね?小悪魔」

小悪魔「…結局、こうなるんですね」





短いですかね。1年ぶりの投稿ということもあってか、なかなか絞りきれなかった感がありますね。どうも。
また、どんなことでもいいです。思ったままの一言を頂戴したいです。
復帰1号の作品ですので、筆が乗れば投稿したいと思っております
ティファーリア
コメント



1.奇声を発する程度の能力削除
何でもない日常が一番平和!
2.名前が無い程度の能力削除
懐かしいお名前があると思ったら!
やはり紅魔館にはアットホームな空気があう。
3.ティファーリア削除
1>そうです。平和が続くことはいいことですよね。

2>以前の私の作品を見てくださっていたようですね。ありがとうございます。

これから頑張っていきます。