夏日だった。
「春なのに……春じゃないですよー……」
リリーホワイトはぐったりと、照りつける陽射しの下を飛んでいる。
暦の上ではまだまだ春真っ盛りのはずなのに、この暑さはいったいどうしたことだ。
春はどこへ行った。
波留は横浜のコーチだが。
「あら、春告精さん」
声を掛けられ、リリーは視線を下げる。花畑の中に、白い日傘が揺れていた。
風見幽香である。
「季節外れの暑さで、花たちもびっくりしちゃってるわ」
慈しむように花畑の花たちを撫でて、幽香は目を細める。
「春にしたいですよー」
「出来ないのかしら?」
「春は一度来てしまったので、呼び直すのは無理なのですよー」
妖精は自然の具現である。
リリーホワイトだって、レティの満喫する冬真っ盛りを無理矢理春に出来るわけではない。
自然に春が到来するのを《現象》として具現化するのがリリーの仕事なのだ。
「春が一瞬で終わってしまったですよー……誰かが春を盗んでるですよー」
しょんぼり肩を落とすリリーに、「あらあら」と幽香は首を傾げる。
「夏の到来を早めるなんて、誰の仕業かしら」
「……心当たりはありませんが」
日傘の影から声がした。
リリーが覗きこむと、稗田阿求がそこにいて睨まれた。
「阿求ですかー?」
「黙れ妖精。稗田なめんな」
「そう邪険にするものじゃないわ」
思いっきり半眼でリリーを睨みつける阿求を、幽香がたしなめる。
幽香の日傘に守られるように、幽香に身を寄せる阿求の姿に、リリーは首を傾げた。
「春ですかー?」
「ふふ、そうね」
「や、止めてください」
幽香に肩を抱かれて、阿求が赤面する。
春だった。
「――謎が解けましたー!」
その瞬間、全てを悟ってリリーは叫んだ。
「何が?」
「春が去ってしまった理由です! 解ってしまったです!」
「……妖精の言うことなんて信用できませんが、どういう理由ですか」
阿求が思いきり不審げに眉を寄せてリリーを見つめる。
「さっき、神社を通ってきたです」
「博麗神社かしら?」
「巫女がレティと春でした」
「ああ――」
「あと鬼と橋姫とか、土蜘蛛と釣瓶落としとか、火焔猫と地獄鴉とかが春でした」
「地底の話?」
「妖怪の山も通ったです。秋の神様姉妹と、河童と厄神様と、鴉天狗と犬天狗が春でした」
「どこも幸せそうね」
「あと半人半霊と兎とか、姫と従者とか、焼鳥屋と先生とか、メイドと門番とか、閻魔と死神とか、虎と鼠とか、妖精と騒霊とか、風祝と覚り妖怪とか、どこもかしこも春です」
「何か一部妙な組み合わせが混ざってない?」
「つまり――」
リリーは、幽香と阿求にびしっと指を突きつける。
「春を盗んだのは――この幻想郷の春な面々なのです!」
顔を見合わせた幽香と阿求の前で、リリーは高らかに叫んだ。
「リア充爆発しろー!」
幻想郷は爆発した。
そして、リア充爆発しろよ!!!
久々な爆発ネタも一捻り加えられていて良かったです。
あと幻想郷リア充大杉。ちくしょう、みんな爆発してしまえ。
リア充爆発しろ!!
目指せシーズン1位!(Bクラスの)
死刑!開廷!閉廷!
やっぱりリリーはかわいいなぁ
それはともかく風祝と覚り妖怪について詳しく
ところで虎と鼠の春について詳しく。あと風祝と覚り妖怪も気になる。
けどとりあえず巫女とレティが春だったという証言について詳しく報告をお願いします
あと風祝と覚り妖怪についてkwsk
さて、ゆうかりんと阿求をKwsk
あと結構見るカップリングだけど浅木原さんで見てない気がするから半人半霊と兎が見てみたいかもしれないw ってまさかとは思うが兎っててゐの方だったりしないよね?www