Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

暑い日

2010/05/05 19:02:40
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 その日、私はいつものように文々。新聞の押し売りを断られて人里の茶店で団子をつついていた。
 まだ5月の頭だというのに陽射しは真夏のようにギラギラと容赦なく、日焼けした砂利からは熱波のようなものが感じられるほどだった。
 
「おばちゃーん、冷やし飴もう一つー」

 こうも暑くてはネタも浮かばず、かといって事件を起こす気力もわかない。
 下駄を放り出し、パタパタと足を振っていると、ふと遠くに椛の影を見つけた。
 陽炎が揺らめく地面の先に、なぜか大剣を担いでこちらを見ている。

「椛ー」

 手を振ってみたが相変わらず景色だけがぼやけ、当の椛は微動だにしない。
 しかし、よく見てみると先ほどよりも確かにこちらに近づいている。
 もう一度手を振ってみた。
 すると今度は私が見ている最中、椛が音も無く地面を滑るように近づいてきた。瞬動とも違う、奇妙な動きだった。
 どうにも様子がおかしい。
 私は首から提げた写真機を構え、ファインダーを覗き込んだ。

「文さん」

「うわぁっ!」

 ファインダーの中に瞳孔の開いた緋色の瞳が広がっていて、思わず私は後ろに倒れてしまった。
 南中に構える円の光を背に、椛が私を見下ろしている。
 目はいつもより大きく開き、充血していた。犬歯の隙間から大きな赤い舌が覗き、それを涎が伝って雫になっている。
 息遣いは荒く、それはまるで私の鼓動のように早鐘を打っていた。

「文さん」

「はっ、はい! ……なんでしょう」

 妙な迫力に気圧され、私は情けなくも敬語になってしまった。

「あちゅいです」

 直後、椛に圧し掛かられた。
 首元に熱く荒い吐息と涎がかかり、不快指数がメーターを振り切って臨界点を突破した!
 おうおうおうおううおうおーーーっ!!!! という意味不明な咆哮が喉の奥からせりあがった。
 
「お、お、おばちゃーん! みずー、みずー!」



 皆さん、夏じゃなくても熱中症には気をつけましょう。
犬や狼は汗をかかないので、体温調整の為に舌を出します。舌をだらりとして哨戒されてもなぁ。
蓋の甘
コメント



1.奇声を発する程度の能力削除
>あちゅいです
興奮して暑くなってきた
2.ぺ・四潤削除
>あちゅいです
興奮して眠れなくなってきた

熱中症は衣服を緩めるか必要に応じて脱がさなければ!
さあ、早くこちらの日陰に!
3.名前が無い程度の能力削除
椛の介抱は俺に任せてお前等は救急車を!
俺はそこの草むらまで椛を連れていくから早く!
4.名前が無い程度の能力削除
服を脱がして熱を逃がさないと!
その役は俺がやるから、早く水をもってくるんだ!
5.名前が無い程度の能力削除
わかった!オレがその他もろもろやるからおまえらは椛を頼む!
6.蓋の甘削除
>1-5
まずは陽を浴びてくることをお勧めします。
7.ぺ・四潤削除
>5の紳士っぷりに惚れちまった!
わかった! 椛は俺に任せろ!!