「恋をしたいな」
「すれば良いじゃない」
「判ってないな」
「何が」
「恋はさ、無意識から始まるんだよ」
「そうかい」
「やろうと思ってするものじゃないの」
「ふぅん」
「だから、恋をしたいな」
「じゃあ、わたしにすれば良いんじゃない」
「さらりと爆弾発言するね」
「そうかい?」
「恋をするって、好きになるってことだよ」
「ふぅん」
「貴方が考えてるような好きと違うんだよ。根本的に、圧倒的に、次元的に、壊滅的に、抜本的に、違うんだよ」
「そうかい」
「もっとふわふわして、甘くて、でも時々苦くて、カプチーノみたいな感情なの」
「判らないな」
「でしょうね。貴方、そんな感じだもの」
「そうかい」
「さっきからそればっかね。私の話、聞いてないでしょう」
「聞いてるよ。恋をしたいんでしょう」
「そうよ。誰かを愛したいの」
「相手が必要なんでしょう」
「そうよ。そして素敵な恋に落ちるの」
「大変だぁね」
「他人事ね」
「そりゃね」
「恋をしたいわ」
「本当にそうしたいなら、それはわたし以外の誰かに言うべきだろうね」
「判ってるわ」
「判ってないでしょ」
「貴方ってほんと鈍感ね」
「そうかい」
「言わなきゃ判らないの?」
「言わなくても判らなきゃいけないの?」
「可愛くない」
「よく言われる」
「でもそんなとこも好きよ」
「そうかい」
「そればっかり」
「口癖でね」
「嘘つき」
「まぁ、嘘だけど」
「恋をしたいわ」
「誰に?」
「やっと聞いてくれた」
「こんだけ引き摺られればね」
「恋をしたいの」
「うん」
「貴方と、恋をしたいの」
「だからさぁ」
「ええ」
「言ったよね」
「何を?」
「わたしにすれば良いんじゃない、って」
「だって、それも嘘なんでしょう」
「ふぅん?」
「私のこと馬鹿にして言ってるんでしょう」
「どうかな」
「もうやだ」
「泣くなよ」
「泣いてないわ」
「そうかい」
「泣いてるわよ!」
「どっちなのさ」
「慰めてくれたって良いと思うの!」
「ふぅん」
「……」
「カプチーノ」
「はぁ?」
「好きなの?」
「……好き」
「そうかい」
「……何よ」
「わたしは紅茶のが好きだな」
「知らないよ」
「そうかい」
「……」
「カプチーノ、作ろうか」
「何それ」
「好きなんでしょう」
「うん」
「恋みたいなんでしょう」
「うん」
「じゃあ飲もう。一緒に飲もう」
「意味わかんない」
「一緒に飲んで、恋をしよう」
「意味わかんない」
「泣くなよ」
「泣くし」
「好きだよ」
「嘘なんでしょ」
「嘘じゃないよ」
「嘘だよ」
「嘘だけどさぁ」
「もう知らない」
「……」
「……」
「好きだよ」
「……」
「嘘じゃないよ」
「……」
「カプチーノ作ろう」
「紅茶のが好きなんでしょ」
「うん。でも、紅茶より」
「……」
「こいしのが、好きだからさ」
「ばーか」
「そうかい」
「フランドールなんか、知らない」
「そうかい」
結局のところ、内容次第と言う事か……
素敵なこいフラでした!
フランちゃんが妙にカッコいい。こういうのもけっこういいかもしれない。
テンポがよく、小気味がいい。
ただ、タグを見ないと(あるいは見ても?)どれが誰の台詞か、解りにくいかもしれませんが。
でも、こういうやり取りは、大好きです。