一輪「あれほど雲山はコインランドリーじゃダメだって言ったじゃない!」
村紗「え、だって水で洗っておけば来年も使えるって思って。河童印の科学力だよ。きっと大丈夫だって、そう思ったの……」
一輪「ちゃんと手でもみ洗いしてねって言ったじゃない。大丈夫だって言うから任せたのに」
村紗「だってだって、ほらタグにはなんかドライマークみたいなのがついてるし」
一輪「それはドライクリーニングができますってマーク」
村紗「ドライクリリン? ずいぶん淡白そうだね」
一輪「ドライクリーニング」
村紗「ドライクリーニングって何よ」
一輪「水じゃなくて有機溶剤とかを使って洗うことよ」
村紗「なにそれ。有機溶剤って」
一輪「特殊な洗剤よ。つまりクリーニング屋さんに出したらちゃんと洗ってもらえますってマーク」
村紗「てか、雲山って手洗いは大丈夫なの?」
一輪「マーク見たんでしょ?」
村紗「う、うん」
一輪「見てないの?」
村紗「実は見てない。たぶん大丈夫っしょって思ったの。だって全自動なんだよ。河童の技術力は世界一ぃ!」
一輪「ないわ……そりゃないわ。あんた、まるきゅーでしょ」
村紗「まるきゅーちゃうねん。アホやねん」
一輪「何人よ……まったく。ほら、ここを見てよ」
村紗「雲山の裏側にはきっちりタグがあって、そこには……!」
一輪「手洗いできるってあるでしょ」
村紗「え、このコップの中に水が張ってあるみたいなマークが?」
一輪「常識でしょ」
村紗「常識など、外の世界に捨ててきたさ」
一輪「聖姐さんに嫌われる」
村紗「う」
一輪「聖姐さんもきっとそんな常識の無い子はいらないって言うわ」
村紗「そんなことないわよ。聖は優しいもの」
一輪「確かに姐さんは優しいけれど、仲間をないがしろにする人には厳しいわ」
村紗「うう。でも私に任せた一輪だって責任の一端はあるでしょ」
一輪「さすがに雲山をコインランドリーで洗うような非常識な子だとは思わなかったのよ。それにしたって万が一を考えて注意しておいたでしょうに」
村紗「でも……そんなマークがあるなんて知ってたら私だって気をつけたわよ」
一輪「なによ。反論するわけ」
村紗「謝ってるじゃない」
一輪「謝ってたかしら」
村紗「ごめんなさい」
一輪「もういいわ。はぁ、最悪だわ。雲山のもこもこに包まれて眠るのが私の最高の幸せだったのに」
村紗「雲山はもう元には戻らないの?」
一輪「お日様で乾かせばもしかしたら少しは元に戻るのかもしれない。でも、たぶん無理ね」
村紗「そんな……ッ! 私はぁッ! なんてことを!」
一輪「覆水盆にかえらず。ちぢんでしまった雲山は決して元にはもどらない」
村紗「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁl!」
雲山「ウンザーン」
村紗「なぐさめてくれるの……、ああ雲山、こんなにごわごわしちゃって」
雲山「ウンザーン」
村紗「ぐすぐす。ごめんなさい。ごめんなさい。私が馬鹿だったばっかりに。愚かな私をいくらでも南無三してくれてかまわないから」
一輪「村紗。人は過ちを犯すわ。でも、雲山はあなたを赦しているのよ」
村紗「う、うう、うわぁぁぁん。ごめんねぇ。雲山ごめんねぇ」
雲山「ウンザーン」
一輪「頬をだしなさい」
村紗「え?」
一輪「私は聖姐さんみたいには優しくできないかもしれないけど」
村紗「ああ、私を罰してくれるのね」
一輪「ええ、あなたの心の痛みを少しでも肉体の痛みに転嫁することができるのなら」
村紗「ああ、法の世界に光が満ちる……」
一輪「こたびの村紗の所業。まことに愚かで軽佻浮薄である!」
雲山「ナムサーン」
こ、これが噂のトランス? いや、まさか……
雲山どんなサイズなんだよwww
ナムサーン吹いたwww
くそっwwwwww腹筋がwwwwwwwww