「霊夢ってジェネリックだよな」
魔理沙の言ってることがよくわからない。
じぇね……りっく?
なんのことを言ってるのかしら。
「どういう意味?」
「あ、べつにわからないならいいんだ。言ってみただけだぜ」
「気になる物いいをするわね」
「ジェネリック知らないか?」
「知らないから聞いてるんじゃないの」
「そうか……じゃあ教えてやる」
「いいわよ。そこまでもったいつけるぐらいなら他の人に聞くわ」
「おいおいつれないなぁ。って行っちまったか……」
ぷりぷり怒りながら空を飛んでいると、ぱっくり空間が開いて紫が現れた。たぶん霊夢の様子を観察していたのだろう。
紫に聞いてみた。
「ジェネリック? 知らないの霊夢」
「うん。知らないの。だから教えて」
「ずいぶんと無知なのねぇ。博麗の巫女がそんなことでは困るわ」
「しかたないでしょ。外来語のことなんてほとんどわからないもの」
「流行遅れなのね」
「変に流行に流されないだけよ」
「でも、そんな霊夢も好きよ」
「んもう。教える気がないなら他の人に聞いちゃうんだから」
アリス。
「は? ジェネリック?」
「うん。私のことをジェネリックって言うのよ」
「ふうん。そう」
「アリスは意味わかるわよね」
「当然よ。私は都会派魔女だもの」
「じゃあ教えてよ」
「それよりも、紅茶でも飲んでいかない。あなたがこんなところまで来るなんて久しぶりじゃない?」
「んもう。アリスも私に意地悪するのね」
「いや、そういうわけじゃなくて……」
「わかった。他の人に聞くわ」
「あら。出てちゃったわ。せわしない子ねぇ」
早苗。
「ジェネリックですか?」
「そう……そんなことを言うのよ」
「ジェネリックって言えば、確か、後発的医薬品とかの意味で使われてましたね」
「お、さすが外から来た人は違うわね」
「しかし、意味がよくわかりませんね。永遠亭の方と何か関係があるのでしょうか」
「永遠亭の薬屋か。あいつに聞けばわかるのね」
「ちょ、待ってください。ああ、行ってしまった。まあ……いいですかね」
永琳。
「ジェネリック医薬品。そんなの絶対にダメよ。私たちの独占権が奪われてしまったら、姫様やウサギたちを飼うことができなくなるでしょ」
「あんたんとこの姫様はウサギと同列かい。ああもういいわ。埒があかない」
レミリア。
「クク。霊夢。あなたさすがね。外来のもんすたぁである私に話を聞きにくるなんてやるじゃない」
「で、知ってるの?」
「パチュリーならきっと……パチュリーならきっと答えてくれる!」
パチュリー。
「ジェネリック?」
「そう。魔理沙が言うんだけど」
「ジェネリックって、一般的って意味よ。つまり、あなたのことを凡人呼ばわりしたんじゃないかしら」
「魔理沙のやつ。私が知らないことをいいことにそんなことをいったのね。まったく帰ったらとっちめてやらないと」
「ついでに本を返すように言っておいてちょうだい」
ふたたび魔理沙。
「ジェネリックの意味がわかったわよ。よくも凡人呼ばわりしてくれたわね」
「は? 何言ってるのかわからないぜ。私はただ、霊夢って本当に誰のものにもならない雰囲気があるなぁって思っただけで」
「ん?」
「だから、ジェネリック」
「ジェネリック?」
「商標登録してない……っていうかさ」
「博麗の巫女じゃない」
「いや、霊夢は霊夢だろ。たぶんいざとなったら博麗の巫女であることすら棄てれるんじゃないかと思ってな。そんな霊夢がちょっと羨ましかったというか……」
「羨ましい。私が? 馬鹿ね。あんただって自由気ままな生活を送ってるじゃない」
「羨ましいのとはちょっと違うかな。その、なんていうか、いつかおまえの横に誰かが来るんだろうなって思っただけだぜ」
「ふうん」
霊夢はポスンと、縁側に座る。
「とりあえず、今はあんたの隣じゃないの」
「ま、そうだな」
そんなわけで、博麗霊夢はジェネリックなのであるが、今日だけは、@魔理沙だった。
一体全体、どんな思考回路してるんですか。
なんかもう、よく分からないままに笑かしていただきました。
凄く良いテンポで読みやすかったです。
霊夢は誰のものでもないってことかww
たまたま投稿した日に、プチがジェネリックに変化し……
まさに烏天狗のごとき速さでジェネラーが現れた……!!
しっと団に加わって妬もうにも相手の名前が分からない……
いやだ……飲まれる……飲まれてしまう……!!
新しい時代が来たぞー!
そして最後のやりとりに和んだ……ちくせう、最高じゃねぇか!