「ねぇ紫」
「なぁに霊夢?」
幻想郷の昼下がり。
境内を掃除する霊夢を、隙間から私は眺めていた。
霊夢の綺麗な髪の毛が、左へ右へとサラサラ流れている。
「恋ってしたことある?」
わぁお、なんて事聞くのかしらこの子は。
この前までおねしょをしていたのに、もう恋バナとか早すぎるわ!
「ねぇ紫~どうなのよ?」
「そうねぇ。貴女がもっと大人になったら教えてあげる」
「大人? ふむ……」
霊夢がなにやら唸ると、おもむろにスカートの中に手を入れ始めた。
なにやらごそごそと、顔をしかめながら探っている。
「何をしているの?」
「いや、てっとり早く大人になろうと思って。あ、痛っ」
「!? だめよだめよ絶対だめよ!」
いつもほんわかとつかみ所が無い子だと思っていたけど、まさかこれほどとは。
というよりも、誰だそんな知識を教えたのは。
……私か。
「じゃぁ早く教えなさいよ。いいじゃない減るもんじゃないし」
「何時に無く押してくるじゃない霊夢?」
「恋とか愛とかが気になる年頃なのよ。きっと」
「……あぁそういうこと。へ~ほ~ふ~ん♪」
思い出した。つい先日のこと、霊夢と魔理沙が弾幕して、魔理沙が勝ったのだ。
魔理沙が勝ったということは、霊夢は負けたわけで。
負けて打ちひしがれているところに魔理沙が
「これが本当の恋の力だ!!」
って顔を赤らめながら言っていたのを覚えている。
「むぅ……だって悔しいじゃない」
「それで恋を、ねぇ……クスクス」
「あによ変な笑い方をして」
「いいえ~。ただ霊夢ったら可愛いなとおぼふぉ!」
喉! いま喉に箒が刺さった! 絶対5cmはめりこんだわよ!?
「うっさい! 紫は恋をしたことあるのか無いのか、どっちなのよ!」
霊夢ってこんな破天荒な子だったっけ?
昔を思い出してみよう。……破天荒な子だったわ。
「けほ、けほ……私の天へと導く綺麗な声がなくなるところだったわ」
「1で気をつけ、2で構え。3、4がなくて5で発……」
「分かったわ、言うから二発目は許して!?」
「ッチ」
危ない。あと0.5秒遅かったら、今度こそ喉が潰れていた。
喉が潰れたら大好きなイチゴ大福が食べれないじゃない。
そんなことは天が許しても私が許さない。It's my sweet.
舌打ちが聞こえたけどきっと気のせいよね。
「さぁ洗いざらい話してもらいましょうか」
「私悪いことでもしたのかしら……その目やめて自信なくなるから」
「1で気をつけ、2で……」
「そうあれは私がまだ両手の指で年齢を数えられた頃……」
こわいれいむこわい。
……というわけで、私の恋愛話を話すことになりました。ま~る。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「彼の最後の言葉は今でも忘れないわ。たしか、そう……えっと……あべしだったかしら。ちにゃーだったかしら。あら?」
「次」
「え?」
「そんだけ生きてて、一回しか恋したことないの?」
「霊夢、目が据わってるわよ。ほらこのお茶でも飲んで一息つきましょう?」
「次」
「えっとね」
「次」
「……はい」
れいむこわいれいむ。
このままだと私の恥ずかしい想いまでぶちまけてしまいそうだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ぶちまけちゃった。てへ♪
「ぷ……くく。待ち合わせ場所に遅れて、さらにピンクのフリフリドレスで走って目の前でこけた? あははははは!」
「だから嫌だったのよ。うぅ恥ずかしいわ……」
今までずっとひたすらに隠していた秘密を話してしまった。
さようなら、威厳とかカリスマとか淑女とか、その他色々大切なモノ。
「あー笑った笑った。で?」
「で、ってもう無いわ。それからずっと恋してないもの。怖くて」
「ん? 最後の言葉小さくて聞き取れなかったからもう一回」
余りに恥ずかしくて、尻すぼみになったのがいけなかったのか、しつこく聞いていくる。
今日は厄日だったかしら。ちゃんとあの神に仕事させないといけないわ。にとりを生贄に……
「さって、紫が実は可愛いということが分かったところで」
「か、かわ!?」
「その後の事を教えてもらいましょうか」
「その後の事? 泣いて帰った後もう二度と彼の前には行かなかったわ。気が付いたら(ピー)年経っていたもの」
「いじけないの。いい大人がみっともない……で、恋の果てにある行為を始めてしたのは?」
え、なに良く聞こえなかった。
この子はナニヲイッテイルノカシラ?
「地球に果ては無いのよ? だって球体だもの」
「チキュウとか、いきなり卑猥だわー。紫のすけべ」
「それは恥○! 地球と○丘じゃ全然違うわよ!」
イジメかしら。イジメなの?
羞恥心とか屈辱とかもうなんかどうでもよくなってきたわ。
えーえーどうせ私は。
「似たようなものじゃない。そんなことより、あんたの初めての時どんな感じだったのか教えなさい」
「まだ……」
「はい?」
「まだ乙女なゆかりんです♪」
ヤケだった。キスもしたこと無いわよ。悪い? 悪いかしら?
むしろ貴女で散らしてあげましょうか。
「ふ~ん……じゃぁ私と……してみる?」
「え?」
いま私はどんな顔をしているだろう。
ひょっとこみたいな、まぬけ顔に違いない。
まさに100年の恋も冷めるって顔。
「ねぇ紫……」
「近い、かなり近いわ霊夢。このままでは顔と顔がこんにちはってなるわよ?」
「こら逃げるな、それに、こんにちはするのよ」
「ねぇ霊夢せめてもっとムードってモノがあってね。こんな昼間の境内では……って藍お尻押さないで! あたるくっついちゃう、私のファーストキスがぁぁぁぁ!!」
隙間の中では、藍が朗らかな笑顔で親指を立てていた。
隙間の外でも、霊夢が目を瞑りながら親指を立てていた。
その時私は理解した。
もう味方なんてどこにも居ないと。
・・・・・・
「キスってイチゴ大福の味がするのね。ごちそうさま」
「私のキス……始めてはもっとロマンチックな事をずっと妄想してたのに。グス……」
「じゃぁキスついでに、恋の行き着くところまで行きましょうか」
「はい? だめよ霊夢だめだめよ。だから近いって言ってるじゃないの、さらにお尻を押さないで藍! 橙も手伝わないの!」
「心の準備はいいかしら?」
「よくないわ。全然準備してないわ。だから服脱がすのはやめてーーー!!」
「ん……捕まえた♪ さぁ一緒に恋の果てに行こうね、紫♪」
「私達結婚しました」
藍様とちぇんもきっと気にしてたんだなw
だが無理やり出した(らしい)このssも素晴らしい!w
魔理沙に負けたことは関係なかったですねわかります!
霊夢の押しの強さがぱねえwゆかりんの方が乙女でコーヒー吹いたw
結婚おめでとうございました!ww
内容はというと、虫歯になっちまいそうだった
だが、それで良い!
親(?)想いのいい娘たちです。ところで乱射魔、ゆかりんのお尻は柔らかかったのかどうかを教えガガガガガ
>たまには休憩!
書けるようになったらまた戻ってくるよ!
整体師もドタバタコメディにしたいもん!
あと続きを書きたいものもしばしばあるし、ゆっくりがんばるねありがとう!
>文章がなんだか急いでいる印象を受けました。
本当はゆかりんがどんどん乙女になっていく様子を、ゆっくりと書きたかったのだけれど……修行してがんばります!
>どうしてこうなった。
祝福される愛って、すばらしいよね?
最後霊夢が服を脱がした理由は、ウェディングドレスを着させるためダヨ?
他意はナイヨ? ヨ?
>御祝儀いくらがいい?
霊「お財布まるごと♪」