「総領娘様、起きてください」
ん……もう朝か……
私は天人の比那名居天子、まぁなりたくて天人になったわけじゃないけど。
天人の生活は退屈だ、飲んで歌って踊って……毎日そんなことばかりしている。
だからついこの間地上の神社に緋想の剣を使って局地的な大地震を起こし、幻想郷中の気質を集めて天気をめちゃくちゃにする異変を起こしてやった。
そしたら巫女やら魔法使いやらメイドやらがこの有頂天に押し寄せて弾幕ごっこで戦った、こっちは手加減してあげたけどなかなか楽しかったわね。
ちなみに私を起こしているのは龍宮の使いの永江衣玖、すごく真面目だけど可愛いところもあって私は好きだ。
……ってなんでこんなこと言ってるのよ私は!
まぁいいわ……今日は何をしようかしら、また緋想の剣持って地上に遊びにでも行こうかしらね。
えーっと緋想の剣はどこにしまってあったっけな?……あれ?
「ねぇねぇ衣玖」
「どうしたのですか総領娘様?」
「私の緋想の剣どこにあるか知らない?」
「あれですか、あれなら異変を起こした罰としてしばらくは私が預かってます、ちなみに緋想の剣は総領娘様のものではなく天界のものです」
「まぁまぁ細かいことはいいじゃない……って衣玖がもってるの!?返しなさいよ!」
あれが無かったらいろんなところにいたずらできないじゃないの!
なんとしても返してもらわないと!
「ダメです」
「いいじゃない返しなさいよ!」
「ダメって言ったらダメなんです」
「暇なのよー」
「そういうと思いました、暇じゃなければいいのですよね?」
「え?まぁ……うん」
「では総領娘様、地上の紅魔館は知っていますか?」
紅魔館?あのメイドとかもやし魔法使いが住んでるところだっけ?
確か吸血鬼の館らしいわね。
「えぇ知ってるわよ」
「じゃあそこでしばらく働いてきてください、そうすれば緋想の剣も返してあげます」
「はぁ!?」
は、働く?この天人の私が?しかも紅魔館で働くって事はメイドって事!?冗談じゃないわ!
でもあそこには吸血鬼も居るのよね、面白そうかも♪
「しょうがないわね、暇つぶしにはちょうどいいからやるわよ」
「もう紅魔館とは話がついてますので早速向かってください」
なんか妙に準備がいいわね……まぁかまわないけど。
でも特に準備するものも無いわね……足りなかったら戻ってくればいいしまずは行こうかしら
「ん……じゃあ行ってくるわ」
「分かりました、ではお気を付けて」
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もう少しね……それにしてもこの湖寒いわねぇ。
「そこにいるのは誰だー!」
「ちょ、ちょっとやめなよチルノちゃん迷惑だよ!」
「大丈夫大丈夫最強のあたいに任せな♪」
「いやそうじゃなくって……はぁ」
ん?妖精?なんか一段と寒くなったわね、あれが寒さの原因かしら?
「ちょっとそこの妖精さん?何の用?」
「ここを通りたかったらあたいと勝負して勝ってからにしな!」
「ふん、妖精が天人の私に勝てると思って?まぁ手加減してあげるからいつでも来なさい?」
「妖精だからって舐めるなよー!いくぞー!」
「霜符【フロストコラムス】!!」
おぉっとなかなかいい弾幕ね、密度も結構濃いわ。
「おっとなかなかやるじゃない、でもこんな弾には当たらないわよ!」
まぁこんな弾幕に被弾するほど弱くないけどね!
「むむ……やるわね!じゃあこれならどう!?」
「氷符【アイシクルフォール~easy~】!!」
チルノが左右に撃った弾が斜め2方向から来る弾幕か……あれ?左右に撃ってるって事は正面弾来ないんじゃ?……思った通りね♪
「これで終わりよ!」(といっても緋想の剣無しじゃ出来る技も少ないわね)
「要石【天地開闢プレス】!」
私はチルノを頭突きで空に舞い上がらせ、そこに巨大な要石で……どーん♪
あーこれ気持ちいいわぁ♪思わずロード(P--)って叫びたくなるわね。
「ぐぇ!」
「ち、チルノちゃん!ごめんなさいもう許してあげてください悪い子じゃないんです!」
「ふ、甘いわね……ってあなた心配しすぎ!大丈夫よ、もう何もしないって」
「あ、あんた名前は……?」
「天子、比那名居天子よ、覚えておきなさい、チルノ……っとそうだ紅魔館に行くんだった、じゃあね2人とも」
「また遊ぼうね!」
「はいはい、また遊びたくなったら紅魔館に来なさい」
「はーい」
さて、準備運動?も済んだことだしさっさと紅魔館に行きましょうかね。
ここら辺寒いし。
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「こんにちは、あなたが天子さんですね?」
いかにもチャイニーズって感じの娘が話しかけてきた、門番かしら?
私のことは聞いているみたいね。
「えぇそうよ、今日からお世話になるわ、よろしくね」
「はい!こちらこそよろしくお願いします! 私の名前は紅めいr「天子様、お待ちしておりました」ちょ、咲夜さん空気読んでくださいよ!」
「あ、メイドだ、いいよ天子で」
「じゃあ天子、よく来たわね、早速お嬢様の元へ案内するわ」
さすが出来た子ね、順応が早いわね。
あーやっぱり中はあったかくていいわねー生き返るわー♪
っと着いたわね、がんばれ私!第一印象は大事よ!
「お嬢様、例の天人をお連れしました」
「お、入っていいよ」
「失礼します、私がこれからお世話になる比那名居天子です、どうぞよろしくお願いします」
よし!完璧!これで印象◎間違い無しね!
「天子、そんなに硬くならなくていいわよ、でも失礼の無いように……ね」
「分かったわよ、たまには決めさせてくれてもいいじゃない」
「あっはっは!面白いやつだね天人!気に入ったよ!」
「それはそれはありがとうございます、よろしくですわ」
「お嬢様もそんなカリスマぶらないでいつも通りでいいですよ」
「咲夜、分かってないわねぇ第一印象の大切さを」
「そうだそうだー」
「す、すみません、では天子には明日から働いてもらうとして、今日は明日に備えてもう休みなさい」
お、この吸血鬼意気が合うわね、これは明日からが楽しみだわ!
確かに今日はチルノと遊んで疲れたし休もうかしら。
「そうね……今日は休ませてもらうわ」
「明日から仕事がんばるんだぞー」
「分かりましたお嬢様♪」
「じゃあ部屋に案内するわね、こっちよ」
へぇ~なかなか広いわねぇ~私の家といい勝負ね♪
でも壁とか真っ赤なのは目にはよろしくないわね。
「着いたわ、今日からここがあなたの部屋よ」
ベッド、机、クローゼット……必要最低限のものを集めたようなシンプルな部屋ねぇ、悪くないかも。
「仕事の説明、館の案内は明日にするわ」
「ありがとう咲夜、じゃあまた明日」
「えぇ、おやすみなさい、それと明日からはメイド長と呼ぶのよ」
「分かったわメイド長♪」
ふぅ、明日もあるし休もうかしら……お、このベッドふかふか~♪
あのお嬢様は結構気が合いそうで安心したわ、咲夜も門番もいいやつだし何とかなりそうね。
あの魔法使いは……まぁ常識のあるやつだろうし大丈夫かな……問題は……あの悪魔の妹ね。
実際にあったことは無いけどあのお嬢様がずっと監禁してたらしいし、まぁ強いやつもここには多いから何とかなるか!
「ふぁ~ぁ」
おっと、あくびが出ちゃったわ、疲れてるのかしら。
まぁ何はともあれ緋想の剣返してもらうためにがんばるわよ~!
続編楽しみにしています。
誤字報告を。
>これからお世話になる比那名意天子
その題名いただきます!ありがとうございます!
楽しみって言ってもらえるなんて・・カンゲキ!
>>二番様
誤字報告ありがとうございます!
面白く書けるようにがんばりますのでよろしくです!
続きがどうなるか楽しみです。
続きも期待してます。