その魅力的なシュワシュワは、少しの間私を虜にした。
たまにはこういうのもいいだろう。
「すぅー……うん。ほんのり、甘い香りだ。」
「どうやら香料が入っているようだね。何の香りだろう。」
「芳しきは果物だって相場は決まってるんだよ、香霖。」
口で弾けて、喉に強烈。
鼻腔に漏れる、甘い薫風。
「どうして?」
「ケミカルならこうはならない。」
「消極的でよろしい。」
甘いけど、痛い。
痛いのに、欲しがって、痛がって。
「だろ?」
「そうだね。」
「こぷっ。んぁーーーーーーー」
「?」
ごっくん
「~~~~~ 喉がっ!」
「…何をして?」
「うがいの真似。」
痛みも過ぎればただの水。
じゃあコノ痛みは、過ぎてどうなる?
「君はうがいの水を飲む人なのか。」
「ばか!!!」
次はあいつにたらふく飲ませてやる。
飲ませて、いっぱい痛がらせてやるんだ。
喉を過ぎても痛いくらいにさ。
「やれやれ、良くわからないな…」
ビンの底、一口だけ残った炭酸水。
少しだけだと甘く見たのがマズかった。
うーむ。深いな。気のせいか。
口に含んだ瞬間アゴと頭を掴んでシェイクしてやるんだ。