Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

言の葉の誓い 前編

2010/04/10 17:11:28
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この作品はニコニコ動画の、東方伽羅崩壊7の嘘予告が気になって作ってしまったものです。
気に入らないと思った方はすぐにお戻りください。よろしければどうぞ。




天界、比那名居家 天子の部屋

「……退屈」

部屋の真ん中で寝転んでいた天子はただ一言呟いた。

天子などは例外であるが基本的に天人は欲を捨てた者がなるもの。
欲を捨てた者に元のように欲が戻るわけがない。
故に些細な日常で彼らは満足する。
そしてそこは永遠と言っていいほど変化の無い世界となる。
前に黒白が言っていた。
『ルールの無い世界では弾幕はナンセンスである』
まさにその通りだと思う。だから私は退屈なのだ。
前に異変を起こした事があったが結局一時的な暇つぶしにしかならなかった。
天子は世界などもうどうでも良かった。

「…地上に行こうかな」

地上

地上に降りたが結局退屈だった。
仕方無いので人里へ行き適当に店を見た後宛ても無くふらふらする事にした。

「はぁ…、疲れた」

気付けば周りは湖で暗くなりかけていた。

「こんなとこまで来たんだ」

天子は座るのによさそうな岩を見つけるとその上に座った。

「楽しそうだったな」

人里で遊んでいた子供や森で見た妖精たちが仲良く遊んでいるのを見ると心が痛んだ。
親子で仲良く一緒に帰るとこを見ると悲しくて涙が出そうになった。
そして、羨ましいと思った。
そして、もう…我慢できそうに無かった。

「ふぐっ、えぐっ、ううっ、くっ、うわあああああああああああああん!!」

泣いた、哭いた、ただひたすらに泣いた。
涙を拭おうともせずただただ哭いた。
何を恨めばいいのか、何を憎めばいいのか。
しかし天子は優しすぎた。
不良天人と呼ばれていてもその心は少女のまま。
これまでの仕打ちに溜め続けたものが爆発した。


「あんた…、何で泣いてるの?」


天子が顔を上げるとそこには、背中に青い六花の様な羽を持ち同じく青いワンピースの様な服を着た少女、氷の妖精、チルノが立っていた。

「何か悲しい事があったの?」

「貴方は…ぐすっ、誰?」

「あたいはチルノ、あんたは?」

「天子…、比那名居…天子」

「そっか、天子って言うのかー、それでどうしたの?」

なんかワ●ワ●みたいのが通り過ぎた気がするけどそれはまあいいや。

「何でも無い、ただ悲しくなっただけ」

ふーん、と考えるような素振りを見せると天子に向かって楽しげな表情で言った。

「それじゃあさ、明日にもう一度ここに来てくれない?」

「え、ええ、いいけど、何するの?」

「ふふふ、それは明日になってからのお楽しみ!じゃあね天子!!」

「え、ええ、さようなら」

そうしてチルノは嬉しそうに何処かに飛んで行ってしまった。

「…帰ろう」

チルノが見えなくなって少ししてから天子は有頂天に向かってゆっくり歩いて行った。
日はとっくに沈んでいた。

天界、比那名居家 

天子は屋敷に到着するとまずは風呂に入る事にした。
近くに居た使いに自分の着替えを持ってくるように言ってから天子は程よく温められているだろう湯船にゆっくりと浸かった。

(あの子一体何だったんだろう)

天子は体の汚れを落としても心はすっきりしなかった。
容姿などから判断するに氷精なのだろう。でも、

(少ししか話さなかったけど…)

再び湯船に浸かり自分の肩を抱きポツリと呟いた。

「とても…暖かった」

(氷が暖かいってのは少しおかしいのにね)

クスッ、と笑うと天子は風呂から上がる事にした。
着替えを終え部屋に戻ると使いがひいただろう布団に潜り込み早く寝ることにした。

(まあ、明日行けば分かるよね。明日が楽しみだな)

その気持ちは最近になって初めて覚えた暖かい気持ちだった。

「友達に…なれるかな?」

(おやすみなさい…)

結局眠りについたのはそれから一時間経ってからだった。


次の日、霧の湖


「さすがに早過ぎたかな…」

結局、朝早くに眼が覚めてから二度寝出来無かった天子はチルノが来てないだろうと思っていてもついつい来てしまったのだ。

「まったく、焦り過ぎよね私。何してるのかしら、ってあれは?」

「あ、天子だ!!おはよー」

「おはよー、ってそうじゃなくてチルノいつからここに居るの?今辰の刻になったばかりよ?」

そう今は辰の刻になったばかり(午前七時ぐらい)。天子が言うのは何だが、いくらなんでも早すぎる。

「ん?朝日が昇る前から待ってたけど?」

「え、ちょ、何でそんな時間に?」

「何となくだけど…。あと、天子と早く遊びたかったからかな」

「ん?遊ぶ?私と?」

「?そうだよ?」

昨日言ってたのって私と遊ぶって事だったらしい。

「それで何して遊ぶ?」

「うーん、天子はスペルカード戦って出来る?」

「え?あ、うん、出来るわよ」

妖精でもスペルカードを持っているというのは可笑しくはないが珍しい。多分チルノは妖精の中で
も強い方に入るのだろう。

「良し!それじゃやろーー!!」

「良し!どっからでも来なさい!!」


   凍符「パーフェクトフリーズ」


次の瞬間チルノの周りに猛吹雪が発生し天子に向かって放射した。

「!?やば!!」


   乾坤「荒々しくも母なる大地よ」


天子は腰に挿していた非想の剣を抜くとスペルを宣言し地面に突き刺した。
すると大地に存在する土や岩を利用した太い柱が地面から何本も天を貫くかの様に発生し天子を守った。

(危なかった、妖精だからって油断してた。次は本気で行く!!)

そうして自分の下にもう一本大地の柱を発生させ空に向かって大ジャンプした。

「天子ってすごいな!!喰らえ!!」


   氷符「アイシクルフォール~Easy~」


(ってあれ?真ん中空いてる?)

天子は落下と飛行のスピードを合わせて高速移動、弾幕の空白に入ると急制動。そのままチルノに向かってスペルを発動した。


   「全人類の緋想天」


ぎゃーーーーーっ!!。


数分後


「あたた、天子って強いね」

「そんなことないって、あの吹雪とか危なかったしさ。もう少し技の使い方を覚えたら強くなると思う」

「ホント!?じゃあ天子!今度一緒に練習しよ!!」

―――今度一緒に…

「うん、分かった」

ぐ~

「「お腹すいた~~」」

「「真似しないでよ~」」

「「ぷっ、くすくす」」

あはは、ははっ、あははははははは

霧の湖に二人分の笑い声が響いた。
そしてそれから夕方になるまで二人でかくれんぼしたりして遊んだ。

遊び疲れて二人で横になっているとチルノが話しかけてきた。

「少しはスッキリしたんじゃない?」

「え?何が?」

「心とかさ、辛かったんでしょ?」

「…うん」

しばし、二人は遠い場所を見る眼差しをしていた。
天子は自分がなぜ泣いていたかを説明した。そしてチルノに聞きたい事があった。

「何で私を遊びに誘ってくれたの?」

「んー、何て言うか、ちょうど私も天子みたいな時があったんだよ。そんで天子を見た時そんな感じがしたから。今、私は大ちゃんとか友達が何人か居るから大丈夫だけど…、辛いよね」

「うん、でも私には友達なんて…」

「何言ってるの?」

チルノは天子の顔を見て言った。

「もう私たち友達でしょ?」

「ホント…?それじゃあまた来ていいの?」

「うん、また明日にでも来てよ」

「うん分かった。また…明日ね!!」

そうして二人は約束をして別れた。

それから二人は毎日遊ぶようになり天子は良く笑う様になった。
特に衣玖には「顔がにやけてますよ」と言われる始末。
でも、天子は気にしなかった。
だって今胸を張って言えるから。
幸せだ、と。

しかし、幸せは続かない。
それは世界が波で出来ているからである。
求めるなら掴み取らなくてはいけない。
これから襲い来る恐怖に、
天子は勝てるのだろうか。
それは誰にも分からない。
ただ、それは二人でなら超えられるのかもしれない。
中々に辛いです。
後編書かないと。
ああ、眠すぎる。
こんな感じです。
華彩神護ofぷにふに戦車:ころねーす
コメント



1.奇声を発する程度の能力削除
やばい!!!後編が気になって夜眠れなくなりそう…
凄い楽しみにしてます!!睡魔に負けずに頑張ってくださいw