さぁやって参りました第一回幻想郷天下一武道会、僭越ながら実況をお送りするのは私、射命丸文です!
優勝すればどんな願いも叶えられるとあって、幻想郷の雑魚から実力者までたくさんの参加者がエントリーしています。
私自身参加したい衝動を抑えてこの実況席に座っておりますが、私は目の前にどんなニンジンがぶら下げられようと仕事一筋!をモットーにしております!
そんな私が出版している文々。新聞もよろしくお願いしますね。
・・・っと、話がそれてしまいましたが、大会ルールの説明に移らせていただきます。
本大会はトーナメント形式にて行われ、試合は一対一の一本勝負です。
勝敗は、片方が負けを認める・戦闘不能になる・30m四方のリングの外に体の一部が接触する、にて決着となります。
一部の選手は天候で無力になったり、満月で強力になったりと、大会を外で行うと何かと不平等が起こるため、会場は窓のない室内に設定されています。
照明はばっちりついていますので、鳥目のあなたもこれで安心!
「だから私は鳥目じゃないって言ってるでしょ!」
霊夢選手、説明中なので静かにして下さい。
審判はもちろん、白黒はっきりさせる程度の能力を持ったこのお方、四季映姫様です!
「何で私がこんなことを・・・負けた方にはたっぷりお説教ですからね」
おやおや、敗者にはめんどくさい罰ゲームも下る模様です。これは負けられません!
******************************
ではそろそろ参りましょう、一回戦の第一試合!いきなり名勝負が期待できます、八意永琳選手VS伊吹萃香選手!
双方優勝候補とも言える幻想郷の実力者、特に永琳選手は日頃実力を抑えているとの事です。この試合で全力の永琳選手を見ることができるのか!
「ねぇアンタ、滅多に人前で本気を出さないんだって?見てみたいねぇ、アンタの本気ってやつ」
「そうね、じゃあまず私に一、二発でも攻撃を当ててみなさいな。そしたら少しだけ見せてあげるわ」
両者とも余裕を見せたコメントながら、何となく肝の据わった声色です。
両者にらみ合ったまま試合開始です!
「攻撃を当てればいいんだね?」
萃香選手が分身を作り出しました、これはおなじみ妖鬼の疎だ!小さな分身達が次々と永琳選手に向かっていきます!
しかし・・・今回は見慣れてるやつよりも数が多くありませんか?
あれ、多いぞこれは多い!いつもより余計に分身しております!そしてまだ萃香選手は分身を作り続けている!
「数で勝負?あなたって思っていたよりもぬるい頭なのね。少し拍子抜けだわ」
永琳選手は弓で応戦!何という速さと正確さでしょう、萃香選手の分身が次々と射落とされている!
「まだまだ、本番はこれからだね」
おっと萃香選手、分身量産を止めて酒を口に含んで・・・霧を吹いた!会場が霧に覆われていきます!
単に視界が遮られるだけでなく、たくさんの分身のたくさんの影が霧に映ってよりたくさんに見えます!これは視認後に射落とす難易度アップだ!
「少しはやりにくいけど・・・これで私のミスを誘発するつもりだなんて、笑わせるわね」
永琳選手、表情一つ変えずに分身を射落とし続けています、すごい集中力だ!
・・・と、あれ?永琳選手の弓裁きに目を取られている間に萃香選手はどこへ行ったのでしょうか?
霧で見えにくいとは言え、リング上には永琳選手の影しか見あたりません!
「つっかまーえた」
「えっ?」
ああっ!萃香選手、いつの間にか自らも霧に変化して永琳選手の背後に回り込んでいた!今までの分身と霧はこのためのフェイクだったのか!
そして永琳選手をがっちり掴んだ!この構えは萃香選手のとっておき、スペルカード、鬼符「大江山悉皆殺し」!
「初めからアンタの本気を拝む気なんてサラサラないね。また今度遊んでおくれ。今は賞品第一、私は身がとろけるようなお酒を浴びる程もらうんだ!」
萃香選手、最初の掛け合いすら駆け引きの道具だったのか、永琳選手の本気を封じたまま大技で試合を終える作戦だ!
萃香選手の馬鹿力が永琳選手を床に叩きつける!
一回・・・二回・・・そして萃香選手大きく飛び上がった!あの三回目が痛いんですよねぇ・・・。永琳選手、万事休す!
「お見事、私に攻撃を当てたわね。じゃあ約束通り、少しだけ見せてあげましょうか」
「!?」
「天と地は、真逆のようでいてその実は表裏一体。ほんの一工夫で簡単に逆転してしまうのよ。穢れた大地しか知らないあなたには思いもつかないでしょうけどね」
これは!?飛び上がった空中で永琳選手、難なく身をひるがえした!上下逆転!
これでは馬鹿力たっぷりで床に叩きつけられるのは萃香選手の方だー・・・決まったあぁ!!
萃香選手、自らの馬鹿力を自らの身に叩きつけられてダウン!
・・・ちょっとだけいい気味です!
「ぐるぐる~」
「この私を罠にかけたことは誉めてあげるわ。でも詰めが甘かったわね」
「伊吹萃香、戦闘不能と見なし敗北!何でも力任せに振り回す態度は後でお説教です」
審判から決着宣言、記念すべき一回戦第一試合の勝者は八意永琳選手に決定です!!
******************************
一回戦第二試合は何と因縁めいたカードでしょう、蓬莱山輝夜選手VS藤原妹紅選手!
これは試合というより二人の私闘の様相を呈しています。
試合開始前だというのに両者から伝わってくるこの殺気と憎悪!
「私の願いはアンタが死ぬことよ!」
「私の願いだってアンタが死ぬことよ!」
これは両者、優勝した時の願いが同じな様です。これが世に言う「喧嘩するほど仲がいい」というやつでしょうか。
「やかましい!」
おおこわ。とか何とか言ってる間に試合開始です!
・・・と、これは・・・ただのとっくみ合いの喧嘩です。両者感情を剥き出しにした子供の様で、まるで実況に値しませんね・・・。
もうしばらく様子を見てみましょうか。少しは派手になるかも知れません。
「何だいそりゃ。お前さんにゃプロ根性なり仕事への情熱みたいなのは無いもんかねぇ」
え、無いですよ。私の本業は新聞記者です。というかあなたにだけは言われたくありませんっ!
ムニャムニャ・・・ふぁ~・・・あれ?すみません、いつの間にか寝てしまっていた様です。
えー、試合の方は・・・あれ、両者リング上で仲良く寝ていますね。
審判さん、勝負はどうだったんですか?
「両者互角のまま疲れてしまって戦闘不能ですが、一応藤原妹紅の方が先に倒れましたので、蓬莱山輝夜の勝利です。それより仕事中に寝るだなんて、今回はあなたがお説教です」
ひえぇ、とんでもない事になってしまいました。でも大会終了後にして下さいね。
というわけで一回戦第二試合の勝者は蓬莱山輝夜選手に決定!同時に八意永琳選手と二回戦での対戦が決まりました!これはまた今から楽しみな対戦です!
******************************
一回戦第三試合は橙選手VSチルノ選手です・・・って、小粒の争いですね・・・。
まずこの二人は優勝するつもりでエントリーしているんでしょうか、ちょっと聞いてみましょう。
もしもしお二方、優勝したらどんな願いをするんですか?
「にぼしたくさん!」
「あたい以外の奴を全員バカにしてほしい!」
・・・これは!!バカです、両方ともバカです!!知性の欠片も感じられません!
特にまかり間違ってもチルノ選手の優勝だけはあってはなりません!
というかなぜ自分の頭を良くしてほしいという発想にならないのか!
あまり興味が沸きませんが一応試合開始です!
「スペルカード、鬼神『飛翔毘沙門天』!」
「スペルカード、霜符『フロストコラムス』!」
お、両者バカだけに作戦も出し惜しみも様子見も牽制もありません、のっけから何と遠慮のない大技の出し合い!
これはこれで見応えがあります!
弾幕をばらまきながら走り回る橙選手に対し、リング上を霜で埋め尽くすチルノ選手!
・・・ありゃ?橙選手、せっかくスペルカードを発動したのに立ち止まっています。
あ~あ、その場にうずくまってしまいました。
「何かもうどっちでもいいや・・・にぼしなら藍様にもらえばいいし」
これは寒さによる戦意喪失のようです。橙選手、降参ということですか?
「は~い」
「橙、戦闘放棄により敗北!その気まぐれさは後でお説教です!」
まぁ最初から期待はしていませんでしたが、こんなもんでしょう。
猫は炬燵で丸くなると昔から言いますからねぇ。
「そんな迷信を信じちゃ駄目!」
そのセリフも今となっては何の説得力もありませんが・・・。
とりあえず一回戦第三試合はチルノ選手の勝利です!
******************************
さて一回戦第四試合は風見幽香選手VS西行寺幽々子選手、これは美しい戦いが期待できそうです。
私も実況を務める片手間でシャッターチャンスを狙うことにします!
何を隠そうこの私、試合の写真をより近くで撮影するためにこの実況の仕事を引き受けたようなものなので。
「花で戦うなんて素敵ね。楽しめそうだわ」
「随分と余裕みたいね。あなたは桜の花に裏切られた事はあるのかしら?」
試合前だというのにお互いの表情から微笑が消えませんが、何かこう、背中にぞくっと走るものがあります。
さぁ試合開始です!
おおおお、試合開始の合図と共に幽香選手からは数え切れない程の桜の花びらが、幽々子選手からは桜色のオーラが放たれています、これは美しい!
まずは記念に一枚・・・よし、いい画です。
「色々花はあるけど、あなたの為に桜を選んであげたわ。自らの象徴に翻弄されて惨めな敗北を味わいなさい」
幽香選手、幽々子選手への当てつけとして桜の弾幕を放っているようです。
・・・あまり性格が良くないのでは・・・。
ともあれ薄紅色の美しき弾幕が幽々子選手を襲います!
「桜はやっぱり綺麗ねぇ。でもあまりにも儚いわ。春のそよ風に吹かれて、ひらひらと舞い散ってしまう」
幽香選手の放つ桜を、幽々子選手は自らの放つオーラでまき散らしているようです!
「そよ風」と言っていますが結界で守られているはずの実況席にいても感じられる程の凄まじい霊気の風です!
これでは幽香選手がいくら桜を放とうとも幽々子選手に届きません、どう出る幽香選手!
・・・おや?幽香選手、攻撃を止めてしまいました。諦めたか?
「あら、もう終わりかしら?まだ見足りないのだけれど」
「あらそう?それなら少し、足下に散った花びらにも目を向けてみたらどうかしら」
ああっと!!リング上に積もった桜の花びらが一斉に幽々子選手を包み込んだ!まるで一つの大きな桜のつぼみです!
一瞬の出来事に幽々子選手、なすすべもなく取り込まれてしまった!
桜の花は弾幕ではなく、相手を封じ込める桜花結界のための材料だったのか!
これでは戦闘続行不可能です!!なんというあっけない幕切れでしょう!
「あなたの敗因は花の力を甘く見たことね。花は美しいだけではないのよ。人を魅了する事も、毒す事も、そして殺す事もできるわ。かつて誰かさんが体験したようにね」
「西行寺幽々子、戦闘不能と見なし・・・」
え、ちょっと待って下さい!幽々子選手のつぼみが徐々に開いています!
これは幽々子選手が自力で開いているのでしょうか!?
「・・・何これ、花が言う事を聞かない!?閉じなさい・・・閉じなさいってば!」
完全に咲いた!幽々子選手、文字通りの見事な返り咲きです!!
「ただいま。うふふ、親指姫になった気分だわ」
「そんな・・・どうして・・・」
「あなたが知らないはずは無いのだけれど。一応釈迦に説法をしてあげるわね。桜の花は罪の象徴。そして最も霊の宿りやすい花なのよ。わざと幽霊を宿らせて、幽霊を通して操れば、私の言う事でも素直に聞いてくれるわ」
幽々子選手、どうやら桜の花に幽霊を取り憑かせ、幽霊経由で桜の花を操ったようです!器用と言えば器用な技、これで形勢逆転だ!!
おや、ですが幽香選手は妙に落ち着き払っています、まだ何か策があるのでしょうか!
「そう・・・まさか私が花に裏切られるなんてね」
「他の花にしておけば良かったのにね。さぁ、今度はこちらの番よ」
「いえ、もう降参よ。花を敵に回したら、私にできる事なんてないもの。敗因は花を使うことばかりに囚われて、花の性質を置き去りにしたこと・・・いえ、私自身が花の力を甘く見たことね」
おっとここで幽香選手が負けを認めました!
西行寺幽々子選手、花を操るフラワーマスターから花の主導権を奪い取って一回戦第四試合勝利です!
これで二回戦、チルノ選手との対戦が決定しました!
そこ!消化試合とか言わない!
******************************
続く?
優勝すればどんな願いも叶えられるとあって、幻想郷の雑魚から実力者までたくさんの参加者がエントリーしています。
私自身参加したい衝動を抑えてこの実況席に座っておりますが、私は目の前にどんなニンジンがぶら下げられようと仕事一筋!をモットーにしております!
そんな私が出版している文々。新聞もよろしくお願いしますね。
・・・っと、話がそれてしまいましたが、大会ルールの説明に移らせていただきます。
本大会はトーナメント形式にて行われ、試合は一対一の一本勝負です。
勝敗は、片方が負けを認める・戦闘不能になる・30m四方のリングの外に体の一部が接触する、にて決着となります。
一部の選手は天候で無力になったり、満月で強力になったりと、大会を外で行うと何かと不平等が起こるため、会場は窓のない室内に設定されています。
照明はばっちりついていますので、鳥目のあなたもこれで安心!
「だから私は鳥目じゃないって言ってるでしょ!」
霊夢選手、説明中なので静かにして下さい。
審判はもちろん、白黒はっきりさせる程度の能力を持ったこのお方、四季映姫様です!
「何で私がこんなことを・・・負けた方にはたっぷりお説教ですからね」
おやおや、敗者にはめんどくさい罰ゲームも下る模様です。これは負けられません!
******************************
ではそろそろ参りましょう、一回戦の第一試合!いきなり名勝負が期待できます、八意永琳選手VS伊吹萃香選手!
双方優勝候補とも言える幻想郷の実力者、特に永琳選手は日頃実力を抑えているとの事です。この試合で全力の永琳選手を見ることができるのか!
「ねぇアンタ、滅多に人前で本気を出さないんだって?見てみたいねぇ、アンタの本気ってやつ」
「そうね、じゃあまず私に一、二発でも攻撃を当ててみなさいな。そしたら少しだけ見せてあげるわ」
両者とも余裕を見せたコメントながら、何となく肝の据わった声色です。
両者にらみ合ったまま試合開始です!
「攻撃を当てればいいんだね?」
萃香選手が分身を作り出しました、これはおなじみ妖鬼の疎だ!小さな分身達が次々と永琳選手に向かっていきます!
しかし・・・今回は見慣れてるやつよりも数が多くありませんか?
あれ、多いぞこれは多い!いつもより余計に分身しております!そしてまだ萃香選手は分身を作り続けている!
「数で勝負?あなたって思っていたよりもぬるい頭なのね。少し拍子抜けだわ」
永琳選手は弓で応戦!何という速さと正確さでしょう、萃香選手の分身が次々と射落とされている!
「まだまだ、本番はこれからだね」
おっと萃香選手、分身量産を止めて酒を口に含んで・・・霧を吹いた!会場が霧に覆われていきます!
単に視界が遮られるだけでなく、たくさんの分身のたくさんの影が霧に映ってよりたくさんに見えます!これは視認後に射落とす難易度アップだ!
「少しはやりにくいけど・・・これで私のミスを誘発するつもりだなんて、笑わせるわね」
永琳選手、表情一つ変えずに分身を射落とし続けています、すごい集中力だ!
・・・と、あれ?永琳選手の弓裁きに目を取られている間に萃香選手はどこへ行ったのでしょうか?
霧で見えにくいとは言え、リング上には永琳選手の影しか見あたりません!
「つっかまーえた」
「えっ?」
ああっ!萃香選手、いつの間にか自らも霧に変化して永琳選手の背後に回り込んでいた!今までの分身と霧はこのためのフェイクだったのか!
そして永琳選手をがっちり掴んだ!この構えは萃香選手のとっておき、スペルカード、鬼符「大江山悉皆殺し」!
「初めからアンタの本気を拝む気なんてサラサラないね。また今度遊んでおくれ。今は賞品第一、私は身がとろけるようなお酒を浴びる程もらうんだ!」
萃香選手、最初の掛け合いすら駆け引きの道具だったのか、永琳選手の本気を封じたまま大技で試合を終える作戦だ!
萃香選手の馬鹿力が永琳選手を床に叩きつける!
一回・・・二回・・・そして萃香選手大きく飛び上がった!あの三回目が痛いんですよねぇ・・・。永琳選手、万事休す!
「お見事、私に攻撃を当てたわね。じゃあ約束通り、少しだけ見せてあげましょうか」
「!?」
「天と地は、真逆のようでいてその実は表裏一体。ほんの一工夫で簡単に逆転してしまうのよ。穢れた大地しか知らないあなたには思いもつかないでしょうけどね」
これは!?飛び上がった空中で永琳選手、難なく身をひるがえした!上下逆転!
これでは馬鹿力たっぷりで床に叩きつけられるのは萃香選手の方だー・・・決まったあぁ!!
萃香選手、自らの馬鹿力を自らの身に叩きつけられてダウン!
・・・ちょっとだけいい気味です!
「ぐるぐる~」
「この私を罠にかけたことは誉めてあげるわ。でも詰めが甘かったわね」
「伊吹萃香、戦闘不能と見なし敗北!何でも力任せに振り回す態度は後でお説教です」
審判から決着宣言、記念すべき一回戦第一試合の勝者は八意永琳選手に決定です!!
******************************
一回戦第二試合は何と因縁めいたカードでしょう、蓬莱山輝夜選手VS藤原妹紅選手!
これは試合というより二人の私闘の様相を呈しています。
試合開始前だというのに両者から伝わってくるこの殺気と憎悪!
「私の願いはアンタが死ぬことよ!」
「私の願いだってアンタが死ぬことよ!」
これは両者、優勝した時の願いが同じな様です。これが世に言う「喧嘩するほど仲がいい」というやつでしょうか。
「やかましい!」
おおこわ。とか何とか言ってる間に試合開始です!
・・・と、これは・・・ただのとっくみ合いの喧嘩です。両者感情を剥き出しにした子供の様で、まるで実況に値しませんね・・・。
もうしばらく様子を見てみましょうか。少しは派手になるかも知れません。
「何だいそりゃ。お前さんにゃプロ根性なり仕事への情熱みたいなのは無いもんかねぇ」
え、無いですよ。私の本業は新聞記者です。というかあなたにだけは言われたくありませんっ!
ムニャムニャ・・・ふぁ~・・・あれ?すみません、いつの間にか寝てしまっていた様です。
えー、試合の方は・・・あれ、両者リング上で仲良く寝ていますね。
審判さん、勝負はどうだったんですか?
「両者互角のまま疲れてしまって戦闘不能ですが、一応藤原妹紅の方が先に倒れましたので、蓬莱山輝夜の勝利です。それより仕事中に寝るだなんて、今回はあなたがお説教です」
ひえぇ、とんでもない事になってしまいました。でも大会終了後にして下さいね。
というわけで一回戦第二試合の勝者は蓬莱山輝夜選手に決定!同時に八意永琳選手と二回戦での対戦が決まりました!これはまた今から楽しみな対戦です!
******************************
一回戦第三試合は橙選手VSチルノ選手です・・・って、小粒の争いですね・・・。
まずこの二人は優勝するつもりでエントリーしているんでしょうか、ちょっと聞いてみましょう。
もしもしお二方、優勝したらどんな願いをするんですか?
「にぼしたくさん!」
「あたい以外の奴を全員バカにしてほしい!」
・・・これは!!バカです、両方ともバカです!!知性の欠片も感じられません!
特にまかり間違ってもチルノ選手の優勝だけはあってはなりません!
というかなぜ自分の頭を良くしてほしいという発想にならないのか!
あまり興味が沸きませんが一応試合開始です!
「スペルカード、鬼神『飛翔毘沙門天』!」
「スペルカード、霜符『フロストコラムス』!」
お、両者バカだけに作戦も出し惜しみも様子見も牽制もありません、のっけから何と遠慮のない大技の出し合い!
これはこれで見応えがあります!
弾幕をばらまきながら走り回る橙選手に対し、リング上を霜で埋め尽くすチルノ選手!
・・・ありゃ?橙選手、せっかくスペルカードを発動したのに立ち止まっています。
あ~あ、その場にうずくまってしまいました。
「何かもうどっちでもいいや・・・にぼしなら藍様にもらえばいいし」
これは寒さによる戦意喪失のようです。橙選手、降参ということですか?
「は~い」
「橙、戦闘放棄により敗北!その気まぐれさは後でお説教です!」
まぁ最初から期待はしていませんでしたが、こんなもんでしょう。
猫は炬燵で丸くなると昔から言いますからねぇ。
「そんな迷信を信じちゃ駄目!」
そのセリフも今となっては何の説得力もありませんが・・・。
とりあえず一回戦第三試合はチルノ選手の勝利です!
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さて一回戦第四試合は風見幽香選手VS西行寺幽々子選手、これは美しい戦いが期待できそうです。
私も実況を務める片手間でシャッターチャンスを狙うことにします!
何を隠そうこの私、試合の写真をより近くで撮影するためにこの実況の仕事を引き受けたようなものなので。
「花で戦うなんて素敵ね。楽しめそうだわ」
「随分と余裕みたいね。あなたは桜の花に裏切られた事はあるのかしら?」
試合前だというのにお互いの表情から微笑が消えませんが、何かこう、背中にぞくっと走るものがあります。
さぁ試合開始です!
おおおお、試合開始の合図と共に幽香選手からは数え切れない程の桜の花びらが、幽々子選手からは桜色のオーラが放たれています、これは美しい!
まずは記念に一枚・・・よし、いい画です。
「色々花はあるけど、あなたの為に桜を選んであげたわ。自らの象徴に翻弄されて惨めな敗北を味わいなさい」
幽香選手、幽々子選手への当てつけとして桜の弾幕を放っているようです。
・・・あまり性格が良くないのでは・・・。
ともあれ薄紅色の美しき弾幕が幽々子選手を襲います!
「桜はやっぱり綺麗ねぇ。でもあまりにも儚いわ。春のそよ風に吹かれて、ひらひらと舞い散ってしまう」
幽香選手の放つ桜を、幽々子選手は自らの放つオーラでまき散らしているようです!
「そよ風」と言っていますが結界で守られているはずの実況席にいても感じられる程の凄まじい霊気の風です!
これでは幽香選手がいくら桜を放とうとも幽々子選手に届きません、どう出る幽香選手!
・・・おや?幽香選手、攻撃を止めてしまいました。諦めたか?
「あら、もう終わりかしら?まだ見足りないのだけれど」
「あらそう?それなら少し、足下に散った花びらにも目を向けてみたらどうかしら」
ああっと!!リング上に積もった桜の花びらが一斉に幽々子選手を包み込んだ!まるで一つの大きな桜のつぼみです!
一瞬の出来事に幽々子選手、なすすべもなく取り込まれてしまった!
桜の花は弾幕ではなく、相手を封じ込める桜花結界のための材料だったのか!
これでは戦闘続行不可能です!!なんというあっけない幕切れでしょう!
「あなたの敗因は花の力を甘く見たことね。花は美しいだけではないのよ。人を魅了する事も、毒す事も、そして殺す事もできるわ。かつて誰かさんが体験したようにね」
「西行寺幽々子、戦闘不能と見なし・・・」
え、ちょっと待って下さい!幽々子選手のつぼみが徐々に開いています!
これは幽々子選手が自力で開いているのでしょうか!?
「・・・何これ、花が言う事を聞かない!?閉じなさい・・・閉じなさいってば!」
完全に咲いた!幽々子選手、文字通りの見事な返り咲きです!!
「ただいま。うふふ、親指姫になった気分だわ」
「そんな・・・どうして・・・」
「あなたが知らないはずは無いのだけれど。一応釈迦に説法をしてあげるわね。桜の花は罪の象徴。そして最も霊の宿りやすい花なのよ。わざと幽霊を宿らせて、幽霊を通して操れば、私の言う事でも素直に聞いてくれるわ」
幽々子選手、どうやら桜の花に幽霊を取り憑かせ、幽霊経由で桜の花を操ったようです!器用と言えば器用な技、これで形勢逆転だ!!
おや、ですが幽香選手は妙に落ち着き払っています、まだ何か策があるのでしょうか!
「そう・・・まさか私が花に裏切られるなんてね」
「他の花にしておけば良かったのにね。さぁ、今度はこちらの番よ」
「いえ、もう降参よ。花を敵に回したら、私にできる事なんてないもの。敗因は花を使うことばかりに囚われて、花の性質を置き去りにしたこと・・・いえ、私自身が花の力を甘く見たことね」
おっとここで幽香選手が負けを認めました!
西行寺幽々子選手、花を操るフラワーマスターから花の主導権を奪い取って一回戦第四試合勝利です!
これで二回戦、チルノ選手との対戦が決定しました!
そこ!消化試合とか言わない!
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続く?
いいぞ、もっと続けろ
楽しみにしてます。
大体打ち切りになるからねえ。
だけど、お決まりパターンで最終的には霊夢が優勝、とかになったら寒いなぁ
続き待ってる
いやマジで面白いと思ったんで続きお願いします。
高評価を下さっている方、そうでもない方様々なようですが、
「とりあえず行け」
という結果として受け取らせていただきます。
今から第二話を書き始めるので、投稿時期はお察しでお願いします。忘れた頃にまたお楽しみください。
家長としての意地を見せる時だ!
八雲家のNo.2に負けるなよ~~~www
決勝戦でもおかしくない好カードだ。
それとミスティア、鳥目にしちまえば霊夢にだって勝てる……かも。
ルナサ、狐ごとき鬱にさせて泣かせちゃれw