ああ、眠いなあと美鈴は思った。
昨日は早めに布団に入りたっぷり八時間は寝たはずなのだがそれでも眠い。
春のうららかな日差しを受けて美鈴の頭は早くも舟を漕ぎ始めていた。
時刻はちょうど正午を回った頃で、先ほど昼食を済ませたところだ。
その満腹感が美鈴の眠気を増幅させる。
門扉に背を預けて見上げた空は快晴で、お日様がぽかぽかしてとても良い感じだ。
こんな日に昼寝が出来たらどんなに気持ちがよいだろうかと。
うとうと、頭が舟をこぐ。
瞼が重く、徐々に下がり視界を塞いでいく。
駄目だと思うのに体は言う事を聞かない。
徐々に意識が落ちていく。
まあ、と美鈴は思う。
何かがあればすぐに起きればよい。
これでも美鈴は武術の達人。
害意を持つ者には敏感できっと反応できるだろうと。
それにこんな眠い状態では魔理沙辺りが来ても満足に迎撃出来ぬだろう。
だからこれは戦術的休憩なのだ。
自然に腰が落ちて、門扉によりかかる様に座り込む。
だれにも文句は言わせない、必要なものだから……だから……
その思考を最後に、意識が落ちていく。
深い深い眠りの底に……。
ここ数日、寝不足だと咲夜は思った。
昨日は早めに布団に入ったのだが全然眠れずに朝を迎えた。
仕方ないので時を止めて寝ようとしたが時間を無駄にしただけであった。
春のうららかな日差しが憎い。
時刻はちょうど正午を回ったところだったが食欲はなく昼食は食べていない。
空腹でも満腹でも無い中途半端さが余計に咲夜をいらつかせる。
気分転換に窓から外を覗くと、門扉を背に座り込んだ美鈴が目に入る。
俯いて、どう見ても眠っている。また性懲りもなく居眠りをしているのだろう。
とても安らかに見えて、それが気に障る。人の気も知らないでと眉を吊り上げた。
注意すべく歩を進めかけてふと思う。
何時も美鈴が寝ているあの場所は眠りやすいのかと。
顎に手を当ててしばし考えた後、咲夜は歩を進めた。
少しだけ試してみようと、駄目だったら美鈴を起こして同じ目にあわせてやろうかと。
美鈴が眼をあけるとお日様が真上にあった。
体内時計であれから二時間ほど熟睡していたようだ。
長く門番をやっていると感覚はこれくらい正確になる。
まあ、目が覚めなかったから害意のあるものは来なかったのだと推測する。
だが代わりに何か肩に重さを感じた。
見やると銀の髪に白いヘッドドレス。
すぅすぅと寝息を立てるは可憐な唇。
無邪気な寝顔で咲夜が寄りかかって眠っていた。
参ったなと美鈴は思う。
少しでも動いたら感覚の鋭い咲夜は起きてしまうだろう。
どうしたものかと見上げた空には魔理沙がにやけていた。
どうすると、その目が語っていた。やるのか?やらないのか?
判断は早かった、見なかった振りを決め込む事にする。
美鈴が視線を逸らすと、口笛を一つ鳴らして白黒が門を飛び越えていった。
戦わずして通したと後で怒られるかもしれない。
でもまあ、と美鈴は思う。
この寝顔が見れただけでも、無能門番の謗りを受けるのも悪くないかもしれないなと。
そんな事を考えて、動けずにいる美鈴は当然のごとく瞳を閉じて二度寝を決め込むのだ。
-終-
昨日は早めに布団に入りたっぷり八時間は寝たはずなのだがそれでも眠い。
春のうららかな日差しを受けて美鈴の頭は早くも舟を漕ぎ始めていた。
時刻はちょうど正午を回った頃で、先ほど昼食を済ませたところだ。
その満腹感が美鈴の眠気を増幅させる。
門扉に背を預けて見上げた空は快晴で、お日様がぽかぽかしてとても良い感じだ。
こんな日に昼寝が出来たらどんなに気持ちがよいだろうかと。
うとうと、頭が舟をこぐ。
瞼が重く、徐々に下がり視界を塞いでいく。
駄目だと思うのに体は言う事を聞かない。
徐々に意識が落ちていく。
まあ、と美鈴は思う。
何かがあればすぐに起きればよい。
これでも美鈴は武術の達人。
害意を持つ者には敏感できっと反応できるだろうと。
それにこんな眠い状態では魔理沙辺りが来ても満足に迎撃出来ぬだろう。
だからこれは戦術的休憩なのだ。
自然に腰が落ちて、門扉によりかかる様に座り込む。
だれにも文句は言わせない、必要なものだから……だから……
その思考を最後に、意識が落ちていく。
深い深い眠りの底に……。
ここ数日、寝不足だと咲夜は思った。
昨日は早めに布団に入ったのだが全然眠れずに朝を迎えた。
仕方ないので時を止めて寝ようとしたが時間を無駄にしただけであった。
春のうららかな日差しが憎い。
時刻はちょうど正午を回ったところだったが食欲はなく昼食は食べていない。
空腹でも満腹でも無い中途半端さが余計に咲夜をいらつかせる。
気分転換に窓から外を覗くと、門扉を背に座り込んだ美鈴が目に入る。
俯いて、どう見ても眠っている。また性懲りもなく居眠りをしているのだろう。
とても安らかに見えて、それが気に障る。人の気も知らないでと眉を吊り上げた。
注意すべく歩を進めかけてふと思う。
何時も美鈴が寝ているあの場所は眠りやすいのかと。
顎に手を当ててしばし考えた後、咲夜は歩を進めた。
少しだけ試してみようと、駄目だったら美鈴を起こして同じ目にあわせてやろうかと。
美鈴が眼をあけるとお日様が真上にあった。
体内時計であれから二時間ほど熟睡していたようだ。
長く門番をやっていると感覚はこれくらい正確になる。
まあ、目が覚めなかったから害意のあるものは来なかったのだと推測する。
だが代わりに何か肩に重さを感じた。
見やると銀の髪に白いヘッドドレス。
すぅすぅと寝息を立てるは可憐な唇。
無邪気な寝顔で咲夜が寄りかかって眠っていた。
参ったなと美鈴は思う。
少しでも動いたら感覚の鋭い咲夜は起きてしまうだろう。
どうしたものかと見上げた空には魔理沙がにやけていた。
どうすると、その目が語っていた。やるのか?やらないのか?
判断は早かった、見なかった振りを決め込む事にする。
美鈴が視線を逸らすと、口笛を一つ鳴らして白黒が門を飛び越えていった。
戦わずして通したと後で怒られるかもしれない。
でもまあ、と美鈴は思う。
この寝顔が見れただけでも、無能門番の謗りを受けるのも悪くないかもしれないなと。
そんな事を考えて、動けずにいる美鈴は当然のごとく瞳を閉じて二度寝を決め込むのだ。
-終-
めーりんの隣だったからよく眠れたのですね。咲夜さん。
さくめー好きな人はみんな大好きだ。