Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

暗い夜に

2010/04/04 22:23:45
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夜空は雲一つ浮いてはいない、明かりをもたらす物も星明かりを覗けば何一つない。


新月


深い暗闇のその晩は、人も獣も早々に眠りに付き、闇の眷族は一様に力を失う。
また、夜は全てに等しく訪れる。それは紅の名を冠するこの館も例外ではない。


そんな館の窓を拭く手を止めて私は、ふぅと息をつく。
今しがた磨いた窓は僅かの汚れも見当たらない。我ながら完璧な仕事だ。

そう思いながら私は、窓を鏡代わりにして己の少し乱れていた銀髪を撫で付ける。
外に向かってはねる癖毛は一度崩れると自然には戻らないのが厄介だ。


手櫛で髪をすきつつ辺りを見渡す。

壁の窓は数こそ多くはないが細部まで細やかな装飾が施されている。

そんな窓に、日の光を遮るために取り付けられたカーテンは引かれているが明かりはまったく入っては来ない。
廊下の隅まで敷き詰められた紅い絨毯を踏めば、ほんの僅かに足が埋まるような錯覚を生むだろう。

それらの品を含めた装飾品のどれもが新しく作られたばかりの物を思わせるかの様な輝きを放っていた。


「今日の掃除はこれでおしまいね」

自らの仕事に満足した私は一人頷きながら足を進める。
掃除したての廊下は僅かな埃すら見られず、歩くのが実に心地良かった。


今日の仕事は予想より早く終わらせてしまったのでこれからの予定はない。
何かしたいことがあるわけでもなく、時間をもてあますことになりそうだ。

うーん。これからこれからどうしようか?


そんな考えながながら歩いていれば、曲がり角の向こうから何やら声が聞こえてくる。
ちらりとそちらを伺えば、数人の妖精メイド達が何やら議論を交わしているようだ。


「私が行くわよ」

「あなたはこの間行ったじゃない。次は私よ」

暫しの間聞き耳を立てていたが、聞こえる会話は堂々巡りを続けるばかりで一向に進まない。


こういう時に部下を導くのも上司たる者の務めか……
仕方がないなと思いつつも、無意味な事を続ける者達へと近付く。


「あなた達どうかしたの?」

私が声をかければ皆、一様に姿勢を正して挨拶を返してきた。
日頃の教育の賜であろうか? ちょっと誇らしい気になる。
まあ、今はそんな事はどうでもいい。いや、どうでも良くはないかな?

どうにも思考がドツボに嵌まりそうになったので、このことは一度置いておくとしよう。

「それで、いったい何の話?」

威圧感を与えないようにできる限り穏やかな声を出す。
うまくできているかは怪しいものだが……

それにしても……メイド達はどうにも歯切れが悪く あのー、そのー と的確な返事はない。どうしたものか?

「何かあるのなら話しなさいな」

少しばかり語気を強めて尋ねる。するとメイド達の一人がおずおずと話し始めた。

「妹様のことなんです」

「妹様?」

思わぬ名前に少し驚く。

「はい、妹様です。今日のお世話は誰がするのかの話です……」

なるほど、と私は一人で納得した。


妹様――フランドール・スカーレット


言わずもがな、この館の主レミリア・スカーレットの妹君である。
また、その特有の破壊の能力から多くの人々は恐れていると聞く。

そんな大層な人の相手をするのは妖精メイドには少々荷が重いだろう。
元来、他愛のない悪戯や子供と戯れる事が一般的な妖精達ならば尚更苦手であろう。

うんうんと私は一人で頷きながら言葉をかける。


「今日は私に任せなさいな」

その言葉が意外であったのかメイド達はキョトンとした表情を浮かべている。
私はそんな顔に少しだけむっとしながらも続けた。

「レミリアお嬢様は先日の宴会の疲れからか、今日はもうお休みになられたし妹様のお世話は私がするわ」

しかしながら、私のそんな言葉にも何か思うところがあるのかメイド達は

「でも、メイド長に妹様のお相手が務まるのでしょうか?」

となかなかに挑戦的な言葉を向けてきた。
そうまで言われたならば、私とて後には退けない。


「あら、私に出来ない事があるとでも?」

私はメイド達を押しきるために自信をもって言い切ったのだった。




地下へと続く長い階段を降りる。



さてさて、メイド達を勢いで押しきったはいいけれども、なんとも言えない不安感が私の心を覆っている。
これが嫌な予感と言うやつなのだろうか?

先程のメイド達の言葉がどうにも気になるのだ。

足を踏み出せば一歩毎に心に暗雲が立ち込め、地下室が近づく毎にそれは濃く深くなった。

しかしだ、自分で言うのも可笑しいが私と妹様の関係は良好であると思う。

紅茶やお菓子を持って行けばテーブルに着くように勧められるし、廊下で会えば冗談混じりに飛び付いて来られる。

何も心配はない。大丈夫だ。そう自らに言い聞かせていれば、気がつくと私は目的地に着いていた。



正面に目を遣れば大きな扉。
隅々まで装飾の施されたドアは荘厳であり、見るものへの威圧感を与える。
ふっと息を吐き気を引き締めて軽く数回程扉を叩く。


すれば、ほとんど間を置かずに「どうぞ」と声が聞こえてきた。

幼童特有の高音で良く響く声、澄み渡ったそれは私の心にも沁みるのだった。

「失礼します」

一歩部屋に入れる。

中は決して広くはない。
だが、狭いと形容するには至らないスペースである。

床には垢抜けた絨毯が敷かれており、その紅い色に金のラインが実に目に映える。
壁際には幾つかの棚が置いてあり、様々な種類の本で埋め尽くされ確かな存在感を放っている。

しかし、この空間に足を踏み入れた者ならばまず目につくのはぬいぐるみだろう。
どれも丸みをデフォルメそれは棚上はもちろんのこと鏡台や卓上にさえも所狭しと置かれている。

そんなぬいぐるみ達の中でも一際大きな人形が豪華なベッドの上に居た。

それは私の姿を認めると手に持っていた物を置き、パタパタと走り寄り。

「あー、さくやだー」

そう言いながら私の胸に飛び込んで来る。

ふかふかのクッションのような抱き心地に仄かに甘いミルクが薫る。
その心地良さに自らの頬が吊り上がるのを感じた。

「どうしたの?」

ぐりぐりと顔を私の胸部に押し付けながらも尋ねてくる。
少しくすぐったく感じるけれども、決して不快な感じはしなかった。
むしろ嬉しいと言えるかもしれない。


目を閉じる。

妹様は湯たんぽのようで、触れられている部分から徐々に私の身体が温かくなっていく様な気になる。
きっと、このままの態勢でいれば心までも温かくなるのだろうか……

そんなことを何となく思った。

けれども、その温かさはすっと離れていく。
見れば妹様は満足気な顔をしながらこちらに視線を向けていた。

そこで私が妹様のお世話をする旨を伝えれば、彼女はうんうんと頷き柔らかい表情を浮かべるのだった。

「ところで妹様、それは何です?」

ベッドの上にある、私が部屋に入った時に妹様が持っていたそれの正体を聞く。

「えーっとね、これは咲夜だよ!」

言いながら妹様はベッドへ駆け寄る。
そして、じゃーん と軽く効果音を口で出しながら拾ったそれをぐいっと突き出してくる。

「犬のぬいぐるみですか?」

「どう? すごいでしょう! 私が作ったんだよ」

机を見れば針や鋏それに布地等の裁縫道具が置かれている。
本格的に揃えられた道具の数々には思わず感嘆の声も出よう。

「これは、すごいですね……」

「そりゃあ、何百年もやってたら上手くもなるよ」

はい、と渡されたそれを受け取り観察して見る。

肌触りの良いふさふさした白い毛並みに、やや硬めの感触がする。
妹様が持っていた時は大き過ぎるのではと思った。
しかし、実際に手に持って見れば私の腕には一回り大きいくらいで抱きしめるには丁度良かった。

首には首輪の代わりか、明緑色の大きなリボンがあしらってある。
また、蝶結びの根元には私の所有している銀の懐中時計を模した物がぶら下がっているではないか。

凝ってるな、と思いそれに触れて見ると綿の素材が他とは違うのかふにふにとした感触が指に心地良かった。
……ちょっと癖になりそう。

「それあげるよ」

妹様は満面の笑みを私に投げかけてくる。

「……いいのですか?」

「いいよ、いいよ。また作れば良い話だし」

そう言いながら妹様はベッドへと腰掛ける。


……ぬいぐるみを見つめる。

私は子供でもあるまいにこの様な物で喜ぶ歳ではないし、なんだか私が犬であると言われている様で複雑な気分になる。

などと考えてみるが自分の気持ちは偽れないもので、本当は軽く黄色い声を出しつつ
飛び跳ねたい程に嬉しいかったりする。

「ありがとうございます。」

まぁ、体面上そんな事をすれば、私の今まで作り上げて来た様々なものが水泡に帰す事は明白なのであくまでも淡々と返事をする。

「ところで咲夜、確か今日は私に付き合ってくれるんだよね?」

「……はい、そのつもりですよ」

場の雰囲気が変わる。温かい湯船に浸かっていたはずが急に水風呂へと変わった気分だ。

「本当? それじゃあ私と遊んでくれる?」

紅いガラスの珠に私の眼が釘付けになる。心臓は早鐘の様に打ち、呼吸は浅く荒くなる。

「……もちろんです。何して遊びます?」

紅い水晶は私を捉えて離さない、私も視線を背ける事は出来ない。
暫しの沈黙が場を征する。小さな棘に身体の奥を刺されるピリピリとした緊張感。

ベッドから伸びるは魔手は、ひらひらと私を誘い手招く。

じりじりと押し寄せる威圧感に負けて近付く私の足取りは鉛の様に重かった。

「何ですか?」

どうやら口まで鉛になった様だ。

「咲夜はイヌさんね!」

「は?」

先程までの強烈な圧迫感がまるでなかったかの様に霧散する。
余りにも突然の変化と的を射ない、冗談としか思えない発言に私は思わず首をかしげた。


すると妹様は何やら枕元から取り出した。
金の毛並みに赤色の瞳の猫のぬいぐるみ。


あぁ……そういえば今日は新月だったか……


新月


闇の眷族、特にその満ち欠けに影響を受ける吸血鬼。
私が仕える吸血鬼の姉妹はその日の間、幼くなる。


とは言っても退行はそれほど深刻な訳ではなく、身長等の外見に影響を与えると言うよりむしろその行動や言動等の精神面に対してだ。



…………それにしても厄介な事になった。


流されるままに妹様のネコさんに対して私はイヌさんをやらされる羽目になってしまった。

メイド達の言っていた事はこういう事だったのか……はっきり言おう。私には荷が重い。

それでも「完璧で瀟洒」かって言われても……

いやいや、普通に無理だと思う。

自慢ではないが私は現在に至るまでこういう類いの遊びに興じた事など一度もない。
花も恥じらうどころか花も恐がるであろう乙女な私は、生憎と幼童と戯れるスキルは持ち合わせていない。


この館の主は新月の日は児童文庫なるものを読んで過ごしたり、甘さ三割増しの紅茶を片手に談笑と大人しく過ごされるので今までまったく問題がなかった。

そして此処へ来て大問題発生という事だ。

妹様に言われるまま、指示されたベッドの隅の一角へ腰掛けるが

「上がって! 上がって!」

と妹様に捲し立てられベッドの上へお邪魔する事になった。

メイドとしてこの状態は流石にまずいと思うが、下手にこだわってヘソを曲げられるのは避けたい。


流されるままにベッドの足側へ導かれる。妹様曰く、此処が「イヌさんのお家」らしい。


囲いはないし見渡せば白の大平原が目に優しい、実に開放的な家だ。
きっとイヌさんも大満足だろう。まぁ私ならすぐにでも引っ越しを考えるところだが。

とりあえずイヌさんの気持ちを代弁しておく事にしよう。


「眺めのいい、素敵なところですね。気に入りました。」

妹様は私の言葉に満足したのか、次にネコさんの「家」なる場所を案内してくれた。

シーツに三方を囲まれたその中が住宅らしい。



…………なんかずるくない?


野晒しの我が家と立派な塀に囲まれた邸宅を見比べてそう思った。


妹様へこの違いを尋ねれば、イヌさんの家にも見えないだけでちゃんと壁があるらしい。

納得できたような、できないような微妙な気持ちだった。
……裸の王さま的な物なのだろうか?

きっと、私は乙女ではないので見えないのだろう。


さてさてイヌさんは家を出てネコさんの元へと遊びに行く。

ぬいぐるみはぽんぽんとベッドの上を軽やかに跳ねる。 手に伝わる柔らかな反動がなかなかに心地よい。

「わんわん!」

元気よく挨拶する。

……やってみて改めて思う事がある。これは相当恥ずかしい。

きっと端から見ても分かる程に私の頬は羞恥の赤に染まっているだろう。



――今思えば、この程度はきっと恥ずかしい内に入らなかったと思う。



それは枕と言う名の丘へとピクニックへ出掛けていた時だった。

コンコンと言うノックの音が聞こえると同時にドアが開いたのだ。

「失礼します」

と言う軽やかな声と共に入って来るのは赤色の長い髪に金の星の光る緑の帽子。
その脇には薄い本を抱えている。


扉から覗く爽やかな笑み。


ぬいぐるみ遊びに慣れてきて、ちょっと楽しいかも……とか思ってしまったのがいけなかった。

相対する私の表情もこれまた一点の曇りない笑顔。


時が止まる。私の能力でないのは言うまでもなかろう。
凍れる時間が過ぎて行く。もちろん閉じ込められた者に抜け出す術は何もない。

「美鈴どうしたの? 何か用?」

穏やかな声が氷を割る。だが私を覆った氷の壁は分厚い様だった。

「いえいえ大した用じゃありませよー、パチュリー様に妹様が暇をしているだろうから本でも持って行ってあげなさいと言われて」

はいどうぞ、妹様に本を渡す美鈴にありがとう、と受け取る妹様。

 なかなか微笑ましい光景だ。私もきっと頬が吊り上がった事だろう。何時もならば……
 けれども私の顔は虚しく引き攣るだけだった。


「美鈴もいっしょに遊ぼ?」

まさかの爆弾発言に私は声を殺して呻く。私としてはまた気を抜いているところを見られてイメージにこれ以上の傷が増えるのはなんとしても阻止したい。

ねだる妹様とそのまま帰ってと美鈴に必死に目で合図を送る私。

美鈴は暫くうんうん唸った後、顔を上げた。
そしてどうやら軍配はどうやら私に上がった様だ。

「すみません。私はまだやる事があるので失礼します。」

そう言って去って行く美鈴。それを見る残念そうな妹様の表情が胸に痛かった。

「ばいばい、美鈴」

と言って、ぬいぐるみの手を振らせる妹様。

扉の前で立ち止まり、それに見惚れる程の笑顔を浮かべながら手を振り返す美鈴。

実に心の温まるやり取りだ。誰もがそう思う事間違いなしだろう。
美鈴が私にちらちらと意味ありげな視線を送って来なければの話だが。



……何その視線……私もやれと言う事か?


いくらなんでも出来る事と出来ない事がある。期待の視線を送られてもそれに応える気は欠片もない。

再び時間が止まる。
湯船の様に温かな時が過ぎる。けれども時間の経過は私に決して有利には働かなかった。


いつの間にか妹様もにこにこしながら私を見ているではないか!


四つの視線に射抜かれた始めた私が、のぼせるまでそれほどかからなかった。

無言の重圧に負けのろのろとぬいぐるみに手を伸ばす私。

羞恥心に耐えきれず顔の半分程まで持ち上げてできるだけ顔を見られないようにする。

本当は目まで隠したかったのだが、それをすると視界が遮られて美鈴が出ていく姿が見えない。

恥ずかしい事は直ぐにでも止めたいので美鈴が扉を閉めた瞬間を確認次第やめるだめだ。

ぬいぐるみの手を掴む。

大丈夫これはイヌさんが手を振るのだ。決して私ではない!

そう自らに言い聞かせる。でないとこんな事やってられないに決まっている。

せめてもの抵抗に「ばいばい」は可能な限り小さな声にしておいた。


そこから先は多くは語るまい。
妹様は満面の笑みで、美鈴に至っては微笑みを通り越してニヤニヤしか見えなかった。
とだけ言っておこう。


嵐が過ぎ去った後は実に穏やかな時間が過ぎて行く。だが、それも終わりを迎える。


「妹様そろそろ私はお暇致します」

「もうそんな時間なの?」

そろそろ仕事に戻らなくては後々に支障をきたしかねない。
後ろ髪を引かれる思いだが、なんだかんだ言って妹様には満足して頂けたと思う。
私としても中々に楽しめたのは更に喜ばしい。使用人としてはどうかとは思うけれど。

「そう、また寂しくなるね」

そう言って妹様はベッドへと入る。

「最後に一つお尋ねしてもいいですか?」

それはずっと気になっていたこと。
どうしてこの部屋にはこれだけぬいぐるみがありながら、一つとして人の形を模した物が無いのか?

「汚れると嫌だから」

私の問いに帰って来たのは簡潔な答え。

「見知った人と同じ姿の物が汚れるのは嫌だしね」

だから私のイメージした動物の姿にするの。
そう言ってぬいぐるみの一つ一つに指を差し、名前を読み上げて行く。

――その本を持った梟はパチュリーで帽子を被った亀が美鈴で……


次々と上がる名前は今日あったメイド達など何れも私が見知った者ばかり。

ぬいぐるみはどれもが手垢で薄汚れていたり毛が所々抜けていたり、中の綿が玉になってしまっている物もある。

それらを見ていて私に浮かぶ一つの考え。

「妹様、一つ我が侭を言ってもいいですか?」

薄汚れたぬいぐるみ達、それを見ていたらどうしても実行せずにはいられなかった。

実に自分勝手極まりないお願い。

けれど、我が侭を言うのは私だけではなかった筈だ。








――紅い絨毯を歩く。

私の胸にはちょうど良い大きさの金色のネコのぬいぐるみが納まっている。

メイド達とすれ違う。 皆此方へ視線を向けるのが分かる。
それはどれもが柔らかさを帯びている様に感じられた。

不思議と今の私に気恥ずかしさはなかった。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆



横にぬいぐるみを寝かせる。

今まで様々な人にぬいぐるみを作ってきたけれど誰も受け取ってはくれない。
何故だか、本人をイメージして作った物より私をイメージして作ったぬいぐるみの方を欲しがるのだ。


私からすればせっかく作ったのに受け取ってもらえないと何とも言えない気持ちになるが
こうして寝るときにぬいぐるみを胸に抱いていると楽しい思い出が甦る。

それはこの物寂しい地下室では確かな温かさを持って私の心を癒してくれる。
だから何一つ文句はない。

「汚しちゃうと思うけど……ごめんね」

手垢にまみれた他のぬいぐるみを思いながら、胸の中のイヌさんへと囁くのだった。
初投稿の作品でしたが、少しでも温かい気持ちになっていただけたら幸いです。
もえてドーン
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
これは素晴らしい。
ほんわか温かい気持ちになりました。
紅魔館の妖精たちも皆優しいのですね、咲夜さんと同じように。
次回作も楽しみにしております。
2.名前が無い程度の能力削除
温かい気持ちになった。
でもそれ以上になんだかこそばゆいw

や、いいお話でした。
3.奇声を発する程度の能力削除
ほっこりとした良い気持ちになれました!!
萌えてドーンとなりましたw
4.ぺ・四潤削除
咲夜さんに相手が務まるかって言ったのはそういう意味だったのね。
フランちゃんのお世話を嫌がって押し付け合う妖精メイドはよく見てきたけれど、お世話をしたがるのは初めて見たかも。
母性溢れる妖精メイド達がなんか好きです。少しどころか十分暖かい気持ちになりました。
しかしあなたの名前何とかならなかったのかwww
5.作者削除
ここまで読んで下さった皆様ありがとうございます。

>>1様

優しいコメントありがとうございます。あなたのコメントで私が温かい気持ちになりました。
みんな優しい、ほのぼのとした紅魔館が好きです!
次回作やろうかなあ……

>>2様

楽しんでいただけたなら何よりです。
私も自分で書いてて、なんとも言えないこそばゆい気持ちになったのはみんなには内緒ですよ。

>>3(奇声を発する程度の能力) 様

温かいコメントありがとうございます。いい気持ちになっていただけたのなら
これほどうれしいことはありません。存分にドーンとなっちゃってください。


>>ヨン(ぺ・四潤) 様

妖精メイドたちは子供と遊ぶのは好きだと思うんですよね。こういう妖精メイドたちもたまにはいいんじゃないかなと……喜んで呼んでいただけたのなら幸いです。
名前の件は、私も……あなたの名前こそ何とかならなかったのかw
と返させていただきます。



初投稿でプチにしては長い作品でしたがここまで読んでいただいた皆さん、コメントを下さった方々へ改めて御礼を申し上げたいと思います。みんなありがとう!
6.名前がない程度の脳力削除
あなたの名前を見てそういうオチになると思ったんは私だけじゃないはずww

皆も同じようにネコさんを汚しているんだよ、フラン。

フランだけではなく咲夜さんも皆に愛されてますねぇ。
いやぁ、心が温泉に漬かったようです。
こういうほのぼのした話大好きです。

次回作も待ってます!
7.作者削除
>>6様

コメントありがとうございます!まさかの予見……感服いたしました。

心の温泉とは秀逸な表現ありがとうございます。ぜひとものぼせちゃってください。
次回作は気が向けばがんばります。
8.名前が無い程度の能力削除
なにこのお話胸がキュンッてきちゃったじゃない

ほのぼのとしたお話でしたが、ただ単調でもなく少し笑ったりほんわかしたり感動したりととても楽しく読ませていただきました。
9.作者削除
>>8様

楽しんでいただけたなら何よりです。みんな仲良しの紅魔館がいいですよね。
10.名前が無い程度の能力削除
かわいいなぁフランちゃん