※『わたしゃ は、は、春です』『白い陰陽玉のファンタジー』の続きですがすこぶるどうでもいいですね。
命蓮寺。
「あの、聖、これは何ですか」
「見て解らない? スポーツ新聞よ」
《文々。スポーツ》と書かれた新聞を手に訊ねた星に、白蓮は笑って答えた。
「いや、そうではなくこの見出し!」
「あらあら、注目度が高くて羨ましいわ」
「他にもあるよ、ご主人。《ド迫力の命蓮寺新助っ人寅丸、併殺崩し任せろ》《住職も合格点!寅丸、へにょりレーザーイケるやん》《住職不敵!ナズーリン歓迎、寅丸の宝塔探して》――」
星は頭を抱えた。というか宝塔なくしたことバレとるがな。
「天狗の記者さんが取材に来てくださったの」
「いや、だからって――身内の揉め事をこんな大々的に……」
元を質せば単なる阪神ファンと横浜ファンの仁義なき争いである。
おかげで現在、ムラサと一輪とぬえが不在で命蓮寺は人手不足気味だ。
「ふふ、これも幻想郷の皆さんと親睦を深める良い機会だと思わない?」
「はあ……まあ、聖がそう仰るのでしたら……」
しかし結局、白蓮に逆らう術は星には無いのだった。
「しかし、まだこちらのメンバーも固まっていないのですよ」
「そうねえ……守矢の皆さんの助力も得られませんでしたし。残念だわ」
「それはまあ、致し方ありませんが」
野球で勝負することが決まったとき、白蓮たちは馴染みの守矢神社の面々に協力を仰ぐつもりでいた。
ところがあの非想天則が守矢の球団マスコットと知って急転直下、破談である。
阪神が巨人と手を組むわけにはいかないのだ。
「職業野球最高の選手は景浦です。そこは譲れません」
「全くだわ」
神奈子は沢村栄治だと言い張って聞かなかったのだから、譲歩の余地はどこにもなかった。何がスタルヒン、中尾、広瀬か。若林、御園生、西村こそ職業野球最強の投手陣である。
「西沢道夫……」
ナズーリンがぼそっと呟いたが、誰も聞いていない。
「しかし、いずれにしても3人では野球は出来ませんよ、聖」
「ええ、そうね。早急に助っ人を捜さないと」
「やれやれ、私の出番か」
「お願いします、ナズーリン」
~というわけで~
「見て見て星、こんなムックを作るのはどうかしら。『Vやねん!命蓮寺』」
「それはフラグですから止めてください聖」
「おーい、見つけてきたよ」
「ふふん、面白そうなことやってるじゃない」
ナズーリンが連れてきたのは比那名居天子だった。
「野球ですって? 私にかかれば初回先頭打者サヨナラ満塁ホームランも日常茶飯事ね」
「あらあら、緋想の剣すごいですね」
「それほどでもない」
無い胸を張る天子に、星と白蓮は顔を見合わせる。
「それじゃあ早速打席に立ってもらいましょうか。星、ピッチャーをお願い。ナズーリンは打球の回収ね」
「解りました、聖」
「はいはい」
というわけで、星がマウンドに上がる。天子はバットを手に、かなりベース寄りに立った。
白蓮の構えたミットに向けて、星は振りかぶり、白球を放る。
「ああん♥」
天子がピチュった。
「いや今自分から当たりに行ったでしょう! キンケードですか貴方は!」
「え、そういうスポーツじゃないの?」
「違いますよ!」
「っていうか意外と痛いわね硬球って……あ、だめ、折れてるかも」
「あらあら、大丈夫?」
うずくまったまま立ち上がれない天子に、白蓮が肩を貸す。
「ああ、これは駄目ね……野球の神のお告げがあったので引退するわ」
そして天子は元気に天界へ飛び去っていった。
「そういえばどっちもマイク(MICHAEL)だね」
「ああ、MICHAELってミカエルだから……」
「天使なら仕方ないわね、うちはお寺だもの」
3人のため息が、六甲颪に乗って消えていった。
【命蓮寺タイガース 必要メンバー 残り6人】
遅れそうなのに過去作のページを開いてしまったではないか!
俺がぼそっと呟いたが、誰も聞いていない。
いやなものを思い出させるなw
私は中日ファン!
別に特定球団のファンじゃあないがこの表現ばかりは許せるッ!無乳で何が悪いと言うんd(全人類の緋想天
あれ、俺いつの間にコメントしたんだ?