「またか・・・」
八雲 藍は安定しない視界のなか呆れたように、だが少し楽しそうに目の前の鴉天狗を見つめていた。
「納得がいく写真が撮れるまで貴方から離れる気はありませんから」
対する射命丸 文は息を切らしてはいるが意地の悪い余裕の笑みを見せていた。
「まあ私も暇だからな。いくらでも付き合ってやる!!」
叫ぶと同時にスペルカードが発動する。
―――― 超人「飛翔役小角」――――
もう何回挑んだかなんて忘れてしまったこのスペルカード。
最初の頃は清々しいほど何度も同じ所で轢かれていた。
理解するまで頭を悩ませていたのも今となっては良い思い出だ。
文はそんなこともあったなーと懐かしさに浸っていた。
しかしもうそんなことを考えていられる余裕はどこにもなかった。
八雲 藍が回転しながらこっちに向かって突進してきているからだ。
急いでフィルムを巻く。
低速移動なんてしていたら端に追い詰められてしまう。
初めはすぐに充填が100%になる。
そしてなるべく左端に行き藍を誘い出し、向かってきたところを撮影する。
撮影をしたら素早く切り返す。
右端に到達する前に充填を溜めなければならない。
このとき蝶弾幕に注意する。
低速移動を織り交ぜながら周囲の蝶を避ける。
極度の緊張のせいかフィルムを巻く手が汗に濡れる。
少々不快だが気にしてはいられない。
汗なんか気にしていたら気が散って良い写真が撮れない。
良い写真はおろか撮る前に轢かれてしまう可能性もある。
そんな雑念を振り払い2枚目を撮り、切り返す。
撮っては切り返す。
その行為を繰り返し着実に写真を撮っていく。
残り枚数はあと2枚。ここからが本番だ。
「どうしました?貴方の実力はこんなものですか?」
思わず挑発する。
挑発そのものに意味はないが、何か喋らないと息が詰まりそうだったからだ。
藍の突進スピードが今までの比ではないほど上がる。
だが目で追えないほどではない。
同じように超低速でフィルムを巻く。
ここからは低速で藍も避けなくてはならない。
藍も避けることにより端に到達するのが早くなる。
それまでに100%にする。けっこうシビアな世界だ。
それでも全くできないというほどでもない!
カメラを強く握る。充填は溜まっている。
完全に追い詰められる前にシャッターを切る!
カシャッという音が響く。
どうやら上手く撮れたようだ。
しかし安心していられたのはほんの一瞬。
最後の1枚が残っている。
いつもここで轢かれるか蝶に当たるかだった。
もはや藍のスピードは目では追えない。
たとえ充填が溜まっても速すぎてカメラに収まらないことが多々あった。
それほど藍のスピードは尋常じゃないほど速かった。
同時に低速を入れる機会も自然と増える。
徐々に右端に追い詰められいく。
あと少し・・・!あと少しで充填が溜まる!!
もうほとんど逃げ場はない。恐怖で超低速移動ができなくなる。
――――――ガシャン
充填が100%になったという合図だ。
(・・・まだ間に合う!今だ!!)
一か八かカメラを構える。周りを見てる余裕なんてない。
ただ己の腕を信じるのみ!
シャッターを切る音が大きく響く。
いつもならあと少しのところで避けられていたがこの時ばかりは違っていた。
八雲 藍がしっかりと写真に写っていた。
思わず普段はやらないが小さくガッツポーズをした。
「今まで取材にお付き合いいただきありがとうございます」
文は深々と礼をする。
「お礼をされるようなことはしてないけどな」
「プロの記者として取材のお礼は当然のことです。それではまた取材させてください」
「あ、おいもう行くのか!?少し休んだ方がいいぞ!」
「記者だから大丈夫です!」
何がどう大丈夫なのかはわからないがとびっきりの笑顔で答えた。
その笑顔は誰もが清く!正しい!射命丸!!と口をそろえて言えるような笑顔だった。
難関スペルを撮れたという最高の嬉しさと達成感で空を飛ぶ。
そんな気分で次のターゲットの元に向かう。
しかし嬉しさのあまり失念していることがあった。
八雲 藍は式神で彼女を使う主がいるということを。
何日か後その主の写真を撮ろうとして藍以上に苦しむことになるが、今の文では考え付かない事柄である。
八雲 藍は安定しない視界のなか呆れたように、だが少し楽しそうに目の前の鴉天狗を見つめていた。
「納得がいく写真が撮れるまで貴方から離れる気はありませんから」
対する射命丸 文は息を切らしてはいるが意地の悪い余裕の笑みを見せていた。
「まあ私も暇だからな。いくらでも付き合ってやる!!」
叫ぶと同時にスペルカードが発動する。
―――― 超人「飛翔役小角」――――
もう何回挑んだかなんて忘れてしまったこのスペルカード。
最初の頃は清々しいほど何度も同じ所で轢かれていた。
理解するまで頭を悩ませていたのも今となっては良い思い出だ。
文はそんなこともあったなーと懐かしさに浸っていた。
しかしもうそんなことを考えていられる余裕はどこにもなかった。
八雲 藍が回転しながらこっちに向かって突進してきているからだ。
急いでフィルムを巻く。
低速移動なんてしていたら端に追い詰められてしまう。
初めはすぐに充填が100%になる。
そしてなるべく左端に行き藍を誘い出し、向かってきたところを撮影する。
撮影をしたら素早く切り返す。
右端に到達する前に充填を溜めなければならない。
このとき蝶弾幕に注意する。
低速移動を織り交ぜながら周囲の蝶を避ける。
極度の緊張のせいかフィルムを巻く手が汗に濡れる。
少々不快だが気にしてはいられない。
汗なんか気にしていたら気が散って良い写真が撮れない。
良い写真はおろか撮る前に轢かれてしまう可能性もある。
そんな雑念を振り払い2枚目を撮り、切り返す。
撮っては切り返す。
その行為を繰り返し着実に写真を撮っていく。
残り枚数はあと2枚。ここからが本番だ。
「どうしました?貴方の実力はこんなものですか?」
思わず挑発する。
挑発そのものに意味はないが、何か喋らないと息が詰まりそうだったからだ。
藍の突進スピードが今までの比ではないほど上がる。
だが目で追えないほどではない。
同じように超低速でフィルムを巻く。
ここからは低速で藍も避けなくてはならない。
藍も避けることにより端に到達するのが早くなる。
それまでに100%にする。けっこうシビアな世界だ。
それでも全くできないというほどでもない!
カメラを強く握る。充填は溜まっている。
完全に追い詰められる前にシャッターを切る!
カシャッという音が響く。
どうやら上手く撮れたようだ。
しかし安心していられたのはほんの一瞬。
最後の1枚が残っている。
いつもここで轢かれるか蝶に当たるかだった。
もはや藍のスピードは目では追えない。
たとえ充填が溜まっても速すぎてカメラに収まらないことが多々あった。
それほど藍のスピードは尋常じゃないほど速かった。
同時に低速を入れる機会も自然と増える。
徐々に右端に追い詰められいく。
あと少し・・・!あと少しで充填が溜まる!!
もうほとんど逃げ場はない。恐怖で超低速移動ができなくなる。
――――――ガシャン
充填が100%になったという合図だ。
(・・・まだ間に合う!今だ!!)
一か八かカメラを構える。周りを見てる余裕なんてない。
ただ己の腕を信じるのみ!
シャッターを切る音が大きく響く。
いつもならあと少しのところで避けられていたがこの時ばかりは違っていた。
八雲 藍がしっかりと写真に写っていた。
思わず普段はやらないが小さくガッツポーズをした。
「今まで取材にお付き合いいただきありがとうございます」
文は深々と礼をする。
「お礼をされるようなことはしてないけどな」
「プロの記者として取材のお礼は当然のことです。それではまた取材させてください」
「あ、おいもう行くのか!?少し休んだ方がいいぞ!」
「記者だから大丈夫です!」
何がどう大丈夫なのかはわからないがとびっきりの笑顔で答えた。
その笑顔は誰もが清く!正しい!射命丸!!と口をそろえて言えるような笑顔だった。
難関スペルを撮れたという最高の嬉しさと達成感で空を飛ぶ。
そんな気分で次のターゲットの元に向かう。
しかし嬉しさのあまり失念していることがあった。
八雲 藍は式神で彼女を使う主がいるということを。
何日か後その主の写真を撮ろうとして藍以上に苦しむことになるが、今の文では考え付かない事柄である。
コンプ…か…(遠い目
ダブスポ欲しいな~