この先、壊れパロ
シリアス無用!
れっつじょーだん!
この少女、その名をフランドール・スカーレット♪という
身長1●◎cm、体重(レーヴァティン!)㎏
文句の付けようのないペドっこである
ぷにぷにすべすべの細っこい手足
わたあめの様に甘くてふわふわのハニーブロンドにハニーボイス
そして、その背には羽とも宝石ともつかぬ異形の翼
495歳!そのたたずまいから、年齢を知ったものは一様に驚きを隠せない
その眼光は、見たもの全てに狂気と死の確信を抱かせる
杖!向き合う者を怯ませずぬはおかぬ 魔杖!
持ち主の有り様を示すかの様に、醜く歪んだ魔性の杖。
特技・・・万物破壊!
魔法戦闘の権威である霧雨魔理沙女史は、かつてこう述べている。
破壊力=密度×弾数×弾速×攻撃範囲であると。
しかし、このフランドール・スカーレット
巨大な隕石を一撃で破壊した経歴をもちながら
本気で魔力を放った事がない。
何故・・・?
どこぞの喧嘩師がその強すぎる握力で、自分の拳を握りつぶしてしまうように
彼女の強大に過ぎる魔力は、彼女自身をも破壊してしまうからである。
そのフランドールが
この度本気で魔力を放つ!!!!
己が我侭を通す為には・・・
勝敗も(相手の)生死をも問う処ではない!!
ふらんどーる・すかーれっと♪
推して参いる!!!
第一撃 “私の名前を言ってみろ!”
今日も平和な紅魔館。
煌々と輝く月明かりの下、紅の姉妹はテラスで優雅なティータイム。
「今日はとっても良い月ね、フラン。」
「はい!お姉さま!!」
元気いっぱいフランちゃん、大好きなおねーさまと一緒でとってもご機嫌です。
「こんな静かな夜には、きっと素敵な事が起きるわ。」
「お姉さまの力で?」
「いいえ、それじゃ折角の夜に無粋と言うものでしょ?だからこれは私の予k。」
どず~~~ん
響く爆音、吹き上がる煙
『うぉぉおおおおおおおおおおおおおおおっつ!ちゅ~ごくって言ぅなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
『あぁ!も、門番長!お気を確かに!!』
轟く咆哮は、紛れもなく紅魔館門番のもの。
「・・・とても素敵な予感ね、おねーさま♪」
「・・・なに?あのおと?れみりゃわかんない。ぱぱ、まま、こわいよぉ」
へたれみりゃ
都合が悪くなると、幼児化して誤魔化す癖は直しましょうレミリア様。
「まったく・・・咲夜~?」
しーん
珍しい事もあるものです、完全で瀟洒なメイド長が呼んでも来ないなんて。
一体彼女の身に何が・・・
『うおおぉぉおぉぉおお!!お前か!!??お前が私を中国って呼んだのかぁぁぁぁ!!!』
『ちょっ、待って!落ち着いてちゅうごふぅぅぅぅぅぅ!!!!』
『まだ言うかぁ!その口か!?その口が言うのかぁ!!』
『あぁっ!メ、メイド長がやられた~~~!!』
『退避!たいひ~~~!!』
起こったのかよくわかりました。
「おね~さまはこんなだし・・・おもしろそ~だし私が行こ~っと♪」
●
紅魔館エントランスホール
荘厳華麗な真紅の大広間は、今最後の防衛ラインとして機能していた。
『あ~てすてす、門番長~。貴女はすでに包囲されています。速やかに人質を解放してお縄についてくださ~いってちょっとまって~~~~!!!』
どがしゃ
拡声器片手に説得に当たっていた小悪魔リトルが吹き飛ばされる。
壁とも見まごう弾幕で彼女を撃墜したのは、ホール中央に立つ紅の影。
「よんでみろ・・・私を名前で・・・呼んでみろおおおお!!」
紅魔館門番、くれないみすず。
仁王立ちに咆え猛る彼女の胸元の大渓谷には銀髪のメイドが挟まっている。
ぴくりとも動かない、どうやら屍のようだ。
机を積み重ねたバリケードに隠れたメイド部隊も、その威容に押されて動くことが
できない。
「よべ!私の名前を呼んでみろ・・・ぐぅ!?」
「まったく・・・馬鹿騒ぎもいい加減になさい。」
凛々しく言い放ったのは、紅魔館が誇る紫もやしパチュリー・ノーレッジ!
彼女の快心の結界が門番の足を止めたのだ。
「があああああああっつ!!!!」
苦しみもだえる中国。博麗や八雲の結界に比べれば汎用性に欠けるものの、設置型の結界ならば両巨頭のそれにも匹敵する大結界。
「あきらめなさい中国、あなたの力ではそれは・・・」
びき
教訓、たとえオフィシャル最強の結界であろうとも、壊れギャグである限りそれは必ず破られる運命にある。
そーなのかー
「ちゅうごくって言うなぁああああああああああ!」
ばき!、きら~ん☆
自慢の結界をあっさり破られ、お星様になる無駄知識の魔女。
『あぁ、魔理沙・・・刻が見える・・・』
結構余裕だ、そのうち帰ってくるであろう。
「ぱ、パチュリー様までやられるなんて・・・」
「か、敵う訳ないです~!」
そう、壊れ系において暴走中国は無敵。
撤退は極めて理性的な判断の結果といえる。しかし・・・
「に~が~す~かぁ~!」
知らないのかね?大魔王からは逃げられない。
「「「「「「いやあああああ!!」」」」」」
『たのしそうね』
ホールの奥から響く声。
小さな少女の声で発せられたそれは、居合わせた者全ての心に激震を走らせた、
「「「「い、妹さま・・・!」」」」
ホールの奥、二階部分のバルコニーに、紅茶のカップを手に持ったフランドールの姿がある。
ずん!
今度は物理的な激震。
震源はホール中央、門番の足元の床がクレーター状に抉れている。
にやり
「ちょうど良かった・・・妹様、貴女に会いたかった・・・」
怯む様子もなくフランドールに話しかける中国。
「どうせ貴女も、私の名前なんか覚えていないんでしょうね・・・」
「・・・」
「私は、この紅魔館の門番として何年も、何十年も、何百年も!雨の日も、風の日も、ナイフが降ろうと!!休む事無く門番を勤め上げてきました!!!」
「・・・」
「全ては主、スカーレットの御為なればこそと!だというのに貴女は!貴女方は、せめて名前で呼んでもらいたい!そんなささやかな望みすら叶えてくれないというのですか!?最萌えで優勝した事が全てを帳消しにする程の罪だというのですか!!??」
「・・・」
「・・・最後です、妹様・・・私を名前で呼んで下さい・・・」
ごくり
周囲のメイド達が緊張する。
いまや紅魔館の平メイドどころか、門番隊でさえろくに覚えていない門番長の本名。
それを、外出どころか地下の部屋から外に出た事すらろくに無かった妹様が知っている訳が無い!
「・・・」
それを肯定するかの様に、フランドールは黙して語らず。
門番中国は深く、深く息を吐いた。
「・・・そうですか・・・残念です・・・では」
では?
「教育してあげます!恐怖と敗北の二つの色で、私の名前を魂に刻みなさい!!」
身構える中国、それに対しフランドールがはじめて口を開く。
「スペルカードは使わないの?」
にやり
中国は獰猛な笑みを浮かべ
「勝利の味を・・・より濃くする為です!」
ぎゅおっ!!
風を巻いてフランドールに飛び掛る中国。
「はぁあああああっつ!!」
裂帛の気合!それが周囲の者の耳に入ったのは、初撃がフランドールの小さな体に打ち込まれた後。音速を超える脅威の踏み込み!それに続くのは
ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
全く切れ目が聞こえない無数の打ち込み!一撃一撃が極限まで圧縮された気を纏い、それをあいての体内で炸裂させる必殺必死の究極奥義!
名づけて“中極殺!”
小P小P→小K大Pが素敵な3ゲージ瞬殺技だ!
「滅!」
なにが『勝利の味を濃くする為』だ!スペカ使わない方がよっぽど強いじゃねーか!
などと周囲の者は一致団結して突っ込んだ、もちろん心の中で。
土煙の晴れた後、フランドールの姿はどこにも見えない。
あの連撃を受けて、形を保っていられる存在など、どこにも居ないだろう。
「そ、そんな・・・!」
「あぁ・・・妹様まで・・・」
悲壮感たっぷりに嘆き悲しむメイド達。
その姿とは対照的に
「!!!!」
中国の美しい顔は、冷汗にまみれ恐怖に引きつっていた。
彼女の目の前に浮かぶのは、ちいさなティーカップと・・・
『クスクス』
それを持つ小さな手。
『クスクスクス』
腕、体、足、
『クスクスクスクス』
桜色のクチビル、淡く桃色に染まったやわらかそうな頬
「クスクスクス」
紅と狂気を宿した瞳、ふわふわのハニーブロンド
傷一つ無く、あっという間に復元したフランドールがそこに居た。
『こ、こいつ・・・』
フランドールはゆっくりと、上品に紅茶を啜る。足元のカーペットは、一滴たりとも紅茶で汚れてはいない。
『・・・・この人はっつ』
呑み終わったティーカップを、興味なさ気に放り投げるフラン。
『勝つとか・・・っつ・・・・負けるとか・・・・っつ』
薄い胸元に手を突っ込んで、何かを探し・・・
『そーゆう次元じゃねえっつ!!!』
懐から取り出されたのは、一枚のスペルカード。
『勝負なんて』
“禁忌『レーヴァティン』”
『するんじゃなk・・・』
ごぅ!
炎剣一閃、被弾しつつも喰らいボム発動でなんとか凌ごうとした中国だったが・・・
「ぐえっ」
どがしゃ~ん!
ぐしゃ
健闘空しく吹き飛ばされ、壁のしみとなった
●
こつこつ
『あ、私・・・生きてる・・』
こつこつ
『よかった・・・鍛えてて・・・』
こつこつこツ!
顔に差すかげ、見上げればフランドールが心配そうな顔でこちらを見下ろしていた。
「・・・殺して下さい。」
口をついたのは、そんな声。
「如何なる理由があろうとも、主家に弓引いたその罪けっしてt「すっご~い!」償える・・・?」
驚いてフランドールを見上げる。
にぱっ
そんな表現が似合うような無邪気な笑顔。
「すっご~~~い!何いまの!もう一回やって見せて!」
あぁ、妹様もこんないい笑顔が出来るようになられたんだ・・・
わが門番の生に悔い無s「めーりん!こんなに強いのなんでいままで黙ってたの!?」
・・・いま・・・なんと?
がばっつ!
「妹様、今なんとおっしゃいましたか?」
「え~、だから~なんで今までつよいの」
「そこじゃなくてもう少し前!わ、私の事をなんと・・・」
「めーりんでしょ?門番の紅美鈴。」
「漢字じゃなくてひらがなで言ってみて下さい!」
「えー・・・ほん・めいりん。」
くぅ
『私のこと・・・覚えてて・・・くれた・・・』
全身は傷だらけ、骨も何本か砕け、出血は未だに止まらない
『くれないみすずでも無く・・・ほんみりんでも無く・・・ほん・めいりんと・・・』
だというのに、痛みはぜんぜんきにならず
「うっ、うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
涙が彼女の心を優しく洗った
「あ、ありがとうございますぅうううううう!!!」
叩頭、額よ砕けろとばかりに地に頭を打ち付ける。
その光景に、周りのメイド達も漢泣きに涙を流したという。
「じゃあめーりん、私のお部屋で遊びましょ♪」
えっ?
「あ、あの~妹様?私は今見ての通りの重体でして・・・」
「そんなの関係ない!こんなに強いの黙ってたなんてズルイじゃない!!」
ずるずる
立つ事はおろか、起き上がる事すらできない美鈴をフランが無情に・・・否、非常に楽しそうに引き摺っていく。
「ちょ、ちょ、ちょっとまって下さい!リトルさん!パチュリーさま!咲夜さん!だ~れ~か~~~~~!」
全員あんたがぶったおしたんだろーが!
ずるずる
メイド衆の突っ込みは誰の耳にも届かず・・・
ずるずるずる
「さぁなにして遊ぶ?串刺し?丸焼き?それとも鋸引き?」
誰に助けられる事も無しに・・・
「い~~~や~~~~~!」
ずるずる・・・ぎぃぃばたん!
紅魔館門番、紅美鈴は姿を消した。
そして誰もいなくなるか?
「うぇ~~ん、さくや~~」
“リザレクション”!
「今お傍に参ります!れみりゃさまぁあああああああああああ!!!!!」
あ、一人復活した。
シリアス無用!
れっつじょーだん!
この少女、その名をフランドール・スカーレット♪という
身長1●◎cm、体重(レーヴァティン!)㎏
文句の付けようのないペドっこである
ぷにぷにすべすべの細っこい手足
わたあめの様に甘くてふわふわのハニーブロンドにハニーボイス
そして、その背には羽とも宝石ともつかぬ異形の翼
495歳!そのたたずまいから、年齢を知ったものは一様に驚きを隠せない
その眼光は、見たもの全てに狂気と死の確信を抱かせる
杖!向き合う者を怯ませずぬはおかぬ 魔杖!
持ち主の有り様を示すかの様に、醜く歪んだ魔性の杖。
特技・・・万物破壊!
魔法戦闘の権威である霧雨魔理沙女史は、かつてこう述べている。
破壊力=密度×弾数×弾速×攻撃範囲であると。
しかし、このフランドール・スカーレット
巨大な隕石を一撃で破壊した経歴をもちながら
本気で魔力を放った事がない。
何故・・・?
どこぞの喧嘩師がその強すぎる握力で、自分の拳を握りつぶしてしまうように
彼女の強大に過ぎる魔力は、彼女自身をも破壊してしまうからである。
そのフランドールが
この度本気で魔力を放つ!!!!
己が我侭を通す為には・・・
勝敗も(相手の)生死をも問う処ではない!!
ふらんどーる・すかーれっと♪
推して参いる!!!
第一撃 “私の名前を言ってみろ!”
今日も平和な紅魔館。
煌々と輝く月明かりの下、紅の姉妹はテラスで優雅なティータイム。
「今日はとっても良い月ね、フラン。」
「はい!お姉さま!!」
元気いっぱいフランちゃん、大好きなおねーさまと一緒でとってもご機嫌です。
「こんな静かな夜には、きっと素敵な事が起きるわ。」
「お姉さまの力で?」
「いいえ、それじゃ折角の夜に無粋と言うものでしょ?だからこれは私の予k。」
どず~~~ん
響く爆音、吹き上がる煙
『うぉぉおおおおおおおおおおおおおおおっつ!ちゅ~ごくって言ぅなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
『あぁ!も、門番長!お気を確かに!!』
轟く咆哮は、紛れもなく紅魔館門番のもの。
「・・・とても素敵な予感ね、おねーさま♪」
「・・・なに?あのおと?れみりゃわかんない。ぱぱ、まま、こわいよぉ」
へたれみりゃ
都合が悪くなると、幼児化して誤魔化す癖は直しましょうレミリア様。
「まったく・・・咲夜~?」
しーん
珍しい事もあるものです、完全で瀟洒なメイド長が呼んでも来ないなんて。
一体彼女の身に何が・・・
『うおおぉぉおぉぉおお!!お前か!!??お前が私を中国って呼んだのかぁぁぁぁ!!!』
『ちょっ、待って!落ち着いてちゅうごふぅぅぅぅぅぅ!!!!』
『まだ言うかぁ!その口か!?その口が言うのかぁ!!』
『あぁっ!メ、メイド長がやられた~~~!!』
『退避!たいひ~~~!!』
起こったのかよくわかりました。
「おね~さまはこんなだし・・・おもしろそ~だし私が行こ~っと♪」
●
紅魔館エントランスホール
荘厳華麗な真紅の大広間は、今最後の防衛ラインとして機能していた。
『あ~てすてす、門番長~。貴女はすでに包囲されています。速やかに人質を解放してお縄についてくださ~いってちょっとまって~~~~!!!』
どがしゃ
拡声器片手に説得に当たっていた小悪魔リトルが吹き飛ばされる。
壁とも見まごう弾幕で彼女を撃墜したのは、ホール中央に立つ紅の影。
「よんでみろ・・・私を名前で・・・呼んでみろおおおお!!」
紅魔館門番、くれないみすず。
仁王立ちに咆え猛る彼女の胸元の大渓谷には銀髪のメイドが挟まっている。
ぴくりとも動かない、どうやら屍のようだ。
机を積み重ねたバリケードに隠れたメイド部隊も、その威容に押されて動くことが
できない。
「よべ!私の名前を呼んでみろ・・・ぐぅ!?」
「まったく・・・馬鹿騒ぎもいい加減になさい。」
凛々しく言い放ったのは、紅魔館が誇る紫もやしパチュリー・ノーレッジ!
彼女の快心の結界が門番の足を止めたのだ。
「があああああああっつ!!!!」
苦しみもだえる中国。博麗や八雲の結界に比べれば汎用性に欠けるものの、設置型の結界ならば両巨頭のそれにも匹敵する大結界。
「あきらめなさい中国、あなたの力ではそれは・・・」
びき
教訓、たとえオフィシャル最強の結界であろうとも、壊れギャグである限りそれは必ず破られる運命にある。
そーなのかー
「ちゅうごくって言うなぁああああああああああ!」
ばき!、きら~ん☆
自慢の結界をあっさり破られ、お星様になる無駄知識の魔女。
『あぁ、魔理沙・・・刻が見える・・・』
結構余裕だ、そのうち帰ってくるであろう。
「ぱ、パチュリー様までやられるなんて・・・」
「か、敵う訳ないです~!」
そう、壊れ系において暴走中国は無敵。
撤退は極めて理性的な判断の結果といえる。しかし・・・
「に~が~す~かぁ~!」
知らないのかね?大魔王からは逃げられない。
「「「「「「いやあああああ!!」」」」」」
『たのしそうね』
ホールの奥から響く声。
小さな少女の声で発せられたそれは、居合わせた者全ての心に激震を走らせた、
「「「「い、妹さま・・・!」」」」
ホールの奥、二階部分のバルコニーに、紅茶のカップを手に持ったフランドールの姿がある。
ずん!
今度は物理的な激震。
震源はホール中央、門番の足元の床がクレーター状に抉れている。
にやり
「ちょうど良かった・・・妹様、貴女に会いたかった・・・」
怯む様子もなくフランドールに話しかける中国。
「どうせ貴女も、私の名前なんか覚えていないんでしょうね・・・」
「・・・」
「私は、この紅魔館の門番として何年も、何十年も、何百年も!雨の日も、風の日も、ナイフが降ろうと!!休む事無く門番を勤め上げてきました!!!」
「・・・」
「全ては主、スカーレットの御為なればこそと!だというのに貴女は!貴女方は、せめて名前で呼んでもらいたい!そんなささやかな望みすら叶えてくれないというのですか!?最萌えで優勝した事が全てを帳消しにする程の罪だというのですか!!??」
「・・・」
「・・・最後です、妹様・・・私を名前で呼んで下さい・・・」
ごくり
周囲のメイド達が緊張する。
いまや紅魔館の平メイドどころか、門番隊でさえろくに覚えていない門番長の本名。
それを、外出どころか地下の部屋から外に出た事すらろくに無かった妹様が知っている訳が無い!
「・・・」
それを肯定するかの様に、フランドールは黙して語らず。
門番中国は深く、深く息を吐いた。
「・・・そうですか・・・残念です・・・では」
では?
「教育してあげます!恐怖と敗北の二つの色で、私の名前を魂に刻みなさい!!」
身構える中国、それに対しフランドールがはじめて口を開く。
「スペルカードは使わないの?」
にやり
中国は獰猛な笑みを浮かべ
「勝利の味を・・・より濃くする為です!」
ぎゅおっ!!
風を巻いてフランドールに飛び掛る中国。
「はぁあああああっつ!!」
裂帛の気合!それが周囲の者の耳に入ったのは、初撃がフランドールの小さな体に打ち込まれた後。音速を超える脅威の踏み込み!それに続くのは
ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
全く切れ目が聞こえない無数の打ち込み!一撃一撃が極限まで圧縮された気を纏い、それをあいての体内で炸裂させる必殺必死の究極奥義!
名づけて“中極殺!”
小P小P→小K大Pが素敵な3ゲージ瞬殺技だ!
「滅!」
なにが『勝利の味を濃くする為』だ!スペカ使わない方がよっぽど強いじゃねーか!
などと周囲の者は一致団結して突っ込んだ、もちろん心の中で。
土煙の晴れた後、フランドールの姿はどこにも見えない。
あの連撃を受けて、形を保っていられる存在など、どこにも居ないだろう。
「そ、そんな・・・!」
「あぁ・・・妹様まで・・・」
悲壮感たっぷりに嘆き悲しむメイド達。
その姿とは対照的に
「!!!!」
中国の美しい顔は、冷汗にまみれ恐怖に引きつっていた。
彼女の目の前に浮かぶのは、ちいさなティーカップと・・・
『クスクス』
それを持つ小さな手。
『クスクスクス』
腕、体、足、
『クスクスクスクス』
桜色のクチビル、淡く桃色に染まったやわらかそうな頬
「クスクスクス」
紅と狂気を宿した瞳、ふわふわのハニーブロンド
傷一つ無く、あっという間に復元したフランドールがそこに居た。
『こ、こいつ・・・』
フランドールはゆっくりと、上品に紅茶を啜る。足元のカーペットは、一滴たりとも紅茶で汚れてはいない。
『・・・・この人はっつ』
呑み終わったティーカップを、興味なさ気に放り投げるフラン。
『勝つとか・・・っつ・・・・負けるとか・・・・っつ』
薄い胸元に手を突っ込んで、何かを探し・・・
『そーゆう次元じゃねえっつ!!!』
懐から取り出されたのは、一枚のスペルカード。
『勝負なんて』
“禁忌『レーヴァティン』”
『するんじゃなk・・・』
ごぅ!
炎剣一閃、被弾しつつも喰らいボム発動でなんとか凌ごうとした中国だったが・・・
「ぐえっ」
どがしゃ~ん!
ぐしゃ
健闘空しく吹き飛ばされ、壁のしみとなった
●
こつこつ
『あ、私・・・生きてる・・』
こつこつ
『よかった・・・鍛えてて・・・』
こつこつこツ!
顔に差すかげ、見上げればフランドールが心配そうな顔でこちらを見下ろしていた。
「・・・殺して下さい。」
口をついたのは、そんな声。
「如何なる理由があろうとも、主家に弓引いたその罪けっしてt「すっご~い!」償える・・・?」
驚いてフランドールを見上げる。
にぱっ
そんな表現が似合うような無邪気な笑顔。
「すっご~~~い!何いまの!もう一回やって見せて!」
あぁ、妹様もこんないい笑顔が出来るようになられたんだ・・・
わが門番の生に悔い無s「めーりん!こんなに強いのなんでいままで黙ってたの!?」
・・・いま・・・なんと?
がばっつ!
「妹様、今なんとおっしゃいましたか?」
「え~、だから~なんで今までつよいの」
「そこじゃなくてもう少し前!わ、私の事をなんと・・・」
「めーりんでしょ?門番の紅美鈴。」
「漢字じゃなくてひらがなで言ってみて下さい!」
「えー・・・ほん・めいりん。」
くぅ
『私のこと・・・覚えてて・・・くれた・・・』
全身は傷だらけ、骨も何本か砕け、出血は未だに止まらない
『くれないみすずでも無く・・・ほんみりんでも無く・・・ほん・めいりんと・・・』
だというのに、痛みはぜんぜんきにならず
「うっ、うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
涙が彼女の心を優しく洗った
「あ、ありがとうございますぅうううううう!!!」
叩頭、額よ砕けろとばかりに地に頭を打ち付ける。
その光景に、周りのメイド達も漢泣きに涙を流したという。
「じゃあめーりん、私のお部屋で遊びましょ♪」
えっ?
「あ、あの~妹様?私は今見ての通りの重体でして・・・」
「そんなの関係ない!こんなに強いの黙ってたなんてズルイじゃない!!」
ずるずる
立つ事はおろか、起き上がる事すらできない美鈴をフランが無情に・・・否、非常に楽しそうに引き摺っていく。
「ちょ、ちょ、ちょっとまって下さい!リトルさん!パチュリーさま!咲夜さん!だ~れ~か~~~~~!」
全員あんたがぶったおしたんだろーが!
ずるずる
メイド衆の突っ込みは誰の耳にも届かず・・・
ずるずるずる
「さぁなにして遊ぶ?串刺し?丸焼き?それとも鋸引き?」
誰に助けられる事も無しに・・・
「い~~~や~~~~~!」
ずるずる・・・ぎぃぃばたん!
紅魔館門番、紅美鈴は姿を消した。
そして誰もいなくなるか?
「うぇ~~ん、さくや~~」
“リザレクション”!
「今お傍に参ります!れみりゃさまぁあああああああああああ!!!!!」
あ、一人復活した。
もちろんはなy(レーヴァテイン!
本当に有難うございました