Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

鳥目

2006/05/03 08:10:39
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「ああ~、花が咲くわ~、いっぱい咲いてるわ~♪」
「こんにちは、ミスティアさん」
「あら、いつかの鴉さん」
「射命丸文です。いい加減に覚えてください」
「ちゃんと名前も覚えてるわ。けど、理由もないけどアナタは鴉さんなの」

今のミスティアさんの言葉にガックリと肩を落とす。

「けど、鴉さん。花が綺麗よ。まぁ、私は歌えればいいんだけどね~」

確かに私の上には桜の花がこれでもかというぐらいに咲いている。

「凛と微笑む、鴉さん~、けれどアナタの風で桜は雪よ~♪」
「あ、あの……私、そこまで無粋なことはしないんですけど」
「そう? アナタならやたら咲き誇ってるこの桜を『エラクもないけどエラぶってる~!!』って飛ばしそうよ~」
「待ってください! 私をどんな風に見てるんですか!」
「鴉さん~、プライド高いアナタは文句が怖い~、実は臆病なのさ~♪」
「違います!」

うわーん、ひどいです。そんなこと無いです!
鳥仲間だから信じてたのにー。
そしてそんな泣き出しそうな私のために友である風は舞う。
風は慰め落ち着かせるように私を包み込む。
そんな風に花は煽られ散り行き辺り一面を雪のように花吹雪が舞う。

「って、ホントに私、花を散らしてます!」
「鴉さん~、優しいアナタは嘘をホントにホントを嘘にする~♪ アナタはだあれ? 私は夜雀。アナタのお友達~♪」
「うう……できれば本当にしたくなかったですよ」
「鳥は飛ぶ~、鳥は忘れる~、烏はどうかしら~、私は忘れるわ~♪」
「鴉は賢いんですよ。けど……今はそうですね、ただの鳥でいいです」
「烏~、鳥~、アナタは間違えやすい~、けれど少し違うのよ~♪」

鳥が飛ぶ。烏は呆然と地にいるというのに。
急ぐわけじゃなく、歌うまま、気の向くままに。
彼女は輝いている。
ああ、これはまさに今を精一杯に生きる輝き。
彼女は、歌に恋している。彼女は歌と共に生き歌に死ぬのだろう。

「鴉~、烏~、カラス~、空巣~? あなたは空き巣なのかしら~♪」
「違います!!」
「あら。鴉さん、アナタ人間よりからかい甲斐があるわね。最近の人間ときたらむしろ私をからかってくるからつまらなかったの」
「ま、待ってください! アナタってそんなキャラでしたか!?」
「ううん。確かに人間はからかって遊んでたけど友達をからかうなんてしたこと無かったわ~」
「あ゛~!! なんで天狗の私がこんないいように~!?」








「だって、鴉って鳥目でしょ?」
ローレライの歌は船を迷わせると言います。
みすちーの歌は妖怪も迷わせるのでしょうか。
蒼羽
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