Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

ねこねこ

2006/04/12 08:15:51
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あらすじ  

   うー!




 ネコになったよノーレッジ。
 さてさてどうなる?
 
 つづきだよ。




 飛び込む仔猫を抱きしめて。
 なでなで小悪魔、あやしてる。


 こねこねこねこ、よしよしよし。
 こねこねこねこ、なかないで。


「可愛い顔が台無しよ?」
「むきゅ…」


 仔猫のパチュリー泣き止んで。
 小悪魔ほっと、一安心。


「よかった、泣き止んでくれて」
「……むきゅ」

 ぐしぐしおめめをこすったら。
 泣き虫仔猫はもういない。

 やさしいあの子の胸の中。
 落ち着いたから、もう大丈夫。

 けれども油断は大敵禁物。
 大きな仕事が残ってる。

「……それにしてもパチュリーさまはどこかしら?」
「むきゅ」

 猫度が上がってネコになる。
 そんな私はノーレッジ。
 むらさき仔猫のノーレッジ。
 
 お話できない。
 ペンも持てない。
 
 どうして事情を伝えよう?

   くいくい

「ん?」
「ぱちゅりー」
「その鳴き声……」
「ぱちゅ!」
「あなた、パチュリーさまのこと知ってるの?」
「むきゅ~」

 きょろきょろ小悪魔。
 気づいてくれない。
 鳴き声だけじゃ、ダメみたい。

 まったくもう。
 大事なところでニブイんだから。
 
 のほほん小悪魔、仔猫を抱いて。
 ヴワルの図書館、歩き出す。

 
「ぱちゅ~」
「パチュリーさま~? パチュリーさま~?」

  ぷにぷに

「ひゃっ!?」
「ぱちゅりー」

 小悪魔ほっぺをぷにぷにつつく。
 「私はここよ」と自己主張。

「うん、そう、パチュリーさま」
「ぱちゅりー」

 くいくい。前足、自分を指して。
 「パチュリーなのよ」と自己主張。

「あなたも探してくれるの? ありがとう」
「むきゅ~」

  ぺしぺしぺしぺしぺし

「きゃあ!? ち、ちがうの?」

 ぜんぜんまったくちがいます。
 ぺしぺしぺしぺし、肉球ぱんち。
 ホントにホントに、ニブイんだから。


「困ったわ、私、ネコ語はわからないの」

 困ったわ。私、あなたがわからないの。

 こんなにアピールしてるのに。
 わかってくれないんだもん。

「ぱちゅ~」

 ちいさな仔猫は腕の中。
 ちいさくためいき、もらしてる。

「ごめんね?」

   くしくしくし


 きもちいいからのどなでないでー。


「むきゅ~」

 仔猫のまんまでよくなっちゃう。
 くすぐったそうに頭をふって。
 なんとか逃げる、魔性の指先。


「むきゅ……」

 魔法の呪文が歌えなくても。
 呼べばぜったい、来てくれる。
 世界の果てでも来てくれる。

 そんなあの子の胸の中。
 仔猫の彼女はメランコリー。

 二人の距離はこんなに近い。
 二人の心はこんなに遠い。

 あんなに一緒だったのに。
 なんて意地悪ディスティニー。


「パチュリーさまも見つからないし……」
「ぱちゅー」

 困る小悪魔、仔猫もヴワル。
 おっと困るだ。ん? ヴワル?

「ぱちゅ…」
「ん? どうしたの?」

 くるり見渡す図書館の本。
 これだけ本が、あるんだもの。
 何か役立つ本ないかしら?

 
 そのとき見かける一冊の本。
 背表紙タイトル、『炎の言霊』

「―――ぱちゅりー」

   くいくい

「なに? パチュリーさまが見つかった?」

 白いブラウス、袖をひかれて。
 小悪魔、仔猫を覗き込む。



      くわっ



 おばあちゃんは言ってた。

 『目は口ほどに物を言う』

 おばあちゃんはこうも言ってた。

 『男の熱い魂は 交わした腕と
  燃え滾る眼光によって伝達される』

 ってな。これは冗談じゃないぞ、ひより。


「……パチュリーさま!?」
「ぱちゅりー!」
「ああ、猫度のせいでこんなお姿に…」
「ぱちゅりー!」


 隅から隅まで伝わった。
 島本先生、ありがとう。


 書斎に戻って一休み。
 なんとかわかってもらえたけれど。

「どうすれば元に戻るんでしょう?」
「ぱちゅりー」

 今度はそっちが大問題。
 書斎のベッドに二人ならんで。
 うーんうーんと考える。

「うーん」
「むきゅ~」
「うーん」
「むきゅ~」

 悩む小悪魔、両手を組んで。
 パチュリー仔猫は前足組んで。
 右に左に体を揺らし。
 うーんうーんと考える。


   くーきゅるる


「あら?」
「……むきゅ~」

 ちいさく鳴るのはなんの音?
 パチュリー仔猫のおなかの音よ。
 だって朝食、まだだもの。

「そう言えば朝食がまだでしたね」
「ぱちゅー」
「はい、すぐにお持ちします」

 おなかを押さえるむらさき仔猫。
 おなかが減ってはいい知恵でない。
 まずはごはんを食べましょう。

 ぱたぱた小悪魔、朝食用意。
 今日のメニューはオニオンスープ。
 焼きたてジャぱんのいい香り。

 ジャぱんてなにさ? 
 普通のパンです。

 なんやてー。


「さぁ、どうぞ、パチュリーさま」
「ぱちゅぱちゅりー」

 いただきまーす。
 仔猫のパチュリー、手を合わせ。
 ちいさなパンを、ぱくりはぐはぐ。
 
「おいしいですか?」
「ぱちゅりー」

 お口にたべかすいっぱいつけて。
 仔猫のパチュリー、もぐもぐ食べる。

 ちいさなパンでもおおきく感じる。
 ちっちゃいってことは便利だね。
 デザート、プリンが食べたいな。

「ふふ。スープ、ふーふーしておきますね」
「ぱちゅー」

 白いカップのオニオンスープ。
 小悪魔ふーふー、冷ましてる。
 あついと飲めない。猫舌ですもの。

 オニオンスープ?
 あ、いけない。

「さぁ、どうぞ、パチュリーさま」
「ぱちゅー」


 飲んじゃダメだよノーレッ

    ぴちゃぴちゃぴちゃ

 ……飲んじゃった。


「! けほっ けほっ!」
「パチュリーさま!?」


     ぽんっ


「わぁ、なにごと!?」

 もくもくもくもく。けむりがもくもく。
 ベッドの上がまっしろけ。
 あわてる小悪魔おろおろおろろ。
 いったいなにがどうしたの?


「けほっ けほっ む むきゅ~」

 
 けむりが晴れたら視界は良好。
 おやおや? 誰か、居るみたい。

 頭にZUN帽かぶってて。


「―――あら」


 ほかにはなんにもつけてない。


「お、オニオンスープって、けほっ、こんな味だったかしら…」


 さらさらこぼれる紫の髪。
 長くて綺麗なアメジスト。

 涙に潤んだ瞳の色も。
 髪と同じ、宝石の色。

 ホントの雪でも羨むような。
 白い白い、雪色の肌。

 すらりと伸びた、細い手足は。
 ふれればこわれてしまいそう。

 華奢で小柄なつくりのカラダ。
 すごく、とっても、おんなのこ。

 ぺたっと両脚、投げ出して。
 ベッドの上で、けほけほしてる。

 裸のあの子はノーレッジ。
 裸の少女なノーレッジ。



    -おしえてマヨヒガ-

「橙とー!」
「藍の」
「おしえてマヨヒガ~♪」
「さて、今日はヴワル図書館で起こった事件を解説しよう」
「藍様、どうしてあの子はノーレッジ?」
「こらこら、そうじゃないだろ」
「あ。えっと、どうして突然、元に戻っちゃったんですか?」
「それは猫度が下がったからだよ」
「?????」
「彼女は猫度が上がったからネコになった」
「あ! だから猫度を下げれば元に戻れるんですね」
「そういうことだ。そして次に橙は
『でもどうして猫度が下がったんです?』と言う」
「でもどうして猫度が下がったんです? はっ!」
「それは彼女が食べたものに原因がある」
「あ、オニオンスープ!」
「そう。ネコにはタマネギは猛毒だからね」
「まちがって食べちゃうと大変です」
「ネコが食べてはいけないものを食べたから」
「猫度が下がって、元に戻ったんですね」
「そういうことだ。ちなみに、パンも危険だ」
「イーストを含むパンも、ネコにあげちゃいけないよ!」
「今回は猫度を上げてなったネコだったからよかったものの」
「普通のネコなら大変な……ぶるるっ」
「皆も、ネコを飼うときには十分に注意するようにな」
「藍様はいつも私のことに気を配ってくれてます」
「お前が大好きな主人として当たり前のことだ」
「えへへ……以上、おしえてマヨヒガのコーナーでしたー!」
「またな」



 元に戻った仔猫なあの子。
 生まれたまんまの、はだかんぼ。

「ああ、よかった」
「え? なにが?」
「もう、パチュリーさまったら」
「なんだか視線が高いよう―――」
「なにが起こったかわかりませんけど」
「な――――」
「元に戻ってよかったですね♪」



「き―――――」

 見下ろす先には裸の胸と。
 見せちゃいけない、大事なトコロ。


「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


 ヴワルの書斎で可愛い悲鳴。
 小悪魔あわてて、シーツをかけて。
 ある日ある朝、こんな一日。


 今日もあの子はノーレッジ。
 時にはうっかりノーレッジ。

 ネコの話はおわりだよ。
パチュリー!
じょにーず
コメント



1.削除
島本和彦吹いた。
あと、パチェ萌えぇぁァッ! パァアあぁぁぁあああッッ! オァッ!
2.CODEX削除
うー、ぱちゅりー、むきゅー!!!!!!!!
神ですか貴方は!!
3.ぐい井戸・御簾田削除
天道のおばあちゃんはホントに何者なんだ…
4.名無し妖怪削除
ちょこれーともダメなんだよ?
気をつけようね、仔猫のぱちゅりー
5.翔菜削除
パチュパチェパチュパチャpsだぢあshcbdhcs((((;゚Д゚))))



(*´Д`)
6.名無し妖怪削除
ぱちゅ萌え!!
これだけですべてがつたわるって
ばっちゃがいってた!!
7.ムク削除
うおおおおおおおおおおおおお
8.名無し妖怪削除
諸君、私はパチェが好きだ
9.名無し妖怪削除
猫には百合の花粉とかもまずいらしいです。


そして裸ZUN帽という新たなフロンティアを切り開いた貴方に敬意を。パチェ萌え。
10.名無し妖怪削除
題名を見て最後の作品かとおもった今はパチェ萌えしてる
11.変身D削除
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ(萌転
12.銀の夢削除
島本おおおお!?
なんてテンポのいいお話。パチェ萌ええええええええええ!
それにしてもそんな因果関係があったとは……最後の最後でしっくり。でも藍さま、橙。何で君らはこの事件を知っている?w
13.ちゅ削除
うごぶっ・・・パチェ萌えがここまで凄まじい凶器になるとはね・・・
14.Q-turn削除
作者様と島本先生に惜しみない感謝の意を。

パチェ萌え。
15.名無し妖怪削除
貴方に土下座して礼を述べます。

パチェ萌え!!
16.名無し妖怪削除
な、なんやてー
17.名無し妖怪削除
ぶふぅあっ! アンタ最高だゼ。
18.名無し妖怪削除
あ、あんたなんてもの書いてくれるんだ!?(褒め言葉)
19.名無し妖怪削除
鋪銑悵*・゜潺*:.。..。.:*・゜('∀')潺*:.。. .。.:*・゜潺*!!!!!
20.名無し妖怪削除
しかし伝達されるのは「男の熱い魂」
21.名無し妖怪削除
受け継がれる熱い魂ってもんがこんなにも良い物だったとは…>絵板3の4672
22.削除
ぱ、ぱちゅ、ぱ、ぱーーーーーーー!!
23.wasabi削除
い・・・いかん、鼻血が!
ぱちぇ萌え
24.Low-Bine削除
ゴフォッ・・・・・・
何という破壊りょ・・・く・・・

カハッ(吐血)

25.kase削除
パチュリー!
26.K-999削除
なんやてー!
27.名前が無い程度の能力削除
パチュリー!