Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

酸素無くなったら人間って死ぬんだよね

2010/03/20 20:34:47
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私は死なない、いや、そうというよりも、『死ねない』のだ。
そう、蓬莱人と呼ばれる人種へと変貌を遂げ、しばらく月日を経た時の話。

私だって人並みに人だったころは人間の幸福というものを求めたさ。
だけどさ、人間じゃなくなった私に人間の幸福も得られるわけも無くな。

殺されたよ。自分たちと少しだけ、いや少しじゃないか。とにかく自分たちと違うだけで私を人間として見なくなった。
殺した。そう、死ねない私を何度も何度も。

そしてどうやら人間は神の力を借りることを覚えたらしい。
神の火、すべてを焼き尽くす「神火」でじっくりと、な。

そこで私は髪が白くなったんだ、燃やされて、燃やされて。自画自賛かもしれないが、綺麗な黒髪だったんだぜ。
髪は女の命っていわれるよな。そんな『命』と引き換えに、変な力も手に入れた。

焼かれたときに体の中に残ってしまった「神火」を自由に操れるようになったというわけさ。

それでも死に切れなかった私はとりあえず逃げたんだ。そう、今も住んでいる竹林に。
その時は人間なんて憎いだけだった、しかし、そんな私の見解をかえるやつが現れたんだ。

綺麗な満月だったっけな。

いつもどおり石に座りこんで月を見上げながらウサギを焼いていた時のことだ。
いきなり現れた彼女はいきなり私を叱り始めた。
「火の始末はできるのか?この竹林が火事になったら人間の里にも被害がでるんだぞ」
だったっけな。そのあと自己紹介もしてくれたな。

彼女は満月の夜のみハクタクへと変化してしまうらしい。
つまりは普通の人間ではないということだ。

彼女は人間ではないのに人間の里で寺子屋を開いているという。
いつもいつもそこの子供たちの話をしてくれている

しかし、近くをたちよったときその寺小屋をのぞいてみたんだ。
その掃除の行き届いた寺子屋なのだが、中には誰一人いなかった。

その次の満月の晩も、その次も楽しそうに子供たちの話をしてくれた。

嘘をつれていることに気づいた私、自分と違うから、だろう。
誰にも告げず、告げられず、一人ですべてを背負いこんでしまうらしい彼女。そう考えた。
彼女を人間に共感をもたせられるようにするには……彼女をヒーローにするしかないだろう。
次の満月の晩が、勝負だ。

満月の晩がやってきた。
楽しそうに笑う彼女を尻目に言伝をどうするか、真剣に悩んでいた。

「どうした? 元気がないようだが?」
 次の満月の晩、人間の里を燃やす。
「なッ!?」

怒りが髣髴とさせる彼女を無視し、私はたたみかける。

 寺子屋、この前のぞかせてもらった。誰もいないじゃないか。
 必要とされてないんだろ?
「なぜ! なぜそんなことをする!?」

 そりゃあ……私が人間が嫌いだからだよ。
 お前こそ好いてももらえない人間に何を求めているんだ。

彼女がくずおれる、私は冷たく見下すように住処へ帰る、あと一月。



満月の晩がやってきた。
さてと、そろそろいくか。とばかりに人間の里へ下る。
そこで見た光景は凄惨な物だった。
燃えている。
家が、町が、燃えている。

なにより、そこで彼女が暴れまわっていたのだ。

そこで突然聞こえた彼女の声

これがお前の求めたものなのか!?

私じゃない、私じゃ……
そういっている間にも彼女は破壊活動を続けて……そうか。

火事だ。
彼女は火が広がるのを防ぐために崩しているのだ
彼女は大きな音を立てて人間を起こしているのだ

しかたない、彼女をヒーローにするためだ。

そう思い里に放つはずだった業火を闇の虚空に放った。
せめて、酸素が無くなれば……

その時、燃えていた家から子供がでてきた、さらに、その上に……何かが、降ってくる……!?
私はとっさに体が動いてその子供をかばっていた。

――……っ。
……ここは?

「私の家だ。
 それより、そんな傷を負ってしまって、そしてお前を勘違いしてしまったことを心から謝らせてもらう
 すまなかった」

いや、私にはそんなことはどうでもいい。
……私はお前がヒーローになれればな。

「本当に体は大丈夫か?」

私は死なない、っていってなかったか?

彼女は顔を噴火させる、そして顔を伏せる。
そ、そういう大切なことははじめにいってくれ、いらぬ心配をしてしまったではないか……!

そういって私たちは仲直りしたんだな。

そのあとはしっかり人間が私に対してお礼にもきたし、町の復興はあのハクタクとなかよくやっていたみたいだし。


少しくらい人間の見方を変えてやってもいいな……
慧音「この紙芝居をどうしろというんだ」
妹紅「寺子屋で使ってくれよ、私だって最近財政が苦しいんだ」
慧音「それが収入とどう関係あるんだ?」
妹紅「いや、その話を親にしてくれればうちの屋台に来てくれるかも知れないだろ?」
慧音「迷いの竹林に入る馬鹿者なんていないと思うぞ」

「……」
「……」
UC
コメント



1.ぺ・四潤削除
後書きで台無しだー! って思ってタイトルが目に入った。
……どっちにしても台無しだー!
2.ずわいがに削除
はい、確かに酸素が無くなれば火は消えます。……人の命の灯火がなぁ!

まぁ、しかしなんでしょう。リアルにこういう話はアリだと思います。
慧音のためなら、妹紅は本当に青鬼になるでしょうね。
3.名前が無い程度の能力削除
>>2
drum

いい話だと思ったのにwww
4.奇声を発する程度の能力削除
うん、後書きで台無しだwwwww