Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

彼女と私 (後日譚)

2010/03/15 23:55:47
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このSSは、「彼女と私 (咲夜)」の後日譚となっております。
別に読んでいなくても問題ないのですが一部判り辛いところもあると思われます。



幻想郷の狭間にある博麗神社。
早朝から博麗霊夢は境内の掃除をしていた。
いきなり空間が開き、八雲紫が式神の藍とともに現れた。
「おはよう、霊夢。」
「紫じゃない。おはよう。それに藍も。珍しいわね。こんなに朝早く。」
「今日だけは特別。それにしても、この天気、雨が降りそうね。」
「大丈夫でしょ。レミリアだけでなくフランも来るみたいだから、きっとパチュリーが曇らせているのだとと思うわ。」
「それより霊夢。昨晩あまり眠れなかったでしょ。」
「また覗いていたの?」
「今の霊夢の顔を見れば誰でも判るわ。それにね、こういう時の女の子は、妖怪も人間も変わらないものよ。」
「そうなの?」
「そうよ。掃除は藍にやらせるから、少し休んでいなさい。時間が来たら起こしてあげるから。良いわよね、藍。」
「御任せ下さい。」
「ありがとう、紫、藍」

紫の言葉に甘えて、霊夢は自室に戻った。
「で、何で紫はここまでついてきているの?掃除は?」
「聞いてなかったの?掃除は藍にまかせたの。」
「じゃぁ、紫は?」
「私は結の代わり。」
「母さんの代わり?」
いきなり紫は霊夢を抱きしめる。
「本当は幽々子に頼み込んででも結を連れて来ようかと思ったんだけどね。今日は閻魔も来るでしょ。流石に無理だったの。だから、私が代役。でも、お母さんは止めてね。そうね~お姉さんで良いわ。」
「いくらなんでも、ずうずうし過ぎない。」
「私は永遠の17歳だから良いの。」
「なにが永遠の17歳よ。」
紫の言葉に霊夢が笑って文句を言う。
「こういうことは、言った者勝ちよ。」
笑いながら紫は、霊夢の背を撫でた。
「霊夢。きっと結も喜んでくれるわ。」
「……うん。紫、ありがとう。ここに連れて来てくれて。母さんに合わせてくれて。」
「いいのよ。霊夢、結の最後の言葉覚えている?」
「うん。」
「私も結と同じ言葉を霊夢に送るわ。霊夢、幸せになりなさい。」
「ありがとう。母さん、紫姉さん。」
霊夢は涙ぐみ紫を抱き締めた。

長い博麗神社の階段を登り、レミリアたちがやって来た。
「やっと着いたわ。歩いてくると結構時間がかかるものなのね。」
「あら?昼間から出てきて大丈夫なのかしら?」
「なによスキマじゃない。霊夢は?」
「もうじき来るわよ。」
「あっそ。それより、あんたは何でここに居るのかしら?」
「今日の私は霊夢の姉代わりだからよ。」
「姉?曾祖母代わりの間違いじゃないの?」
「姉たら、姉なの!」
「紫、どうしたの?騒がしいけど。」
紫の声に外に霊夢が出てきた。
「あっ、霊夢。このお子ちゃまが、私の事を曾祖母の代わりだって言うのよ。」
「誰がお子ちゃまよ。」
「レミリア。今日くらいは許してあげて。紫も言い過ぎないようにね。私の姉さんなんでしょ。」
「「わかったわよ。」」
霊夢の言葉に不承不承に返事するレミリアと紫。
レミリアの後ろから咲夜がやって来た。
「咲夜、いらっしゃい。」
「霊夢、不束者ですが、宜しく御願い致します。」
「こちらこそ、宜しく御願いします。」
「どうしたの霊夢。顔赤いけど。」
「咲夜、凄く綺麗。」
「ありがとう。霊夢も綺麗よ。」
「ありがと。これは母さんが私にって残してくれたものなの。咲夜のそれってウエディングドレスってやつでしょ?」
「えぇ、美鈴と子悪魔が作ってくれたの。それとヴェールは妹様が作ってくれたの。」
「へぇ~フランが作ったの。凄く上手にできているわよ。」
「咲夜には、今までいっぱい遊んでもらっているから、そのお礼の気持ち。それに、咲夜がお姉様の娘なら、私にとっては姪になるんだよ。叔母として姪の喜ぶ顔を見たいもの。」
「ありがとうございます。妹様。」
霊夢に誉められ、咲夜に感謝され、フランドールは照れた笑顔を浮かべる。
「でも、白無垢とウエディングドレスって和洋折衷過ぎない。」
「当人達が気にしなければ些細な問題ね。」
「それより霊夢。私の娘を泣かしたら承知しないわよ。」
「判ってるわよ。それよりレミリア。後ろの荷物は何?}
「咲夜の嫁入り道具に決まってるじゃない。」
「ちょっと、あんた、荷車何台分持って来たのよ。」
「あら、少なかったかしら?」
「うちには、そんなに入らないわよ。咲夜、あんたも気付いたら止めなさいよ。」
「せっかくのお嬢様の好意ですので、言い出しにくくて……」
「貧乏って嫌ね~。嫁入り道具と一緒に新居も持ってきてあげれば良かったかしら?咲夜、貧乏に耐えられなくなったら直ぐ帰ってきて良いからね。」
「縁起でもないこと言うな!」
「仕方ないわね、一時、私が預かってあげるわ。その代わり、霊夢。時々でいいから、そのメイドをうちに貸してくれない?」
「紫、あんたまた何企んでるの?」
「たいした事じゃないわよ。外の世界でマヨイガにいる完璧銀髪メイドってかなり人気があるみたいだから、試しに少し居てもらおうかと思って。」
「そんなわけの判らないことには、貸さないわよ。」
「ケチ」
「ケチじゃない!全く何考えているの。それより、まだ時間もあることだし、向こうに席が用意してあるから、休んでいてよ。」
「そうさせて貰うわ。パチェも天候操作で疲れているし。」

レミリアたちが居なくなると今度は文がやって来た。
「霊夢さん。咲夜さん。おめでとうございます。」
「ありがと、文。」
「それで、お祝い代わりに少しでもお賽銭が入るようにと思って、博麗神社の広告ポスター作ってみました。」
「へぇ~見せてよ。」

 博麗神社に新しい巫女誕生!
 皆も良く知っている紅魔館のパーフェクトメイド 十六夜咲夜が今度は完璧な巫女として登場。
 今迄、美しい脚線美を披露し、皆を楽しませてきた彼女が、今度は瀟洒な脇を披露してくれる。
 是非一度は見物して、ついでにお賽銭を入れてあげよう。

ビリビリビリッ、グシャッ!

「せっかく作ったのに~」
「あんたも、このポスターみたくなりたい?」
「あっ、私まだ会場の撮影の途中でしたので、失礼します。」
「霊夢の為なら、巫女になってもいいけど……」
少し頬を赤らめた咲夜のそんな呟きは、霊夢には届かなかった。
文と入れ替わるように今度は早苗と永琳がやってきた。
「霊夢さん、咲夜さん。おめでとうございます。」
「おめでとう。」
「ありがとう。早苗、永琳。でも、変わった組み合わせね。」
「えぇ、今回のお祝いを作るのに永琳さんの力がどうしても必要だったので。」
「へぇ~。どういう物なの?」
「私の能力と永琳さんの能力はご存知ですよね?」
「確か、奇跡を起こす程度の能力と、ありとあらゆる薬を作る程度の能力だったはずですわ。」
「そうです。流石は咲夜さん。そして、これこそ、その能力をフルに使ったまさに、全人類の夢と希望の結晶です!」
そう言いながら早苗は手に持っていた物を霊夢たちに見せた。
「……薬?まさか、蓬莱の薬なんて言わないでしょうね?」
「霊夢さん。そんな安っぽい物ではありません。全人類の夢と希望の結晶って言ったじゃないですか!」
「いや、蓬莱の薬が安っぽいって……じゃぁ、何の薬よ?」
「女の子同士でも赤ちゃんが作れる薬です。」
「なっ!」
「実は神様が人間に赤ちゃんを産ませるって、割りとポピュラーな奇跡なんですよ。有名な所では某宗教の処女受胎とか。
でも、その奇跡では神の子供だけなので、現人神である私の子供になっちゃうんですよね。
そこで永琳さんに頼んで改良して貰って、薬にしたんです。」
「そう。この薬を使うと、同性間でも赤ちゃんを作ることができる上に副作用も全くない。完璧で安全な一品よ!って、聴いてる?」
「恥ずかしいから大声で言うな!それに何が全人類の夢と希望よ!」
「何言っているの!この薬があれば、同性間でも子供ができるから、少子化も問題なくなるわよ!あっ、生えたりしないから大丈夫よ。」
「知らないわよ。そんなこと!!持って帰れ!」
「え~せっかく作ったのに~」
「折角の好意ですもの。ありがたく受け取っておきましょ。使うかどうかは、後で二人で相談して決めましょ。」
横からすっと手を伸ばし薬を取り上げ綺麗な笑みを浮かべる咲夜と耳まで真っ赤になる霊夢。
(照れた霊夢さん可愛い~。咲夜さんも流石。やっぱり私の目に狂いはなかった!このカプ最高!!これで勝てる!!!)
(からかうつもりで作ったのに、こんなにあっさり返されるとは……流石はパーフェクトメイド。やるわね。)

「お前ら!これから披露宴を始めるぜ。」
河童の装置で大音量となった魔理沙の声が響いた。
「でも、これだけの面子が揃ったんだ。景気付けに今から大弾幕パーティーをやるぜ!!」
「ちょっと魔理沙!そんな話聴いてないわよ!!」
「今決めたんだから、当たり前だぜ!」
「すぐやめろ!」
「霊夢、残念だが、もう始まってるぜ!止めるなら力ずくで止めるんだな!」
箒に乗り、弾幕の中に飛び込んで行く魔理沙。境内のあちらこちらで弾幕の光と爆音が鳴り響く。
「やめろ~!!!」

はっとなって目が覚めた。
「……夢……」
「どうしたの霊夢?」
横で寝ていた最愛の人が目を覚まし、問いかけてきた。
「なんでもないわ。ちょっと夢を見ただけ。」
「夢?」
「結婚した時の夢よ。」
「あれは大変だったものね。」
「神社だけでなく、住居も壊れて……」
「怒った霊夢が全員をのして、天人と鬼達に神社と母屋を建て直させて……」
「ほんと、新婚早々、家無き子になるとこだったわ。それになんかあれから、私、弄られキャラになった気がするのよね~」
「霊夢が気付いてないだけで、前から弄られキャラだったわよ。」
「ほんと?」
「えぇ。」
少しの間を置き、霊夢は真剣な顔で、咲夜に尋ねる。
「ねぇ、咲夜。……一緒になったこと、後悔してる?」
「霊夢こそ後悔してない?」
「私は……咲夜が傍にいてくれて、幸せだから後悔なんてしていない。でも、もし咲夜が後悔してるなら……」
「してるなら?」
「これから後悔なんてさせないようにする。」
「ありがとう霊夢。私も幸せよ。後悔なんてしていないわ。」
そう言うと咲夜は霊夢に優しく口付けをした。
お付き合い頂きありがとうございました。
まず……ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
本来なら、『彼女と私 (霊夢)』を先に書くはずだったのですが、内容が前作とかなり被るので、どこを削るか例大祭の入場待ち時間も考えているうちに、
完全に煮詰まってしまったので、先に後日譚を書きました。

これは、以前の作品あとがきに書いた『微笑みながら赤ちゃんを抱く咲夜さんと笑顔で一緒に赤ちゃんをあやす霊夢さん』を妄想していたらできたネタで、それをアレンジしてオチにしました。
(やっぱりオチを着けないと、私が落着かない。)
ついでに、前作で余った甘味を全て入れたので、咲夜さんはクーデレしていないし、霊夢さんもツンデレしていません。(もともと私の書いた二人はクーデレ、ツンデレしていませんが。)
二人とも乙女状態です。デレデレのバカップル状態です。
あと、早苗ちゃんと永琳さん。お前ら能力の無駄遣いし過ぎ。
本当は、咲夜さんの嫁入り前夜の紅魔館組の咲夜さんの昔話や、霊夢さんの戸惑い(嬉しいと不安で眠れずに、紫さんと話をするシーン)とかも書きかけたけど、ぐだぐだで長いだけなので、その部分は没にしました。(紫さんの部分だけ少し変えて入れました。)

今度こそ『彼女と私 (霊夢)』を完成させるぞ!

んで、自分設定(オリキャラ)
博麗結  紫に頼まれて霊夢を養女にして、育てた先代の博麗の巫女。霊夢を引き取ったのは、かなり高齢になってからなので、歳の差は祖母と孫くらいある。 
      (名前の候補には円、環、鏡、千歳なんかを考えたけど、博麗の巫女は幻想郷の結界守でもあるので、結にしました。)

最後にネタ被ってたら、ごめんなさい。
伏狗
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
甘い!
2.奇声を発する程度の能力削除
凄く…甘いです…。霊咲ちゅっちゅ!!!


できれば、早苗さんとえーりんが作った薬を使ったお話を向こうの方で……いや、何でも無いです。
3.名前が無い程度の能力削除
いや、これはどうみても咲霊だと思う。
個人的に超設定も白けるような内容じゃなければぜんぜんオッケーなので充分ニヤケルことができる作品ゆえ無問題。
ところでマヨイガにいる銀髪完璧メイドとはウサギの風船が人になった彼女ですか?
雪のように色彩が白い彼女だったら咲夜さんといい勝負でしょうね。二人とも大好きな私はマヨイガに行きたい。

次回も期待しています。
4.名前が無い程度の能力削除
夢オチかぁ、と思ったら全然そんなことはなかったぜ!
あまうま~
5.伏狗削除
まだまだ稚拙な文章ですが、読んで下さった方、コメントを下さった方ありがとうございます。

>>3様
マヨイガにいる完璧メイドとは、確かに某メイドさんです。(笑)
咲夜さんとこの方と某魔法ラノベに出てくるメイド大尉のおかげで、私の中では銀髪メイドは何でも出来る完璧メイドばかりです。
(皆、主人が・・・・・・なのですがね。)


>>2様
薬を使った話・・・・・・

いきなり空間が歪むと、一人の少女が現れた。
眠っているのか少女はそのまま落下してきた。
咲夜があわてて時間を止め、少女を受け止めた。
美しい銀髪と愛らしい顔立ちは咲夜に似ている。
しかし着ている服装は私が幼い頃着ていた巫女装束だ。
「・・・・・・・ママ・・・・・・」
眠ぼけた少女は咲夜にしがみ付くとそう言った。
「えっと・・・・・・咲夜。私、咲夜が子持ちでもぜんぜん構わなかったんだけど。」
「違っ!霊夢、違う!私、子供なんて生んでない。」
咲夜の声で少女が目を覚ました。
「咲夜ママ!」
そう言うと咲夜に抱きついた。
「やっぱり。」
私の声に少女は振り返った。
「霊夢おかあさん!」
「「えっ?」」

咲夜と一緒に少女に問いただした結果、少女は、早苗と永琳が作った薬を使った私と咲夜の娘であることが判った。
私達の娘の能力は「無時間:時間軸に束縛されずに、いかなる時間帯にも移動できる」程度の能力らしい。

本来は、他の時間軸への干渉を私と咲夜に止められていたのだが、幻想郷に危機が迫っている事を伝える為、
その能力を使ったとのことだった。
その危機とは、幻想郷と同じように結界でよって隔絶された世界は他にも名前こそ違うが存在し、人々から忘れられた存在が集まってきたが、
その内のひとつ海と島からなる世界が飽和状態になってしまい、手取り早い領地の拡大として、幻想郷に進行してきたとのことだった。
そして問題となったのは相手の特質であった。
まず相手の活動地形である水中への攻撃は、割とこちら側が得意としている攻撃の光、熱、炎がほぼ無効となってしまっていること
そして、水中で戦いにこちらは対処し切れていない現状であった。
特にレミリア、フランは水中には入れず、逆に相手の水関係の攻撃は必殺となってしまっていること。
永琳の薬や紫の結界による水中での活動こそ可能になったが、水中戦を得意とする相手には不利な戦いをする羽目になり

なにより、相手は弾幕ごっこのルールを使わず、領地拡大の為に殺害を行なう為に、戦況はかなり劣勢となっているとのことであった。

この話の中では、人間のままでいる魔理沙がかなり足を引っ張る存在になってしまい、魔女への種族変化を求められる。



という感じのターミネーターみたい話が思いついたのですが、これだとオリキャラを多数出さなくてはいけなくなって、
完全に東方と別物になってしまうので没りました。