Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

蠱毒のグルメ

2010/03/15 23:11:19
最終更新
サイズ
4.66KB
ページ数
1

分類タグ

おなかすいたわ。

今いる魔法の森から妖夢の待つ白玉楼まで、まだ相当の道のりがある。
最近の冥界の空間拡張に、十王の了承が必要だったので、朝から彼岸に出向いてきたのだが、帰る途中で映姫とばったり会い、夕暮れまで立ち話に夢中になってしまった。といっても、話の大半は映姫の、部下に対する愛情溢れる愚痴だったけれど。

幸いにも、留守を待つ妖夢には、遅くなるかも知れないとは言ってあったものの。
とにかく、今すぐ腹に何か詰めなければ収まりが付かないわ。

そう思ったが吉日。
さて、どこで腹ごしらえをしようかしら。

脳裏に、人形遣いの家に押しかける、という案がまず浮かんだ。

あの子の作る、いや、正確にはあの子の人形たちが作るブイヤベースはなかなかの物だった。
上質の牛モモ肉と、泥臭い人参やこぶし大もある玉葱を、みんなトロトロに溶けそうになるほど煮込んで、最後に魔界から取り寄せているというサフランの香りで全体の調和を整える様は、まさに鍋料理のオーケストラ、といってもいいくらいだと私には思えた。
唯一の欠点は、一品の量がかなり少ない事。

そう思って、私は、彼女の家の方へ嗅覚を向けた。
駄目ね。
残念ながら、彼女の今宵の夕飯は「ごはんですよ」らしい。

確かにアレも美味しいけれど、今はちょっとそんな気分じゃなかった。


なら、どうしましょう。
黒白の所で茸味噌汁を無理矢理頂くか。

そう思ったとき、私の目の端に、ふと、一台の屋台が目に入った。

そうだ、アレにしよう。
そう決心した私は急転直下。期待に目と弾幕を輝かせ、その、「うなぎ」と書かれた小綺麗な屋台に飛び込んだ。


「いらっしゃ……ひぃっ!」

そう、営業スマイルを引きつらせた女将の襟を引っ掴み、羽交い締めにして、無言で衣服を引き裂いて行く。

びり。びりびりびり。

びりびり。

逃れようと女将が暴れるために、衣服が破れるリズムが不規則になる。そんな音も、
「はぁ……うっ、くぅ……っ!」
徐々に姿を現し始める彼女の柔肌も、私の食欲を闇雲に刺激するだけだった。

ほぼ全裸で私の腕の中にある女将。
春先とは言え、まだまだ寒いからかしら?
女将の白い吐息が、潤んだ瞳が、妙に荒々しく、また艶めかしい。


うん、このくらいで良いかしら?
「お願いしまっ……やめっ……!」
しゃくり上げた声をして、上目遣いで懇願を始めた彼女を、沈黙のまま更に荒縄で両足と両手を縛る。多少の身動きくらいしか出来ない位に。
夜露にまみれた草むらに横たわる今の女将には、腰回りにしか衣服、いえ、衣服であった物が覆われていなかった。


実は、ここで女将をそのままいただくのは下策なのよ。それは素人のすることね。
空腹のせいか、今にもむしゃぶりつきたい自分の本能を、精一杯の理性で押さえつける。
でも、ちょっと舐める位なら……
いいえ、駄目よ。我慢だわ。今の私の食欲では、きっと女将を唾液だらけになるまで、身体という身体を舐め尽くしてしまうでしょう。
そう、心の中で堅く自制しておいて、私は屋台に備え付けてあった一番大きい寸胴鍋の中に女将を放り込んだ。

「あいたっ!」
呻く女将。

今の鍋は、さしずめ女将の五右衛門風呂といった格好だ。
だが、加える水は最小限。同じく風呂でたとえるならば、半身浴をする程度に水を張る。
「ひっ……」

木の薪で手際よく火を付ける。
欲を言えば竹炭が一番なのだけれど。この際そこまでの贅沢を言うべきではないことは、自分でも分かっているつもりだ。

現在、恐怖に怯えた目で私を見つめるものが一名いるが、この際その様な事は重要ではない。
気にせず作業を続ける。

ここで注意すべき点は、お湯を沸かしすぎないこと。正確に、摂氏43度が目安。その状態で15分煮込む。
そして鍋の中の緊張がほぐれてきたときを見計らい、おもむろに八目鰻を百匹ほど放り込む。なるべく生きのいい奴を。


人間にとっては大丈夫だけど、鰻にとっては猛烈に暑い環境なので、鰻たちは、お湯よりも比較的冷たい女将の肌に、我先へと自分のの皮膚を擦りつけ始める。
お湯よりも鰻の方が遙かに分量が多いため、女将の顔にまで鰻がまとわりつく。
「きゃ!……ぬるぬるするぅ……」

鰻の粘液が、女将の髪を、頬を濡らす。
女将の耳、唇、肩、うなじ、胸に、まんべんなく粘液がまとわりつくのを確認した私は、試しに、一匹の鰻を手に取った。


よし、かなり滑りはとれているようね。
一呼吸置いて、私はその鰻を、生きたまま丸ごと一匹飲み込んだ。

これこそ、夜雀屋台の一番の名物と私が今決めた、八目鰻の躍り食い。

鰻のぴちぴちと豪快にはねる感触を、喉と胃で楽しく感じ取る。
興に乗った私は、わんこそば宜しく、次々に鰻を手に取り、胃の中に流し込んだ。


そして、どこも粘液でべとべとになった女将の身体。
彼女が呆然と口を開けば、上唇と下唇の間に、白い糸が引くほどだった。

ちなみに、私の食が進むごとに、鰻に覆われていた女将の白い肌が私の目に触れられていく。
羞恥心か、只の疲れか、女将の頬はうっすらと赤身を帯びている。
彼女のぼうっと上気した表情は、格好の視線の調味料となって、見ている私の食欲をますます増大させることとなっている。

うん、美味。
見て良し、食べて良し、との料理は、まさにこのことね。


全ての鰻を完食した私は、満ち足りた気分で、手枷足枷を外しても、なおも動けない様子でいる女将と、彼女の入った鍋を後にする事と相成ったのだった。


あ、そうだ。
帰ったら、妖夢のうぶ毛の生えたうなじをおかずに、白いご飯を、いやさひとめぼれをたらふく食べよう。
そう決心して、私は家路を急ぐ。

いや、今日の気分は、はえぬきでもいいかもしれない。
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
よし、みすちーのダシが出た湯を貰おうか。

……鰻ダシってうまいのかな?
2.奇声を発する程度の能力削除
素晴らしい料理ですねw
3.ぺ・四潤削除
俺の気分はどまんなか。

地獄鍋というのがあってだな……
ドジョウと豆腐を一緒に鍋に入れて火にかけると熱さのあまり豆腐の中に潜り込んでドジョウ入りの豆腐が出来上がる。
手足を縛った半身浴のみすちー(無包装)と鰻を一緒に入れて火にかけると果たしてどうなるか……(規制されました)
こんな時間に腹が減ったのと滾ってきたのでもう眠れねえww
4.名前が無い程度の能力削除
ゆゆさまそれはオカズ違いですよwww
5.ずわいがに削除
そしてこのSSも俺の今晩のオカz(ry
6.名前が無い程度の能力削除
鰻の血液には毒があるらしい
粘液にも毒があるらしい
イクシオトキシンとか毒の名前がいやらしい