「ところで、さとり様って人形が大好きなんですね」
お燐がこいしとお茶を飲んでいる時にそう切り出した。
「ん? 何で?」
「だって、さとり様の部屋見たことありますか? 部屋中に人形がわんさかいるんですよ? しかも本人は時折その中から人形を選んでギューッと抱きしめていますし。しかもその人形が手作りときたもので。いや~、ほんと人形が好きなんだな、って思いましてね」
「ん? お姉ちゃんが人形好きなのは本当だけど、何でお燐はお姉ちゃんの人形が手作りだと思ったの?」
「それは……その人形たちが今まで見たこともないような人形だからですよ。その割にはやけにきめ細かいし、さとり様が手作りしたのだと」
「んー……まぁ、手作りっちゃあ、手作りなのかな?」
「? どういうことですか? 手作りじゃないんですか? そうじゃないんですか?」
「んー……少し長くなるけど」
「構いませんよ。時間はたくさんありますし」
「そう……」
こいしは持っていたカップを皿に乗せた。
「お燐は、どうして私たちが心を読めるようになったか知ってる?」
「……? それは、『覚り』だからじゃないですか?」
「それはそうなんだけどね。でも、根本的には違うんだよ」
「どういうことですか? 」
「んー……詳しい話は省略するけど、私たちが『覚り』になったのは罰なんだよ」
「罰……?」
そう。と、言いながら、こいしは紡ぎ始めた。
「昔、人間が次々と消える事件があった。それらの人間に直接的な接点はなく、なぜ消えたのか謎だった。けれど、それらの人間にはある特徴点があった」
「それは……?」
「それは――周りの人間がその人間の容姿を褒めていたこと」
「……?」
「一方、ある家には何処からか集めたかは分からない大量の人形を抱え込んだ姉妹がいた。その姉妹は内気で、外には一歩も出ずに、二人で人形遊びに興じていた。後にその姉妹は『人間を人形に変える能力』を持った妖怪であることが分かった」
お燐の顔色が変わる。
「後に多くの妖怪が地下に閉じこめられた時、姉妹はその罪から人間に殺されたけれど、その時、閻魔にある罰を負わされて転生させられた」
「まさか……!?」
「結果、人間の中身の醜さを覚らざるを得なくなった姉妹は人形を作らなくなった。そして、その妹は瞳を閉ざした」
「まさかその姉妹って……!?」
「あら、こいし。帰ってたのね」
「あ、お姉ちゃん。お姉ちゃんもどこに行ってたの? おかげでお燐と寂しくお茶飲んでたところだよ。
……ところでお姉ちゃん」
「何かしら、こいし?」
「その人形は何?」
お燐がこいしとお茶を飲んでいる時にそう切り出した。
「ん? 何で?」
「だって、さとり様の部屋見たことありますか? 部屋中に人形がわんさかいるんですよ? しかも本人は時折その中から人形を選んでギューッと抱きしめていますし。しかもその人形が手作りときたもので。いや~、ほんと人形が好きなんだな、って思いましてね」
「ん? お姉ちゃんが人形好きなのは本当だけど、何でお燐はお姉ちゃんの人形が手作りだと思ったの?」
「それは……その人形たちが今まで見たこともないような人形だからですよ。その割にはやけにきめ細かいし、さとり様が手作りしたのだと」
「んー……まぁ、手作りっちゃあ、手作りなのかな?」
「? どういうことですか? 手作りじゃないんですか? そうじゃないんですか?」
「んー……少し長くなるけど」
「構いませんよ。時間はたくさんありますし」
「そう……」
こいしは持っていたカップを皿に乗せた。
「お燐は、どうして私たちが心を読めるようになったか知ってる?」
「……? それは、『覚り』だからじゃないですか?」
「それはそうなんだけどね。でも、根本的には違うんだよ」
「どういうことですか? 」
「んー……詳しい話は省略するけど、私たちが『覚り』になったのは罰なんだよ」
「罰……?」
そう。と、言いながら、こいしは紡ぎ始めた。
「昔、人間が次々と消える事件があった。それらの人間に直接的な接点はなく、なぜ消えたのか謎だった。けれど、それらの人間にはある特徴点があった」
「それは……?」
「それは――周りの人間がその人間の容姿を褒めていたこと」
「……?」
「一方、ある家には何処からか集めたかは分からない大量の人形を抱え込んだ姉妹がいた。その姉妹は内気で、外には一歩も出ずに、二人で人形遊びに興じていた。後にその姉妹は『人間を人形に変える能力』を持った妖怪であることが分かった」
お燐の顔色が変わる。
「後に多くの妖怪が地下に閉じこめられた時、姉妹はその罪から人間に殺されたけれど、その時、閻魔にある罰を負わされて転生させられた」
「まさか……!?」
「結果、人間の中身の醜さを覚らざるを得なくなった姉妹は人形を作らなくなった。そして、その妹は瞳を閉ざした」
「まさかその姉妹って……!?」
「あら、こいし。帰ってたのね」
「あ、お姉ちゃん。お姉ちゃんもどこに行ってたの? おかげでお燐と寂しくお茶飲んでたところだよ。
……ところでお姉ちゃん」
「何かしら、こいし?」
「その人形は何?」
「咲夜さんハァハァ」とか書いてるのがさとり様の目にとまったら…
うわあなんかごめん
こんな事ばっか考えてて。
ほぉら我はこんなにも綺麗な心をしてますヨー?