「……寒い」
「いや~。さすがに暖房がないと寒いね~」
「お前が言うな」
ナズーリンの突っ込み(ダウジングロッド)が、お燐の頭に突き刺さりました。
「痛い~。ナズーの愛はいつも痛いよ」
「……はぁ」
もはや相手をする気力もないナズーリンでした。
ここはナズーリンの家の中。
暖房の切れた室内に、真冬の冷たい空気がじんわりと染み込んできます。
いつものように遊びに来たお燐と家主のナズーリンは、冷えゆく室内で呆然と佇むのでした。
「君が暖房を壊さなければ、この部屋もあったかだったんだけどね」
ナズーリン家にあった効き目抜群、にとり印の暖房装置。
好奇心でいじくりまわしたお燐の手によって、それは見事に壊されたのでした。
「これだけ複雑な機械は、あたいたちじゃ直せないよね」
「あの暖房装置に頼りきりで、薪も何も備蓄しなかったのが間違いだった……」
暖房だけでなく、炊事にも湯沸かしにも使っていたので、壊れると何もできなくなるのです。
「しょうがないよ!心頭滅却すれば火もまた涼しさ」
「余計寒くなるじゃないか!」
「気の持ちようってことだよー。ナズーのいけずぅ」
ナズーリンの溜め息は、またも室内に響きわたるのでした。
「うう……。本当に寒い。何か暖まりそうなものを探しに行った方がいいかな」
暖房が壊れてから数時間が経ち、いよいよ室内は冷えきります。
動きたくなくてじっとしていたナズーリンも、ようやく何か暖房に代わるものを探す気になったようです。
「……しかし君は猫のくせに寒さに強そうだね。猫はコタツで丸くなるんじゃないのかい?」
「それは迷信だよ。今時の猫は寒くても元気なのさ」
余裕の表情でお燐は応えます。
確かに、寒さに震えるナズーリンとは違って、お燐は平気な様子です。
「……怪しいな」
「何がさ?」
ふと、ナズーリンは気づきました。
「いつもより少し服が着膨れて見える」
「ぎく」
よくよく見ると、お燐の服の下には何やらいつもにない膨らみがいっぱいです。
「……お燐、一人だけ懐炉を使っているのは、フェアじゃないよね?」
「ぎくぎくぅ!」
「その懐炉よこせぇ!」
「ぎゃー!地上は地底よりも寒いから、普段だって懐炉必須なんだよ。剥ぎ取らないで~」
ドタバタドタバタと、お燐の懐炉を巡っての取っ組み合いが始まりました。
「ちわ~。故障信号が出てたから直しに来たよ~って、ひゅい!?」
その時でした。河童のエンジニアにとりが扉を開けたのは。
馬乗りになって、服を剥ぎ取りにかかるナズーリン。
取っ組み合いの中で肌も露わになったお燐。
2人と河童は思わず見つめ合いました。
「こ、これは失礼しました。ごゆっくり~」
何を思ったか。ナニを思ったか。
顔を真っ赤にして、にとりは逃げ出してしまいました。
「……君のせいで誤解されてしまったじゃないか。」
憮然とした表情でナズーリンは言いました。
「え、あたいたちの仲の良さを知らしめることができて、よかったじゃ……」
ギロッ!
音まで聞こえそうなナズーリンの一睨みで、さすがのお燐も押し黙ります。
「しかも、せっかくの暖房を直してもらうチャンスもふいになった」
「でもさ、こうやってくっつきあって暖めあうのも悪くないじゃない」
寒さに震える二人は、結局のところくっつきあって暖を取る事にしたのでした。
「その相手が君じゃなければ良かったんだがね……」
「あたいはナズーじゃなきゃ、やだな」
皮肉っぽく言ったナズーリンの言葉に被せるように、お燐が言いました。
その顔は、ほんのりと赤く。
「……まったく君にはかなわないよ。本当に」
さっきよりもほんの少しだけ。
お燐にもたれかかってて、ナズーリンはつぶやくのでした。
「いや~。さすがに暖房がないと寒いね~」
「お前が言うな」
ナズーリンの突っ込み(ダウジングロッド)が、お燐の頭に突き刺さりました。
「痛い~。ナズーの愛はいつも痛いよ」
「……はぁ」
もはや相手をする気力もないナズーリンでした。
ここはナズーリンの家の中。
暖房の切れた室内に、真冬の冷たい空気がじんわりと染み込んできます。
いつものように遊びに来たお燐と家主のナズーリンは、冷えゆく室内で呆然と佇むのでした。
「君が暖房を壊さなければ、この部屋もあったかだったんだけどね」
ナズーリン家にあった効き目抜群、にとり印の暖房装置。
好奇心でいじくりまわしたお燐の手によって、それは見事に壊されたのでした。
「これだけ複雑な機械は、あたいたちじゃ直せないよね」
「あの暖房装置に頼りきりで、薪も何も備蓄しなかったのが間違いだった……」
暖房だけでなく、炊事にも湯沸かしにも使っていたので、壊れると何もできなくなるのです。
「しょうがないよ!心頭滅却すれば火もまた涼しさ」
「余計寒くなるじゃないか!」
「気の持ちようってことだよー。ナズーのいけずぅ」
ナズーリンの溜め息は、またも室内に響きわたるのでした。
「うう……。本当に寒い。何か暖まりそうなものを探しに行った方がいいかな」
暖房が壊れてから数時間が経ち、いよいよ室内は冷えきります。
動きたくなくてじっとしていたナズーリンも、ようやく何か暖房に代わるものを探す気になったようです。
「……しかし君は猫のくせに寒さに強そうだね。猫はコタツで丸くなるんじゃないのかい?」
「それは迷信だよ。今時の猫は寒くても元気なのさ」
余裕の表情でお燐は応えます。
確かに、寒さに震えるナズーリンとは違って、お燐は平気な様子です。
「……怪しいな」
「何がさ?」
ふと、ナズーリンは気づきました。
「いつもより少し服が着膨れて見える」
「ぎく」
よくよく見ると、お燐の服の下には何やらいつもにない膨らみがいっぱいです。
「……お燐、一人だけ懐炉を使っているのは、フェアじゃないよね?」
「ぎくぎくぅ!」
「その懐炉よこせぇ!」
「ぎゃー!地上は地底よりも寒いから、普段だって懐炉必須なんだよ。剥ぎ取らないで~」
ドタバタドタバタと、お燐の懐炉を巡っての取っ組み合いが始まりました。
「ちわ~。故障信号が出てたから直しに来たよ~って、ひゅい!?」
その時でした。河童のエンジニアにとりが扉を開けたのは。
馬乗りになって、服を剥ぎ取りにかかるナズーリン。
取っ組み合いの中で肌も露わになったお燐。
2人と河童は思わず見つめ合いました。
「こ、これは失礼しました。ごゆっくり~」
何を思ったか。ナニを思ったか。
顔を真っ赤にして、にとりは逃げ出してしまいました。
「……君のせいで誤解されてしまったじゃないか。」
憮然とした表情でナズーリンは言いました。
「え、あたいたちの仲の良さを知らしめることができて、よかったじゃ……」
ギロッ!
音まで聞こえそうなナズーリンの一睨みで、さすがのお燐も押し黙ります。
「しかも、せっかくの暖房を直してもらうチャンスもふいになった」
「でもさ、こうやってくっつきあって暖めあうのも悪くないじゃない」
寒さに震える二人は、結局のところくっつきあって暖を取る事にしたのでした。
「その相手が君じゃなければ良かったんだがね……」
「あたいはナズーじゃなきゃ、やだな」
皮肉っぽく言ったナズーリンの言葉に被せるように、お燐が言いました。
その顔は、ほんのりと赤く。
「……まったく君にはかなわないよ。本当に」
さっきよりもほんの少しだけ。
お燐にもたれかかってて、ナズーリンはつぶやくのでした。
いろんな意味で。
ナズーリンが自分の家で暮らしてるみたいなのに突っ込むのは無粋かな?
ようやく、このカップリングのお話を読むことができました。
ナズー燐結構あると思ってたんだけどなぁ…。
>ぺ・四潤 さん
>ナズーリンが自分の家で暮らしてるみたいなのに突っ込むのは無粋かな?
……なんかナズーリンが一人暮らしをしてるマイ設定を、勝手に作ってましたw
突っ込まれて冷や汗ダラダラ状態ですw 言われて気づいた。
ちょいと調べましたが、特に公式にナズーリンがどこ住んでるとかないはずなので、うちではこれで突っ切るつもりで……。(逆にソースあったら教えていただけるとありがたいです)
>奇声を発する程度の能力 さん
分類でしか調べてないのですが、意外とでてないのですよね。
関係性としては作りやすい気がするので、どんどんと書いていこうかと思いますー。
まっいいか、そんな細かいことはこの際
さあ、早く次の作品を執筆するんだ
ナズー燐はもっと流行って良い。
例大祭帰りでテンション上がっておりますが、コメ返しをば。
> 4さん
自分もそう思いますw ナズーリンは普通、命蓮寺ですよねー。
でもこのまま自分の作品は一人暮らし設定で突っ走ります。もう書いちゃってますし。
つ、次の作品も頑張ります……w
> 5さん
もっと流行れ、ナズー燐SS!
1つじゃなくて、自分でもいくつか書きたいです。頑張ります。
> 6さん
書き上げてから、ナズー燐まだ一つも無かった事に気づきました。
自分としては、にとまりくらいにはメジャーな組み合わせだと思ってたのでびっくりです。
> 7さん
鼠×猫でいきましょうw