注意事項
・けっして悪気はありません
・「男」とは私ではありません
・ミクシイで見た人が居たらラストの違いが分かると思います
それはどこか遠い記憶
川辺にたたずむ君に僕は出会った
そして僕の中で「なにか」が芽生えた
そしてこれからもその芽はきっと咲き続けるだろう僕がその記憶を忘れたとしても
カーテンの合間から差し込む熱い光を感じて目を醒ますとそこはいつもの少し古いマンションの一室だった、少ししわがよったワイシャツを来て母親に就職祝いで買ってもらったネクタイを締め鞄に仕事用具を入れ沢山の人ごみに飲まれながら通勤する。
なにもかわらないただ一方通行の生活のループなにかをかえようとするがせいぜい同僚と飲みに行ったり少し高い酒を買ったりするだけ、この生活を変える力を俺は持ち合わせては居なかった
乾いた生活 乾いた心 乾いた感情 乾いた空気
この土地でもだいぶなれどんどんとその乾きに馴れてきた、馴れちゃあいけないんだろうけど嫌でも慣れてしまう。
いつものように上司に縛られ、出世する同僚には少し哀れみと見下すような目線を浴びて、部下の下らない話に付き合うそんな生活・・・そんな日々が続くと思っていた、しかし目に見えないいわば運命と言う名の歯車、その一定に動き続ける歯車がとこかで狂い、もう合わさる事の無いであろう歯車がもう一度だけ合わさろうとしていた。
季節は8月蒸し暑い夜、男はいつものように同じ会社のそれなりに中のいい同僚と一緒に飲みに行っていた。
「なぁ○○○」
「・・・あぁ?」
酒臭い男は乾いた何かを潤そうと発泡酒を一気に流し込む。
「お前の出身ってどこだっけ?」
「・・・あ?なんだよいきなり?」
「いやそろそろお盆だろ?だからだよ」
「あぁ・・・俺の故郷は・・・・えぇっとどこだっけ?」
「俺が知るはず無いだろ、しっかりしろよ」
笑いながら同僚は男の肩を軽くたたく、しかし男の顔はほんとうにどこか分からない様な顔をしていた、正確には分からないのだ出身がどこかなぜか。
「まぁお盆明けにでも教えてくれよ、ガキの頃の話と一緒にさ」
「おう」
ごまかすように笑いながら男は子供の頃の話しをした、遊び 初恋 思い出 昔の夢 などを肴にしながら二人は飲んだ。
数時間して終電がなくなる一時間前同僚と外に出た、蒸し暑い風邪が二人を包む、湿気ているはずなのにやはりどこか乾いたような風だった。
男が家に帰ると倒れるように床に倒れこむ、酔ったからでは無い疲れたのだ酒は傷みを忘れさせてくれるが決して癒してくれる物ではない、笑い話は一時的に苦痛を癒してくれがその痛みが消えるわけではない男は限界に近かった精神的に肉体的にも。
そんな時高い音でピンポーンっとインターフォンの音が聞えた、時間は夜の11時半を回っていた、ずいぶん前に見た怖い話を不意に思い出し男は恐る恐るドアの穴から外を見るとそこには隣に住んでいるおばさんだった、男は安心してドアを開けるとおばさんの横には中ぐらいのダンボールがあった。
届いた荷物を扱っていた事だけ伝えるとそそくさと家の中に戻っていった、男はすこし恐怖を感じていた自分を笑いながらその荷物を部屋に置いた。
シャワーを浴びて一服しながら男は荷物のあて先を見る、どうやら実家かららしく箱を開けると部屋にあった物を送ったという事といつ帰ってくるかと言う内容の手紙と子供の頃の品物が沢山入っていた、懐かしさに浸りながら適当に漁っているとある箱が出てきたそれはタバコの箱ぐらいの大きさの緑色の箱だった、男は何か入っているのだろうと手に取り箱を開ける、それはオルゴールだった時折音は乱れているがどこか懐かしく癒される音色だった。
君の手をとる俺、冷たいはずなのになぜか暖かい
一緒に水の中を潜り一緒に魚とりをして過す日々
少女はプレゼントということでオルゴールを男の子に渡す
失くさないという約束した、しかしそのオルゴールは記憶の片隅に追いやられてしまった。
そのまま眠っていたからだろうか男が目を醒ますと机につっぷすように寝ていた、男はカレンダーを見るとお盆まであと一週間後後だった、男は毎年それまでに何かを思い出さなければならないと思う事があったなぜかは分からないがなぜかそう思ってしまう、だが最終的には思い出せずに終わってしまう。
そんな事を思いながら男は同じ時間をもう一度繰り返す日々が始まった。
「・・・おい!」
「・・・!!」
男は同僚に肩を強く叩かれるといままで呼ばれていた事に気付く。
「どうしたんだよ?」
「いや・・・ちょっとな」
どうも
「ちょっとか・・・まぁそんな事もあるか・・・そんな事よりお盆休みの日数報告したか?」
「あぁ・・・まだだ、てかもうお盆なのか・・・・」
「早いよなぁ・・・毎年毎年早くなってる気がする」
「俺も」
男は上司にギリギリで報告書をだし三日間の祝日をえた、もともと余り仕事が出来る方じゃない男はそれなりに仕事が溜まっているのだ。
その夜男は牛丼の大盛りとビールを買って家に着いた、ゴキブリがわかないように一応はキレイにしているがやはり湧くものは湧く・・・保険のために仕掛けを仕掛けていたがそこの量は自分が思っている以上だった、それらを処理するとビールを開け昨日と同じ様にもう一度緑色のオルゴールを開いた。
懐かしい音色 みたされる心 水のように透き通る感覚
気がつくと12時を過ぎており、男は残ったビールを冷蔵庫にいれて風呂に入りもう一度ビールを飲みながらオルゴールを聴いていた。
日に反射して輝く川辺
青色の髪を濡らし笑う君、それが好きだった自分
近くにはキレイな黒いドレスの様なものを着た人が楽しそうに見ていた
嬉しそうにその子の名を呼ぶ俺、君の名は確か
男は気付くと朝でなぜか頬に一筋の涙が伝っていた、何故かは分からないだけれど何かがひっかかったから涙を流したのだろう、男はなんとか上司に一日に早めに休暇を貰い生まれ育った土地・・・どこか分からない、土地の名前も無いだがその土地の人たちは呼んでいたから呼んでいた土地の名前「幻想郷」に向かった。
行く方法は未だに自分でも分からない、なぜなら気付いたらそこは「幻想郷」だからだ、こちら側の専門学校に通いつねに行き来していたのにもかかわらず未だに行き方は分からない妖怪と人間が住む不思議な場所、それが男の出身地だった。
男は一通り昔の馴染みと稗田 阿求というこの地のお偉いさんに顔を合わせると自分の実家にと戻っていったあちらこちらに思いでが染み付いた家は誰も居なかった、仕方なく勝手に上がりこみ自分の部屋に行く、荷物はほとんど捨てるか持って行くかしてしまったせいか勉強机と本棚だけがそこにあった。
何気に勉強机を開けると小さな消しゴムや鉛筆などがごろごろと出てきたなかにはこなごなになった蝉の抜けがらなどもあった、机の中を手でかき集めていると紙が引き出しの上の方にあるのが分かった、おとこはテストなどと思ったがそれがクレヨンで書かれた青髪の女の子のような絵だった、どこかで覚えがある男は考え込む。
最初に思い浮かんだのは滝、次は怒鳴り散らす父、水、滝壷、森、・・・・そして青髪の女の子
その絵は歯車だった全てを思い出すには十分なほどに。
男は思い出した
欠けていた物 想い出 悲しみ 喜びを
そのとき母親の声が聞えて上に上がってくる、男は急いで紙を破れないようにポケットに大切にしまいこんだ
それはどこか遠い記憶だった
人は入ってはいけないと言われている「妖怪山」に少年は一人で探検に出かけた、草木が生い茂りあまり先は見えないが好奇心だけを原動力にしてぐんぐんと奥に入って行った、気がつくと大きな滝の上にでたその滝が流れ落ちる所から下を見るといまにも滝壷に吸い込まれそうな錯覚がするほどおおきな滝だった。
下をじっと見ていると自分と同い年ぐらい人影のようなものを少年は見た、少年それがとてつもなく気になり適当に草木をかき分けて滝壷周辺に向かって行った、大きな音を立てながら流れ落ちる滝を見ながら水の中を覗く、水は半透明でしたに生えてある藻まで完全に見えるその藻のあいだを川魚が競争するように泳いでいった。
気のせいだったと思ったその時だった水をかき分けて地面に上がってくる音が聞えた、少年は走ってその音の聞えた方に走っていくそこには青色の髪の女の子だった、女の子の方は一旦水の中に逃げ込もうとしたが見つかったのが少年だと知ったその子は少年に話しかけた。
「・・・こんなところでなにやってるの?」
「ええっと・・・気になったから来た!」
このとき少年は自分が何を言ったかなんて記憶は無かった、なぜならそれ程衝撃的だったのだ、いわば一目ぼれと言ったところだ。
「ほぅ・・・こんな所まで・・・」
「それより遊ぼ!」
少女は鉄砲玉を食らった鳩みたいな顔をする。
「えぇっと・・・私何か分かってる?」
「ううん!」
「私は川城にとりっていう妖怪河童のなの」
「へぇー」
「うぅん・・・だいたい察してくれないかな?」
「へ?」
にとりはかなり焦ったような顔をしている、しかし少年は気付かないなぜなら妖怪を危険な存在であると認識している大人とは違い純粋無垢な存在だからだ少年はにとりを「妖怪」として見ておらず「にとり」としてみていた、少年は掟はしっていたがあまり理解はしていなかった。
「うぅん・・・まぁ良いや見つからなかったらいい話だ、君は名前は?」
「僕は○○!」
「よし、遊ぶか」
「うん!」
そこから少年とにとりの付き合いが始まった、沢山二人で遊び時折「鍵山 雛」という神が来たりして時には三人で一緒に遊んだ運がいい日は氷の妖精とか虫の妖怪などとも一緒に遊んだ、しかしやはり少年はにとりと二人きりで遊んでいる方が何よりも楽しかった・・・しかしそんなにこの幸せは長くは続かなかった。
くだらないそれは下らない掟だった、弱い人間と妖怪は昔ある契約をかわしていたそれは「人間の生活には最低限でしか干渉しないこと、また人間も妖怪の生活には干渉しないこと」だった、ある日母親が偶然少年が「妖怪山」に入るところを見てしまった、しかもその日はにとりがわざわざ向かいに来た時だった。
母親はすぐに報告しそしてどこで聞きつけたか河童の居所、滝の場所を探り当てそこえ向かう、そしてその日を境に二人の関係は引き裂かれた、しかし融通が効かないのが子供の悪い所でなんどもにとりの所に向かおうとした、しかしそのたびに少年は父親から殴られた。
そして少年は最初はにとりから貰ったオルゴールを聴きながらにとりの事を思っていた、しかし年を重ねるにつれ忙しくなりオルゴールをゆっくり聞く暇もなくなり気付いたら少年は大人になっていた、そしてその頃の思いでは消えていた
そして歯車は狂い会わない流れになっていた・・・しかしその歯車がたった一つのオルゴールでもう一度狂い始めもう一度その歯車が噛み合おうとしていた。
次の日男は動きやすい服装に着替え古い記憶だけをたよりにして山の中に入っていった、男はもしものためにどうにかなるかもしれないと思いオルゴールも持っていった。
山の中は思った以上に深い木々に覆われていた途中妖精とも話しながら森の奥のほうに入っていく、するとどこからか水の流れ落ちる音が聞えたような気がした。
にとりは今日もなんとなく発明品を作って暇を潰していた。
「暇だなぁ・・・なんか面白い事起こらないもんかねぇ・・・うん?」
にとりはなんとなく昔の事を頭の中が過ぎった、なにか分からないがとにかく懐かしい感覚がよみがえる。
「まさかね・・・もう十年も前のことだし・・・」
でも拭いきれないこの感覚で落ち着かずに一応のびるあーむとミサイルを装備した。
「虫の知らせって奴かな・・・一応野犬だと困るしね」
十年前仲間の一人が魔力を持った野犬死んだ事を思い出してつばを飲む。
「来るなら来いよ・・・爆撃してやるからさ」
男は気付いたら野犬に囲まれ急いで滝の音がするほうに向かっていった。
「くそ・・・もう少し・・・もう少しで約束が果たせるんだ・・・!」
こけそうになりながらも必死に、ただ必死に駆けていく単純のスピードならば野犬の方が圧倒的に速いが群れを成しているとそうはいかない、野犬の一匹はじれったいと思いながら狩をしていた、そして我慢出来ずに男の喉笛に噛み付く、牙が骨を砕き喉仏を噛み砕く。
「がぁあ!!!」
男は後一歩のところで喉を噛み砕かれて地面に倒れこむ、その時野犬の頭上からミサイルが降り注ぎそのあたりを一掃する、肉片に変わった野犬を見向きもせずににとりは残った野犬はのびるあーむで首元をつかみ「ゴギュリ」と嫌な音とともに喉骨を砕かれ絶命した野犬を放り投げた。
「やってやったぞ野犬共・・・ざまぁみろ!」
復讐を果たし上からゆっくり降りてきたにとりは近くにのどから空気が漏れ死に掛けている男を発見した。
「大丈夫か人間!?」
「・・・・!!」
男は聞えたようなきがした、「カチッ」という運命をその歯車をかみ合わさる瞬間を。
「動くな!いま応急処置を・・・」
もう助からないだろうと思ったが何かを伝える為に男ポケットの中からオルゴールを取り出した・・・しかし男は何も言えずにただ息を絶った
「遅かったか・・・・!?」
男の手に握られたオルゴールが自分が作った最初の発明品である事とにとりは思い出した数十年前の事を。
「そうか・・・あの時の・・・」
にとりはそうなぜか呟くと一筋の光が頬を伝った
悲しみとは違う別の感情がにとりを揺さぶる、その光りはだんだん大粒の光りとなって地に落ちていく。
理由は「古い友情」ともいえず「恋愛感情」とも違う、されども涙は溢れて止まらなかった。
男はもうにとりにとの歯車が会うことは無くなった
だけれど男は幸せだった一瞬、そのほんの一瞬だけでも歯車が合わさった事だけでも男は幸せだった。
どこかの山の中川辺にたたずむ君に僕は出会った
そして僕の中で「なにか」が芽生えた
そしてこれからもその芽はきっと咲き続けるだろう僕がその記憶を忘れたとしても
・けっして悪気はありません
・「男」とは私ではありません
・ミクシイで見た人が居たらラストの違いが分かると思います
それはどこか遠い記憶
川辺にたたずむ君に僕は出会った
そして僕の中で「なにか」が芽生えた
そしてこれからもその芽はきっと咲き続けるだろう僕がその記憶を忘れたとしても
カーテンの合間から差し込む熱い光を感じて目を醒ますとそこはいつもの少し古いマンションの一室だった、少ししわがよったワイシャツを来て母親に就職祝いで買ってもらったネクタイを締め鞄に仕事用具を入れ沢山の人ごみに飲まれながら通勤する。
なにもかわらないただ一方通行の生活のループなにかをかえようとするがせいぜい同僚と飲みに行ったり少し高い酒を買ったりするだけ、この生活を変える力を俺は持ち合わせては居なかった
乾いた生活 乾いた心 乾いた感情 乾いた空気
この土地でもだいぶなれどんどんとその乾きに馴れてきた、馴れちゃあいけないんだろうけど嫌でも慣れてしまう。
いつものように上司に縛られ、出世する同僚には少し哀れみと見下すような目線を浴びて、部下の下らない話に付き合うそんな生活・・・そんな日々が続くと思っていた、しかし目に見えないいわば運命と言う名の歯車、その一定に動き続ける歯車がとこかで狂い、もう合わさる事の無いであろう歯車がもう一度だけ合わさろうとしていた。
季節は8月蒸し暑い夜、男はいつものように同じ会社のそれなりに中のいい同僚と一緒に飲みに行っていた。
「なぁ○○○」
「・・・あぁ?」
酒臭い男は乾いた何かを潤そうと発泡酒を一気に流し込む。
「お前の出身ってどこだっけ?」
「・・・あ?なんだよいきなり?」
「いやそろそろお盆だろ?だからだよ」
「あぁ・・・俺の故郷は・・・・えぇっとどこだっけ?」
「俺が知るはず無いだろ、しっかりしろよ」
笑いながら同僚は男の肩を軽くたたく、しかし男の顔はほんとうにどこか分からない様な顔をしていた、正確には分からないのだ出身がどこかなぜか。
「まぁお盆明けにでも教えてくれよ、ガキの頃の話と一緒にさ」
「おう」
ごまかすように笑いながら男は子供の頃の話しをした、遊び 初恋 思い出 昔の夢 などを肴にしながら二人は飲んだ。
数時間して終電がなくなる一時間前同僚と外に出た、蒸し暑い風邪が二人を包む、湿気ているはずなのにやはりどこか乾いたような風だった。
男が家に帰ると倒れるように床に倒れこむ、酔ったからでは無い疲れたのだ酒は傷みを忘れさせてくれるが決して癒してくれる物ではない、笑い話は一時的に苦痛を癒してくれがその痛みが消えるわけではない男は限界に近かった精神的に肉体的にも。
そんな時高い音でピンポーンっとインターフォンの音が聞えた、時間は夜の11時半を回っていた、ずいぶん前に見た怖い話を不意に思い出し男は恐る恐るドアの穴から外を見るとそこには隣に住んでいるおばさんだった、男は安心してドアを開けるとおばさんの横には中ぐらいのダンボールがあった。
届いた荷物を扱っていた事だけ伝えるとそそくさと家の中に戻っていった、男はすこし恐怖を感じていた自分を笑いながらその荷物を部屋に置いた。
シャワーを浴びて一服しながら男は荷物のあて先を見る、どうやら実家かららしく箱を開けると部屋にあった物を送ったという事といつ帰ってくるかと言う内容の手紙と子供の頃の品物が沢山入っていた、懐かしさに浸りながら適当に漁っているとある箱が出てきたそれはタバコの箱ぐらいの大きさの緑色の箱だった、男は何か入っているのだろうと手に取り箱を開ける、それはオルゴールだった時折音は乱れているがどこか懐かしく癒される音色だった。
君の手をとる俺、冷たいはずなのになぜか暖かい
一緒に水の中を潜り一緒に魚とりをして過す日々
少女はプレゼントということでオルゴールを男の子に渡す
失くさないという約束した、しかしそのオルゴールは記憶の片隅に追いやられてしまった。
そのまま眠っていたからだろうか男が目を醒ますと机につっぷすように寝ていた、男はカレンダーを見るとお盆まであと一週間後後だった、男は毎年それまでに何かを思い出さなければならないと思う事があったなぜかは分からないがなぜかそう思ってしまう、だが最終的には思い出せずに終わってしまう。
そんな事を思いながら男は同じ時間をもう一度繰り返す日々が始まった。
「・・・おい!」
「・・・!!」
男は同僚に肩を強く叩かれるといままで呼ばれていた事に気付く。
「どうしたんだよ?」
「いや・・・ちょっとな」
どうも
「ちょっとか・・・まぁそんな事もあるか・・・そんな事よりお盆休みの日数報告したか?」
「あぁ・・・まだだ、てかもうお盆なのか・・・・」
「早いよなぁ・・・毎年毎年早くなってる気がする」
「俺も」
男は上司にギリギリで報告書をだし三日間の祝日をえた、もともと余り仕事が出来る方じゃない男はそれなりに仕事が溜まっているのだ。
その夜男は牛丼の大盛りとビールを買って家に着いた、ゴキブリがわかないように一応はキレイにしているがやはり湧くものは湧く・・・保険のために仕掛けを仕掛けていたがそこの量は自分が思っている以上だった、それらを処理するとビールを開け昨日と同じ様にもう一度緑色のオルゴールを開いた。
懐かしい音色 みたされる心 水のように透き通る感覚
気がつくと12時を過ぎており、男は残ったビールを冷蔵庫にいれて風呂に入りもう一度ビールを飲みながらオルゴールを聴いていた。
日に反射して輝く川辺
青色の髪を濡らし笑う君、それが好きだった自分
近くにはキレイな黒いドレスの様なものを着た人が楽しそうに見ていた
嬉しそうにその子の名を呼ぶ俺、君の名は確か
男は気付くと朝でなぜか頬に一筋の涙が伝っていた、何故かは分からないだけれど何かがひっかかったから涙を流したのだろう、男はなんとか上司に一日に早めに休暇を貰い生まれ育った土地・・・どこか分からない、土地の名前も無いだがその土地の人たちは呼んでいたから呼んでいた土地の名前「幻想郷」に向かった。
行く方法は未だに自分でも分からない、なぜなら気付いたらそこは「幻想郷」だからだ、こちら側の専門学校に通いつねに行き来していたのにもかかわらず未だに行き方は分からない妖怪と人間が住む不思議な場所、それが男の出身地だった。
男は一通り昔の馴染みと稗田 阿求というこの地のお偉いさんに顔を合わせると自分の実家にと戻っていったあちらこちらに思いでが染み付いた家は誰も居なかった、仕方なく勝手に上がりこみ自分の部屋に行く、荷物はほとんど捨てるか持って行くかしてしまったせいか勉強机と本棚だけがそこにあった。
何気に勉強机を開けると小さな消しゴムや鉛筆などがごろごろと出てきたなかにはこなごなになった蝉の抜けがらなどもあった、机の中を手でかき集めていると紙が引き出しの上の方にあるのが分かった、おとこはテストなどと思ったがそれがクレヨンで書かれた青髪の女の子のような絵だった、どこかで覚えがある男は考え込む。
最初に思い浮かんだのは滝、次は怒鳴り散らす父、水、滝壷、森、・・・・そして青髪の女の子
その絵は歯車だった全てを思い出すには十分なほどに。
男は思い出した
欠けていた物 想い出 悲しみ 喜びを
そのとき母親の声が聞えて上に上がってくる、男は急いで紙を破れないようにポケットに大切にしまいこんだ
それはどこか遠い記憶だった
人は入ってはいけないと言われている「妖怪山」に少年は一人で探検に出かけた、草木が生い茂りあまり先は見えないが好奇心だけを原動力にしてぐんぐんと奥に入って行った、気がつくと大きな滝の上にでたその滝が流れ落ちる所から下を見るといまにも滝壷に吸い込まれそうな錯覚がするほどおおきな滝だった。
下をじっと見ていると自分と同い年ぐらい人影のようなものを少年は見た、少年それがとてつもなく気になり適当に草木をかき分けて滝壷周辺に向かって行った、大きな音を立てながら流れ落ちる滝を見ながら水の中を覗く、水は半透明でしたに生えてある藻まで完全に見えるその藻のあいだを川魚が競争するように泳いでいった。
気のせいだったと思ったその時だった水をかき分けて地面に上がってくる音が聞えた、少年は走ってその音の聞えた方に走っていくそこには青色の髪の女の子だった、女の子の方は一旦水の中に逃げ込もうとしたが見つかったのが少年だと知ったその子は少年に話しかけた。
「・・・こんなところでなにやってるの?」
「ええっと・・・気になったから来た!」
このとき少年は自分が何を言ったかなんて記憶は無かった、なぜならそれ程衝撃的だったのだ、いわば一目ぼれと言ったところだ。
「ほぅ・・・こんな所まで・・・」
「それより遊ぼ!」
少女は鉄砲玉を食らった鳩みたいな顔をする。
「えぇっと・・・私何か分かってる?」
「ううん!」
「私は川城にとりっていう妖怪河童のなの」
「へぇー」
「うぅん・・・だいたい察してくれないかな?」
「へ?」
にとりはかなり焦ったような顔をしている、しかし少年は気付かないなぜなら妖怪を危険な存在であると認識している大人とは違い純粋無垢な存在だからだ少年はにとりを「妖怪」として見ておらず「にとり」としてみていた、少年は掟はしっていたがあまり理解はしていなかった。
「うぅん・・・まぁ良いや見つからなかったらいい話だ、君は名前は?」
「僕は○○!」
「よし、遊ぶか」
「うん!」
そこから少年とにとりの付き合いが始まった、沢山二人で遊び時折「鍵山 雛」という神が来たりして時には三人で一緒に遊んだ運がいい日は氷の妖精とか虫の妖怪などとも一緒に遊んだ、しかしやはり少年はにとりと二人きりで遊んでいる方が何よりも楽しかった・・・しかしそんなにこの幸せは長くは続かなかった。
くだらないそれは下らない掟だった、弱い人間と妖怪は昔ある契約をかわしていたそれは「人間の生活には最低限でしか干渉しないこと、また人間も妖怪の生活には干渉しないこと」だった、ある日母親が偶然少年が「妖怪山」に入るところを見てしまった、しかもその日はにとりがわざわざ向かいに来た時だった。
母親はすぐに報告しそしてどこで聞きつけたか河童の居所、滝の場所を探り当てそこえ向かう、そしてその日を境に二人の関係は引き裂かれた、しかし融通が効かないのが子供の悪い所でなんどもにとりの所に向かおうとした、しかしそのたびに少年は父親から殴られた。
そして少年は最初はにとりから貰ったオルゴールを聴きながらにとりの事を思っていた、しかし年を重ねるにつれ忙しくなりオルゴールをゆっくり聞く暇もなくなり気付いたら少年は大人になっていた、そしてその頃の思いでは消えていた
そして歯車は狂い会わない流れになっていた・・・しかしその歯車がたった一つのオルゴールでもう一度狂い始めもう一度その歯車が噛み合おうとしていた。
次の日男は動きやすい服装に着替え古い記憶だけをたよりにして山の中に入っていった、男はもしものためにどうにかなるかもしれないと思いオルゴールも持っていった。
山の中は思った以上に深い木々に覆われていた途中妖精とも話しながら森の奥のほうに入っていく、するとどこからか水の流れ落ちる音が聞えたような気がした。
にとりは今日もなんとなく発明品を作って暇を潰していた。
「暇だなぁ・・・なんか面白い事起こらないもんかねぇ・・・うん?」
にとりはなんとなく昔の事を頭の中が過ぎった、なにか分からないがとにかく懐かしい感覚がよみがえる。
「まさかね・・・もう十年も前のことだし・・・」
でも拭いきれないこの感覚で落ち着かずに一応のびるあーむとミサイルを装備した。
「虫の知らせって奴かな・・・一応野犬だと困るしね」
十年前仲間の一人が魔力を持った野犬死んだ事を思い出してつばを飲む。
「来るなら来いよ・・・爆撃してやるからさ」
男は気付いたら野犬に囲まれ急いで滝の音がするほうに向かっていった。
「くそ・・・もう少し・・・もう少しで約束が果たせるんだ・・・!」
こけそうになりながらも必死に、ただ必死に駆けていく単純のスピードならば野犬の方が圧倒的に速いが群れを成しているとそうはいかない、野犬の一匹はじれったいと思いながら狩をしていた、そして我慢出来ずに男の喉笛に噛み付く、牙が骨を砕き喉仏を噛み砕く。
「がぁあ!!!」
男は後一歩のところで喉を噛み砕かれて地面に倒れこむ、その時野犬の頭上からミサイルが降り注ぎそのあたりを一掃する、肉片に変わった野犬を見向きもせずににとりは残った野犬はのびるあーむで首元をつかみ「ゴギュリ」と嫌な音とともに喉骨を砕かれ絶命した野犬を放り投げた。
「やってやったぞ野犬共・・・ざまぁみろ!」
復讐を果たし上からゆっくり降りてきたにとりは近くにのどから空気が漏れ死に掛けている男を発見した。
「大丈夫か人間!?」
「・・・・!!」
男は聞えたようなきがした、「カチッ」という運命をその歯車をかみ合わさる瞬間を。
「動くな!いま応急処置を・・・」
もう助からないだろうと思ったが何かを伝える為に男ポケットの中からオルゴールを取り出した・・・しかし男は何も言えずにただ息を絶った
「遅かったか・・・・!?」
男の手に握られたオルゴールが自分が作った最初の発明品である事とにとりは思い出した数十年前の事を。
「そうか・・・あの時の・・・」
にとりはそうなぜか呟くと一筋の光が頬を伝った
悲しみとは違う別の感情がにとりを揺さぶる、その光りはだんだん大粒の光りとなって地に落ちていく。
理由は「古い友情」ともいえず「恋愛感情」とも違う、されども涙は溢れて止まらなかった。
男はもうにとりにとの歯車が会うことは無くなった
だけれど男は幸せだった一瞬、そのほんの一瞬だけでも歯車が合わさった事だけでも男は幸せだった。
どこかの山の中川辺にたたずむ君に僕は出会った
そして僕の中で「なにか」が芽生えた
そしてこれからもその芽はきっと咲き続けるだろう僕がその記憶を忘れたとしても
やはり誤字や文章的に違和感を感じる部分も多いので、出来れば投稿前に他の人にチェックしてもらった方が良いかもしれません。
あと、ミクシィはやって無いので比べることは出来ませんが、他の場所で公開した作品をここに投稿する場合は、別作品と呼べるぐらいに加筆・修正をしておかなければいけません。その点は大丈夫でしょうか?念の為もう一度確認してみて下さい。