※注意
オリキャラが出ます。
キャラが崩壊しているかもしれません。特に魔理沙。
ホラー?
今日も幻想郷は平和だった。
たとえ異変が起こったとしても巫女がすぐに解決するだろう。
しかし、今回の異変は、何かが違った・・・
~幻想郷青鬼異変~
「今日も平和ね・・・」
楽園の素敵な巫女事博霊霊夢はそう言って母屋から神社の境内を見渡した。
季節は夏真っ盛り。辺りでは蝉が煩く鳴き、関係ないが⑨氷妖精は暑さでダレていたという。
「異変もないし退屈ね。」
今までなら季節の変わり目くらいには毎回異変が発生していた。
しかし、今回はそういった異変の異の字も無いくらい平和だった。
「まあ、何も無いに越したことは無いんだけれどね。」
そう言いながら霊夢はお茶の葉の入った容器を急須に傾けお茶を淹れようとした。
しかし、容器を傾けても茶葉は出て来なかった。
「・・・あれ、もう茶葉がきれちゃった。」
霊夢は特に慌てた様子もなく外出用の服。通称腋巫女服を着こみ、お祓い棒とスペカを装備した。
「まあ、いいか香霖堂に行けばすぐに手に入るし。」
そして、霊夢はいつもどうり香霖堂でお茶を強dいや購入するため香霖堂を目指して神社を出た。
(香霖堂)
「霖之助さん、居るでしょ?」
霊夢はいつもどおり勢いよく香霖堂のドアを開けようとした。
しかし香霖堂のドアはカギが掛っており、張り紙がしてあった。
「えっと何々?(臨時休業します 森近霖之助)ってなんで今日に限って・・・」
張り紙が真実なら今日は香霖堂は休みと言うことになる。
霊夢は無駄足だったと項垂れて神社へ帰ろうとしたが、何故か少し不安になった。
今まで霊夢が香霖堂を訪れた時は絶対に、100%と言ってもいい。霖之助が気だるそうにしながらカウンターに座っていて本を読んでいたのだ。
そして気だるそうに対応をし、自分はお茶を強d・・受けとる。
そのようなやり取りがないことがかなり不自然にかんじた。
「何か、胸騒ぎがするわね。」
霊夢は己の勘が何かの異変の前兆かもしれないと伝えていた。
そして、日も傾いてきたころ、神社に帰る途中霊夢は風景に違和感を感じた。
「あれ、魔法の森がなんか妙に暗いような・・・」
目を凝らしてよく見てみると、それは何と巨大な館であった。
「あれ、こんな所に館なんてあったっけ?いや、絶対なかった。」
香霖堂に行く途中には影になって判らなかったのだが、魔法の森の真ん中に巨大な館が建っていた。
まるで紅くない紅魔館のような巨大な館で、森に囲まれているため。、かなり不気味であった。
「何でこんな所に館が・・・絶対に異変じゃないの!!」
霊夢はどうしてこんな巨大な館が魔法の森の真ん中に建っているのかが分からなかった。そして即座に異変だと判断した。
「とにかく、異変が起こったなら私が動かないと。」
外が薄暗くなる中、霊夢は館の中へと入っていった。
館の中は広く、また人が住んでいるのかのように綺麗であった。
「妖怪か何かが住んでいるのかしらね。でもいきなり森の真ん中に来るのはどうかと思うけど。」
霊夢は何で森に館があるのかなどを考えながら薄暗い廊下を進んでいた。
「何だか嫌な予感をがするわね。この館の周りだけ禍々しい気が充満している・・・。」
と、その時。
「わ、わぁ!!」
「誰?」
誰とも知らない叫び声を聞いて霊夢は思わずお祓い棒をその声の主に向けたが、すぐにそれを降ろした。
「なんだ魔理沙か。そんなはしたない声だして。」
「な、何だ霊夢かよ驚かすんじゃない・・・。」
何とその声の正体は魔理沙だった。あちらも星型の飾りの付いた杖をこちらに向けているが、腰を抜かしていた。
「で、魔理沙はこんなオンボロ屋敷で何をしているのかしら?」
「は?決まっているだろ宝探しだぜ。」
そう言って魔理沙はガッツポーズしてみせるが、あまり説得力がない。
何でも、これくらい大きな屋敷なら宝の一つや二つあってもおかしくないという単純な理由で屋敷に入り込んだらしい。
「はあ・・・よくあんた一人でここまで来れたわね。ここら辺は唯でさえ禍々しい気が立ちこめているっていうのに。」
「?・・・1人じゃないぜ。」
「へ?」
すると、薄暗くてよく判らなかったが部屋の奥の方で人影が動いた気がした。
「魔理沙、どうかしたのかい?」
そして部屋の奥から銀髪に眼鏡の和風な重装備な服を着こんだ男性が現れた。
「あら、霖之助さんこんな所で会うなんて奇遇ね。」
「おや、霊夢じゃないか。魔理沙に無理やり付き合わされてね。君こそこんな屋敷で何を?」
そう、彼こそ、臨時休業中の香霖堂店主、森近霖之助だった。
霊夢は1通りの事を説明した。お茶を買いに行ったこと、ここに屋敷があることが異変だということなど。
「ふむ、ということはこの屋敷は異変で出現したものとみて間違いは無いみたいだね。」
「どういうことだ?香霖」
「まあ、つまりこの屋敷はどこか違う世界からこの幻想郷にやって来たと僕は考えている。」
「そんなわかりきっている事繰り返してどうする香霖。しかし変な屋敷だよな、ほとんどの部屋にカギが掛って・・・」
パリーン!!
「「「!!!」」」
突然、3人の耳に何かが割れる音が聞こえた。
「ちょ・・・驚かさないでほしいぜ。」
「私じゃないわよ。」
「どうやらあっちの部屋の方から聞こえたらしいね。」
そう言いながら霖之助は自分たちの居る場所から廊下を曲がって2つ目の部屋を指さしながら言った。
「ちょっと見てくるわ。」
「おい、霊夢大丈夫か?」
「大丈夫よ。いざって時は弾幕で返り討ちにしてやるわ。魔理沙はお父さんとそこで待っていなさい。」
「(僕はお父さんになったつもりはないのだが)」
「(香霖が父さん?ありえないぜ。)」
魔理沙と霖之助がジト目で見つめてくるが霊夢は気にせず音が聞こえた部屋に向かった。
「(それにしても変な館ね・・・部屋はほとんど鍵が掛っているし、中はかなり綺麗だし、意外と本当に妖怪とか住んでいたりしてね。)」
霊夢はそう考えて湖の近くにある紅い館の吸血鬼を思い出した。もしかしたら彼女と同じ類が住んでいるかもしれない。
「(だとしたら危険ね。あのクラスの妖怪だと下手したら弾幕勝負でも重傷を負うことになるもの。)」
そんな事を考えているうちに音の聞こえた部屋に着いた。
ドアには鍵は掛っておらず、すんなりと中に入ることができた。
「ここは・・・台所ね。ん?」
霊夢が足元を調べると何故か皿が1枚だけ割れていた。かなり不自然に。まるでその1枚だけ誤って肘をぶつけて落したかのように・・・。
「(何で皿が1枚だけ割れているのかしら・・・ん?何かしらこれ?)」
霊夢は小さな握る部分の付いた金属の棒のような物を見つけた。
「(まあ、霖之助さんに聞けば解るでしょ)」
それを拾って巫女服のポケットにしまった。
他にも何か無いかと少し見回してみたが、ごみ箱の中に何故か大量の解毒剤が捨ててあり、永琳あたりに売れば儲かるんじゃないかと考えただけで結局拾わなかった。
そして魔理沙達が待機しているはずの場所まで戻ったのだが。
「誰も・・・居ないわね。」
辺りを見回してみたが魔理沙はおろか霖之助まで居なくなってたのだった。
「(先に帰っちゃったのかしら?)」
廊下の小さな窓から外の様子を見てみると、外はいつのまにか闇に染まっていた。
「(そうよね・・・今日はこの辺にして神社に帰りますか。)あれ?」
霊夢は玄関の扉のドアノブをひねろうとしたが、まるでドアは石の壁のように開かなかった。
弾幕や夢想封印も試してみたが、全然意味が無かった。
「ど、どういうことよこれ~!!」
窓から外へ出ようとしたが、何故か窓も弾幕はおろか打撃すら効かなかった。
「(こうなったら空を飛んで・・・あれ?)」
空を飛んで脱出を試みようとするも何故か力が突然封じられたように空が飛べなかった。
少しの間混乱状態だったが、やがて、落ち着きを取り戻した。
「とりあえず、屋敷を片っ端から調べるしかないみたいね。」
そう言ってさっき行ったのとは逆の廊下を進んでいった。途中にも部屋があったが、鍵が掛っていて入れなかった。
「(ここは・・・お風呂?)」
霊夢は1つの部屋の前で立ち止まった、何かの気配を感じたからだ。しかし、
「(ここもカギが掛っているわね)」
鍵が掛っているのを確認するのと同時に、霊夢は興味無いとばかりにその場所から立ち去った。そのおかげでガラス越しに部屋の奥を見ずに済んだ。
そこには・・・
「(この屋敷は3階建てみたいね。あと各階に部屋が大体5つくらいと・・・)」
霊夢は現在の状況を頭の中で整理してみた。閉じ込められた。空も飛べない。魔理沙と霖之助も突然居なくなった。
「きっと・・・何かあるわね。あ、この部屋開いてる。」
珍しく鍵が開いた部屋があったので入ってみる。中はクローゼット付きの小奇麗に整理された洋室だった。
「なにもない・・・のかしら?」
ガタ・・・
「!(何か居る!)」
突然、奥のクローゼットから物音が聞こえた。
霊夢はお祓い棒を構えて慎重にクローゼットに近付き、そして。
バン!!
一気に開け放った。
(ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ)
中では何故か魔理沙が震えていた。
「あら魔理沙、こんなところでどうしたの?」
(ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ)
「ねえ、本当にどうしちゃったのよ!?」
魔理沙は何故かガタガタ震えるばかりで何も言わなかったが暫くしてようやく口を開いた。
「・・・化け物が・・・」
「化け物?」
「弾幕が、マスタースパークが・・・効かなかった・・・飛んで逃げようと思っても・・・飛べなかった・・・とっさにここに隠れた・・・怖かった・・・」
そう言って魔理沙は霊夢にしがみついてきた。霊夢は魔理沙が落ち着くまでその体制でいることにした。
「落ち着いた?」
「・・・やっと、落ち着いたぜ。」
「とりあえず、この屋敷には弾幕はおろかスペルカードも効かない奴が居るみたいね。厄介だわ。まるで鬼ね。」
「特に香霖が心配だ。不幸だか幸いだか化け物は私を追って来たから暫くは大丈夫だと思うが、早めに合流したほうがいい。」
「とは言っても、ほとんどの部屋には鍵が掛っているし・・・。」
「鍵なら今ここで1つ拾ったぜ?」
魔理沙はそう言って銀色の小さな鍵を取り出して見せた。
「でも、どこの部屋のカギかは判らないわね。」
「片っ端から試せばいいだろ?」
そう言いながら霊夢と魔理沙は(何故か魔理沙は必要以上に辺りを確認しながら)部屋の外へ出た。
2人はカギをいける限りの全ての扉で試してみたが全て開かなかった。
「なんで、1つも開かないのよ!?」
「私に聞かれてもさっぱりだぜ。」
「やっと見つけたよ。」
「「!!」」
二人が驚いて振り返るとそこには霖之助が紙切れのような物を片手に持って立っていた。
「霖之助さん、よかった合流できたわ。」
「何だよ香霖、驚かすのは勘弁してほしいんだぜ。」
「驚かすつもりは無かったんだが。まあいい、これを見てくれ。」
霖之助はそう言って紙を2人の前に広げて見せた。そこにはこの屋敷の間取りなどが記されていた。
「僕の能力によるとこれの名称は”屋敷の地図”用途は”屋敷の構造を記したもの”だそうだ。」
「そんなの、言われなくても分かるわよ・・・じゃあこれは何?」
霊夢は突然なにか閃いたように自分の持っている握り付きの金属の棒と魔理沙の持っている鍵を指さした。
霖之助は鍵と棒を手にとってすこし間を置いたあと。
「これの名称は”ドライバー”用途は”回すもの” こっちの鍵は”地下通路の鍵”用途は”地下通路の鉄格子を開ける”だ。」
「な、なんだよ、それなら屋敷内で使っても意味ないじゃないか。」
魔理沙は何故か悔しそうに地団太を踏んだ。
「でも、これで判った事があるわ。この屋敷には地下通路があるみたいね。」
「そうだね。そうそう、僕も鍵を1つだけさっき拾ってね、僕の能力によるとどうやら図書室の鍵らしい。」
そう言って霖之助は1つの銀色の鍵を見せた。
「そう、なら次の行先は図書室ね。」
3人は図書室に向けて移動した。
図書室は3人の居た場所からさほど遠くなくあっさりとたどり着けた。
「こう言うのはなんだけど紅魔館と比べると随分と狭いもんだな。この館。」
「あそこは時間と空間を自在に操れるメイドが居るからよ。それよりもこの図書室、嫌な予感がするわ。」
3人は図書室の扉の前にたどり着いたものの、霊夢が何故か警戒してなかなか入れずにいた。
「おまえが嫌な予感がするって言うと冗談に聞こえないからやめてくれ。」
「気のせいならいいけど・・・じゃあ、開けるわよ。」
霊夢は覚悟を決めたような顔で鍵を鍵穴に差し込んで回した。カチャッとロックの外れる音とともにドアが開くようになった。
霊夢と魔理沙はお祓い棒と杖を構えて図書室の中を確認したが、中には誰も居なかった。
「ふう、気のせいだったみたいだね。」
「・・・霖之助さんは後ろで見ていただけでしょ。」
「とにかく、図書室で脱出の手がかり探しだぜ!!」
3人は図書室で手がかりになりそうな物を探していたが、なかなか見つからなかった。
「何だこの本?魔法について全然書いてないじゃないか。つかえないぜ・・・」
「名称:初心者でも解るモールス信号 用途は:モールス信号を解く・・・一応もっておくか。」
「ちょっと2人とも真面目に探してよ。」
霊夢が1人で愚痴りながら机の上に乱雑に積まれた本を調べていた。心底、小悪魔の1人でも欲しいと思った。
「全く・・・ん?」
突然霊夢が作業の手を止めた。本と本の間にカギがあったのだ。
「魔理沙、霖之助さん、見つけたわ。」
「よくやった霊夢。これの名称は”子供部屋の鍵1”用途は”子供部屋1の鍵を開ける”だ。」
「よし、じゃあ次に進もうz・・・」
ガチャ・・・
「「「!!!」」」
その時、突然何者かが図書室へ入って来た。
「(まずいぜ。)」
「(どうしたの?)」
「(例の化け物がおいでなすったようだ。)」
「(2人とも、本棚の陰に隠れろ!!)」
3人が本棚の陰に隠れ終わると同時に、その化け物は現れた。
外見は人間の男のようだが。かなり巨大で全身がブルーベリーのような色。またかなり巨大な顔。そして巨大な目と口が顔に付いていた。
そして、その化け物は荒い吐息を吐きながら図書室の中を歩き回った。
まるで何かを探すように図書室の中を見ながら歩き回り、3人が隠れている場所のそばも通って行った。
やがて、何かを探すのを諦めたのかのように図書室から去っていった。
「・・・どうやらやりすごせたみたいだね。」
「あ、あぶなかったぜ。」
「あれが例の化け物ね・・・本当に鬼みたいだったわね。幻想郷の鬼とは全然違ったけど。」
霊夢は頭の中で神社に遊びに来る小さい鬼と地下に居る大きい鬼を想像した。
「(いや、やっぱりあれは鬼というよりただの化け物ね。気持ち悪かったし。)」
「と、とにかくこの屋敷内はいつあいつと遭遇してもおかしくないってことだな。だから慎重に行ったほうがいいな。」
魔理沙はそう言って本が詰まった鞄を持ち上げた。結局持ち帰る気らしい。
「はあ、1番慎重に行動しなきゃいけないのは君だと思うけどな、魔理沙。」
霖之助はやれやれと肩を竦めた。
館内を移動すること1分。3人は子供部屋1の前にたどり着いた。
「ここはさっきほど嫌な予感を感じないわね。」
「じゃあ、いくぜ。」
魔理沙が鍵を差し込んで鍵を開ける。一応部屋の中を警戒する。
「確認よし・・・っと入って大丈夫だぜ。」
3人は部屋の中を確認した。
かなりこじんまりとした部屋で隅にベッド、机、本棚、クローゼットがあるくらいだった。
「薄暗いな・・・八卦炉で明かりを灯すぜ。」
すでに日が暮れかけているため、魔理沙は八卦炉で明かりを灯した。
「ん?これはトランペット?」
「あートランペットだな。うん。」
「どこからどう見てもトランペットよ霖之助さん。」
霖之助は部屋の隅に転がされていたトランペットに目を付けたらしく丹念にそれをしらべる。
「名称:トランペット 用途は:楽器・・・でも、あんまり価値は無さそうだね。」
「どうしてだ?」
「キズが付いているからだよ、ほらここだ。」
そう言って霖之助はトランペットの裏側にある傷を見せた。
まるで何か鋭い物で引っ掻いたような傷がそこに付いていた。
「まるで何かの暗号みたいね。{・----}なんて形の傷。」
「考えすぎだろう。それよりも手がかり探しだ。」
3人で協力して部屋を調べるうちについに手がかりを見つけた。
「おい、香霖見つけたぜ。」
「よし、これは名称:子供部屋2の鍵 用途・・・」
「よし、次に進もう。」
霖之助の話を半ば無視し魔理沙と霊夢は次の部屋に行くべく部屋を出ていった。
霖之助はため息をつくと早足で二人を追った。
霖之助が追いつく頃には2人はすでに部屋の鍵を開けて中を探索していた。
部屋の内装はさっきの部屋と全く変わらないようだ。・・・楽器以外。
「おい香霖、ここの楽器にも傷があるぜ。」
「なにこれ、ピアノみたいだけど随分薄いのね。」
「どれどれ、名称:アップライトピアノ 用途は:楽器・・・これも裏側に傷があるね。{・・---}か・・・」
「でも、どんなに乱雑に扱ってもこんなへんな場所に傷はつかないわよ。それにさっきのトランペットもそうだけど裏側以外全く傷が無いのも不自然だわ。」
「あと、楽器以外の部屋の家具の配置は不自然なほど一緒。鍵の隠されている場所も一緒だったぜ。」
魔理沙は銀色の鍵を手でちらつかせた。
「大方それは子供部屋3の鍵だろうね。ここに居ても他は何もないみたいだし次の・・・」
「じゃあ、いくぜ。」
「早くしないと置いて行くわよ霖之助さん。」
3人は子供部屋3の鍵を使い部屋の中へと入った。
そこには3人が大体想像していた光景があった。
「やっぱり楽器以外の家具の配置は全て一緒ね。」
「で、これが楽器と・・・バイオリンだな。」
「名称:バイオリン 用途は:楽器だね。やはり傷ありか・・・」
「やっぱり不自然ね。裏側以外全く傷がないなんて。傷の形は{・・・・-}か。」
「ついでにやっぱり鍵の隠し場所も一緒だったぜ。」
魔理沙は鍵を手でクルクル回しながら呟いた。
「ここまできたら最後の子供部屋まで行くしかないわね。」
3人は最後の子供部屋である子供部屋4の前へと移動した。
だが、部屋の前で突然霊夢が立ち止まった。
「いやな予感がする。」
「おいおいまじかよ。」
「霊夢の勘は大体当たるからね、でも、入らないと何もできないよ。」
「・・・一応、何時でも攻撃できるように準備しておいて。」
そして、霊夢は鍵を差し込んでロックを解除し子供部屋4の中へ足を踏み込んだ。
「・・・なにも居ないぜ。」
「今のところはね・・・だけど、さっきから勘がやばいっていってるの。」
霊夢はずっと周りを警戒するように見回している。
一方霖之助は部屋の間取りに違和感を感じていた。
「霊夢、今思ったのだが、この部屋は他の子供部屋と違って内装が少し違うな。」
「え?ええそうね。楽器が無いし・・・あと部屋の中央にベッドがあるのも他の部屋とは違うわね。」
他の3部屋はベッドが隅にあった。しかしこの部屋だけは中央にベッドがある。
「一応、調べてみるか。」
霖之助はそう言ってベッドを調べ始めた。すると、しばらくしてある物を見つけた。
「これは?」
「どうしたの霖之助さん。」
「ベッドの下の床に傷と、番号が。」
ベッドの下には傷と番号がそれぞれあった。
「えーと、数字が0 傷が{-----} やっぱり不自然ね。」
「ん?もしかして・・・?」
霖之助はポーチの中からさっき拾った(あくまで拾ったのである)本を取り出し内容を確認した。
「(そういえばさっきの楽器の傷も・・・そうか、そういうことか)わかったよ魔理沙、霊夢。この暗号が。」
「「え?どういうこと?(なんだぜ?)」」
「この本を見てくれ。この本は外の世界の暗号について載っている。今見たら暗号数字の0が{-----}なんだ。」
「つまり、この本の通りなら・・・最初のトランペットの傷が{・----}次のピアノが{・・---}最後のバイオリンが{・・・・-}
本の通りなら{・----}は数字の1{・・---}は数字の2{・・・・-}が数字の4ということになる。」
「つまり子供部屋1から4までの暗号数字を順番に並べると1240ということになるわね。でも、なんに使うのかしらね?」
「これじゃないか?一応、ほかの部屋の鍵の隠し場所と同じ場所を調べてみたら、こんな物があったぜ。」
魔理沙が部屋の隅にあった黒光りする箱を指さしながら言った。
「どれどれ・・・名称は:ダイヤル式金庫 用途は:大切な物を保管する。」
「見て、数字をいれる場所があるわ。ここにこの数字を入れればいいのね。」
霊夢は手早くその数字をダイヤルで揃えた。すると、金庫はあっさりと開いたのだった。
そして中からはまた鍵が出てきた。
「名称:書斎の鍵 用途は・・・名前のとおり。」
「次は書斎だな?よし、いくぜ。」
魔理沙が意気揚揚と扉に近づいて行ったその時!!
ガチャ・・・
「「!!!」」
「!!!!!!!!!!」
扉を開けて例の化け物が入ってきたのだ。
しかも今回は子供部屋、隠れられるような場所もない。
そして更に、
「魔理沙、逃げるんだ!!」
「魔理沙、なにしてるの!!はやく!!」
「あ・・・・・・あ・・・・・・・・・・」
何と魔理沙が扉の前に居たため、腰を抜かしてしまったのだ。
そして、化け物は魔理沙を見つけるとその不気味な顔をにやけさせゆっくりと魔理沙に近づいていった
そして、魔理沙も腰を抜かした際、杖と八卦炉を放り出してしまい丸腰状態であった。
「夢想封印 瞬!!・・・ダメ、やっぱり全然効かない!!」
霊夢もスペルカードを唱えて化け物の気を逸らそうとするが全く効いている様子は無かった。
「(こうなったらあれを使うしかない!!)」
霖之助は魔理沙が放り出してしまった八卦炉を拾い構えてスペル名を唱えた。
「恋符:マスタースパーク!!」
「「え?」」
魔理沙と霊夢が声を出したのは丁度一緒だった。
その瞬間、八卦炉からものすごく眩しい光が飛び出し化け物に直撃した。
化け物が目を瞑った瞬間を見計らい、霊夢は魔理沙を抱えて、霖之助は八卦炉を化け物に向けたままの体制でいたが
光が収まると同時に部屋の扉を閉め、ひたすら走って逃げた。
「あ、危なかった、何とか撒いたみたいだ・・・はぁはぁ・・・。」
「魔理沙・・・重い・・・。」
「・・・すまん、・・・霊夢。」
2人は書斎の前の廊下で息を荒げていた。1人は今起きたことを反省していた。
「全く・・・しかし霖之助さんがマスタースパークを使えるなんてね・・・。」
「いや、正確にはただの眩しい光さ。スペルが効かなくても光で気を逸らすことはできるからね。」
「でも、その八卦炉は香霖の作品だからな、香霖がマスタースパーク撃てても今更驚かないぜ。」
いつの間にか復活した魔理沙は杖と八卦炉を装備しなおすと、鍵を手にして書斎に向かおうとした。
「大丈夫なの?魔理沙?」
「ああ、ちょっと腰が抜けちゃったけど多分大丈夫だ。それに、こんな場所からは早くおさらばしたいしな。」
「そうそう、さっきから嫌な予感がぷんぷんしているから注意してね。」
魔理沙は鍵を扉に差し込みロックを解除して少しだけ扉を開けて中の安全を確認した。
「確認よしっと入っても大丈夫っぽいぜ。」
「魔理沙、慎重にね。」
「ここも外の世界の本が沢山あるな。僕の好きそうなのは・・・」
3人は書斎に入って手がかりを探し始めたが意外と早く見つかった。
「あら、これって写真?」
霊夢は机の上に置かれた写真を手に取った。その写真は古い家族写真で両親と思わしき男性と女性、そして4人の女の子たちが写っていた。
全員、とても幸せそうな表情で穏やかな顔を浮かべていた。家族を知らない霊夢は、何故かそれがうらやましく感じた。
「幸せそうな顔ね・・・あれ?写真の下に何かある。」
下を覗いて見ると、なんと鍵が写真の陰になる形で置かれていた。
「魔理沙、霖之助さん、鍵を見つけ・・・!?」
その時、霊夢の勘が何かを告げた。何か危険が迫っていると。
「どうしたんだい霊夢?なにk・・・」
「どっか隠れられる場所ない!?」
写真と鍵をポケットにしまい込みながら霊夢は2人に問うた。
「いきなりどうしたんだよ霊夢、驚かさないでほしいz・・・」
「奴が、化け物が近くまで来ているのよ!!。」
「「なんだって!?」」
2人は霊夢の発言に驚いた様子だったがすぐに隠れられる場所を探し始めた。
「霊夢、魔理沙、クローゼットの中に隠れるんだ。早く!!」
3人は急いでクローゼットの中に隠れた。その直後、
バーン!!!
と勢いよく扉を開けて例の化け物が部屋に入って来た。
そして、霊夢が手がかりを探していた机の前にきて机の上を見た。
その直後、まるで化け物は慌てて何かを探すように書斎を探り始めた。。
3人が隠れているクローゼットの前を通ったりしてひやひやしたりもしたが、やがて諦めたようで書斎から出て行った。
化け物が書斎から遠ざかるのを待って3人はクローゼットから出た。
「霊夢、本当に済まない。」
「今日の霊夢、冴えてるんだぜ。」
「私は危険を回避しただけよ。それに、今廊下に出たらまだ化け物がうろついてるわよ。」
「じゃあどうするんだ?このままここで朽ちるのか?冗談じゃないぜ。なあ香霖。」
「もちろん、今ちょっと本棚を調べていたんだが、この本棚は横に動かせる構造らしい。」
霖之助はそう言って本棚を横に押してみた。すると、何と本棚の後ろに隠し扉があった。
「ナイス香霖。」
「あら、霖之助さんも偶には役に立つのね。」
「いや、僕は十分役に立っているはずだが。しかもその扉には鍵が・・・てもう開けてるし。」
霖之助の言葉を無視して2人は霊夢の見つけた鍵を使い隠し扉を少し開けて奥の様子を確認した。奥は地下に続く階段になっているらしい。
「わずかに風を感じるぜ。おそらく外に通じているな。」
「そうだといいけど・・・なにか嫌な予感がするわ。」
「今日はそればっかだな霊夢。とにかく、進んでみるしかないだろ。」
3人は隠し扉を通り地下通路を進んでいった。
「ん?行き止まりよ」
何と途中で通路が鉄格子により閉ざされていた。
「鍵なら此処にあるぜ。今度こそ・・・あれ?」
魔理沙が鍵を鉄格子の鍵穴に差し込んで回したのだが、鉄格子の鍵は外れなかった。
「何で、開かないんだ?」
しかし、霖之助は鉄格子を良く調べ、怪しい部分を発見した。
「ん?ここに意味ありげな窪みが。霊夢、確か回す用途の道具をもっていなかったかい?」
「ええ持っているわよ。はい。」
「このドライバーとやらをここに差し込んで回すとうわぁ!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
霖之助が窪みにドライバーを差し込んで回すと、何と鉄格子が開き、人が通れるようになった。
「流石、霖之助さんね。・・・!!?」
「どうしたんだい霊夢?」
「2人とも走って。」
「「え?」」
「化け物が後ろから追って来てる!!」
ふと後ろを見るとあの化け物が追って来ていた。3人は力の限り走った。
しかし、3人を待ち受けていた現実は非情だった。
「うそでしょ・・・」
「何で縦穴なんだぜ・・・ちくしょう空さえ飛べれば・・・」
そこにあったのは井戸のようにぽっかり上に伸びる縦穴だった。勿論はしごもない。
上では自分たちを嘲笑うかのように星空がきらめいていた。
しかし、奥からは化け物はやって来る。
魔理沙は最後の賭けに出た。
「霊夢、香霖、私にしがみつけ!!」
「「な、なんだい?(何よ?)」」
「いいから早く!!」
とっさのことで逆らえず、霖之助と霊夢は魔理沙にしがみついた。
魔理沙は八卦炉に限界まで力を溜めていた。
そして、
「恋符:ロケットスパーク!!」
八卦炉を下に向かって構え一気にエネルギーを放出した。
その瞬間3人の体が物凄い勢いで地上へ打ち上げられる。
「「「うわああああああああぁぁぁ」」」
3人はそのままの勢いで縦穴を飛び出し、そのまま博霊神社まで飛んで行ってしまった。
そしてこの後、魔理沙にしがみついたまま境内で寝た(正確には気絶した)ため周囲から誤解されたりするのだがここでは深く触れない。
それから数日後、霊夢は再び館のある場所にやってきた。いや、あった場所というべきか。
何故なら、その場所には館はなく、前と同じ森が広がっているだけだから。
「全部、あの異変は夢だったのかしらね・・・」
「よお霊夢、居たのか。」
「魔理沙・・・あんたこんな所でどうしたの?」
「いや、ちょっと悪い夢を見てな・・・忘れにきた。あるわけねーよな。」
「なにが?」
「なんでもない。じゃあ私は帰るぜ。香霖に八卦炉をなおして貰わないといけないからな。」
そう言うと魔理沙は箒に乗って帰って行った。
霊夢は魔理沙が居なくなった事を確認すると、ポケットから1枚の写真を取り出して少し眺めた後びりびりに破いて棄ててしまった。
FIN
写真見て気づけよれーむ!
ちょっと青鬼というゲームがやってみたくなったかも…
青鬼は途中までやって、恐ろしくて封印した
怖いんだよねあれ
正直言って二度とやりたくない怖さ
見た目は顔が大きい意外そんなに怖くないけど、いきなり来て無言で追いかけられるのがヤバイ
でも霊夢あたりなら封印できそうwww
>ごみ箱の中に何故か大量の解毒剤が捨ててあり
虹川さんちに何が起きた!?