こいしはさとりに爆弾を渡した。
「……は?」
さとりは何が起こったのか分からなかった。
こいしが久しぶりに帰ってきて、「お帰りなさい」と言った。
それでこいしは「ただいま」と言って、「はい、お土産」と続いたまではよかった。
おかしいのは、手のひらで無骨に輝く金属の筒なのだ。
「……こいし、これは?」
「爆弾」
「……。何で、ここに?」
「拾ったから」
「……」
さとりは鈍く輝く筒を見下ろす。
大きさは手のひらに乗っているのだから手のひらサイズと言ったところか。ずっしりと嫌な重みがさとりの本能に「落としてはいけない」と警告させていた。冷や汗が頬を伝った。
「……こいし」
「何?」
「元あった場所に置いてきなさい」
「え~!? お姉ちゃん、これ飼おうよ~!」
「飼う気だったの!? だったら尚更ダメ! 今すぐ捨ててきなさい!」
一体こんな大量破壊兵器をどう飼うつもりだったのか。さとりは妹の頭を心配しながらこいしに手渡した。
「何でー!? お燐やお空は飼ってるのにー!?」
「お燐やお空をそんな殺戮兵器と一緒にしないで! とにかく! それは家では飼えません!」
「お姉ちゃん……うっく、ひっく……」
「こ、こいし?」
こいしは爆弾を抱えながら泣き始めた。
さとりは妹が泣いてしまったのと、何時その爆弾が妹の手からこぼれ落ちてしまうかで気が気でなかった。
とにかく、さとりはさりげに爆弾を回収して、こいしを慰める。
「こいし。お姉ちゃんが悪かったわよ。だから泣かないで」
「ぐすっ。じゃあ、この子飼っていい?」
「う……そ、それは……」
「うわーん! やっぱ飼ってくれないんだー! お姉ちゃんの嘘つきー!」
「え、ちょ、こいし!」
さとりは爆弾を抱えて走ろうとするこいしの腕を掴み、すぐさま唇を重ねた。
「んっ……!」
「……!」
そして、さとりはゆっくりと唇を離す。
「お姉ちゃん……」
「こいし。その爆発物と私、どっちがいい?」
「…………えーっと…………うーんっと…………そりゃ、お姉ちゃんのほうがいいけど……」
「何で迷ったのか分からないけどありがと、こいし。……こいしは、ただ寂しかったから、この子を飼おうとしたんでしょ?」
「!? ど、どうして分かったの!? 私の心読んだ!?」
「大切な妹だもん。読むまでもないわよ」
「お姉ちゃん……」
「だから、ね。こいし。お姉ちゃんと一緒に遊びましょ?」
「――うん!」
こいしはさとりの腕に自分の腕を巻きつけて、笑顔で部屋へと入っていった。
「うにゅ? 何、これ?」
お空は廊下で不思議な金属の筒を見つけ、
「うにゅ~……いいや。燃料にしちゃえ」
爆弾を持って、核融合炉へと向かった。
後日、核融合炉は破損して、お空はにとりに怒られたのであった。
「……は?」
さとりは何が起こったのか分からなかった。
こいしが久しぶりに帰ってきて、「お帰りなさい」と言った。
それでこいしは「ただいま」と言って、「はい、お土産」と続いたまではよかった。
おかしいのは、手のひらで無骨に輝く金属の筒なのだ。
「……こいし、これは?」
「爆弾」
「……。何で、ここに?」
「拾ったから」
「……」
さとりは鈍く輝く筒を見下ろす。
大きさは手のひらに乗っているのだから手のひらサイズと言ったところか。ずっしりと嫌な重みがさとりの本能に「落としてはいけない」と警告させていた。冷や汗が頬を伝った。
「……こいし」
「何?」
「元あった場所に置いてきなさい」
「え~!? お姉ちゃん、これ飼おうよ~!」
「飼う気だったの!? だったら尚更ダメ! 今すぐ捨ててきなさい!」
一体こんな大量破壊兵器をどう飼うつもりだったのか。さとりは妹の頭を心配しながらこいしに手渡した。
「何でー!? お燐やお空は飼ってるのにー!?」
「お燐やお空をそんな殺戮兵器と一緒にしないで! とにかく! それは家では飼えません!」
「お姉ちゃん……うっく、ひっく……」
「こ、こいし?」
こいしは爆弾を抱えながら泣き始めた。
さとりは妹が泣いてしまったのと、何時その爆弾が妹の手からこぼれ落ちてしまうかで気が気でなかった。
とにかく、さとりはさりげに爆弾を回収して、こいしを慰める。
「こいし。お姉ちゃんが悪かったわよ。だから泣かないで」
「ぐすっ。じゃあ、この子飼っていい?」
「う……そ、それは……」
「うわーん! やっぱ飼ってくれないんだー! お姉ちゃんの嘘つきー!」
「え、ちょ、こいし!」
さとりは爆弾を抱えて走ろうとするこいしの腕を掴み、すぐさま唇を重ねた。
「んっ……!」
「……!」
そして、さとりはゆっくりと唇を離す。
「お姉ちゃん……」
「こいし。その爆発物と私、どっちがいい?」
「…………えーっと…………うーんっと…………そりゃ、お姉ちゃんのほうがいいけど……」
「何で迷ったのか分からないけどありがと、こいし。……こいしは、ただ寂しかったから、この子を飼おうとしたんでしょ?」
「!? ど、どうして分かったの!? 私の心読んだ!?」
「大切な妹だもん。読むまでもないわよ」
「お姉ちゃん……」
「だから、ね。こいし。お姉ちゃんと一緒に遊びましょ?」
「――うん!」
こいしはさとりの腕に自分の腕を巻きつけて、笑顔で部屋へと入っていった。
「うにゅ? 何、これ?」
お空は廊下で不思議な金属の筒を見つけ、
「うにゅ~……いいや。燃料にしちゃえ」
爆弾を持って、核融合炉へと向かった。
後日、核融合炉は破損して、お空はにとりに怒られたのであった。
駄目だ耐えられねえwwww