「―――と、アリスは思うのです」
「何だ藪から棒に」
またアリスの突発性妄言症候群かと魔理沙は深く嘆息する。
アリスはきらきらした目で語る。
「だから『だぜ』って言って。文脈上自然な形なら『ぜ』でも可」
「意味がわからないぜ。……あ」
「あー! 今『ぜ』って言った! 魔理沙『ぜ』って言ったー!」
「な、なんだよ。それがどうしたんだ」
「かーわーいーいー! 魔理沙、かーわーいーいー!」
「なっ……」
阿呆みたいに絶叫しながら魔理沙を力いっぱい抱きしめるアリス。
豊かなふくらみに押しつぶされた魔理沙の顔が一瞬にして赤く染まる。
未だかつてない羞恥心が魔理沙を襲う。
アリスは爛々とした目で語る。
「ねね、もっかい言って。もっかい」
「い、いやだ」
「なんでよー! いつも言ってるじゃーん!」
「あ、改めて言われると恥ずかしいんだよ。大体なんで今更そんなこと言い出すんだ」
「今になって気付いたのよ。魔理沙の『だぜ』が可愛いってことに」
「はあ?」
てんで意味が分からない。
しかも暑苦しい。
魔理沙はぐいいっとアリスの顎をつっぱるが、如何ともしがたい体格差によりなかなか有利な体勢を築けない。
アリスは溌剌とした表情で続ける。
「見た目がこんなに女の子女の子してるくせに、口調が『だぜ』なんて反則的な可愛さだわ! そう思わない?」
「思わん! あつい! はなれろ!」
「あう」
ようやく魔理沙はアリスの抱擁から脱することに成功した。
ぜえぜえと肩で息をする。
アリスは少し唸ってから、「ピコーン」と擬態語を発音した。
「じゃあこうしましょう。魔理沙が語尾に『だぜ』もしくは『ぜ』を付けて話してくれない限り、アリスは魔理沙を無視します」
「は……はあ?」
「…………」
先ほどまでのハイテンションから一転、何の感情も宿っていない目で魔理沙を見るアリス。
「お、おい。アリスってば」
「…………」
アリスはまるで人形のように固まっており微動だにしない。
魔理沙はまた深く嘆息した。
「……つくづくよくわからんやつだぜ。お前は」
「!」
その瞬間、ぱあっと色づくアリスの表情。
「いい! いいわあ! 魔理沙!」
「わぷっ」
何がそんなに嬉しいのか、アリスは魔理沙を再度抱きしめて叫ぶ。
再び、柔らかなふくらみに押しつぶされる魔理沙。
「う、うおおっ……」
魔理沙はそのむにゅむにゅした柔らかさから必死に顔を出すと、アリスをむぅっと見上げながら、少し非難めいた口調で言う。
「……何がそんなにいいんだぜ」
「全てよ! 魔理沙の女の子っぽい外見と、それと一見相容れなさそうな男の子っぽい口調のギャップが生み出す奇跡のコラボレーションなのよ!」
「……意味がわからないぜ」
「大丈夫、そのうちわかるようになるから!」
「……わかりたくもないぜ」
魔理沙はアリスの腕の中でぼそりと呟く。
しかしアリスは一向に気にせず、有頂天なテンションのままで言う。
「うふふ。やっぱり魔理沙の『だぜ』は可愛いわ。ハスキーみたいな高い声だから尚更そう思う」
「……別に、そんなの関係ないぜ」
「そんなことないわよ。いかにも女の子って感じの甲高い声だからこそ、『だぜ』の可愛さが引き立つのよ」
「……もうどうでもいいぜ」
魔理沙はふてくされるように、アリスのふくらみの中にぼふっと顔を埋めた。
アリスはよしよしとその頭を撫でる。
「うふふ。かわいいかわいい」
「……しょうがないから、今日だけはアリスの言うとおりにしてやるとするぜ」
魔理沙はそう呟きながら、アリスの柔らかさの中で頬をぷぅっと膨らませた。
了
……orz
流石にこのアリスはちょっとめんどくさいww
んだが、ハスキーみたいな高い声って表現が違うかなーと。
諸説あるけど、ハスキーボイスって、ジャニス・ジョプリンとか今の邦楽だとAIみたいな低いかすれた声のことだと思う。
女の子らしい甲高い声って結構ハキハキしてて可愛らしい感じだと思うからそこが気になった。
だぜだぜ言う魔理沙は可愛い。
みんな復唱しよう。『だぜは正義!!』
このアリスはちょっとうざったいかな……
なんというか、らしさが無いというか、別に霊夢や咲夜あたりに名前を変えても成立しそうだ
魔理沙もアリスも可愛すぎるぜ。
異論?んなもんありませね。
が、アリスの胸の中で、ぷぅっと頬を膨らませる魔理沙かわいい。
どっちかっというと、そこがつぼった。
自己投影要員ですね
良いぞもっと積極的にポジティブにやってくださいお願いします。
魔理沙可愛い
まあ、魔理沙がかわいいからいっか。
あなたの作品を通しで読んでると、まるでシーソーのようにお互いがお互いのペースで引っ張りあってて
すごく良い感じです。仲良しマリアリ、アリマリの一つの理想像ではないでしょうか。
著しくキャラを傷つけることなく的度にキャラを自由に動かしている。
キャラ愛に溢れたあなたの作品、これからも楽しみにしています。GJでした。
しかし可愛いから許す。
貴方の作品群の全てで評価するべきだな。
つまり、最高にハイってやつだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!
女性の声では、誰だろう?