Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

「春はまだなの?このままじゃ寝ているうちに凍死してしまうわよ。あぁもっと暖かい布団がほしいなぁ。羽毛布団とか。どこかに鳥の妖怪いないかしら。」

2010/03/05 17:34:14
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「雛って胸おおきいよね~。一体なにが詰まってるの?」

「ビタミンC。レモン1200個分」

「嘘だーちょっと吸わせてみ?」

「いいわよ。はいどうぞ」

「どうして胸の谷間からチューブが出てくるのさ」

「繋がってるから。先端に」

「ニトリの肺活量は世界一ィィィィィィィ!!」

「あ、やだそんなに強く……のびちゃう///」

「ズズズズズ~ぷはぁ。雛、これCCレ○ンじゃないか。味といい炭酸具合といい」

「違うわ。CCしモンよ」

「これまた胸の谷間から取り出してるし。道理で生暖かいわけだよ」

「胸でぎゅっと挟み込むと……えぃ目潰し!」

「ぎゃぁぁぁCCしモンが目に! 目がぁぁぁ目がぁぁぁ!」

「わふぅ。今日も幻想郷は平和です」











<- 「春はまだなの?このままじゃ寝ているうちに凍死してしまうわよ。あぁもっと暖かい布団がほしいなぁ。羽毛布団とか。どこかに鳥の妖怪いないかしら。」 ->


「あぁもう寒いわ!」

「元気だな霊夢。あたしゃ寒さで足が凍りそうだよ」

「足無いでしょあんた。というかなんでいるのよ」

「あたしゃここに居るよ」

「まぁいいや。居るならカイロ代わりにするだけだしね」

「あたしゃずっとここ居る。だから安心してお眠り」

「ん……暖かいわね……」

「こっちに来ても……いいんだよ?」

「そうしたいけどね。あんたの弟子が呼んでるから行くわ」

「そうかい。まぁ宜しく言っておいておくれよ」

「覚えてたらね」





「起きろ霊夢! 寝たら死ぬぞ!!」

「ん~あれ~みまはー?」

「やっと起きたか。魅魔様がどうしたって?」

「夢に出てきた」

「ふ~ん。そんなことより、炬燵で寝たら風邪引くぜ?」

「そうしたら紅魔館から咲夜でも呼んで看病させるわ」

「あれ? 門番じゃないのか?」

「美鈴からは整体と針を教えてもらってるだけよ。なんでもすぐにカップリングさせるのは、あんたの悪い癖よ?」

「うふふなお年頃なんだぜ。あーみかんうめぇ」

「そういえば、ピンクはレッドとくっつく運命て言ってたのに、ピンクやめたんだ?」

「戦隊もののお年頃は数年前に過ぎ去った。風と共にみかんうめぇ」

「そういえば魅魔がよろしく言っておけって」

「ここで寝たらいつでも会えるからなぁ……みかんうぎゃぁぁぁぁみかん汁が飛んで目に入った!」

「なんで説明口調なのよ」

「今回は会話分しかないからだぜ?」

「メタ禁止」

「実はまだ本編始まってもいないんだぜ?」

「メタルスタイム狩り禁止」

「そろそろ始まるらしいぜ。話は妖々夢の時間だって」

「ヘルスメーターの話は禁止」

「あーみかんうめぇ」







<- 「人肌ってのも暖かいらしいわね。どこかに体温の高い人いないかしら。運動してしなやかな筋肉を持っている人が温かそうね。」 ->




ちゅんちゅん

幻想に包まれているこの世界にも、朝と昼と夜がある。

春夏秋冬、四季も定期的に周りくる。

それぞれ、春ならば春度。夏ならば夏度と、特殊なエネルギーによってもたらされるのだ。

そして今は春先。本来ならばぽかぽかと、暖かな陽気に包まれているはずなのだが……


「ふぁ……」


ちゅちゅんちゅん


「うっさい。揚げて食べるわよ」


ちゅん……


「寒! もう春だというのになにこの寒さ。さっき見た変な夢も寒さのせいね」


寒さを全ての悪と断定した、博麗神社の素敵な巫女である霊夢は、布団を被ったまま立ち上がり歩き出した。

どこに行くかって? 乙女にそんな事を聞いてはいけません。


「厠って不思議と落ち着くのよね。全てを曝け出すからかしら?」

「乙女がそんなこと言ってはいけないわ」

「だれ!?」


霊夢は振り返ったところには誰も居なかった。

ちらっと、ほんの横目でなにか空間が閉じた気がするけれど、きっと気のせいだろう。

なにか懐かしい香りが残っているけれど気のせいだろう。

霊夢はそう思いこみ、とりあえず被っている布団を畳んで、座布団代わりにした。


「こんな寒かったら魔理沙も来ないだろうし、今日は一日だらぁっとしよう」


座布団にした布団を掴んで前転一回。

それだけで霊夢の簀巻きが完成した。

さぁ二度寝という至福の時をいざ……


「れーーーいーーーむーーーさーーーんーーーー!!」


……いざ!


「れーーーいーーーむーーーさーーーんーーーー!!」


……い、いざ!


「チャリン♪」

「ありがとう貴方はいい人よ。全身全霊を持って歓迎するわ、って美鈴じゃない」


スパーーン! と小気味いい音を出し表に出てみると、そこには紅魔館の門番である紅 美鈴がいた。

律儀にパンパンと手を合わせて、礼をしている。


「(咲夜さんの胸が大きくなりますように……)あ、こんにちは霊夢さん。返事がないので、いらっしゃらないかと思いました!」

「ちょ、ちょっと布団を片付けてたのよ。で何火曜なの?」

「今日は金曜日ですよ?」

「間違ったわ。何か用なの?」


雪が降る神社の境内で、美鈴は見ているほうが寒いであろう格好だった。

口から出る吐息が白い雲を作る。

その回数が多いことから、きっと紅魔館から走ってきたのだろう。

神社への階段のところから賽銭箱まで、一直線にのこるブレーキ痕が、その速度が異常な速さだったことを物語っていた。


「はい! 今このずっと続く寒さのせいで、人里で腰痛が流行ってまして」

「里で整体医やったら一儲けできそうね」

「このままでは大変なことになると思い、里の宿を借りて……」

「私にとって整体は、針の扱い方を教えてもらうついで、だったんだけど?」


それだけで美鈴が何を言いたいのかを把握した霊夢は、拒否の心を示した。

美鈴のことだからきっと「ぼらんてぃ~あ」とかいう無償の奉仕をしているのだろう。


「そんなこと言わないで手伝ってくださいよ~。一人ではさすがに捌ききれないのですよ」

「レミリアにでも手伝ってもらいなさいな。あの子も美鈴直伝の整体術を会得しているのでしょう?」

「いや、さすがにそれは威厳というものがでして」

「威厳? あぁ賽銭と同じくらい大切なものって言ってたわね。それなら仕方が無いわ」


よほどお賽銭が大切らしい。

食べ物や衣類は、人里からの依頼を解決するだけで足りているだろうに、お賽銭のなにがそこまで彼女を突き動かすのだろうか。

きっと乙女のロマン的ななにかだろう。それは金額じゃなく入っているだけで幸せに浸れるくらいのロマン。


「れいむさぁん~」

「そんなことで泣くな! あ~~~も~~~~朝ごはん!!」

「はえ?」

「先に朝ご飯よ。食べたら適当に行くから待ってなさい」

「れいむさん~~~愛してます!」

「ななな何をいってもがもが~!」


嬉しさのあまり、霊夢が幸せ死してしまうのではないか、というくらい強く抱きしめた。

中国四千年の歴史が詰まったそれは、まるで幻想郷のように全てを受け入れる。

母の安らぎがそこにあった。

が苦しいものは苦しいので、霊夢は必死にキマっているその技から抜け出そうとしていた。


「あ~霊夢さん暖かいですね~冷えた体が暖まります~」

「もがーももがもがもがもががもが!(うがー! 私は冷たいわ! はなせー!)」

「もう少しこのまま、霊夢さん分を補給して一日の糧に「私の霊夢になにすんの!」どぶっはぁ!」


ぼんがーすっ!


結構危ない音が、美鈴の後頭部から発せられた。

そしてその後ろには、雪のように白い手刀が見えている。

しかし一瞬でその手は消え、霊夢にも美鈴にも何が起こったのか分かっていなかった。

まさに早業である。


「はぁはぁ……あんたすぐ抱きつくクセを直しなさいっていつも言っているでしょう?」

「あわわわ目が回り~ま~すよ~~?」

「いいわもう。朝ごはん作ってくる。なんだったら食べていく?」

「頂きます!!(シャキン!)」


霊夢にとってのお賽銭は、レミリアにとっての威厳(カリスマ)であり、美鈴にとってのご飯らしい。

ご飯と味噌汁と秋刀魚でいいわよねと、霊夢が言いつつ、美鈴は米磨ぎは任せてくれと腕をまくっていた。

今頃は大変なことになっているであろう、人里の宿屋の女将にはもう少しがんばって貰わなければならないようだ。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 



そして1時間後

霊夢と美鈴は、宿屋の入り口で立ち往生していた。


「なにこれ?」

「はぅっ、人が増えてます……」


宿屋へは関係者出入り口から入ればいいのだが、人が波となって多い尽くしている為、関係者出入り口にもたどり着けないのが現状である。


「仕方ないわね。飛んで行くわよ。2階から入ればいいでしょう?」

「え!? いや、私は飛ぶのはちょっと……」

「どけって言ったって退かないでしょうこれは」


なにせ美鈴の存在にすら気が付いていないのだ。

一応看板には「休憩中」と書いてあるが、今にも扉を破っていきそうな勢いである。

ちなみに隣には、「セクハラ禁止」と「お触り即破山砲」と書いてある。


「というか腰痛めてる人たちに動けというのは可哀想じゃない? と思ったけど、半分くらい元気そうね」

「で、でも飛ぶと……見えてしまうんじゃないかなぁと。おふぁんつが(ボソ」

「はい? ならドロワーズを穿けば、ってそれはさすがにないわね。こーでねーとが悪くなるわ」

「いえドロワーズも恥ずかしいと思いますよ? あれも下着でs「霊夢にそんな事言ったら飛ばなくなるでしょう!めっ!」アッーーー」

ぶすっ!


結構危ない音が、美鈴のお尻から発せられた。

彼女の名誉の為に言っておくが、発せられたといってもガスではない。ガスでは無い。二回いいまみた。

美鈴のお尻からは服を突き抜けて、小悪魔の尻尾みたいなのが生えてふりふりと揺れている。


「地面にうずくまって何してるのよ」

「お、おし、お尻が、あうぅ立てません……」

「仕方ないわね。お姫様抱っこなら、おふぁんつも見えないでしょうから運んであげるわよ」


あぅあぅ言っている小悪魔っぽくなった美鈴を徐に担ぐと、霊夢は人の上をふわふわと飛んでいく。

人々が上を見上げ、あれはなんだ! 鳥だ! 飛行機だ! いや、ロクデナシだ! 「ろくーでーなしーウィッ! ろくーでーなしーウィッ! なんてーひどーいーあーウィッ! いいかーたーーー、ウィッ!」と歌って踊っていたが、これが分かるのはきっと85年代以前の人たちだけだろう。


「ドロワーズだから恥ずかしくない! って誰かが昔言ってた。なんか寝ているときに。枕元で永遠と」

「(騙されてます。霊夢さん騙されてますよ……)」



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 



で、それからどうなった。


「美鈴、マッサージはどれくらいまでやればいいのかしら?」

「腰周りが温まるくらいでいいですよー。本当は一人半刻ほどやりたいのですが、それでは到底回りきらないので」

「了解。針はまた今度かー」

「霊夢さんは針にかけては天災じゃなかった、天才的ですものね」

「之が終わったらあんたにしてあげるわ。代わりに私にもマッサージお願いね」

「いいですよ~。ではとりあえず」

「遊戯開始ね!」


少女整体中……




「(美鈴、美鈴!)」

「(あれ? 霊夢さんの声が聞こえる?)」

「(てれぱすぃーが出来る特殊な御札よ。それよりも!)」

「(おー面白いですね。これでいつでも霊夢さんと一緒に……)」

「(そのやり方だと、受けている方から太ももが丸見えで、角度によってはおふぁんつまで見えるわよ)」

「きゃぁぁぁぁぁ!」


バッシーーン! ぼきぃ!


「ぎゃぁぁぁぁ俺の腰、腰がぁぁぁぁ!」

「あああすいませんすいません!」

「だが、白い天国は其処にあった……我が生涯に一片の悔い無し!」

「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」


どっこおおおおおおおおおん!!

その男、満身創痍なり。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 




「ということが10回ほどありました」

「あぅ……霊夢さんすいません。仕事を増やしてしまって」

「いいわよ。宿の修理は今日来た男たちがやってくれるみたいだし。お礼もたんまり貰ったしね」


霊夢の背中には籠があり、野菜や猪肉が沢山詰まっていた。

これで暫くは豪華な生活ができそうと、霊夢は最高に喜んでいる。


「さって、家寄って行くでしょ?」

「是非! と言いたいのですが、もうすぐ日が暮れてしまいます」

「ふむ」

美鈴の言葉の意味するところは、仕事に戻るということだろう。

この時間となると主は起き出し、紅魔館の門番としての勤めを果たさなければならないのだ。

※門番としての勤め=遊び相手。(うー☆)


霊夢は袖から一枚の札を取り出した。

先ほど美鈴とのテレパシーに使ったものと同じ型のものである。

これをお互いに持つか体につけることで、離れていても会話ができるのだ。

と代々博麗家に伝わっている。


「あーもしもし、レミリア起きてる? レミリアー、レーミーリーアー!」

『うるさいわね。私の睡眠の邪魔をするのは誰よ……』

「私よ私」

『生憎だけど私に孫はいないわ』

「霊夢よ、博麗霊夢。あんたの友達」

『と、友!? こ、こほん。でその博麗霊夢とやらは紅魔館の主でありツェペシュの末裔である、レミリア・スカーレットになんの用かしら? あ、あと友達って本当?』

「ホントーホントー。で用件なんだけど、あんたんとこの門番明日まで借りるわ」

『美鈴の事? もちろんいいわよ♪ 今日はいい一日になりそうね。そうだ、この後パーティー開きましょう、今決定したわ。だからと、と、友達である霊夢も誘ってあげてもよろしくってよ?』

「嬉しい申し出だけど、それは又の機会にお願いするわ。じゃぁね」

『え、ちょっと待っ……』


ブツ。ツーツーツー


「というわけでレミリアから許可は得たわ」

「いや、見ていただけの私にはどういうわけか分からないのですが……」

「今日は私の部屋に泊まって行きなさいって事よ」


美鈴が驚いた表情と困った表情と嬉しい表情に、ころころと変わる。

どうやら戸惑っているようだ。レミリアが許可を出したこと、さらに霊夢の部屋に泊まることに。

家でなく部屋である。一緒に寝ようと言っていることは確定的に明らか。もしかしたら一緒の布団で……


「言っておくけど別々の布団よ?」

「ですよねー」


あははと笑う美鈴の顔には先ほどまでの迷いは無かった。

せっかくもらえたいきなりのお休み。楽しまなければ損というやつである。

この気持ちの切り替えとまっすぐさは、美鈴が自慢していることの一つである。


「にしてもその御札便利ですねー。誰にでも繋がるのですか?」

「うん。私が話したい人には繋がるわ。でも御札はお互い持ってなければいけないはずなんだけど。私レミリアに渡してたっけ?」

「きっと霊夢さんの伝えたい想いが強くて、相手に繋がるのですよ! いいなぁロマンチックだなぁ」

(私が隙間を操る妖怪でよかったわ~。今日も霊夢の役に立てたし。よし、私よし!!)

「さぁて帰ったら針打ってあげる。その後お風呂にでも入りましょう」

「だめですよー。針の後はお風呂に入っちゃだめです。前教えたじゃないですか」


針の後は血流が早くなり、のぼせやすくなる為、お風呂は入らないほうがいいのだ。

霊夢が針を教わる前に諸注意で言われた事だが、さらっと聞き流すのが霊夢流。

さすが天才と天災は紙一重。


「むぅ。美鈴の体に針を立てたいし、でもお風呂で美鈴の背中を洗いたいし……私は一体どうしたらいいのよー!」

「いやいやいやいや、そんなこと大声で叫ばないで下さいよ!」


三日月に吼えるのは巫女の叫び声と、それに負けないくらいの声量を持つ門番の声だった。

前から歩いて来た老夫婦が


「おやおや元気だぁねぇ」

「若さってやつじゃのぅ」

「おじいさんだってまだ十分若いですよ」

「ふぉっふぉっふぉ。じゃったら今晩は久々にハッスルしようかの?」

「いやですよおじいさん。人前でそんな恥ずかしいじゃないですか」

「ふぉっふぉっふぉ」


と、石となった二人の横を通り過ぎていった。

二人がその後言葉を発さず、神社まで飛んで帰ったのは言うまでも無い。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 



「で、結局軽くならお風呂に入ってもいいのね?」

「はい、本当に軽くですよ。私が霊夢さんの体を洗いたいが為に、嘘を言っているように見えますか?」

「うんにゃ。あんたは黙ってケーキを食べた時くらいしか嘘は言わないじゃない」

「だからあれは私じゃなくチルノちゃんが……すいません嘘付きました、食べたのは私です。だから抓らないで下さい~」


体中泡だらけの霊夢は器用に手を後ろに回し、膝立ちの美鈴の内股を抓った。

太ももの付け根を抓られ涙目になっても美鈴は、霊夢の頭をゴシゴシと洗い続けている。

霊夢もそれほど強く抓っていないのだろう。本気で抓っていたら、また三日月に吼えなければならないくらい痛いのだから。


「はい流しますよーざぱー」

「ん……ぷはぁ。そのざぱーって口言う必要あるの?」

「なぜか口に出てしまうのですよ。はい、もう一回。ざぱー」


頭からお湯をかけて泡を流す。霊夢の綺麗な髪が、普段よりも艶やかに見える。

まだ幼さを残す肩も、控えめな胸も、透き通るように傷一つ無い腕や足も、月明かりの下で煌々と輝いていた。


「じゃぁ次は私の番ね」

「それは次に洗ってもらう人が言う言葉ですよ? 次は私の番~」

「いいじゃないどっちでも。さぁ場所交代よ、座って座って♪」

「なんだかすごく楽しそうですね~。あ、私は髪の毛と背中だけで良いですよ? 体は自分で洗いますから」

「私の体を隅々まで、余すことなく素手で洗っておいて……そんなことが許されるとでも思っているの?」


霊夢は石鹸を手にすりつけ、あわ立てていた。臨戦態勢ばっちりである。

準備はいいか霊夢ハンドライト。

OKまかせて霊夢ハンドレフト。

いざ行かんレジェンディアへ。


「柔らかい肌を洗うのには素手が一番いいんですよ。 でもほら、私の肌は硬いですから是非タオルとか使っていただけると……」

「硬い? 太ももに~二の腕に~ほら、ここもここも、やーらかいじゃない?」

「ひゃぁあくすぐったいです霊夢さん!」

「!! メーデーメーデーこちら霊夢ブレイン。なにやら怪しい物体を二つ発見した! こちら霊夢ハンド隊。すぐに調査を開始する! こいつか! こいつがさっきから私の体を洗うたびに押し当てられてたのか!」

「霊夢さんが壊れた!?」

「うぉ、実際に持つと……ある意味諦めが付くわね」

「あぅ、えっと……まだ霊夢さんは成長期じゃないですか。だからまだ大丈夫です!」

「うっさいわ! ええい妬ましい。なんか体の地下から不思議ワードが湧き出るわ、パルパル!!」


下から持ち上げるようにしていた手を、今度はクロスして、右手に左を、左手に右をぎゅむっと掴む。

こうすることで不規則な動きをするとどうじに、密着度が120%増しになるのだ!


「霊夢さん痛い、痛いです。あと背中になにか当たってます!」

「当ててんのよ」

「でたぁぁ幻想入りワードその1060番!!」

「二人羽織で、だっちゅーの」

「それ幻想郷でも消えかかってますよねー」

「幻想郷で幻想になったものはどこに消えるのかしらね。はい流すわよ。ざぱー」

「わっぷ!……ぱふぁ。ほらやっぱり言うじゃないですか、ざぱー」

「あ、本当だ。ふふふ」

「あははは~」




女の子同士の宴。それは華やかで騒がしく。

少女たちの楽しい夜はまだ続くだろう。

月の光に満たされた杯(さかずき)。

それに映るは逆月(さかづき)。

少女たちの笑い声を肴に、三日月に座る人影が、月を飲み干す。


「もうすぐ貴女に会える……待っているわ霊夢」


月から一片の桜と、一粒の雪が舞い落ちた……
「霊夢異変だぜ!」
「すやすや」
「くーくー」
「……なんで美鈴と抱き合って寝てるんだ? あとなんで私の体の地下から不思議ワードが……パルパルだぜ!」


女の子同士の友情が主食のこじろーです。

今回は「整体師 霊夢」の始まりを書いてみました。
これ以降、人里で妖怪の山で幻想郷中に霊夢の名前が伝わり、どたばたが起こりますがそれはまた別の話。
需要があったらシリーズ化してみようかなぁ。どう思いますか?


ではまた将来にお会いいたしましょう。またにてぃ~♪
こじろー
http://maira001.blog113.fc2.com/
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
文章のテンションは高いのに内容はつまらなかったです。不思議。
2.名前が無い程度の能力削除
おもしろかったです。霊夢×美鈴とは珍しい組み合わせですね。
3.名前が無い程度の能力削除
>当ててんのよ
まじかよ……これ幻想入りかよ……せつねぇよ……

老いてなお盛ん!
いいことだ!
4.名前が無い程度の能力削除
美鈴×霊夢とはいいぞもっとやれ
5.名前が無い程度の能力削除
のっけからやられたwww
6.名前が無い程度の能力削除
めーりん*霊夢・・・だと・・・
是非とも続きを。
7.ずわいがに削除
ナイス友情b……と、言いたいところだが、レミリアwwと も だ ちwww

それにしてもトイレの落ち着き加減は異常
8.奇声を発する程度の能力削除
CCしモンってwwwwww
9.こじろー削除
>不思議
不思議といわれても、その、なんだ。困る……
アドバイスとしてどう受けていいのか小町こまっちゃう♪
……あぁ不思議の意味が少し分かった気がする

>霊夢×美鈴とは珍しい組み合わせですね。
この二人だとさっぱりした関係になりそうですよね
霊「どういう関係かって? んー師弟というか、傍にいると安心できる友人みたいな?(今はね)」
美「目に入れても痛くないくらい可愛い妹かな~(今はですけど)」

>せつねぇよ……
胸に関するワードって幻想入りしやすいですよね。これ然り、ダッダーンボヨヨンボヨヨン然り

>老いてなお盛ん!
二人の愛は永遠に不滅です! あぁこんな夫婦にあこがれるなぁ

>美鈴×霊夢とはいいぞもっとやれ
ゆ、許された……
やったねこじちゃん! めー霊が増えるよ!

>のっけからやられた
レモン1200個分のCCしモンのSAN値は高いぜ?

>是非とも続きを
整体師~霊夢~ シリーズ化が許されそうならタグも考えてみよう
ちょっとしっかりと練ってみますね

>レミリアwwと も だ ちwww
ホントーホントー
これ使えるな…(ボソ)

>それにしてもトイレの落ち着き加減は異常
座った瞬間に、ふぅっと息をつくのは我だけじゃなかった!

>CCしモンってwwwwww
CCしモン イェイ CCしモン♪(CMソング)
あれなんだか違和感がないぞ?
10.ケイゴ削除
よし!次の話読むぜ!!面白かったぜ!