※『帽子の下に愛をこめて』を読んでいると分かりやすいかもしれません。
とろん、と目を細めて、にとりは甘い声で囁いた。
「ねえ、雛……。えっち、しよっか」
雛は爆発した。
昼下がりの鍵山邸、雛の自室。雛のベッドに寝転んで、にとりは雛の手を掴む。
「雛……」
「え、あ、え、えと、ええとえとえと」
ななななな何を急に言い出すのにとり。
金魚のように口をぱくぱくとさせて、雛は沸騰した頭で考える。
落ち着け鍵山雛、状況を整理するんだ。
にとりが、ベッドの上で、潤んだ目で、囁いた。
――えっち、しよっか。
い、いやいやいや、いやいやいやいや!
「に、にににに、にとり?」
「ねえ、雛ってば……しよ?」
ベッドから身体を起こし、雛にしなだれかかるようにして、にとりは囁く。
し、死ぬ。恥ずかしすぎて死ぬ。雛は真っ赤になって呻く。
「そそそそ、そんなこと、急に、言われても」
「ん……」
雛の首筋に顔を埋めて、にとりは切なげに吐息した。
その感触がくすぐったくて、「ひぁぅ」と雛は悲鳴をあげてしまう。
「雛は……したく、ない?」
「そ、そんな、ええと、えと……」
にとりと。
にとりと――その、そういう、厄いことを、する。
いや、恋人同士なのだから、いずれはそういうことも、するのかもしれないと考えたことが無いわけではないし、そういう知識が無いわけでもない、経験は無いけど――ああでもまさかこんな急に、
というかにとりは割と空気を読まないけど、こんな唐突に誘ってくることも無いじゃない――。
「こ、心の準備が……」
「んー? 雛、どしたの? 顔赤いよ?」
「だ、だって――」
「恥ずかしがることなんか無いのに」
えええええ!?
あっけらかんと笑ったにとりに、雛はますます狼狽する。
え、ちょっと、まさかそんな。河童と厄神では色々と文化が違うのは解ってるけど、まさか河童ってそういう、挨拶代わりにアレでソレな文化!?
い、いや、もちろん、そういう文化なのならそれはそれで仕方ないわけで、それでにとりが経験豊富だからってもちろんにとりを嫌いになったりするわけはないのだけれど――え、ちょ、待ってにとり、ねえ待ってってば、
「ひー、な」
「に、ににに、にとり……」
「え、あ、え……う、」
「う?」
死ぬ。ホントに死ぬ。心臓が破裂して死んでしまう。
でも、にとりに触れられるのなら、きっと、恥ずかしくても、嫌なことなんて無いから。
だから――。
「う、……うん」
必死の思いで、雛は頷いた。
にとりの顔が真正面からはとてもじゃないけど見られなかった。
「えへへ」
その返事に、にとりは照れたように笑って、
「ふぁあ」
盛大に、あくびをひとつした。
「じゃあ、おやすみー」
「……………………………………え?」
雛が顔を上げたときには。
雛のベッドの中に潜り込んで、にとりは寝息をたてていた。
すやすやと、赤ん坊のように安らかな顔で。
え、えええ? あれ? どうしてこうなった?
雛は混乱する。
だって、にとりはその――え、えっちしよう、って誘ってきたわけで、
それが、自分は頷いたのに、どうしてにとりは、今寝ているのだ?
「すぴー」
鼻ちょうちんまで出して。
これはひどい。
「に、にとり……ちょ、ちょっと、ねえ、にとりってば」
とりあえず、その身体を揺さぶった。「んに」とにとりは目を擦って起きあがる。
「どしたの、雛? 寝ないの?」
「い、いや、というか……」
「ほへ?」
「な、なんで寝ちゃうの……?」
「……え?」
顔を見合わせる。
話が噛み合っていない。
「なんでって……だって、えっちしよって言ったじゃん」
「だっ、だだだ、だから――」
そんなあっけらかんと言わないでほしい。こっちが恥ずかしくて死ぬ。
――って、あれ?
「ね、ねえ、にとり……」
「うん?」
「あ、あのね? 念のために、確認しておきたいんだけど……」
「ほへ」
「え、えっち、って……ど、どういう意味?」
雛の質問に、にとりは目をしばたたかせて。
「え? ……昼寝のことでしょ? 河童の里じゃそう言うんだけど、違うの?」
雛は爆発した。
「ひ、ひひひ……昼寝?」
「うん、お昼寝。眠くなっちゃったから、ねー雛、一緒にお昼寝しよ?」
ふぁぁ、とにとりは大あくびをもうひとつ。
「な――何それ! にとりの馬鹿ー!」
雛は叫んで、枕を掴んでにとりに投げつけた。「へぶらっ!?」とにとりは枕を顔面に食らって仰向けに倒れる。
「な、何するのさ雛ー!」
「それはこっちの台詞! わ、私がどれだけ恥ずかしかったか――」
「ほへ」
真っ赤な顔で言い返した雛に、にとりはきょとんと目をしばたたかせた。
「ねー、雛」
「な、なに……?」
「雛、どういう意味だと思ったの?」
「え、えええ、えと、ええと、」
にとりの顔に、楽しげな笑みが浮かんだ。
あ、これは厄い、自分に悪戯して楽しんでるときのにとりの顔――
「ねえ、雛――」
「ちょ、に、にとり――」
「……雛は、えっち、って、どういう意味だと思ったの? 教えて?」
にとりの顔が、吐息が、ずい、と目の前に迫って、
今度こそ、雛は爆発した。
もう貴方=爆発しか思いつかないw
↓
ああ、なんだ…
↓
どういうことなの…?
↓
ちょ、おま… ←今ここ
田舎者が都会進出を果たすと起きますよねコレ。
足を洗おうとしても、爆弾魔としての性は捨てきれなかったようだな!
「ゴミをなげる」は当たり前に使うけど
あと雛かわいい
「これほかしといてー」が東京で通じなかった時のカルチャーショックったらもうね……
『半殺し』って言う五分付きの御餅の状態だったんだが…
「なげる」「かます」
「テレビが入ってる」「手袋をはく」
全部地元で使ってるんですが、
もしや同郷なのだろうかw
>「納豆をかます」腐らせる?発酵させる?
>「テレビが入ってる」電源が入ってる?
>「手袋をはく」手袋をはめる?
近畿地方では言わないね、たぶん。
こちら千葉県民だが、どれも使わない。
手袋はいきなり聞いてもまあ理解できるし、ゴミは推測すればわからんでもない。
テレビは電源がONの状態ってことでいいのか? こちらでは「テレビつける・ついてる」とか言う。
しかし、納豆がさっぱりわからん。
うまい読みだと思ったのに…。
赤くなった雛かわいいよ雛
他はちょっとわからない。東北系かな?
ゴミ&手袋は普通に使いますね。
あとテレビを「入れる」とか。
しかし「納豆をかます」は全くわからない謎。
どれも使いませんね、
下の2つが通じなかったのはびっくりしました。
「机をつる」⇒「机を移動させる」(掃除の時間に)
「放課」⇒「休み時間」
山形は「なげる」より「ほかす」かも。納豆をかます……?
自分の生まれたとこだと、どんぼちって言って小さな池って意味ですね
動詞じゃないが、「ずんだ」が全国共通じゃないことを知ってショックだった
>16でやっと気付いたのだが、「Hirune」だからえっちなのか。
なんで昼寝→えっちなのか分からなかった俺バカス
納豆をかます→納豆をかき混ぜる
じゃないの?
自分は使わないけど、使っている人が周りに普通にいるこの環境は
実はマイノリティだったのか…
軽くカルチャーショックを受けた。
ウチのあたりじゃ「ゴミをゴミ箱に捨てる」はそのまま「捨てる」だけど、
「ゴミ箱に入れる」だと「つっぺしこむ」になるな。
ちなみに「テレビを入れる」は単に「テレビのスイッチを入れる」を略しただけの言葉で、方言じゃないんだぜ。
「コーヒー」等の発音も違ったり(後半を強く読む)
北海道って結構方言あるよね
ああ……どれも道民の俺には標準語にしか聞こえません……。
「テレビが入ってる」から「テレビを入れる」になってるぞw
自動詞と他動詞の差は大きいと思わないか?ww
福岡では片づけるの意
もうマクドナルドはマクドでいいと思うんだ。
友達とか先生は方言バリバリだったな
いたしい(しんどい、だるい)
かぐる(引っ掻く)
等々。あと7月が来るって全国区じゃないんですね…