お姉ちゃんもお燐もおくうもうつほもりんりんもにゃんにゃん。
お姉ちゃんだから、古明地さとりはお姉ちゃん。私は古明地こいしであって妹だからたぶんそう。
モンブランの作り方なんて私は知らないけど、ショートケーキを食べると甘くて幸せなんだって気持ちは湧いてくる。
甘いものを食べているときはいつもしかめっ面のお姉ちゃんがちょっとだけ優しい気がする。
甘かったら幸せなのかな?
でも鶏腿肉と蕩けた玉ねぎがたっぷり入ったシチューの中にはお姉ちゃんはいない。
シチューだって同じぐらい好きなのに。
紅いお屋敷で本を借りてきたけど、どうしたら頬っぺたが落ちるくらい、可愛い可愛いお燐とおくうみたいになるのかな?
白く泡立てたクリーム。雪みたいに見えても、冷たくなかった。指は沈みこんじゃったけど。雪みたい。
「ここがお庭」
白くちらちら。
手を振ってるのがお姉ちゃん。
私は鯛焼きを齧ったら、お姉ちゃんの姿を見失っちゃった。
「お庭お庭」
ぺったくりぺったくり。
「こいしさま」
「?」
お燐が笑ってた。ニコニコ。
「なにをなさってるのですか?」
「内緒」
ぴと、って生クリームを頬っぺたにつけたら、お燐は尻尾を揺らしてどこかへ歩いていっちゃった。
何の用事だったのかな?
「こいしさーまぁ」
「??」
今度はおくうが笑ってた。ぺろぺろ。
「くすぐったいです。やめてください」
「可愛いもん」
今日は仕事ないのかな? 可愛い私のおくう。
「今日はお願いして早上がりしてきました。お燐とオセロしてきますね」
手をひらひら。ぺたぺたぺたぺた。
「あら妬ましい」
「?」
いつのまにか橋姫。どうして地霊殿にいるのかな。
「ふうん」
そのまま踵を返してどっかいった。ぽいぽいっと。
「できた」
それで、何のために作ってたんだっけ? これ。
まぁいいや。持ってこう。それで食べればいいや。
一回読んでみたけどどういうことか、よくわからなかったな。