紅魔館の財政危機における経費削減計画書作者: 暇人KZ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　企画・立案：ルーシェ・アルマ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　承認者　　：十六夜　咲夜

　　　　　　　　　　　　『紅魔館の財政危機における経費削減計画書』

第一項　経緯と概要

単刀直入に記す。我らが紅魔館は財政危機である。
日本経済の悪化のあおりを受け、我々も紅魔館存続のため、身を削り尽力せねばならない事態となった。
そのため、真に不本意ではありながら、紅魔館の人員削減、及び規模縮小による経費削減を図るものである。
当計画は私、経理部長のルーシェ・アルマと、取締役メイド長の十六夜　咲夜による企画であるが、
当計画の企画にあたり、当主レミリア・スカーレット様より、以下のお言葉を受け賜った。
「計画の詳細は貴方達に任せるわ。全責任は私が取るから、好きにやりなさい」
これにより、当計画は当主レミリア・スカーレット様のお言葉と同等の権限により行使されるものである。
一部の職員にとっては厳しい結果となるであろうが、紅魔館存続のため、涙を呑んでもらいたい。
当計画の詳細を以下に記す。

第二項　経費削減計画詳細

・館の規模
　紅魔館には現在、東館と西館と南館が存在するが、実際に利用されているのは南館のみである。
　東館と西館は空き部屋が多く、集約すれば南館のみでの部屋割りが可能。
　掃除等の維持にかかる人件費を考慮すれば、廃館とするべきであると思われる。
　∟削減対象。
　　∟東館、西館の両館を廃館とする。

・調度品
　調査したところ、紅魔館に存在する調度品の数は大小含め1047点である。
　この内、南館エントランスから応接間、及び来客用の客間までの通路を除く南館全通路及び全部屋、
　加えて東館と西館は来客が訪れる機会のない場所であり、調度品の類は不要のものと思われる。
　これら調度品の維持にかかる経費は小さくなく、削減対象とするべきである。
　∟削減対象。
　　∟1047点　→　200点

・内勤メイド
　現在、紅魔館で働くメイドは146名であるが、非番やローテーションを見直した結果、削減が可能である。
　上記の館の規模縮小を行うならば、館の維持に必要な人員は大きく削減できると結論する。
　なお、具体的な数字が決まり次第、削減対象者は追って連絡する。
　∟削減対象。
　　∟146名　→　80名

・外勤メイド
　こちらは館内では働かず、常駐メイドとして他の現場へ出張し、業務を行うメイド達である。
　全56名の外勤メイドがおり、そのうち現在常駐しているメイドが49名。待機中のメイドが7名。
　紅魔館における収益のほぼ100％を担っており、ここを削減するということは収益が減ることと同義であり、
　より利益率の高いサービスが立案されるまでは削減対象外とするべきものと思われる。
　∟削減対象外。
　　∟56名　→　56名

・花壇
　紅魔館北側の中庭に存在する花壇。中庭を囲うように配置されており、その数は５つ。
　花壇の手入れは門番長の紅　美鈴が趣味で担当しており、ほぼ彼女の私物と化している。
　上記理由により、人件費はほとんどかかっていないものであり、削減しても効果は薄いものと思われる。
　∟削減対象外。
　　∟5箇所　→　5箇所

・門番隊
　当主レミリア・スカーレット様をお守りする守衛部隊。現在の人員は27名。
　役割はレミリア様に仇成す侵入者の排除だが、レミリア様に害成すレベルの相手に対しては戦力不足。
　雑魚相手にレミリア様のお手を煩わせない程度の効果はあるが、それ以上の期待はできない。
　受付嬢レベルの人員が要れば必要な役割はこなせると思われる。
　∟削減対象。
　　∟27名　→　6名

・門番長　紅　美鈴
　ザル。
　∟削減対象。
　　∟1名　→　0名

・図書館
　東館地下に存在する巨大図書館。メイド長の能力により規模拡大を行っており、蔵書数は未知数。
　こちらの管理は司書であるパチュリー・ノーレッジ様の使い魔が単独で行っており、人件費は皆無。
　また蔵書についても、購入しているものではないため、削減による金額的な効果は認められない。
　∟削減対象外。
　　∟1箇所　→1箇所

・司書　小悪魔
　上記の通り、巨大図書館を管理するパチュリー様の使い魔である。
　図書館の管理は彼女が全て一手に引き受けており、紅魔館では彼女の代役を行える者が存在しない。
　図書館を運営する上では必須の存在であり、担当者が一人であるため、人件費削減の効果も極めて薄い。
　∟削減対象外。
　　∟1名　→　1名

・パチュリー・ノーレッジ様
　レミリア様のご友人で、ほぼ一日中図書館の中で過ごしている。
　基本的に毎日を、本を読んだり、紅茶を飲みながら本を読んだり、珈琲を飲みながら本を読んだりしている。
　図書館の蔵書から得た膨大な知識量を持つが、それが役に立ったケースは少ない。
　穀潰し。
　∟削減対象。
　　∟1名　→　0名

・メイド長　十六夜　咲夜
　紅魔館の運営を、レミリア様に代わり一手に請け負うキーパーソンである。
　担当業務は内勤メイドの進捗管理、及び館内清掃、及びレミリア様のお食事、etcetc...
　紅魔館は実質彼女が切り回しており、メイド長が欠ければ紅魔館は瞬く間に瓦解すると推測される。
　∟削減対象外。
　　∟1名　→　1名

・フランドール・スカーレット様
　フ　ラ　ン　ち

　　　　　　　ゃ

　い　わ　か　ん

　い

　よ　ウ　フ　フ
　∟削減対象外。
　　∟1名　→　1名

・レミリア・スカーレット様
　紅魔館当主であり、我々の敬愛すべき絶対の主人である。
　当主であるため、当然のことながら紅魔館のシンボリック的存在として必要不可欠と思われる。
　が、経済的な面では個人に対する必要経費が飛び抜けて高く、費用対効果という面で疑問符が残る。
　∟当面は保留。後日改めて再検討を行う。
　　∟検討の結果、不要と判断。
　　　∟削減対象。
　　　　∟1名　→　0名

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以上。

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|　承認　|
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紅魔館の財政危機における経費削減計画書

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