「錨は友達! 怖くない!」
おぉっと! 一輪君吹っ飛ばされたー!
命蓮寺の面々は、日頃の運動不足を解消すべく、フットサルに励んでいた。
小柄でニヒルな司令塔、ナズーリン。
暴走機関車、キャプテンムラサ。
ゴールは任せろ、雲居一輪。
頼れる点取り屋、寅丸星。
全てのポジションをそつなくこなす、聖白蓮。
ついに彼女らは、幻想郷最強のフットサルチームを賭けて、紅魔館レッズと戦うのだった。
「だめだよ一輪! 紅魔館の連中はこんなもんじゃないよ!」
「うるせぇ馬鹿。ルールぐらい……守……れ……」
一輪はそう言い残し、血を吐いて動かなくなった。
「いちりーん!」
「ダメね、骨が折れてるわ……。これじゃ、紅魔館の戦いには」
白蓮が首を振り、ナズーリンはゼッケンを叩きつけた。
「最初から無茶だったんだよ……! 私たちが優勝するなんて」
「ナズ!」
「ご主人だってわかってるだろう! ぬえがいないと勝ち目がないってことぐらい」
「ぬえは、必ず帰ってくる。信じて待ってやろうって誓ったじゃないか」
「はんっ! 鵺だからって雷獣シュートを完成させるって夢物語じゃないか! 試合は明日なんだぞ!」
命蓮寺の絶対的エース、封獣ぬえを欠いたままでは、SGGK(スーパーがんばりやゲートキーパー)紅美鈴の守る紅魔館チームに勝つことはできない。
「うろたえるな、! ぬえは私たちと約束したんだよ! きっと帰ってくる」
一輪は静かに息を引き取った。
「前半だけで152:0……これは決まったわね」
「ええ。案外つまらなかったわね」
大会主催の八雲紫と西行寺幽々子は、時間を止めてはゴールを決める紅魔館チームを最初から失格にすべきだったと後悔していた。
「ふん。もう終わりだよ。私たちじゃ最初から無理だったんだ。紅魔館チームに勝つなんて」
「ナズ……」
「152点差だよ!? もはやフットサルの点数じゃないでしょこれ!?」
「ごめんナズ。私が不甲斐ないばっかりに」
「ご主人……。いいんだ。私が悪かったよ」
意気消沈する命蓮寺の面々の中で、ムラサだけがまだ試合を諦めてはいなかった。
「試合は終わるまでわからない。諦めなきゃ、何かが起こる!」
「その通り!」
思わぬ方向からの声に、命蓮寺の面々は振り返った。
「待たせたねみんな……! 雷獣シュートが完成したよ!」
「N・U・E!!」
「私も居るよ!!」
「一輪!! 死んだはずじゃ!!」
「私が守らなきゃ、命蓮寺の皆を誰が守るっていうのさ!!」
「さあ行こう!! 後半戦だ!!」
そう言ってムラサは、笑顔で雲山をゴールキーパーとして送りこんだのだった。
一輪wwwwwwwwwww (涙
錨は友達って無理だから~
…え?命蓮寺もう無理じゃね?
あれ?でもそれって咲夜さん以外いらな( 紅球「スカーレットシュート」