幻想の鎖は繋がり離れる。
鎖は互いが互いを掴まないと、絡まりあわないと解けてしまう。
そう、鎖は相互依存の関係にあるのかもしれない。
それはもちろん、無機物の間だけではない。
『人の絆』という鎖にも相互依存は必要。
片方が一方的に手を伸ばしても無駄なだけ。
その供となる方が手を伸ばしてこそ初めてそれは成立する。
これは、小さな幻想の庭で巻き起こる、小さな鎖の物語。
それのたったほんの一部、鎖が僅かに組み合う小さな物語。
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これは私の夢?
それとも夢のように見える現実?
「大好き…アリス」
一方的に私が思いを告げているだけだった。
春の異変で一目惚れしてからそれはずっと続いていたこと。
ホントを言うなら、月の異変でも間欠泉異変でも彼女と組みたかった。
だけど、どっちも魔理沙に誘われたから断れずに仕方なくいってあげた。
「大好きなの…ずっと前から好きだったの…」
人間と妖怪の仲。
思いは伝わらない、と思っていた。
いずれは離れてしまうのなら今のうちに伝えてしまいたかった。
だからこそ、私は伝え続けた。
でも、いつ伝えても彼女は答えをはぐらかし続けるだけで。
「大好きだから…私と一緒にいて…」
「…本当なの、霊夢?」
「アリスへの気持ちに嘘なんて無いわ…好き…愛してる。」
そう言って握られた手は人の手の暖かさがある。
私の冷たい手とは違う、暖かさが。
それがこれを夢じゃないと認識させてくれる。
それなら、私は彼女の思いに答えてこの現実を進めていきたい。
この現実の中で彼女と時を重ねたいから。
「ありがとう、私も大好きよ、霊夢。」
「だから、もう一度言わせてください。」
こうして想いが通じ合っていると、分かっていても欲張りな私は繋がりを求めてしまう。
つまりは、私たちが相思相愛である証明したいだけ。
だから。
「霊夢、貴女が好き。だから…お付き合いしてください。」
「うん……喜んで。」
手を握り合ったまま、私たちは小鳥が啄む様に一度だけ唇を重ねた。
私たちは鏡。映りあえばそれは姿が違っても。
心の中にある思いは絶対に鏡映しのように一つも違わない、と思える。
それは、私たちが離れ離れになったって、変わらない気持ち。
─ I love you when. ─
私は、いつだって貴女のことが大好き。
もっと広がれレイアリの輪!!!