Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

在りし日のあなた

2010/02/06 22:39:26
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 夢の中で。


 久しぶりにあなたに会えた。

 あなたは相変わらず小さくて、可愛くて。

 無邪気に走り回るあなたを、転ぶわよと私は諌めて。


 あ、ほら転んだ。

 言わんこっちゃない。


 あなたは苦痛に顔をゆがめて。

 でも平気だぜ、なんて笑って。

 バカね。

 そんなつよがり、私の前では意味なんてないのに。


 すりむいた膝を消毒してやる。

 しみる傷口に、顔をしかめるあなた。

 最後に絆創膏を貼ってやると、とびきり笑顔でサンキューな、って言ってくれた。

 
 私はそんなあなたの手を取って、一歩先を歩いてあげる。
 
 あなたは嬉しそうに笑いながら、とことこと私の後をついてくる。

 そんな、儚くも美しい―――幻想。


 そう。


 幻想は、永久に非ず。

 刹那に過ぎゆくからこその、幻想。

 
 願えども戻らず。

 願えども叶わぬ。


 それでも。

 それでも私は、願わずにはいられない。


 もし。

 もしもう一度、あなたに逢えるなら―――。


 私は力いっぱい、あなたを抱きしめましょう。

 その小さな頭を、撫でましょう。

 そのか弱い肢体が、二度と傷つくことにないように。

 私の全身全霊で、精一杯……守りましょう。


 だから。

 だから願わくば、もう一度―――。

 

 












































「……アリス? アリスってば」
「…………ぉが?」

 肩を揺さぶられ、私はぼんやりと意識を取り戻す。
 ぼやけた視界には、一人の少女……否、女性の姿が映った。

「……魔理沙」
「ったく、もうご飯冷めちまうぜ?」

 私は目をこすりながら立ち上がる。
 眼前には、私とほとんど背の変わらない魔理沙。

「? なんだよ?」
「……少し前まで、私の肩くらいまでしかなかったのに……」
「え?」

 ああ。
 なんでだろう。

 視界が、にじむ。

「……切ない」
「へ?」
「切ないっ!」

 がっしと、私は魔理沙を抱きしめた。
 
 ああ。
 いつの間にか、こんなに抱きしめがいのあるサイズになっちゃって。

「ちょ、おい、アリス?」
「うぅ……切ない切ない切ない」
「な、なんかようわからんが……まあ、落ち着けよ」

 そう言って、私の頭をよしよしと撫でる魔理沙。
 うぅ、あんたいつの間にそんな小憎たらしい技を身に着けたのよ。

「ほ、ほらアリス。とりあえずご飯食べようぜ? 私はもうペコペコだ」
「……うん」

 私はぐずぐずと鼻を鳴らしながら、魔理沙に手を引かれて部屋を出る。
 魔理沙の一歩後ろを、大人しくついていく。
 
 ―――昔の魔理沙と、今の魔理沙。

 どっちの魔理沙も、魔理沙であって。 
 そんなこと、言われなくても分かってるんだけど。

「……でも、たまには」

 私の脳裏に、幼かった頃の魔理沙の笑顔が浮かぶ。

「……思い出しても、いいわよね」
「? 何か言った?」
「……ああ、魔理沙の背が縮まないかなって」
「何で!?」
「……冗談よ。ふふっ」
「……アリスの冗談は笑えないぜ……相変わらず」
「それは失礼」

  
 ―――昔のあなたと、今のあなた。


 今の私は、どっちも好きよ。








今回はミスリードっぽい感じで。
でもミスリードになってなかったかもしんない。

儚月魔理沙の支柱?が壊れて半狂乱しましたが接着剤で修復して事なきを得ました。
あーよかった。
まりまりさ
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
どこまでもマリアリを追求するその姿勢が素晴らしい。
2.奇声を発する程度の能力削除
ぉがってwwwwwwwまあ、寝起きならしょうがないですけどw
でも、いつかはその日が来ちゃうんでしょうねぇ…切ないっ!
3.名前が無い程度の能力削除
よし。マリアリ分補給。
これで作業に戻れます。ありがとう!
4.名前が無い程度の能力削除
素晴らしきマリアリ
5.名前が無い程度の能力削除
その接着剤を分けてくだちぃ
6.ずわいがに削除
やだなアリス、ちょっと前まで魔理沙の肩くらいまでしかなかったのに
7.名前が無い程度の能力削除
まりまりささんがマリアリを一話書くごとに、健全で新鮮なマリアリ派が10人生まれます。

1 Marisa&Alice for 10 Marisa&Alice

世界が救われる日も近い
8.名前が無い程度の能力削除
あなたの書く今までの作品の魔理沙は、アリスよりだいぶ小さいイメージが
ありました。
それが今回の話では、もうアリスと同じくらい………
やっぱり、成長していくもんなんですねぇ…。