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第6回稗田文芸賞

2010/02/05 08:25:26
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※『第7回稗田文芸賞』の前の回です。先にそちらを読まれた方が分かりやすいと思います。
※誰得のはずだったのにどうしてああなった……(コメント数的な意味で)











第6回稗田文芸賞候補作発表

 幻想郷文芸振興会は14日、第6回稗田文芸賞の候補作を発表した。今回は7作がノミネート。選考会は24日、稗田邸にて開かれる。
 候補作品は以下の通り。

 門前美鈴『華国英雄伝』(スカーレット・パブリッシング)3回目
 マーガレット・アイリス『ビスクドールの柩』(博麗神社)2回目
 河城にとり『川の流れの果てる先』(鴉天狗出版部)2回目
 大橋もみじ『白狼の咆吼』(鴉天狗出版部)2回目
 因幡てゐ『幸運エスケープ』(竹林書房)初
 風見幽香『優しい花を咲かせましょう』(稗田出版)初
 水橋パルスィ『さようなら、恋』(旧地獄堂出版)初

(文々。新聞 12月15日号1面より)









第6回稗田文芸賞メッタ斬り!

 14日、第6回稗田文芸賞の候補作が発表された。これを受けて毎度おなじみ博麗霊夢&伊吹萃香のメッタ斬りコンビが、授賞レースの模様を徹底予想!


レース予想

 霊 萃
 ○ - 門前美鈴『華国英雄伝』(スカーレット・パブリッシング)4回目
 - ▲ マーガレット・アイリス『ビスクドールの柩』(博麗神社)2回目
 ▲ - 河城にとり『川の流れの果てる先』(鴉天狗出版部)2回目
 - ◎ 大橋もみじ『白狼の咆吼』(鴉天狗出版部)2回目
 - ○ 因幡てゐ『幸運エスケープ』(竹林書房)初
 ◎ - 風見幽香『優しい花を咲かせましょう』(稗田出版)初
 - - 水橋パルスィ『さようなら、恋』(旧地獄堂出版)初



◆水橋パルスィ『さようなら、恋』(旧地獄堂出版)初

霊夢 今回は……本命不在ねえ。
萃香 だねえ。(予想を見比べて)うわ、見事にバラバラ(笑)。
霊夢 どれが獲ってもそんなにおかしくないんだけど。
萃香 どれも反対しそうな顔がわりとパッと浮かぶからねえ(苦笑)。今までの傾向からして、誰かが強硬に反対するとなかなか獲れないし。
霊夢 そう極端な作風が揃ったわけでもないんだけどねえ。どれからいく?
萃香 ふたりとも無印なのは……パルスィか。『さようなら、恋』は話をしたこともない、遠くから見ただけの相手に恋をした女が主人公の恋愛小説、なんだけどさぁ、これさぁ(苦笑)。
霊夢 半分ホラーよねえ、これ。
萃香 いや全く。ヒロインが完全にストーカーだもん(笑)。こんなにべったり監視してたら、そりゃ振られるよ。しかも『さようなら、恋』ってタイトルだからてっきり失恋を吹っ切るまでの話だと思ったら……。
霊夢 無理心中オチでさようなら、ってねえ。相手もいい迷惑よね、これじゃ。
萃香 ヒロインがひたすら《なんで振り向いてくれないの、なんで気付いてくれないの》って嫉妬にかられ続ける描写は鬼気迫ってるから、そういう小説として読めばまあ楽しめなくはないんだけど。
霊夢 え、これギャグでしょ。いやあんたが悪いんでしょ、ってツッコミ待ちじゃないの?
萃香 えー(苦笑)。これギャグで書いてるとしたら相当な才能だよ。これは素だと思うなあ。
霊夢 主観と客観がズレてるのって、外野から見てれば面白いじゃない。
萃香 そうかもしんないけどさ(苦笑)。これは推しそうな顔も浮かばないし、まあ受賞は無いかな。というかなんで候補に入ったんだろ? 予選委員が霊夢みたいな読み方したのかな?
霊夢 結構売れてるらしいわよ、これ。
萃香 え、マジ? こんな後味悪い話が? わっかんないなー。
霊夢 そりゃ、あんたが鬼だからじゃないの?




◆風見幽香『優しい花を咲かせましょう』(稗田出版)初

霊夢 受賞作が出るならこれじゃない? 稗田出版だし。
萃香 そうは言うけど、今まで稗田出版で受賞したのって『魔法図書館は動かない』と『満月を喰らう獣』だけだよ。『魔法図書館』は今はスカーレット・パブリッシングに版権移ってるし。そりゃま、商売だから稗田出版の本に受賞させたいってのはあるだろうけど、そう有利ってわけでもないんじゃん?
霊夢 今回みたいな本命不在なら、出版社で決まりそうな気もするけどねえ。
萃香 内容がどうかなぁ。稗田出版がそう思ってても選考委員が乗ってくれるか。親に捨てられた子供の荒んだ心を、園芸で癒してあげるっていうほのぼのヒーリング小説なんだけど。
霊夢 まあ確かに、小説ってよりは園芸指南書っぽいわよね。
萃香 明らかにストーリーよりそっちに力入ってるじゃん(笑)。読むと園芸に詳しくなって、花でも育ててみるか、って気にはなるんだけど。話があまりに普通すぎると思うなあ。
霊夢 前回が壮大な戦記ものだったから、反動でなんてことない作品が来る気もするけど。文章は上手いから慧音とかも好きそうだし。
萃香 文とかパチュリーが反対するんじゃない? 文はストーリー薄い小説嫌いっぽいし、パチュリーは「こんなどこにでもある作品に賞をあげることはない」とか言いそう。
霊夢 パチュリーは推すんじゃない? 明日使える園芸知識。知識萃めるの好きでしょ。
萃香 図書館の中じゃ園芸知識の使い道は無いじゃん(笑)。




◆門前美鈴『華国英雄伝』(スカーレット・パブリッシング)4回目

萃香 門前美鈴は落とされ続けてとうとう4回目の候補入り。
霊夢 なんだっけ、あの子供向けのシリーズ。
萃香 『風雲少女・リンメイが行く!』だね。こないだ4巻が出たけど売れてるみたいだよ。
霊夢 あっちで人気も出たし、そろそろ獲るんじゃないの?
萃香 いや、これじゃ厳しいでしょ。絶対前回の受賞作の『天照戦記』と比べられるよ。
霊夢 でも、この方向性ってもともとこっちが書き続けてたものでしょ?
萃香 まあねえ。架空の国《華国》を舞台にした、英雄たちの群雄割拠する華々しい架空戦記小説。世間的には『風雲少女』でジュヴナイル冒険小説作家のイメージが強いだろうけど、元々はこういう架空戦記小説とか、第二回で候補になった『龍拳伝』みたいな格闘小説が本業なんだよね。こっちはあんまり売れてないみたいなんだけど(笑)。
霊夢 個人的にはあんまり興味無いジャンルだけど、まあ面白かったしいいんじゃない?
萃香 いや、『天照戦記』の方が出来は良かったと思うから……。国家権力vs土着の英雄のシンプルな構図だったあっちに対して、こっちは魅力的な英雄が何人も出てくるけど、かえって軸がぶれてるとか言われそう。一冊にまとめるには世界が大きすぎたかな。歴史物っぽく読める部分は慧音が厳しそうだし。
霊夢 文が推すでしょ。
萃香 そりゃ前回『天照戦記』推してるけどさ。うーん、やっぱり方向性が近すぎて難しいと思うなぁ。




◆河城にとり『川の流れの果てる先』(鴉天狗出版部)2回目

霊夢 獲れるかどうかはともかく、個人的にはこれが一番好きなんだけど。
萃香 え、そうなの? それはけっこう意外。これSFだよ?
霊夢 SFなの?
萃香 つうかモデルは明らかに幻想郷だけどさ。川を辿って世界の果てを見つけた少女が、隔離世界の境界の向こう側を目指そうとする話。箱庭世界の構築理論とか完全にSFだね。霊夢がこういうロジカルなの好きとは思えなかったけど。
霊夢 小難しい話のところは読み飛ばしたのよ。外の世界のことなんてあんまり意識してなかったけど、よく考えたらこの幻想郷の川とか天気とかは外の世界と繋がってるのよね。今さらそんなことに気付いたわ。
萃香 博麗の巫女がそんなんでいいのかなぁ(苦笑)。
霊夢 あんまり獲れる気はしないけど、気に入ったから対抗つけてみたわ。
萃香 まあ受賞は難しいだろうねえ。こういう理系思考に理解のある選考委員が紫ぐらいしか思い当たらないし、紫はどうせ欠席だし。紫も冬眠してるんだから選考委員は藍にやらせればいいのにさ。
霊夢 パチュリーは?
萃香 パチュリーもまあついていけなくはないかな。でも他の4人は推さないでしょ。前回もメカニック小説でほとんど総スルーされて落ちたし、今回も選考会じゃ光学迷彩かかるんじゃないかな。




◆大橋もみじ『白狼の咆吼』(鴉天狗出版部)2回目

萃香 私はこっちが本命。これは文がどう出るかに尽きるね。
霊夢 ガラッと作風変えてきたわよね。
萃香 前回はマイペース上司に振り回される部下のコミカルな苦労話『うちの上司が横暴なんですけど。』で候補になって、文にボロクソに言われて落ちた(苦笑)。幽々子とパチュリーは気に入ってみたいだったから惜しかったんだけどねえ。
霊夢 今回は《白狼》の異名を持つ白髪の剣豪が、里を狙う悪党どもを片っ端から叩っ斬る話。
萃香 剣豪の相棒の、将棋指しの女の子のキャラがいいよね。明るくてお調子者なのに人見知り。剣豪の背中に隠れて唸ってるのが可愛い可愛い。
霊夢 シンプルで読みやすいし、面白いとは思うけど、決定打は感じないのよね。
萃香 票を読むとこれじゃない? 剣豪ネタは幽々子は好きそうだし、里を守る話だから慧音も推しそう。阿求も特に反対しないと思うし、パチュリーが前回から続けて味方につけば、文が反対しても押し切れるんじゃないかな。
霊夢 むしろ文が推すんじゃないの? こういう単純明快な話好きでしょ。
萃香 いやほら、そこはかわいさ余って憎さ百倍というか(笑)。
霊夢 逆に幽々子が厳しくなると思うけど。身近に未熟者な剣士がいるわけだし。
萃香 そこが気になるんだよねえ。作風が全然違うから、前回推してくれた幽々子とパチュリーが味方についてくれるか。ついてくれないと後は文次第かぁ。うーん。
霊夢 ところでこれ、2巻も出てなかったっけ?
萃香 先々月に出たね。候補になったのは1巻の方。人里で人気みたいだね。
霊夢 慧音が「仕事取るな」とか言うんじゃない?
萃香 さすがにそれは無いと思うけどなあ(苦笑)。




◆マーガレット・アイリス『ビスクドールの柩』(博麗神社)2回目

霊夢 アリス……じゃないアイリスは第4回以来の候補入りね。前に候補になったの、なんだっけ? あの仮面劇団の話。
萃香 『マスカレード・スコープ』ね。実は全員人形だった、ってどんでん返しをパチュリーが評価したけど阿求と幽々子に反対されて落ちた奴。アイリスの本は自分とこで出してるんだから覚えておいてあげようよ(苦笑)。
霊夢 最近、読んだはしから忘れるのよねえ。
萃香 今回は怪しげな屋敷の地下室、柩に収められていた死体がいつの間にか人形とすり替わっていた、っていうミステリ仕立ての話。
霊夢 ミステリとしては無理があると思うけど。動機とか。
萃香 そんな理由で殺さないだろうって? そこらへんは魔法使いの論理。人間の論理じゃ計れないってことでいいんじゃないかなあ。私もよくわかんないけどさ(苦笑)。
霊夢 またパチュリーがひとりで推して自爆するのかしら。
萃香 そうなりそうだねえ。あと創造主と創造物、ヒトとヒトガタ、心と魂の在処ってテーマに絞って書き続けてるけど、その割には登場人物が類型的だよね、前回もそうだったけど。
霊夢 パチュリーと一緒で頭でっかちなのよ。
萃香 相変わらず辛辣だなぁ(苦笑)。捻ったオチもついてるけど、ちょっと取って付けた感もあるしねえ。前回に続いてパチュリーが推せばあるいは、と思って大穴はつけてみたけど、まあ現実的には難しいかなぁ。
霊夢 別にいいけどね。それなりに売れてるし。
萃香 受賞すればもっと売れるよ?
霊夢 私が推したって受賞させられるわけじゃないわよ。
萃香 そりゃそうだけどさ(苦笑)。




◆因幡てゐ『幸運エスケープ』(竹林書房)初

萃香 最後は『幸運エスケープ』。これの候補入りはめちゃくちゃ意外だったなあ。
霊夢 なんで? 対抗つけてるじゃない。
萃香 だって永月夜姫の『あの月の向こうがわ』が候補漏れしてこっちが入ってくるなんて普通思わないって(笑)。いや、よくできたコンゲーム小説で私は好きだけどさ。
霊夢 『あの月』が落ちたのは慧音に配慮したんじゃないの?
萃香 あー(苦笑)。ま、ともかく。新米詐欺師が師匠の遺産をめぐって、百戦錬磨の詐欺師と虚々実々、丁々発止の騙し合いを繰り広げる話。いや、笑った笑った。
霊夢 あんたってときどき、ホントに鬼なのか疑いたくなるんだけど。嘘つかない鬼が嘘つきの話読んで大笑いしてるってどうなのよ?
萃香 それ言ったら小説なんて全部嘘じゃん(苦笑)。他人を幸せにする嘘は楽しまなきゃ損ってもんだよ。これはいい嘘つきさ。
霊夢 いい嘘つきねえ。私としちゃ、途中から嘘が壮大になりすぎて、いくらなんでもこんなバカバカしい仕掛けまでやらないでしょ、って気分なんだけど。
萃香 いやいや、そこが最高に可笑しいんじゃん。師匠の遺産の噂そのものが嘘だった、っていう嘘のためだけにあらかじめ洞窟掘ってニセモノの遺産モドキを隠しておいて、本当の遺産は既に手に入れてる――ってのも実は嘘で、相手が隠し持ってるはずの遺産の存在を白状させようとするんだけど、相手もそれに騙されてるふりをしてるだけで、嘘の遺産の在処をうっかり漏らしたふりをして、その嘘の為に建てておいた屋敷へ移動(笑)。
霊夢 そのへんになるともう何が何だかなんだけど。結局、どっちが遺産手に入れたのよ?
萃香 もうそんなのどうでもいいんだって(笑)。
霊夢 でもこれ、慧音が怒るでしょ。変なところで真面目だから、「詐欺師の話なんてけしからん」とか言って。文は好きだろうけど、幽々子とパチュリーはどうかしら。
萃香 私としちゃこれが取ったら万々歳なんだけどね。ま、期待はしないさ(笑)。




まとめ

萃香 結局、誰がどれを推す形になるのかな?
霊夢 パチュリーは『ビスクドール』と『川の流れ』推しで『優しい花』に厳しいかしらね。慧音は『優しい花』と『白狼』推しで『幸運』『華国』反対。
萃香 文は『幸運』と『華国』推しで『優しい花』と『白狼』に反対かなぁ。
霊夢 文と慧音が正反対ねえ。阿求はどうかしら。慧音と近い立場?
萃香 阿求は案外『幸運』好きかもしんないけど。『ビスクドール』には反対するんじゃないかな。『マスカレード』に反対して『ビスクドール』推すとも思えないし。
霊夢 幽々子がどう出るか読めないけど、こうしてまとめるとやっぱりどれも賛成票と反対票で割れそうねえ。
萃香 侃々諤々の激論になって、みんな疲れ果てて、誰も話題にしなかった『さようなら、恋』でいいよ、って話にさえならなきゃいいや(笑)。


(文々。新聞 12月19日号4面文化欄より)










第6回稗田文芸賞は初の「受賞作無し」

 第6回稗田文芸賞は24日、人間の里・稗田邸にて選考会が行われ、6回目にして初の「受賞作無し」という結果となった。
 選考委員の稗田阿求氏はこの結果について、「選考委員の間で意見が極端に割れ、いずれの作品についても選考委員全員の合意が得られなかったため、やむなく受賞作無しとなりました」と説明した。
 なお、賞金50貫文は次回には持ち越されない。

(文々。新聞 12月25日号1面より)




《選評》


箱庭の文芸  パチュリー・ノーレッジ

 無数の書物を収蔵する図書館で、日夜無数の物語に接していると、どのような作品であれ常に既視感にはつきまとわれることになる。物語の手法は既に出尽くしていると言われて久しいが、実際にも新鮮な物語というものにはどれほど出会っていないだろうか。
 無論、類型的な物語が悪とは言わない。類型には類型の手法があり、巧拙がある。類型であること自体は罪ではない。しかし、そのような類型の手法の巧みであるのを評価するのが、私たち稗田文芸賞の選考委員の仕事であろうか。私はそうは思われない。稗田文芸賞の受賞作、という冠を与えるべきは、むしろそういう類型と最も遠いところにある作品であるべきではないか。なぜなら、類型の巧みであるのは、即ち誰にでも解るものであるからだ。誰にでも解るものを、専門家がわざわざ選ぶ必要はない。私たちでなければ選べぬものを選出することが、選考委員としての役目であろうと私は思う。しかし、そのような私の文学観は、この選考会においても異質であるのかもしれない。今回は特にそれを強く感じた。
 私が推したのは『川の流れの果てる先』である。SFという括りに収まる作品ではあるが、これはそれ以上に、幻想郷小説と呼ぶべきものだ。この幻想郷という小さな世界、普段私たちが意識することのないその《果て》、さらにその先へと空想を広げ、それによって箱庭世界そのものの歪さと愛おしさを紡ぎ出した秀作である。幻想郷に生まれ、幻想郷に育った者は、外の世界の存在を認識してはいても、この幻想郷という箱庭そのものに対して無自覚に過ぎる。そういった観点からも、受賞作はこれをおいて他に無い、という心構えで選考会に臨んだのであるが、他の選考委員の反応の鈍いのは本当に意外であった。特に、書面解答であった八雲紫委員すらこの作品にほとんど触れていないのは不可解としか言いようがない。
 他の委員が推す作品は、それぞれに美点を持った作品であったが、それらはやはり類型に収まるものである。『ビスクドールの柩』は惹かれるものがあったが、以前候補になった『マスカレード・スコープ』に比べると、その空想が枠組みの中に収められてしまった感は否めない。やはり『川の流れの果てる先』の他に、私が推すべき作品は無かった。
 他の委員からは「作者の世界の狭さを物語の狭さに仮託しているだけである」との批判もあったが、その狭さは幻想郷そのものの内包する狭さであり、それを批判することは己の世界の狭さを露呈しているだけではあるまいか。無論のこと、そう言う私自身の世界が狭いだけであるとの批判も免れないのだろうが……。
 結局、議論紛糾の末受賞作無しという結論に至ったが、『川の流れの果てる先』に理解が示されない以上はやむを得ない結論であったと私は思う。無念ではあるが、それもまた幻想郷という箱庭のあるべき姿なのかもしれない。



やさしさの味  西行寺幽々子

 どんなものであっても、物語には必要不可欠なものがあるの。文章力、構成力、人物描写の確かさ、そういった技術的な巧拙ではなく、それは作品に滲む《やさしさ》。やさしさの無い作品は、作品そのものが荒涼としてしまうのね。
 もちろん、いい話であればいいという意味ではないわ。嫌な話、後味の悪い話、怖い話。それぞれに面白さはあるけれど、それらはみんな《やさしさ》の裏返し。失恋が辛いのは、甘い恋のやさしさがあるからだし、裏切られるのが悲しいのは、信頼というやさしさがあるから。
 逆に、やさしさを描こうとするなら、やっぱりその裏側の厳しさ、いやらしさをきちんと踏まえていなければいけない。誰だって裏表があって、本音と建前があって、やさしさの後ろに残酷さを隠している。当たり前のことだけれど、物語ることにかまけてそれをおろそかにしてしまうと、作品の味が平べったくなってしまうわ。ソースでべとべとのカツみたいにね。もちろん、そういうのを食べたくなるときもあるけれど。
 今回の候補作は、そういう意味では平べったい味わいの作品が多くて、私はちょっと残念。出てくるひとたちの行動や会話が、お話に縛られすぎている気がするの。頭の中に出来上がった面白いお話は、思うままに動かしたくなる気持ちはよくわかるけれど、お話は作者のものであると同時に、そこに登場するキャラクターたちのものでもある。彼らが何を考え、何を求めているのかに作者が介入してしまっては、作品の味わいはやさしさに欠けてしまうわ。西瓜は塩をふるといっそう甘くなる、それだけの話なのにね。
 これだけで終わるのもさすがに失礼だから、気になった作品をひとつ。『白狼の咆吼』は平べったい味ではあるけれど、ストイックな剣豪の生き方には少し懐かしい気持ちになったわ。でもやっぱり、彼の《やさしさ》と《厳しさ》との背反が書き足りていないと思うの。これはきっと、私自身への戒めでもあるんだけれどね。



物語るものと物語られるもの  上白沢慧音

 選考委員の末席に加わって二度目の選考会となったが、ほぼ満場一致で決まった前回とは異なり、紛糾に紛糾、議論百出して収拾のつかぬ四時間となった。小説の価値とは一面的には決められぬからこその選考会であろうが、これほどの紛糾となったのは意想外なことである。
 『天照戦記』という近年稀に見る収穫のあった前回に比するのは酷というものだが、今回の候補作は一読、いささかの物足りなさを覚えた。一定の水準には達しているものの、これを推すべきである、という己の内側の声は聞こえぬまま、もう一度全ての作品を読み返した。その結果、私は『華国英雄伝』に丸をつけて選考会に臨んだ。
 『華国英雄伝』は、架空国家の戦乱の歴史を、その中を駆け抜けた英雄たちの群像劇に仮託して紡ぎ上げる架空歴史絵巻である。軽妙にして堅実な筆致と、活き活きと描かれた英雄たちの魅力は確かであるが、反面英雄たちというミクロな視点に作者が捧げた情熱に比して、それを取り囲む歴史というマクロな視点が表層的に過ぎる感があり、一読した時点では『天照戦記』に及ぶものではないと判断した。それが、再読により評価を改めるに至ったのは、ひとえに物語全体の語り部である《立待月》という人物の存在によってである。
 性別すら定かでないこの語り部は、その名が物語の端々に噂のように立ちのぼるばかりで、普通に物語を追っていれば存在そのものにすら気付かない恐れすらある。しかし、その存在に気付いたとき、この作品は単なる架空戦記小説ではない、豊かなふくらみを持った物語としてにわかに存在感を増すのである。英雄たちの姿に仮託されているのは、華国という国家の歴史であると同時に、立待月という語り部の歴史でもあるのだ。ミクロの視点をマクロへと広げ、それを再びミクロへ収束させ、あたかも歴史絵巻のごとくに影のごときひとりの人物を語る。類い希なる巧みな技法である。
 しかし選考会において、他の選考委員にこの点について同意を得られなかったのは想定の外であった。特に「それはいささか深読みのし過ぎ」との意見には失望を禁じ得ない。歴史をまとめ、歴史を創る者として、今回の受賞作は本作をおいて他にないという断固たる決意をもって選考に臨んだだけに、それ以外の作品の受賞は認められなかった。受賞作無しという結論に落ち着いたのも、『華国英雄伝』が受賞できぬとあらばやむを得ない決断である。
 他の作品にも簡単に触れる。『白狼の咆吼』はキャラクター小説としては上出来の部類であるが、『華国英雄伝』の英雄たちの前ではいかにも不利であった。『優しい花を咲かせましょう』は誠実な文章に好感を抱いたが、物語が小粒に過ぎる感は否めない。『ビスクドールの柩』と『川の流れの果てる先』は、作者の世界の狭さがそのまま物語の狭さに仮託されており、狭量であるとの印象を免れ得なかった。『幸運エスケープ』は、小説の世界において現実的なモラルによる批判は見当違いであるにしても、私はここに登場する詐欺師たちに好感を抱くことは出来ない。『さようなら、恋』は作者の独りよがりな妄想の吐露であり、共感すべき箇所は見当たらなかったということに尽きる。
 『華国』の作者の真意を読み取れぬ他の委員の読みは浅薄である、などと傲慢な批判をする意図はない。それは他の委員から――特に私が強く批判したある作品を、断固たる決意を持って推していた某委員などから――そっくり私に跳ね返ってくるだろう。かくも小説の価値というものは千差万別である。故にこそ、受賞作を定め、その価値の判断は読者に委ねるべきだったのではあるまいか――という思いに、今となっては囚われているところである。



頑固者たちの狂想曲  射命丸文

 ――己の世界の狭さを作品に仮託して、逃避願望を充足しているだけではないか。
 慧音委員は静かにそう言って『川の流れの果てる先』に×をつけた。静かであるだけに、かえってその意志の強固さを感じさせる声音であった。
 ――その狭さとは、あなた自身の世界の狭さなのではありませんか。
 パチュリー委員が呟くようにそう言った刹那、選考会場はまさに一触即発という空気に包まれた。お茶菓子を囓る幽々子委員の周囲だけが、切り取られたように平穏を保っている。
 ――幻想郷は狭すぎる。そこで生まれる文芸もまた、型にはまりすぎている。
 パチュリー委員は静かに言葉を続ける。慧音委員はそれを黙して聞いている。
 ――稗田文芸賞までもが、既成の枠組みの中での内輪受けに陥って良いものですか。
 ――けれど、枠組みのないところに秩序は生まれません。
 取りなすような口調は、阿求委員のものである。
 ――私たちの世界が狭いとしても、その狭い世界こそが私たちの生きる場所です。外の世界の文芸と、幻想郷の文芸を同じ土俵で比べても仕方がないでしょう。
 ――そもそも、外の世界が幻想郷よりも広い、ということ自体が幻想かもしれないわね~。
 幽々子委員がのんびりとそう口にすると、緊迫していた空気が僅かに緩む。
 ――誰でも、自分が認識できる世界の範囲なんて思っているよりずっと狭いものよ~。それをなんとなく、もっと広いと思いこんでいるだけ~。どれだけ見聞を広めたところで、ふたつの目でしか物事を見ることはできないのだからね~。あ、三つ目の妖怪さんは別だけど。
 慧音委員とパチュリー委員は、ため息を押し殺すように冷めかけたお茶を啜った。

 とまあ、選考会の一部をそれらしく描写してみたわけですが、今回は本当に疲れる選考でした。何しろパチュリー委員と慧音委員がそれぞれ別の作品を受賞作に定めて、それ以外は頑として譲らぬという態度に出たわけでして、残りの三人で取りなしてみたもののけんもほろろ。結局受賞作無しという結論に至ってしまいました。残念無念。
 というか、今回は特に何も推さなかった幽々子委員以外は全員別の作品を推したわけで、それだけでも紛糾するのは当たり前でした(ちなみに、欠席した紫委員が推したのは他の全員が却下した『さようなら、恋』でした。彼女らしいというか何というか)。
 私が推したのは『幸運エスケープ』。騙し騙されの痛快無比なコンゲーム小説であり、読み始めたら巻を置く能わずという秀逸な娯楽作品です。ホラが大きくなりすぎて現実的でない、いくらなんでも荒唐無稽すぎる、という批判はもっともですが、今までに読んだあらゆる候補作でもこれほど笑えた小説は希有です。どう考えても最終的に手に入る遺産の額以上の金を使っているとしか思えない大がかりな騙しの数々、《騙す》ことに本末転倒なほどの情熱を注ぐこの馬鹿馬鹿しさこそ幻想郷らしいと思うのですが、どうにも皆真面目すぎる気がしますね。笑える作品というのはもっと評価されるべきだと思うのですが。
 パチュリー委員の強く推した『川の流れの果てる先』は、歪で愛おしい幻想郷の姿を活写した作品であるというパチュリー委員の意見には賛同しますが、それならわざわざこんな小難しいSFにしなくてもいいと思う次第です(紫委員がこの作品をスルーしたのは意識的なものを感じるのですが気のせいでしょうかね?)。慧音委員の推す『華国英雄伝』は、やっぱり『天照戦記』と比べてしまうと見劣りするのが正直なところ。慧音委員の提唱した読みは深読みに過ぎると思うのですがねえ。そうだとしても解りにくすぎで成功してるとは言い難いような。
 『ビスクドールの柩』は仕掛けに気を取られて、本来のテーマであるべき創造主と人形の関係の描写が疎かになった気がします。『さようなら、恋』は大変後味の悪い恋愛小説として読めばまあ面白いのですが、ちょっとこのヒロインには共感し辛いですね。
 『白狼の咆吼』については、ノーコメントで。仲良く候補になって良かったですね。ふん。



端正な佇まい  稗田阿求

 他の委員も選評で述べているかと思われるが、今回の選考は過去に類を見ないほどに紛糾した。受賞作を出す、という選考委員の使命を果たせなかったことに忸怩たる思いはある。しかし選考会が弾幕ごっこに陥るよりは良い選択であろう、と割り切ることにする。私は普通の人間なのだ、妖怪の弾幕ごっこに巻き込まれてはたまらない。
 さて、六者六様の態度となった今回の選考だが、私が推した『優しい花を咲かせましょう』に対する賛同が少なかったのは意外であった。確かに物語自体は大したことではない。ありふれた話ではあるし、園芸蘊蓄の多さが興を殺ぐ感もあるが、それを差し引いてもこの文章の端正な佇まい、必要最小限の描写で馥郁たる華の香りを紡ぎ出した言葉の選択の巧みさは、それだけをもってしても受賞に値すると私は信じている。普段であれば同意を得られたであろう慧音委員が『華国英雄伝』に心を決めてしまっていたのが不幸であった。小説の価値は物語性だけに縛られるものではあるまい。確かな文章というのはただ読んでいるだけでも十二分な愉悦を伝えてくるものである。
 他の、特に『川の流れの果てる先』と『華国英雄伝』に対して百出した議論については他の委員の総括に任せるとして、その他の作品にも触れておきたい。『幸運エスケープ』と『白狼の咆吼』はどちらも典型的な娯楽小説であり、ひとときの楽しみにページをめくるにはうってつけであるが、そこから迫ってくるものに欠ける。やはりそこは描写の平板さや不確かさによるものであろう。『ビスクドールの柩』は心と魂を主題にしていながら、心というものへの踏み込みがいかにも浅い。『さようなら、恋』は身につまされる部分もなくはないが、やはりヒロインが独りよがりに過ぎる感は否めなかった。
 物語にせよ主題にせよ、その価値は受け取る者によって形を変える。しかし端正なる文章の価値というものは、小説の要素としては普遍性を持つものであろうと信ずる。かくも襟を正した風見氏の文章に対する態度に、私はひとりの読者として敬意を払いたい。


(文々。新聞 12月25日号4面文化欄より)








受賞作発表と選評を読んで、メッタ斬りコンビの感想

霊夢 一番つまんない結果になったわねえ。まさか受賞作無しなんて。
萃香 なんでもいいから出せばいいのにね。これじゃ盛り上がらないよ。
霊夢 選評は各自好き勝手言ってて面白いけど。結局今回はパチュリーと慧音の痛み分けだったのかしら?
萃香 そんな感じだねえ。しかし慧音が『華国英雄伝』を推すとは思わなかった。ねえ霊夢、慧音のこの読み、どう思う?
霊夢 『華国』の? 深読みでしょどう考えても。
萃香 いや、私も読み返してみたけど確かに慧音の言う読み方も出来るんだよね。でも美鈴ってこんな巧かったっけ? っていう疑問がどうしても(苦笑)。
霊夢 ふうん、読み返してみようかしら。私には解らない気もするけど。しかしパチュリーも慧音も少しぐらい歩み寄ればいいのにね。
萃香 そりゃま、譲れないもんってのはあるわけだよ。『白狼』は結局文は反対したのかな。
霊夢 パチュリーと慧音で揉めてそこまで議論が及ばなかった感じじゃない?
萃香 文にしてみれば助かったのかな、それ(笑)。


(文々。新聞 12月27日号4面文化欄より)








第6回稗田文芸賞、候補作がすり替え?

 昨年12月に選考が行われ、受賞作無しに決まった第6回稗田文芸賞について、予選委員の選出した候補作と、実際に発表された候補作に食い違いがあることが5日、関係者の証言で判明した。
 具体的なタイトルは明かされていないが、本来の候補作は6作品で、1作がいつの間にか外され、2作が追加されていた模様。予選委員会が候補作をまとめてから、稗田文芸振興会が正式に発表するまでの間に、何者かが候補作リストをすり替えた可能性があるという。
 稗田文芸振興会はこれについて、「今はまだコメントできる段階にない」としながらも、再選考などは行わない方針であることを表明した。

(文々。新聞 1月6日号1面より)
「チッ」
「チッ」


* * *


 前作のコメント数にべっくらこいてまた書いてしまいました。
 こういう形にしないネタだけ考えるのは楽しくていいです。
浅木原忍
[email protected]
http://r-f21.jugem.jp/
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
「こういうのって一発ネタだろ……」とか思ってた十五分前の俺は
とりあえず殴っておいた。相変わらず選考会の紛糾ぶりが目に浮かぶようにキャラが自然。
紫がにとりの作品追加したのかとか思ったが後書きみて読み直してようやく理解できたww
2.名前が無い程度の能力削除
うまく技の構成を変えてきたな、と妙手にため息。

と同時にこれで終わりにしといた方が綺麗かなとも思います。
3.名前が無い程度の能力削除
こういう話、好きです。読んでて情景が目に浮かぶようで楽しかったw
4.名前が無い程度の能力削除
慧音とパチュリーの仲が悪すぎるwwwまぁ仕方ないねwww
5.名前が無い程度の能力削除
ちくしょう幸運エスケープよみてぇwww

文の感覚は小説より漫画好きな人の意見ですよねw
天照戦記もよみたいなぁw
6.名前が無い程度の能力削除
相変わらず、楽しかったです。慧音とパチュリーは毎回ガチバトルなのかw
慧音が委員じゃなかった頃の選考会はどんなだったんでしょうね

あ、にともみ←あやということでいいですか
7.名前が無い程度の能力削除
おれもこういうのは一発ネタだろと思ってましたが
いやはや面白かったです。
8.名前が無い程度の能力削除
白狼の咆吼、読みたいなァw
9.名前が無い程度の能力削除
誤字報告
>私たち稗田文芸賞の選考委員の仕事であろうか。私はそうは思われない。
私はそうは思わない。

まさかの第2弾。実に俺得でした。
幸運エスケープ読んでみたいなぁ……

オチに一瞬悩んだけどまさかのにともみか!
なにやってんだにとりw
10.謳魚削除
全部読んでみたくありますがにとりんとてゐさんの作品が特に読みたく思います。

にとりんの方は霊夢さんと同じで飛ばし読みしそうですけれど。
11.名前が無い程度の能力削除
今回も楽しませていただきました
紫ががにとりの小説スルーしたのはやっぱり外に触れてるからかな……
しかしこの委員達は一体どういう基準で集められたのやらw
12.名前が無い程度の能力削除
つまり、姫の作品がいつの間にか外されててゐとパルスィの作品が入れられてたってことなのか・・・・・・?
13.名前が無い程度の能力削除
ほんとに面白いです!
めちゃくちゃ楽しめました!
「メッタ斬り」はこのコンビも面白い!
14.名前が無い程度の能力削除
第5回までもみてみたいです!
15.奇声を発する程度の能力削除
本当に凄いなぁ。とっても面白かったです!
16.名前が無い程度の能力削除
前作に引き続いて面白かったw
ただ、オチがよく分からない…
17.くらん削除
落ち…何だ…? …駄目だ。まとめてみよう。
 ◎門前美鈴『華国英雄伝』 は通して読む限り、入るのが順当と言える。◎
 ◎マーガレット・アイリス『ビスクドールの柩』 も2度目かつ未来でもノミネートされてるから順当。◎
 △河城にとり『川の流れの果てる先』 …分からない。怪しいとも言えるし…△
 ○大橋もみじ『白狼の咆吼』 …多分『本命』になるような作品は順当なものじゃないか…な? ○
 ×因幡てゐ『幸運エスケープ』 …筆者ももちろんの事、メッタ切りで分かる前後関係からも怪しい。×
 ○風見幽香『優しい花を咲かせましょう』 順当でないわけがない。…と思ったけど…そこまでじゃないか。初だし。とりあえず○
 △水橋パルスィ『さようなら、恋』 『霧雨書店業務日誌』の『世界なんて滅べばいいのに』の動向から分かるとおり何かしらの工作くらいしてもおかしくない…△
と言った所か…『てゐ』がほぼ確定だけど…紫の狙いが分からないのが問題だなぁ…「興味がありそうな本なのにスルー」と言うのが「『興味を引く為』に敢えて入れた上でスルー」なのか「『世界を考えてはいけない』と言う意味で普通のスルー」なのか…どちらでもありそう。
そしてもみじが『恐らく』順当な以上、にとりが仕掛け人って事も多分無いと思うが…どうだろう?
そしてさらにこれまでの考察がどうであるにしろ、抜かされた1作ってマジで何だろう……?

…真剣考察&長文すみません。一応他の人の考察の助けになれば幸いです…
相変わらず考えさせてくれる文章の浅木原さんパねぇっすw
18.文学部の学生削除
第5回以前は作中のパチュリーが指摘した「類型的な物語」となるのが懸念されそうです。
しかし読んでみたいというワクワクした気持ちもあり、もどかしい(笑)

今回の選考は文学界の野心家たる要素が垣間見えました。
道楽で書き物をしているのではなく、職業作家として物語を生みだしている。
勿論、拝金がちらつく作品はその品位を暴落させます。作家も排斥されるでしょう。
しかし同時に、したたかさがなければ生き残れないのは世の理であることもまた事実。
成人しながら社会人に非ずな学生にとって、少しの訓誨となる選考でした。
19.ずわいがに削除
前作で「受賞作無し」ってわかってたからなぁ;ww

しかし美鈴のは神奈子様のと比べられて酷だった、か。
すまん美鈴、俺は美鈴が好きだが神奈子様の方が好きだ。
でも買うとしたらどっちも買う!

ところで霊夢は毎回アイリスのことアリスって言っちゃってんじゃないか?ww
20.名前が無い程度の能力削除
前回と同じかと思いきや、微妙にベクトルが異なっていて、
文章に、また、新たな境地を見せていただきました。
いやー、パチュリー委員の言葉を借りるようですが、
このインターネットという媒体で表される文章には紙媒体とは、
また違った表現を可能になっているのだから、
このような新しい表現形態にはどんどんチャレンジして欲しいところですねw
21.名前が無い程度の能力削除
まさかの続編
こちらも面白かった
22.名前が無い程度の能力削除
なるほど、だから紫のにとりの作品にt(ry
23.名前が無い程度の能力削除
「幸運エスケープ」読みたい。めっちゃ読みたい。
24.名前が無い程度の能力削除
「さようなら、恋」が読みたくて仕方がない。
時にはひどく捻じ曲がった作品も人生のスパイスですw
25.生八つ橋削除
てゐは多分速筆
26.非現実世界に棲む者削除
意見が纏まらないんじゃあ、無理に受賞作を挙げる必要はないよね。
妥当な判断だと自分は思います。