「水難事故起したい!!!」
まーた出たよ、ムラサの禁断症状が、
「とはいってもさぁムラサ、この幻想郷じゃ海なんてないんだから諦めなって」
「うるさいぬえ、あんたを湖に撃沈させるわよ」
「すいませんでした……」
怒ったムラサは怖いなぁ……。
前にもムラサを落ち着かせようと、折り紙でヨットを折って正体不明の種を植え付けて偽装工作しようとしたら、バレて私が沈められたし……。
いやだって、ムラサが目を輝かせながらその船に乗り込むと思わなかったんだもん。そりゃ一撃で沈むよ、紙で出来た船だもん。
「あー沈めたい! 沈めたい! 沈めたい! 水難事故起したい!」
とはいえ止めないわけにはいかないなぁ。被害に合うのはいつも私だし。
「あっ、そうだ! こういうのはどうだムラサ」
興奮するムラサの耳にヒソヒソと耳打ちをすると、ニヤーっと嫌らしい笑みを浮かべ嬉しそうにする。
「いいじゃないそれ。さすがぬえだわ、あくどい事に関しては他の追随を許さないわね」
「お褒めに預かり光栄だよ」
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次の日の朝
「ちちち違うんです聖。これはその、あれです、正義の汗です」
「いいんですよ星、そんな必死に弁解しなくても。昔は皆一度はやるものなんですから」
「クックック、これは毘沙門天様に報告しなきゃ駄目ですねご主人。いやしかし、見事な地図ですね。プークスクスクス」
「ちょちょちょっとやめてくださいナズーリン! こんなの報告しちゃ駄目です!」
慌てふためく星の隣にはお腹を抱えながら笑うナズーリンと、お母さんのような慈愛の目で笑う聖と、そして見事な地図を描いた布団があった。その地図はまさに匠のこだわりから成せる国宝級の技であり、ムラサ以外では何者もそれを表現することは適わないに違いない。ゴッホもダヴィンチもエジソンも幻想郷の賢者紫でさえ、それを模倣することは不可能。輝夜の「金閣寺の一枚天井」をも超える新難題だ!
まあ、長々と語ったが、ようはおねしょだ。
私とムラサをそれを物陰から、笑い声を押し殺しながら見物する。
「いやー、すっきりした」
「本当に気持ちよさそうな顔してるねムラサ」
「そりゃそうよ、こんなに手短に水難事故を起せるんだもの。もう我慢しなくていいのね!」
「まあ、星が可愛そうだからほどほどにしてあげなよ」
「わかってるってぬえ」
ルンルンとスキップするなんて本当に楽しそうだなムラサ……。
まぁーよかったよかった。星には悪いけど、これで私がムラサの被害に合うことは無くなった。枕を高くして眠る事が出来るよ。
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次の日の朝
「ちちちちち違うんだよ聖。これはその、あれだよ、正体不明の水が勝手にぃ!」
あんたの発想に脱帽だよ……
ひじりんがおねしょして、どうしようかとあたふたするのを想像してたら……
私もちょっと染みってきた。おかしいな?
貴方ぐらいですwwww
おねしょネタってみんな考えると素で想ってたました…… まさか俺だけだったとは
あとひじりんがおねしょとか想像するだけで悶えます(自分が
で、星の布団はいつオークションに(ry
>お母さんのような自愛の目
自愛:自らその身を大切にすること
慈愛:いつくしみ愛すること
この場合「慈愛」かな
「慈愛」に修正させていただきました。
指摘本当にありがとうございます。