「鈴仙いかんげ院イナバ、だって」
輝夜が居間で煎餅バリボリ食ってたら、てゐが優曇華に似た生物を抱えてもってきた。
全長30cmほど、二頭身の小さな体で、丸く大きな目をぱちくりとしながら、げらげら声を挙げている
「いやん、そんなに見つめられると照れちゃうってさ」
輝夜は口に出さずに突っ込んだ。
ゲラゲラ笑ってるだけじゃねえか、と。
「てゐ」
「この子どうしたらいいんでしょうね。うどんげに見せたら多分卒倒しますよね、姫様」
「捨ててきなさい」
「げらげら」
見なかった事にするのが一番幸せだと判断した輝夜は、それ以上いかんげと関わることを拒否した。
てゐはいかんげと見つめあい、永遠亭を出ることにした。
「なぁいかんげ」
「げらげら」
「あの姫はな、永遠亭で一番偉いんだ。そんな人がお前を捨てろって言ったら、捨てなきゃいけないんだ」
「げらげら……」
「私としては飼ってあげたいんだけどな。これが永琳だったら面白そうって言って、捨てなくてもよくなったかもしれない。でも永琳と優曇華は往診に行ってるから」
「げらげら!」
てゐには、このいかんげが自分を励ましているように思えた。
庭に迷いこんできたのを拾い上げただけの仲だったが、この子には何も罪もないのだ。
いかんげの健気な姿に、てゐの中の、忘れかけていた母性本能が開花した。
「そうだ。藤原妹紅んとこに行ってみよう。あいつだったらもしかして飼ってくれるかもしれない。
そしたら私もいつでもお前に会いに行けるしね」
「げらげら、げらげら!」
「そうだ、そろそろ下ろしてあげなきゃね」
抱きかかえるのも辛くなってきたと地面に下ろしてやると、いかんげはとことこと後ろをついてくるようになった。
優曇華もこれぐらい愛らしかったら、妹分として可愛がってやるのに、当の本人は年下の癖に姉のように振舞うのだ。
「なぁいかんげ」
「げら」
「姫を恨まないでやってね。姫だっていつかは、お前と和解できると思うんだ」
「げらげら! げらげら!」
「そうかい、お前は優しい奴だな。藤原のやつもきっとわかってくれるよ」
てくてくと、とことこの二人旅がしばらく続いて、永遠亭に比べれば素っ気無い作りの庵の前へとついた。
どんがどんが。
「ごめんくださーい」
「げらげら」
どんがどんが。
「いないみたい」
「げらげら……」
「上白沢慧音んとこ、仲良いし行ってるかもね。そっちにいこうか」
てくてく、とことこ。
「……ついてこないの?」
「げらげら……」
竹林も切れようという場所で、いかんげは立ち止まってしまった。
てゐも同じように立ち止まり、しばし見詰め合った。
「そか。竹林にお前は居るんだね。だったら、ご近所さんってことでそれでいいか」
「げらげら」
いかんげは手を振って、竹林のどこかへと消えた。
てゐは人里まで歩いて行って、団子を貰って三本食った。代金はいらないそうだ。
「師匠ー、なんでそんな生物拾うんですか」
「可愛いじゃない。ペットにしましょ、姫だって喜ぶに決まってるわ」
「気持ち悪いですよぅ」
「げらげら」
これ、結構好きだw
100作品目オメ
いやむしろ好きだぜ。
なんか無意味に和んだ。
100作品目にこんな作品投稿してバカなの?死ぬの?
げらげらげらげら
いや、普通に面白かったですww
ハートげらコメディwww