「さとりさま! ミサイル拾ってきた! 私の妹にするのー」
おくうがICBMを拾って帰ってきた。核だから妹にすると言っていた。どうするのこれ。
心を覗いてみても、慈しむ気持ちばかりが成長していて、引き剥がしたら三日三晩は泣き暮れるだろう。
おくうは忘れっぽいけれど、母性は人並み以上にあった。優しい子なのだけど、なのだけど!
「この子どこに置けばいいかなぁ?」
「その、おくう? その子は地霊殿では飼えないわ」
「えっ……」
「ここは動物ならば、受け入れるけれども、さすがにミサイルはちょっと、無理かな?」
「でもさとりさま! ミミちゃんは核だから! 私の妹分だから! お世話もちゃんとするし散歩もするから!」
核だから危ないんだよ。
喉からでかかった言葉を必死で飲み込む。下手をすれば、おくう=危ない子とダイレクトに繋がって傷つけてしまうことにもなりかねない。
おくうはただ純粋なだけで、何の罪もないのだから。
「ミミちゃぁぁぁん。やだよぅ、離れるのなんて嫌だよぉ」
「というかミミちゃんって名前はおくうが付けたのですか?」
「ううん、魔理沙が」
「魔理沙、ですか……」
心を読んでみると、どうやら扱いに困った魔理沙に無理やり押し付けられたらしい。
あの魔法使い、いつか絶対文句言ってやる。ぐっと握りこぶしを作ったらおくうがビクンと反応した。
ううん違うのよおくう。私はぶったりなんてしないから。いい子いい子。
「さとりさまの手、暖かい」
ころころと頬をほころばせたおくうは、見た目とのギャップでとても愛らしい。
けれど、このICBMはどうしたものか。
「おくう。この子をどこに置くかはちょっと考えてみるから、少しだけ席を外してもらえるかしら」
「でも」
「おくう」
「う、はい……わかりましたさとりさま。いい子にしますから」
とぼとぼとした足取りで部屋から出て行くおくう。
さて、これはどうしたものか。
「ICBMさんICBMさん。あなたをうちに置いてあげたいのはヤマヤマなんだけど、やっぱり危険だわ……。私としては妖怪の山から技術者を呼んで、解体してもらうしかないと思ってるの」
おくうが可愛いからといって、そこの匙加減を間違えるつもりなどなかった。
なんせ爆発してしまえば、地霊殿どころか地底全体にまで迷惑をかけてしまうことになる。
爆発の規模さえ予測できれば、いますぐ旧地獄の釜に放り込むことまで考えなければいけないだろう。
(機械の心がわかればいいのに)
そうため息をついたときだった。
(聞こえますか。さとり妖怪の方)
(!?)
(ICBMです。ミミと呼ばれておりますが)
「まさか貴方、九十九神に」
目の前のミサイルは身じろぎせず。
けれどもハッキリと心の声を上げた。
(人々に疎まれるだけの私を抱いてくれたおくうちゃんの温もり。それだけで私はもう満たされました。けれども私を抱えるだけで、不安を覚えてしまうのも、否定はできないのです)
「ええ、申し訳ないけれど、うちで保管することはできないわ」
さとりは頭を振った。おくうにこの子のこれからを説明することも辛いことであったし、何よりも九十九神にまでなっていることを考えると、良心が痛んだ。
(そこで私は考えたのです。私にしかできない、貢献の仕方を)
悲痛な声だった。けれども、目を背けることはできない。
「何をするの? 聞かせてくれるかしら」
せめてこの子の願いを叶えてあげること。それが手向けになるだろう。
(このSSの、オチになることです)
おくうがICBMを拾って帰ってきた。核だから妹にすると言っていた。どうするのこれ。
心を覗いてみても、慈しむ気持ちばかりが成長していて、引き剥がしたら三日三晩は泣き暮れるだろう。
おくうは忘れっぽいけれど、母性は人並み以上にあった。優しい子なのだけど、なのだけど!
「この子どこに置けばいいかなぁ?」
「その、おくう? その子は地霊殿では飼えないわ」
「えっ……」
「ここは動物ならば、受け入れるけれども、さすがにミサイルはちょっと、無理かな?」
「でもさとりさま! ミミちゃんは核だから! 私の妹分だから! お世話もちゃんとするし散歩もするから!」
核だから危ないんだよ。
喉からでかかった言葉を必死で飲み込む。下手をすれば、おくう=危ない子とダイレクトに繋がって傷つけてしまうことにもなりかねない。
おくうはただ純粋なだけで、何の罪もないのだから。
「ミミちゃぁぁぁん。やだよぅ、離れるのなんて嫌だよぉ」
「というかミミちゃんって名前はおくうが付けたのですか?」
「ううん、魔理沙が」
「魔理沙、ですか……」
心を読んでみると、どうやら扱いに困った魔理沙に無理やり押し付けられたらしい。
あの魔法使い、いつか絶対文句言ってやる。ぐっと握りこぶしを作ったらおくうがビクンと反応した。
ううん違うのよおくう。私はぶったりなんてしないから。いい子いい子。
「さとりさまの手、暖かい」
ころころと頬をほころばせたおくうは、見た目とのギャップでとても愛らしい。
けれど、このICBMはどうしたものか。
「おくう。この子をどこに置くかはちょっと考えてみるから、少しだけ席を外してもらえるかしら」
「でも」
「おくう」
「う、はい……わかりましたさとりさま。いい子にしますから」
とぼとぼとした足取りで部屋から出て行くおくう。
さて、これはどうしたものか。
「ICBMさんICBMさん。あなたをうちに置いてあげたいのはヤマヤマなんだけど、やっぱり危険だわ……。私としては妖怪の山から技術者を呼んで、解体してもらうしかないと思ってるの」
おくうが可愛いからといって、そこの匙加減を間違えるつもりなどなかった。
なんせ爆発してしまえば、地霊殿どころか地底全体にまで迷惑をかけてしまうことになる。
爆発の規模さえ予測できれば、いますぐ旧地獄の釜に放り込むことまで考えなければいけないだろう。
(機械の心がわかればいいのに)
そうため息をついたときだった。
(聞こえますか。さとり妖怪の方)
(!?)
(ICBMです。ミミと呼ばれておりますが)
「まさか貴方、九十九神に」
目の前のミサイルは身じろぎせず。
けれどもハッキリと心の声を上げた。
(人々に疎まれるだけの私を抱いてくれたおくうちゃんの温もり。それだけで私はもう満たされました。けれども私を抱えるだけで、不安を覚えてしまうのも、否定はできないのです)
「ええ、申し訳ないけれど、うちで保管することはできないわ」
さとりは頭を振った。おくうにこの子のこれからを説明することも辛いことであったし、何よりも九十九神にまでなっていることを考えると、良心が痛んだ。
(そこで私は考えたのです。私にしかできない、貢献の仕方を)
悲痛な声だった。けれども、目を背けることはできない。
「何をするの? 聞かせてくれるかしら」
せめてこの子の願いを叶えてあげること。それが手向けになるだろう。
(このSSの、オチになることです)
心から感心した。
まさかの爆発オチww