四季映姫ヤマザナドゥですが、胃がそろそろ限界です。
部下の小野塚小町は、先日船にスクリューを付けるという画期的な暴挙を成し遂げたばかり。
「私はゆっくりと魂と会話しながら渡すのが好きだ。しかし四季様は運べという。私には四季様がわからない」
なんで私が悪いことになっているのか、さっぱりわからない。無茶苦茶な論理もあったものだ。
しかし小町であれば、説教すればまぁなんとかなる。ストレス解消にもなる。
何より問題は、書記官だ。
「あ、四季様のお靴全部厚底ブーツに替えときましたんで」
「やめて」
爽やかに言ってのけるこの女、稗田の九代目である。
転生の代償を支払うために、私の元で書記官を務めやがっているのだが、正直いないほうがマシなぐらいである。
しかもこいつ、やたらと弁が立つため説教にならない。
先日も、緑茶を発酵させて紅茶にしておきましたとかいうクレイジーな所業を成し遂げてくれたのだが、紅茶を巡って戦争が起きたことがあるだのなんだのと吹き込まれて結局有耶無耶にされてしまった。
「いやしかし四季様」
「なんですか」
「魂、来ませんね。どうです? 私裁いてみますか?」
「有罪」
「価値観がちがーう」
ニヤニヤしてやがる。超蹴りたいんだけどこいつ。
でも悔悟の棒でぶったたいても全くダメージ受けない。性根から腐りきってやがる。
「それでですよ。しりとりしませんかしりとり」
「暇ですしいいですよ」
「え、四季様今勤務中ですよ」
「あなたもね」
「私は不良なのでいいんですよ」
こいつ誰が育てた。幻想郷の風土が全部悪いのか。
「じゃあ行きますよ。ンジャメナ」
「ンから始めたら終わりにならないじゃない!?」
「じゃあオセロしましょうよオセロ」
「オセロ! オセロはいいものです。白と黒しかありませんから」
「ほぁー!」
「叩き付けちゃダメです! それじゃメンコですからね!?」
「文化がちがーう」
「オセロの文化は共通です! どこで育ってきたんですか!」
「音楽性の違いですかね」
「引っ張るな!」
肩で息をしていると、なぜか顔を近づけてきた。
「興奮してるの?」
「してねぇよ!」
「だって息も荒いし、顔も赤いよ……? ボク、そんな心の準備がまだ」
「んな趣味ないから! しかもボクっ娘ってどっから付随したその属性は!」
「四季……さま……。そ、そうですよね……。百合だなんて、気持ち悪いですよね。あたい、そんな」
「ややこしいことになったよもう!」
もう全部稗田のせいにしたい。
「それで四季様。私死んだじゃないですか」
「まぁ死にましたね」
「この体なったら、病弱で出来なかったこともたくさんできるようになりまして」
「ほう」
「腹筋とか、腹筋とか、あとは寿命のせいでできなかったこととか」
「そんなに腹筋がしたかったんですか?」
「死体だけに」
「勝ち誇った顔されても……」
それからと言うもの、彼女はやたらと筋トレをしている。
地味に視界に入ってくるもんだからめんどくさい。書類だとかも書かなければいけないのに。
「まぁ霊体なので、腹筋しても何の役にも立たないんですけどね」
「でもするんですよね? どうしてですか?」
「しいていえば嫌がらせでしょうか」
「わざわざそんなことしないでください」
「え、でも」
「でももないでしょう。そんな白黒ハッキリしない態度で居られると、不愉快なんですよ」
「好きな女の子には、ちょっかい出したくなるじゃないですか」
前略結婚しました。
いささかオチが駆け足気味とはいえ、
きっとこの疾走感を楽しむものなんだろうなあ、そうなんだろうなあw
確かに四季様とは死ななきゃ結婚できませんね。わらかしていただきました!
好きだけど
カメルーンとスーダンの間のンジャメナで結婚式をあげるんですね!
お幸せに♪
瞬きしてる間に映姫様が結婚してた