夜の博麗神社。
今日も今日とてお花見と称した宴会は開かれていた。
主の命により私は今日もお付き添い。
幻想郷の奴等は皆酒が大好きだ。
花より団子という言葉が良く似合う。
皆、呆れる位によく酒を飲む。
給仕係は大変だ。
現在は手伝いも一段落して縁側に腰掛けている。
汗ばんだ肌に夜風が気持ち良い。
先ほど霊夢に渡された湯飲みには酒が注がれていた。
湯飲みに酒とは如何な物かと思うが、紅魔館では絶対に見られないこの組み合わせも悪くない。
基本的に私は奇抜な物が好きなのだ。
一息ついて半分程飲み干す。
うん、悪くない。
ふと辺りを見渡すと一人の妖怪が目に入った。
宴会の輪から外れたように木の根元に腰掛けている。
やけにつまらなそうな顔をしている彼女が私はとても気になっていた。
「何飲んでるの?」
ちょっとした好奇心で彼女に話しかけた。
月で照らされた金髪が魅惑的に輝いている。
「お酒」
「あら珍しい」
私は知っていた。
彼女は今までの宴会で水しか飲んでいない事に。
どういう訳だか知らないが、彼女はいつもつまらなそうな顔をして水を飲んでいた。
いつも、一人で。
時折魔理沙が輪に入れようと誘っていたがそれでも彼女は動かなかった。
一人が好きなのかしら。
それならどうしてわざわざ宴会に来るのだろうか。
魔法の森に住んでるという話だから魔理沙が家まで迎えに行っているのか。
あの子に玄関先で騒がれたらさぞかしうるさかろう。
それで仕方なく来ているのか。
「何で」
「え?」
「知ってたの?」
解せない、といった表情で彼女が見つめてくる。
「メイドたるもの場の把握は基本ですから」
にっこりと答えてやったが彼女はふーんとつまらなそうに呟いただけだった。
そして舐めるように酒を口に運んでいた。
木々の音に耳を澄ませ、宴の喧騒が肌に届き、湿った風が頬を撫でる。
悠然と今の刻に身を任せる。
あれからずっと沈黙が続いていた。
沈黙は嫌いじゃない。
無理に話すのは好きじゃないし会話がなくても楽しめる。
何より私は相手の表情や雰囲気で感情を読み取るのが好きだった。
言わなくても伝わる事はある。
しかし彼女はずっと俯いたきり表情を全く変えない。
時折思い出したかのように酒を舐める。
紅魔館の方々は皆分かり易い。
お嬢様は感情むき出し思ったことはすぐ顔に表れる。
パチュリー様は基本無表情だが何かあれば言ってくれる。
美鈴はもう、全身で感情を表現しているし、メイド達は失敗すれば怯えているし。
だから、新鮮だった。
この何を考えているか分からない彼女が何を考えているかを考える事が。
けれどこの沈黙は破られた。
「貴女、ここにいて楽しい?」
彼女はほんの少しだけ表情を変えていた。
微細な変化。
何故か不満気な表情。
「楽しいわよ」
それは率直な気持ち。
この沈黙を楽しんでいたのは事実だ。
彼女に視線を合わせ見つめてやる。
しかし、この子本当に綺麗な顔をしている。
月明かりにきらめく金髪、吸い込まれるような碧い瞳。
白磁のような白い肌に桜色の唇。
この子見てるだけで楽しめる。
「私ね、悩み事が出来たの」
折角合わせた視線を逸らされた。
地面を見つめる彼女の声は小さい。
「意外ね。悩み等ないわと言い切ってたのに」
春雪異変の時、あれだけハッキリと断言していた。
この短期間で一体どんな悩みが出来たのだろうか。
彼女に一体何があったのか。
私はもともと彼女を良く知るわけではない。
だからその劇的な何かを知ったところできっと驚く事も出来ないだろう。
「どんな悩み?」
好奇心は勿論あった。
むしろ八割方好奇心。
残りの二割は心配だ。
私とは特に親しい間柄ではない。
そもそも彼女に親しい人妖はいるのか。
いれば良いが、いないとしたらこの子は毎晩毎晩一人ベッドの上で、やり場のない気持ちで鬱々と悩んでいるのではないか。
そう思うと心が痛い。
彼女の手を握りそっと碧眼を覗き込む。
握った瞬間体がビクリと揺れていたが振りほどかれはしなかった。
「言えないわ」
ゆっくりと振られる首。
手は繋がれたまま、体温が熱い。
「珍しく飲んだから酔ってるのね。ごめん、気にしないで」
彼女は地面から目を逸らさない。
ずっとずっと地面を見つめている。
気にしないで、と言われて気にしないでいられる者がどこの世界にいるのか。
少なくとも私は気にする。
だって、今まで悩みが全くなかった人に悩み出来るというのは、よっぽどの事なのだ。
零と一の境界。
この境は果てしなく大きい。
「話、聞くわよ?」
もう一度だけ聞く。
親切の押し売りはしたくない。
でもこの少女の悲しい顔や辛い顔は見たくないと思った。
「本当に気にしないで」
つい、口が滑っただけだったのか。
ならばこれ以上聞くことは出来ない。
踏み込む事は出来ない。
デリケートな問題なのだ。
「そう…もし話したくなったら話しなさいね。ちゃんと聞いてあげるから」
そんな事しか言えない自分が歯がゆいが仕方ない。
彼女は顔をあげ、にっこりと微笑んでくれた。
ありがとう、と。
また沈黙が続いていた。
この子は何を考えているのだろう。
今は好奇心は殆ど消え、八割方が心配になっている。
手が、凄く熱い。
先程からずっと繋がれたままの手。
私からも彼女からも離そうとはしなかった。
何となく、離さない方が良い気がしたのだ。
手から気持ちが伝わってくれば良いのだが、生憎そんな人間離れした能力は持っていない。
他の人間離れした能力なら持っているのに。
繋いだ手に視線を落とす。
白くすべすべな綺麗な手。
細い指。
人形師だからなのかしらね。
少し荒れている私の手とは対照的で。
器用さには自身があるが、手に自信はない。
彼女も繋いだ手を見ていた。
私と同じような事を考えているのか。
それとも他の何かを。
また、視線がぶつかった。
「さあっ!くやーーー!」
静寂を切り裂くかのように、叫ばれた声。
呼び主は、お嬢様だ。
この声を間違える事は絶対に有り得ない。
「帰るわよー!!どこー?」
声がした方を見ると羽を大きく広げバサバサと風を起こすお嬢様がいた。
皆ドロワ丸見え。
うん、酔っ払ってる。
今日はおんぶして帰るパターンかな。
魔理沙や紫に煽られたのだろう。
相当飲んでいる筈だ。
「行かなきゃいけないみたいね。」
ぱんぱんとスカートをはたきながら立ち上がる。
名残惜しいが仕方ない。
だって私は従者だから。
そこできゅっと袖を掴まれた。
「待って。悩み…解決するかもしれない方法があるの」
どうやらようやく話してくれるらしい。
瞳に力がある。
お嬢様は…少し位なら待たせてもいいだろう。
まだ風を巻き起こし大声で笑っているし。
「何?」
彼女の不安が少しでもとれるように出来るだけ穏やかな声で、出来るだけ穏やかな顔で言った。
「あのね、…ちょっと目閉じて貰って良い?」
言いにくいのか恥ずかしいのか。
悩みを打ち明けるという行為はなかなか覚悟がいる。
なるほど、それなら大人しく目を閉じてあげよう。
「これで良い?」
言われたとおり目を閉じて彼女が話し出すのを待つ。
瞳を閉じると外の音が良く聞こえる。
遮断された視覚が聴覚を敏感にさせる。
待った。
私はただ待った。
ひたすらに待った。
夜の音を聞き、風を肌で感じ、湿った匂いを嗅ぎ。
長い時間ではないが短い時間でもない。
おそらく数分は経っている。
けれど彼女は何も話さない。
だから、目を開けてしまった。
つい、開けてしまったのだ。
眼前にあるのは何だ?
近づいてくる何か。
ゆっくりとゆっくりと私に近づいてきて、そして触れた。
その何かが触れている間、私はずっと目を開けていた。
形の良い眉にかかるウェーブがかったブロンド。
閉じられた瞼から伸びる長い睫。
雪のように白く滑らかな肌。
人形のように端整な顔。
何故、彼女の顔がここにあるのか。
ゆっくりと離れていった彼女は赤い顔をしてこちらを見た。
瞳は潤み、上目遣い。
「アリ…ス?」
人差し指で唇をなぞってみる。
先ほどまで触れていた感触とは違う。
指より、もっともっと柔らかかった。
きっとあれは…。
「今度、紅魔館に行っても良い?」
「え、あ、ええ。いつでも来て、頂戴」
「じゃあ私は帰るわ。レミリアが待ってるわよ」
「あ…そうね。それじゃ」
「ええ、また」
さよならを言い、彼女は帰っていった。
殆ど条件反射で答えていたけれど、頭がついていかない。
私は彼女にキスされた?
何故?
「お嬢様、お待たせしました」
「レミリア寝ちゃったわよ」
皆が集まっている所に行くとお嬢様は寝息をたてていた。
どうして酔っ払いってどこででも寝れるのかしら。
酔うほど飲まないから分からない。
なぜ紫に膝枕させているのか分からない。
なにゆえ髪を撫でるか分からない。
しかも、笑顔だし。
酔っ払いの思考回路は本当に意味不明だ。
「霊夢、片付け手伝えなくて悪いわね」
「んー、良いわよ。準備やってくれたし」
紫からお嬢様を貰いおんぶする。
全く起きる気配はない。
「それではまた」
皆に向けて挨拶をし、地面を蹴る。
ふわりと体が浮き、風を切って飛び立つ。
この季節、夜に飛ぶとまだ肌寒い。
今は何時頃だろうか。
時間の感覚がない。
けれどまだ空は暗く月が輝いている。
日の出までおそらく3時間程か。
紅魔館へ帰る間ずっと考えていた。
先程のアリスの行動を。
私には良く、分からない。
結局、彼女の悩みを解決する筈が私が悩まされる事になってしまった。
きっと今日は眠れない。
今日も今日とてお花見と称した宴会は開かれていた。
主の命により私は今日もお付き添い。
幻想郷の奴等は皆酒が大好きだ。
花より団子という言葉が良く似合う。
皆、呆れる位によく酒を飲む。
給仕係は大変だ。
現在は手伝いも一段落して縁側に腰掛けている。
汗ばんだ肌に夜風が気持ち良い。
先ほど霊夢に渡された湯飲みには酒が注がれていた。
湯飲みに酒とは如何な物かと思うが、紅魔館では絶対に見られないこの組み合わせも悪くない。
基本的に私は奇抜な物が好きなのだ。
一息ついて半分程飲み干す。
うん、悪くない。
ふと辺りを見渡すと一人の妖怪が目に入った。
宴会の輪から外れたように木の根元に腰掛けている。
やけにつまらなそうな顔をしている彼女が私はとても気になっていた。
「何飲んでるの?」
ちょっとした好奇心で彼女に話しかけた。
月で照らされた金髪が魅惑的に輝いている。
「お酒」
「あら珍しい」
私は知っていた。
彼女は今までの宴会で水しか飲んでいない事に。
どういう訳だか知らないが、彼女はいつもつまらなそうな顔をして水を飲んでいた。
いつも、一人で。
時折魔理沙が輪に入れようと誘っていたがそれでも彼女は動かなかった。
一人が好きなのかしら。
それならどうしてわざわざ宴会に来るのだろうか。
魔法の森に住んでるという話だから魔理沙が家まで迎えに行っているのか。
あの子に玄関先で騒がれたらさぞかしうるさかろう。
それで仕方なく来ているのか。
「何で」
「え?」
「知ってたの?」
解せない、といった表情で彼女が見つめてくる。
「メイドたるもの場の把握は基本ですから」
にっこりと答えてやったが彼女はふーんとつまらなそうに呟いただけだった。
そして舐めるように酒を口に運んでいた。
木々の音に耳を澄ませ、宴の喧騒が肌に届き、湿った風が頬を撫でる。
悠然と今の刻に身を任せる。
あれからずっと沈黙が続いていた。
沈黙は嫌いじゃない。
無理に話すのは好きじゃないし会話がなくても楽しめる。
何より私は相手の表情や雰囲気で感情を読み取るのが好きだった。
言わなくても伝わる事はある。
しかし彼女はずっと俯いたきり表情を全く変えない。
時折思い出したかのように酒を舐める。
紅魔館の方々は皆分かり易い。
お嬢様は感情むき出し思ったことはすぐ顔に表れる。
パチュリー様は基本無表情だが何かあれば言ってくれる。
美鈴はもう、全身で感情を表現しているし、メイド達は失敗すれば怯えているし。
だから、新鮮だった。
この何を考えているか分からない彼女が何を考えているかを考える事が。
けれどこの沈黙は破られた。
「貴女、ここにいて楽しい?」
彼女はほんの少しだけ表情を変えていた。
微細な変化。
何故か不満気な表情。
「楽しいわよ」
それは率直な気持ち。
この沈黙を楽しんでいたのは事実だ。
彼女に視線を合わせ見つめてやる。
しかし、この子本当に綺麗な顔をしている。
月明かりにきらめく金髪、吸い込まれるような碧い瞳。
白磁のような白い肌に桜色の唇。
この子見てるだけで楽しめる。
「私ね、悩み事が出来たの」
折角合わせた視線を逸らされた。
地面を見つめる彼女の声は小さい。
「意外ね。悩み等ないわと言い切ってたのに」
春雪異変の時、あれだけハッキリと断言していた。
この短期間で一体どんな悩みが出来たのだろうか。
彼女に一体何があったのか。
私はもともと彼女を良く知るわけではない。
だからその劇的な何かを知ったところできっと驚く事も出来ないだろう。
「どんな悩み?」
好奇心は勿論あった。
むしろ八割方好奇心。
残りの二割は心配だ。
私とは特に親しい間柄ではない。
そもそも彼女に親しい人妖はいるのか。
いれば良いが、いないとしたらこの子は毎晩毎晩一人ベッドの上で、やり場のない気持ちで鬱々と悩んでいるのではないか。
そう思うと心が痛い。
彼女の手を握りそっと碧眼を覗き込む。
握った瞬間体がビクリと揺れていたが振りほどかれはしなかった。
「言えないわ」
ゆっくりと振られる首。
手は繋がれたまま、体温が熱い。
「珍しく飲んだから酔ってるのね。ごめん、気にしないで」
彼女は地面から目を逸らさない。
ずっとずっと地面を見つめている。
気にしないで、と言われて気にしないでいられる者がどこの世界にいるのか。
少なくとも私は気にする。
だって、今まで悩みが全くなかった人に悩み出来るというのは、よっぽどの事なのだ。
零と一の境界。
この境は果てしなく大きい。
「話、聞くわよ?」
もう一度だけ聞く。
親切の押し売りはしたくない。
でもこの少女の悲しい顔や辛い顔は見たくないと思った。
「本当に気にしないで」
つい、口が滑っただけだったのか。
ならばこれ以上聞くことは出来ない。
踏み込む事は出来ない。
デリケートな問題なのだ。
「そう…もし話したくなったら話しなさいね。ちゃんと聞いてあげるから」
そんな事しか言えない自分が歯がゆいが仕方ない。
彼女は顔をあげ、にっこりと微笑んでくれた。
ありがとう、と。
また沈黙が続いていた。
この子は何を考えているのだろう。
今は好奇心は殆ど消え、八割方が心配になっている。
手が、凄く熱い。
先程からずっと繋がれたままの手。
私からも彼女からも離そうとはしなかった。
何となく、離さない方が良い気がしたのだ。
手から気持ちが伝わってくれば良いのだが、生憎そんな人間離れした能力は持っていない。
他の人間離れした能力なら持っているのに。
繋いだ手に視線を落とす。
白くすべすべな綺麗な手。
細い指。
人形師だからなのかしらね。
少し荒れている私の手とは対照的で。
器用さには自身があるが、手に自信はない。
彼女も繋いだ手を見ていた。
私と同じような事を考えているのか。
それとも他の何かを。
また、視線がぶつかった。
「さあっ!くやーーー!」
静寂を切り裂くかのように、叫ばれた声。
呼び主は、お嬢様だ。
この声を間違える事は絶対に有り得ない。
「帰るわよー!!どこー?」
声がした方を見ると羽を大きく広げバサバサと風を起こすお嬢様がいた。
皆ドロワ丸見え。
うん、酔っ払ってる。
今日はおんぶして帰るパターンかな。
魔理沙や紫に煽られたのだろう。
相当飲んでいる筈だ。
「行かなきゃいけないみたいね。」
ぱんぱんとスカートをはたきながら立ち上がる。
名残惜しいが仕方ない。
だって私は従者だから。
そこできゅっと袖を掴まれた。
「待って。悩み…解決するかもしれない方法があるの」
どうやらようやく話してくれるらしい。
瞳に力がある。
お嬢様は…少し位なら待たせてもいいだろう。
まだ風を巻き起こし大声で笑っているし。
「何?」
彼女の不安が少しでもとれるように出来るだけ穏やかな声で、出来るだけ穏やかな顔で言った。
「あのね、…ちょっと目閉じて貰って良い?」
言いにくいのか恥ずかしいのか。
悩みを打ち明けるという行為はなかなか覚悟がいる。
なるほど、それなら大人しく目を閉じてあげよう。
「これで良い?」
言われたとおり目を閉じて彼女が話し出すのを待つ。
瞳を閉じると外の音が良く聞こえる。
遮断された視覚が聴覚を敏感にさせる。
待った。
私はただ待った。
ひたすらに待った。
夜の音を聞き、風を肌で感じ、湿った匂いを嗅ぎ。
長い時間ではないが短い時間でもない。
おそらく数分は経っている。
けれど彼女は何も話さない。
だから、目を開けてしまった。
つい、開けてしまったのだ。
眼前にあるのは何だ?
近づいてくる何か。
ゆっくりとゆっくりと私に近づいてきて、そして触れた。
その何かが触れている間、私はずっと目を開けていた。
形の良い眉にかかるウェーブがかったブロンド。
閉じられた瞼から伸びる長い睫。
雪のように白く滑らかな肌。
人形のように端整な顔。
何故、彼女の顔がここにあるのか。
ゆっくりと離れていった彼女は赤い顔をしてこちらを見た。
瞳は潤み、上目遣い。
「アリ…ス?」
人差し指で唇をなぞってみる。
先ほどまで触れていた感触とは違う。
指より、もっともっと柔らかかった。
きっとあれは…。
「今度、紅魔館に行っても良い?」
「え、あ、ええ。いつでも来て、頂戴」
「じゃあ私は帰るわ。レミリアが待ってるわよ」
「あ…そうね。それじゃ」
「ええ、また」
さよならを言い、彼女は帰っていった。
殆ど条件反射で答えていたけれど、頭がついていかない。
私は彼女にキスされた?
何故?
「お嬢様、お待たせしました」
「レミリア寝ちゃったわよ」
皆が集まっている所に行くとお嬢様は寝息をたてていた。
どうして酔っ払いってどこででも寝れるのかしら。
酔うほど飲まないから分からない。
なぜ紫に膝枕させているのか分からない。
なにゆえ髪を撫でるか分からない。
しかも、笑顔だし。
酔っ払いの思考回路は本当に意味不明だ。
「霊夢、片付け手伝えなくて悪いわね」
「んー、良いわよ。準備やってくれたし」
紫からお嬢様を貰いおんぶする。
全く起きる気配はない。
「それではまた」
皆に向けて挨拶をし、地面を蹴る。
ふわりと体が浮き、風を切って飛び立つ。
この季節、夜に飛ぶとまだ肌寒い。
今は何時頃だろうか。
時間の感覚がない。
けれどまだ空は暗く月が輝いている。
日の出までおそらく3時間程か。
紅魔館へ帰る間ずっと考えていた。
先程のアリスの行動を。
私には良く、分からない。
結局、彼女の悩みを解決する筈が私が悩まされる事になってしまった。
きっと今日は眠れない。
そんなイメージとぴったり符合する綺麗で甘い作品でした。
ああもう可愛いなぁ!
良いアリ咲をありがとうございます!
もっと広がれ咲アリ!
やっぱり素敵だなあ、もう!!
片思いの期間も素敵なものです。
まだなんにも分かってない咲夜さんがいいね!
続きを期待しますぜ。
いやっほう!!
アリスの感情を出さないように書いたつもりなので伝わったようで嬉しいです。
>>2様
こちらこそありがとうございます!この二人いるだけで可愛いです。
>>3様
レミリアは可愛いものです。性的な意味で紫に甘えるレミリアも有りだと思います。
>>4様
咲アリは本当に良いですよね。咲アリ広がれー!
>>5様
アリ咲は生きる糧です。アリ咲は最高だー!
>>6様
アリスが咲夜さんに片思いって萌えます。紅魔館通いつめたり人里で張ってたりとか。
私はそんなアリ咲が…読みたい!
>>7様
咲夜さんは恋愛経験少なそうだから恋がどういうものかさえ分かっていないと思うんです。
多分…続かないと思います。
コメント有難う御座いました。
私は百合はリバ推奨なので咲アリともアリ咲とも言って下さる方がいて嬉しいです。
私は咲夜さんとチュッチュ出来る権利が貰えてもそれをアリスに譲る位咲アリが好きです。
お褒めの言葉ありがとうございます。
今後も咲アリを推奨していきます。
また新しい波がきたな
咲アリの波が来て欲しいですね!!