楽園の素敵な巫女との名を受けた博麗神社の巫女『博麗霊夢』
その能力は空を飛ぶ程度の能力である
幻想郷の中では珍しくともなんとも無い能力
むしろ、弾幕決闘をするのなら飛ぶのが当たり前であり
もっと恐ろしい能力を持つ者の方が圧倒的に多い
それでも彼女が負ける事は無いのは『博麗の巫女』であるからと思う者が多い
だが、その中で本当の『空を飛ぶ霊夢』の姿を見かけた者は少ない
そして、その少ない者達が集まり静かに話をしてくれた
・神社に住む悪霊の話
なになに?霊夢の飛翔の話をしてくれ?
へぇ……珍しい話を聞く奴も居たもんだね
まあ良いだろう、最近は出番が無くって暇で暇で仕方がないからね
なんて言うかねぇ……綺麗なんだよ
あの馬鹿巫女が極々稀に見せる飛ぶ直前の瞬間が…
その一瞬に思わず考えるのを止めて魅入ってしまうんだよ
妖怪や幽霊なんかが持つのとはまた違う意味であれは周りの者の心を奪う
ああ、情けないが私も魅入っちまってね
近くで見る事が出来ないかって、この神社の神になっちまった
はははっ……悪霊が聞いて呆れる話だよ全く
・向日葵の大妖怪の話
へぇ…霊夢の飛翔についての話を聞くためにわざわざ此処に?
ふふっ、命知らずね…下手したら殺されるかもしれないのに
まあ良いわ、今日は機嫌が良いから少し話をしてあげる
そうね…私が見た霊夢の飛翔について言えるのは……儚さかしら?
それこそ手折れば一瞬で消えてしまいそうな程の儚い花…
今までさまざまな妖怪達や人間、そして花を見てきたけれど
あれ程心を揺さぶられた事は無かったわ
ええ、悔しいけれど魅了されたわ
そのおかげで暇じゃなくなったしね
おかげで、閻魔に長生きしすぎって怒られる目にあったわよ
・白と黒の魔法使いの話
なになに?霊夢が飛ぶ話を聞かせろって?
よし、霊夢が飛ぶ話なら任せろ!
なんてったって私が一番霊夢を見てきているんだからな
霊夢の飛翔なんだけどな、私が一番だと思っているのは
飛んだ後から行動に移るほんの一瞬の間だな…
なんていうか、凄く無防備なんだけど
その動きを邪魔したらいけないって思ってしまうんだよな
……正直に言えば、霊夢が飛ぶ姿に心を奪われたぜ
…あ~誰にも言うんじゃないぜ?
今でも霊夢を超える事は目標なんだからな
・七色の人形遣いの話
えっ?霊夢が飛ぶ話をしてくれって?
…そう、霊夢の本当の飛翔について聞きたいのね
いいわ、私が見た霊夢の飛翔について教えてあげる
霊夢が飛んだ時の姿はね眩しいのよ
なんていうのかな…凄く輝いて見えるのよ
それこそ、周りの人が羨ましいって思える程に
…それで魅了されてやられちゃった訳だけどね
私もそんな霊夢が飛ぶ姿に魅了されたわ
まあ、スペルカードが平定されてからは見る事が無くなったけどね
…もしかしたら、私が一番最後に霊夢の本当の飛翔を見る事が出来た人物かもね
・・・
四人が話を終えて帰った後
その隣の部屋で御茶を飲んでいた巫女が静かに立ち上がる
そして、ため息を付きながら微笑む
馬鹿四人がわざわざ自分に伝えるように話しをして行った事に
空には綺麗な月が出ている
たまには無心で飛翔する事も悪くない
そう思うと赤い巫女は神社の鳥居の上に飛んだ
そして鳥居の上から下に声をかける
「皆居るんでしょう?」
その言葉に何処からとも無く先程帰ったはずの四人が姿を現す
「おっとっと?ばれちまったかい」
「あら?私は偶然此処に居ただけよ」
「霊夢が寂しがって泣いて居ないかとおもってな」
「魔理沙が強引に連れてきただけよ」
四人の言葉に赤い服の巫女がため息を付いてから
「まあいいわ、久しぶり飛んでみようと思うから」
鳥居の上から思いっきり飛んだ
飛ぶ一瞬……そこには一切の迷いは無い
(それには悪霊が惚れ込み)
空中で浮かぶその姿はとても儚く
(その姿に大妖怪が生きる決意をして)
空中で弧を描き一瞬の浮遊
(その一瞬に魔女が魅了される)
そしてゆっくりと霊夢が地面に近づいて行く
(人形遣いがほんの少しだけ昔に戻った錯覚に陥る)
その一瞬こそが完全に霊夢の世界であった
そして、それこそが霊夢が無心で飛ぶ姿であり
周りの人、妖怪を問わず魅了しつくす
故にその技…
『昇天脚失敗バージョン!ムーンサルトプレスだ!』
「いや~もう霊夢が失敗する事が無くなったからつまらなくって」
「ホントホント!次見れるのは何時になるかしら?」
「でも本当に空中に浮かぶあの一瞬は綺麗なんだよな~」
「私はあれで押しつぶされて負けちゃったんだけどね」
四人は顔を下にして落ちてくる霊夢を下でキャッチして喜んだ
『霊夢!もう一回!』
「もう二度とやらないわよ!」
だがここは俺がっ!
「「テリーマン!!」」
どっかのSSよりw
>…もしかしらた
アリスが噛んでます。
ったく、俺にもいいかっこさせろよな!!
だがとどかない!!(キャプ翼風に)
但し23、てめーはだめだ