Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

小悪魔大いに語るも八卦語らぬも八卦

2010/01/18 19:41:58
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「そこで私は言ってやったんです。てけり、てけりり、てけりりりーって」
「あなたいつからショゴスになったのよ」
「いや、主人の方です」
「……なおのことありえないわね」
「もしくはシャッガースです」
「読み方変えただけじゃない」
「キャシャーンみたいでカッコよくないですか?」
「どちらかというとガラクトースみたいよ」
「怪獣ですか?」
「似たようなものね」
「似てないですよ。甘いやつでしょう。小悪魔を騙そうったってそうはいきませんからね」
「騙すつもりはなかったわ。めんどくさかっただけで」
「より酷いです」
「じゃまくさいとも言うわね」
「御邪魔でしたか」
「もしくはうざったい」
「そんな。私は空気の読める小悪魔ですよ」
「まあ、どうでもいいけれど」
「ばっさり斬らないでください」
「じゃあ、改めて」
「はい?」
「チェンジ」

 私はある日お部屋でゴロゴロしながら卵サンドをかじっていました。卵サンドおいしいです。
 あまりに暇なので「こちら葛飾区亀有公園前派出○」の単行本を枕元に積み上げて、怠惰な日常を送っていたのです。
 ドラマ? 何それ。
 するとなんということでしょう。ここ数十年(実際は十年くらい)鳴ったことのない「悪魔呼び出しコール」、別名イビルホンが鳴り出したじゃありませんか。
 やれやれまた鼻の長いおっさんからの呼び出しかと渋々電話に出たら、なんと相手は儚げな声の女性ではありませんか。
 これは嬉しいダイゴスターダストもとい大誤算とばかりに喜び勇んでおめかしを済ませて現れてみればですよ。
 なんとそこにいたのは目付きの悪い紫色の少女ではありませんか。
 おまけに、口を開いたかと思えば「チェンジ」ときたもんです。
 そりゃあんまりです。私はこれでも悪魔の端くれ。精一杯の威厳をもって言い返してやりました。
「あの、何かお気に召しませんでしたか?」
 ってね。
 私カッコイイ!
 そしたら目の前の紫っぽいのが言うわけです。
「私が呼んだのはあんたみたいなちゃちい神性じゃない」
 もうね、カチンときましたよ。この私をつかまえてちゃちだなんて。
 仕方ないから正体を明かしてきちんと契約してもらうことにしました。
「私はかの有名な這い寄る混沌と敵対している炎の神に名前がなんとなく似ているだらけきった神様の親戚です」
「で?」
 もう取り付く島もありません。
 ていうかぜったい信じてません。
 ああもう。
 でも、イビルホンで呼ばれたからにはたとえ合体事故だろうと召喚されないわけにはいかないんです。
 呼び出したからにはそれ相応の責任があると思いませんかって言ったら、「知らない。とにかくチェンジね。身元も分からない悪魔を使役するつもりは無いから」と、召還陣を書き始める始末です。
 それだめ。召還だめ。無茶なことしちゃダメ。
 そこで必死に自分の略歴を話してみたわけなんですが。
 なんでショゴスのマネなんかしちゃったんだろ。
 どうせならヨグ=ソトースあたりにしとくんだった。
 シュブ=ニグラスちゃんの方が分かりやすかったかなー。
 ここは意表をついてアブホースちゃんにすべきか……。
 うーん。

「そもそも、あなたは誰を呼び出したかったんですか」
「誰と言うことも無いわ。ただ、偉大なる神性を呼び出してみたかっただけ」
「あー。迷惑な話ですね」
「別にいいじゃない。そもそも私は古来から語り継がれている類の紙を呼び出したかったのよ。例えばオーディンとか、スサノオとか」
「キュベレとかシュウとかムチャリンダとか?」
「そう。トラウテクトリとかイルルヤンカシュとかショクインとかユルングとか」
「どんどん見た目が細長くなってますけど。触手プレ(ry」
「黙れ」
「あー。でも最近は殆どペルソナじゃなくなっちゃってますねぇ」
「え?」
「え?」
「ペルソナ?」
「じゃないんですか? イビルホンで呼び出されたから私はてっきりそうだとばかり」
「ああ、この機械ね。イビルホンっていうの?」
「ええ、マインドマンサーの鼻の長いおっさんが持ってたハズなんですけど」
「つい最近流れ着いたみたいなの。古道具屋曰く『悪魔を召喚する道具』らしいから試してみたのだけれど」
「……ああ。それで」
「……どうしたの?」
「いえ、なんでもないんです。そっか。逝っちゃったか」
「で、帰ってもらえるのかしら」
「そうですね。帰ってもいいんですけど、その電話で呼び出された場合はその電話でしか帰れないんですよ」
「……うそ」
「本当です。召喚式が一般的なものと違っていたでしょう?」
「言われてみればそうだったわね。ふむ。外の世界の召喚術はやっぱり違うのね」
「で、使い方はわかってるんですよね」
「え?」
「え?」

「ねー、使い方分かりましたー?」
「うるさい」
「早くおうちに帰して下さいよう」
「最初は契約しろってうるさかったくせに」
「それは呼び出されたからです。そもそも返せないものを呼び出しちゃだめじゃないですか。コールオブクトゥルーですか。クトゥルーの呼び出しですか」
「呼び声でしょ」
「わざとです。で、いつになったらそれの使い方がわかるんです?」
「もうしばらくかかるわね。手順が複雑だし、一般的な召喚方法とは違う式が組まれているから。というか、これは異界から呼び出すって言うよりは何かから引き出す感じになるのかしら……?」
「ペルソナですからねー。教えてあげましょうか?」
「結構よ。こういうのは自分で解読しなきゃ意味が無いもの」
「そうですか。カールくんの本はおもしろいなーっと」
「また本を勝手に引っ張り出してきて……」
「いいじゃないですか読書くらい。おうちに帰れないから暇なんですよ」
「まだ読んでいない本を先に読まれるのは屈辱だわ」
「じゃあどんどん読んであげましょう。ほーれほれ」
「ああ、そんなパラパラめくらないで。もったいない。もっとじっくり時間をかけて読みなさい」
「今時そんなの流行りませんって。時代は速読ですよ。多読濫読どんとこい」
「なんて冒涜的なのかしら」
「そりゃ悪魔ですもん」
「はあ。宙ぶらりんもあれだから簡易的に契約だけは済ませてしまいましょうか」
「あれ、いいんですか?」
「使いかたも分からない道具で呼び出した私にも責任はあるのだし、しかたないでしょう」
「そうですかそうですか。じゃあちゃちゃっと済ませちゃいましょう」
「私は何をすればいいの?」
「なにもしなくていいですよ。ただ受け入れて下さい」
「……仕方ないわね」
「では。我は汝、汝は我。我は汝の心の海より出し者。無貌の仮面、ニャルラトホテプなり」
「……え?」
「ああ、もちろん本物じゃないです。そんな感じのものって思ってて下さい」
「ああ、そう」
「それでは、以後よしなに……」
なんとなく。
訃報に触れてなんとなく。
とか思ったらミスターサタン……
hziulquoigmnzhah
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
そもそも私は古来から語り継がれている類の紙を呼び出したかったのよ
                    ↓
そもそも私は古来から語り継がれている類の神を呼び出したかったのよ

さようならイゴール
2.書いた人削除
誤字指摘ありがとうございます。
何故か編集パスが通らないので訂正できませんが……。

さようならイゴール
実は2のドラマCDでは青野さんだったことは内緒だ
3.名前が無い程度の能力削除
作者名とタグに反応して読んでみたらやっぱりw
記憶違いでなければ貴方が小悪魔を呼び出したりしているのですか。羨ましいです。
>意表をついてアブホースちゃんにすべきか
あれをどうやってまねするんですか。
4.ずわいがに削除
小悪魔って手違いでパッチェさんに呼び出された、って話多いですよねww
いやぁ、やっぱ二人の関係ってこんな感じかもですね。