「そ…こ…っ、だめですっ…紫様…ぅ」
「あらあら…はしたないわよ?私の「一番式」としてしゃんと…しなくては…ね…っ」
「――――っ!!」
夕暮れ時、昼間も夜も人気のないこの神社に嬌声が響きわたる。
空には二人だけを照らしているかのように、満月が冷たく輝いている。
「は…あっ…だめっ…休ませてくださいい…」
「ふふ…あら?ここも…こんなになってるじゃない…っ?」
「ひゃぁぁっ!!!」
「はーいそこっ、何してる」
ぱんぱん、と鳴らされた手の音がその甘美な空間を突き抜けた。――神社の巫女、霊夢である。
「こんばんわ、霊夢」
「来ないなと思ったら何やってんだか」
「まあ、修行ってところかしら?」
「あっそ」
眼前で文字通り「人」を喰ったような挑発的笑みを浮かべる紫に不快感を示しながら、
霊夢は小さくため息をつく。
「…で、そこの式神の狐さんは放っといていいの?」
「ん、忘れていたわ。…ほら、ほらっ、藍。ちゃんと挨拶なさい」
「…え…?あ、えっと…いただきます、霊夢」
「喰うなよ」
直前まで意識朦朧としていた藍は目の前の人間を見て、つい言ってしまったらしい。
主の紫は先ほどまでの挑発的な笑みから一変、おかしくてたまらないといった具合に口元を押さえている。
「改めましてこんにちは、霊夢」
「また紫にしょうもない悪戯でもされてたんでしょ?あんたも大変ね。」
「滅相もないです、紫様は私を気遣って下さったんですよ」
「ふ…洗脳もここまで来ると」
「むうっ」
主を悪く言われた藍は膨れっ面で霊夢を睨んだ。霊夢はさすがにまずいと思ったのか、
彼女としては珍しく折れ、話題を変えることにした。
「で、あんたは狐さんに何をやってたわけ?」
「ああ、藍に淑女の嗜みを教えていたのよ」
「身悶えするのが嗜み?」
「いやいや、こうやって…」
「ひあっ!!」
紫は藍の美しいそこに優しく手を回した―――
「語弊ね。要するに尻尾の毛繕いじゃない」
「立派な淑女の嗜みよ?藍は感じやs…くすぐったがりだからいけないわ」
「聞こえたわよ」
八雲 紫は胡散臭い、とよく言われるが、霊夢はその発言にちょいちょい本音が混じることをよく知っている。
再び身悶えし始めた藍にちょっぴり同情しながら、自分の中に感じたことのない衝動が芽生えるのを感じた。
「綺麗にしてあるわね。ち ょ っ と 触 っ て み た い わ」
「 ど う ぞ ? 」
快諾。ただし主人のほうの。瞬間、藍の全身がびくり、とした。霊夢は藍のほうを見やる。
藍は声にならない声であうあうあう、と叫びながら全身をふるふるさせて「いや、いや」とアピールしている。
獣と見紛うほどの目つきで迫ってくる霊夢を見て、藍は紫に目線で助けを求めるも…
一瞬にしてすべてを諦めた。
逃 げ る な 。
大妖怪「九尾の妖狐」である藍ですら恐れ平伏す紫のその目が、それを許さなかった――――
…
夕暮れ時にやってきた紫と藍。気が付けばとっくに日が落ちてしまっていた。
藍は霊夢に紫にとさんざん弄り廻されてへとへとになっている。
いまだに霊夢が尻尾の一本を抱き枕のようにして寝入ってしまっているが、もはや気にする気力もない。
「ぇう…酷い目に遭いましたぁー…さめざめ」
「ふぅ、あなたを見ていると本当に大妖怪かと思ってしまうわ。もっと精進なさい」
だって、と言いかけて、藍は押し黙ってしまった。
この主人には何を言っても勝てっこないと分かっていたからだ。
「藍。よく聞きなさい。あなたのその九本の尾、何のためにあるのか分かってる?」
「ええっ…?どうしたんですか、急にまじめになって」
「9人よ」
「はい?」
「9人同時プレイ可能」
「!?」
「私、霊夢、橙に魔理沙…は、いないから…うふふ…あと7人は呼べるわ?誰を呼ぼうかしらね」
「…勘弁してくださいよぅぅ!!!」
…がんばれ、藍。君は愛されている。
やはり藍さまにはかないません。
あと5人です。
後4人です。
あと4人ね
あと一人!
ギリギリセーフ!!
じゃあ、私は満月の時の慧音先生に!(アッーにはナリマセンヨ?
ならば私はお空の羽を撫で摺りしながら毛づくろいしてきます(
じゃあ、幻月の翼・右でいいや
仕方ないからフランちゃんの髪をもふもふしてくる
ならば俺は小傘と相合い傘でいちゃいちゃするぜ
>>27 無茶しやがって・・・
では私は妖忌おじいちゃんのヒゲをモフモフしてきますね。
私は藍様の尻尾に出遅れて涙目の橙をなでなでするのだ!
じゃあヴワル魔法図書館の毛玉でモフモフしてますね