Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

博麗の巫女に休み無し

2010/01/07 13:58:28
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「ぼんそわぁ~る?」




私こと、博麗 霊夢は困っていた。

困窮していたといっても過言ではない。

かの有名な宝船強襲事件から早3ヶ月。

実際は宝船では無かったのだがそれはまた別の話。詳しいことは本体を買ってルナティックをクリアして下ち。

さて、私が困っている内容についてだが、どうせいつものお賽銭がらみとお思いだろう。

……正解だ。正解なのだ。カッコよく言うと

「いぇすざっつらいと!(サッ!」

何をやっているのだ私は。

やったーかっこいい! とでも言ってもらえると思ったのか、いやそういう事じゃないだろう。

今解決すべき問題は賽銭だ。

この……賽銭箱から溢れんばかりに"満ち満ちている"お金を私はどうすればいいのだろう。

入っているお金の内容は様々だ。1円から500円、さらには1000円やなんと百万円の札束までも入っている。

なぜこのような事になっているのかというと、やっぱりあの隙間妖怪の仕業である。

困ったときのゆかりん(17歳 独身)が冬眠中にねぼけて「お年玉」を置いていったのだ。

その総額、なんと1億ペガス!

「え、あれ? ペガスじゃ饅頭一個も買えないんだけど」

「霊夢、現実を見なさい」

「なんでいるのよレミリア。今は真昼間よ?」

突如空中からクレイドルしながら現れたのは吸血鬼のお嬢様。

カリスマは無くても従者からは慕われる少女であり続けたい、を今年の目標にしているらしい。背中にそう書いてある。

さてこのお嬢様、おもむろに賽銭箱に手を突っ込むと百万円の札束を霊夢に投げつけた。

顔にべちっと当たる感触はまるでコンニャクのようで、それを引っぺがすとご丁寧に「百万ペガス」と書いてあった。

「あらこの百万ペガス美味しいわ」

顔から引っぺがしたピチピチと跳ねる百万ペガスを、もぐもぐと容赦なく食べる貧乏巫女さんの姿がそこにはあった。

よくみると賽銭箱は水槽に変わっており、所狭しとペガスたちが泳ぎ、跳ね飛んでいる。

1億ペガスは賽銭箱が狭いのか、羽を生やし空へと飛び立っていった。これがジョ○レス進化ってやつか。

「ところでレミリアもぐもぐ」

「なにかしら霊夢。私の羽食べないで」

「これって夢よねもぐもぐ」

「現実を見なさい霊夢。私のおしりは餅じゃないわ」

「饅頭が食べたい」

「残念だけどロリ巨乳はまだ幻想入りしてないのよ。ついでにこれは夢よ」

「じゃぁ起きないといけないわね」

「そうね。ではまた後で会いましょう?」

「あ、ここも美味しそう」

「私の唇は数の子じゃないわ」

「食べてみれば分かることよね。いただきます」

「ご飯の前は、おはよう、よ」

「じゃぁおはよう」








チュンチュン

戸の隙間から太陽の光が漏れ、私の顔を照らす。

狙ったかのようにその光りはまだ闇を求める私の目を焼く。

戸の反対側に寝返りを打ち、害悪である光りを遮ろうとわずかに抵抗をする。

もう少し夢の続きを……


――おはよう御座います。綺麗な初日の出ですよ。

――明けましておめでとうございます。

――紫様



<博麗の巫女に休み無し>


「マドモアゼル。そんな浮かない顔をして 何事かお悩みかな?
先ほどから君がその境内の周りを廻った回数は11回
歩数にしておおよそ704歩 距離にして実に337メートル
愚かな提案があるのだが どうだろう?
私で良ければ 君の話し相手になりたい」

「うっさい」


ここは1月1日の博麗神社。太陽がまだ東から登り始めたところである。

所謂初日の出という記念物だ。

博麗神社の貧乏巫女こと博麗 霊夢は、去年の年末に新調したいつもとなんら代わりの無い巫女服に身を包んでいる。

なんら代わりの無いといってもそれは見た目だけで、実際は彼女の身長とかバストサイズとかヒップサイズとか、胸とか尻とか、夢とか桃とか色々な成長に合わせて作られている。

とくにバストサイズは目を見張る成長をしているらしいが、悲しいかなサラシによってその成長を直接見ることは出来ない。

そんな彼女がまだ寒い冬の中、さきほどから境内をうろうろとしている。

腋を出しながらうろうろとしている。


「腋って書くとなんかジメジメしてるイメージになるわね」

「うっさい。毎年毎年人の炬燵にもぐりこんでるアンタに言われたくは無いわ」


そう、霊夢はただうろうろしていたのではない。スコップをもって雪かきをしているのだ。

大晦日から今朝にかけて降った雪が、幻想郷を銀色に染め上げていた。

太陽が雪にキラキラと反射し、上空から眺めた景色はため息がでるほどに綺麗であった。

が、いくら綺麗でもこのままでは、人々は初詣すら来れないだろう。

しかたなく霊夢は年明け早々、腋をだしながら雪かきをするはめになったという訳である。

もちろん紫によるコート着用の提案は即却下された。腋巫女のポリシーここに極まれり。

ちなみに先ほどから霊夢と会話しているのは、妖怪の大賢者である八雲 紫である。

足を炬燵に入れ、上半身は隙間から出して霊夢の頭上に浮かんで(?)いる。


「こんなに雪が積もっているのに、参拝者来るのかしら?」

「毎年里の人が新年の挨拶に来ているの、アンタだって知ってるでしょうが」

「どうしてこんな妖怪が入り浸ってる所に来るのかしらね~」


霊夢はスコップを雪に刺してため息を一つ。


「私これでもちゃーんと"働いている"のだけど」

「お茶を飲むのがお仕事なのよね」

「雪球の中に弾幕つめて投げるのは反則だっけ?」

「そんな陰陽球サイズの雪球は当たったら痛いわ」

「陰陽球は炬燵で丸くなって寝ているわ」

「そういえば初夢で霊夢になってる夢を見たのよ~」

「それは偶然ね。私も私になってる夢を見たわ」

「今年はいい年になりそうだわ」

「年始早々肉体労働してる私はいつもと変わらない年になりそうね」

「う~ん足ぬくぬく~♪」


相変わらず胡散臭いというより適当臭い会話だ。

霊夢はおもむろに背後に居るであろう紫に、スコップすくった雪をそのまま飛ばした。


ばふっ


「きゃっ!」

「何女の子みたいな声だしてるのよ紫」

「私じゃないわ。あと私の体は穢れ無き女の子ですわ」

霊夢は「見てみる?」と言っている妖怪の大賢者を放置プレイして、誤って雪まみれにしてしまったおそらく少女を確認した。

そこにはピコピコと虎耳を動かしているホワイトタイガーが居た。


「あんた確か……寅丸 星だっけ?」

「あ、はい。お久しぶりです」


上記を修正しよう。

そこには雪を頭から被った、毘沙門天の代理である寅丸 星がいた。

そしてなぜか虎耳が頭にちょこんと付いていた。頭から被った雪が冷たいのか、ピコピコと動いている。かわいい。


「どうしたのよ、その耳」

「これは聖とナズーリンが……」

「分かった。みなまで言わなくてもいいわ」


大方、寅年だからという理由で虎耳をつけたのだろう。こんな感じで。


「ご主人。来年は寅年だよ」

「えぇそうですねナズーリン。私もより一段と身が引き締まります」

「そんなことよりもご主人。寅年だから是非これを付けてくれ」

「なんですかこれ。ねこ……いや虎耳?」

「いいから早く早くハリーハーリー!」

「ナズーリン、ちょっとキャラがちがってうわなにをするやめr(ry」


・・・・・・・・・


「あとは聖が魔法で動くようにしたってところね」

「悲しいかな大正解です」


星ががくっと頭を垂れると雪も一緒に地面に落ちた。

心なしか虎耳もシュンと垂れ下がっている。


「あぁん霊夢ぅ。これ以上放置されちゃうと見えちゃいけないピンクのさくらんぼが、見・え・ちゃ・う・わ♪」

「で、なんで家に来たわけ? 魔法は呪いと違うから解除は専門外……よっ!」

「きゃっ雪が胸の谷間につめたぁぁい!」


霊夢の誘導弾幕を包み込んだ雪の塊を紫のメロンの隙間にシュート! 超エキサイティング!!

※良い子はマネをしてはいけません。悪い大人は用法容量を守って正しくお使い下さい。


「しばらくの間、私を飼ってもらえませんか?」

「は? 家には他に猫を飼う余裕なんてないのだけれど」


霊夢は紫にちらりと横目に見て言った。


「あああ間違えました。しばらくの間匿ってもらえませんか?」

「対して違わないじゃない。理由によっては一日くらいならいいけど。あと後ろでモジモジ鬱陶しいわ!」

「ひゃぁん背中だなんてそんな高度なテクニックをどこで身につけたの、やぁおしりまで下がって来てる~っ!」


霊夢の誘導弾幕を包み込んだ雪の(ry

紫はついに隙間を閉じ、炬燵に全身を入れ冷たさから逃げ出した。

炬燵の中で暖かい陰陽球を抱きしめ、猫のように丸まっているだろう。

「なに? 紫のことなら気にしなくてもいいわ。この時期はいつもあんな感じだから。で?」

「そ、そうですか。えーっと、実はこの虎耳で「がおーっ!」とポーズをさせられているところを鴉天狗に撮られまして」

「時々自分の勘の鋭さが嫌になるわ……」


額に手をあて首を振る霊夢を見て、星も少しなみだ目になってきた。

良く見るとどうやら尻尾まで生えているらしい。

今は気持ちが沈んでいるからか、まっすぐ垂れ下がっているのでスカートの端から先っぽだけが見えている。


「お察しの通りそれが新聞に載りまして、昨夜の0時から参拝者の洪水が……ついに対応できなくなって隙を見て逃げ出してきたのです」

「あんたが逃げ出すなんて珍しいけど、そんなに酷かったの?」

「コ○ックマーケット一日目と考えてもらえればいいかと」


そういえば紫の手伝い(呼び込み)に外界に連れていかれたっけ。と霊夢は納得した。

冬眠しているはずの紫にいきなり隙間に落とされた数名の事件はおいて置いて……

それにしてもいくら星が美人で虎耳で今年が寅年だからって、そんな異変じみた事が起こりえるのだろうか。

霊夢は疑問を口にしようとしたが、ふと何かを思いつきそれを実行してみることにした。


「いいわ、ほとぼりが冷めるまで家に泊めてあげる」

「本当ですか!? ありがとうございます!」


星は本当に嬉しいのか、目をキラキラと輝かせ神々しさをも感じる満面の笑顔でお礼を述べた。ピコピコ。

虎耳がせわしなく震え、しっぽもくるりと巻き上がりスカートをめくっている。

炬燵からガタッと音がしたが今は放置だ。今日は放置が多い。


「と思ったけど、紫で手一杯だからやっぱり無理だわ」

「え……そうですか。やっぱりいきなりは無理でしたか……」


今度はうって変わり、絶望と悲しみに包まれたようなオーラを身にまとい落ち込んだ。しゅん……

虎耳は後ろ向きに折りたたまれ、しっぽもぷら~んと垂れ下がる。


「というか、あんたみたいな変態コスプレイヤー泊めるわけないじゃない」

「なっ! 変態とはなんですか! 全国のコスプレイヤーに失礼でしょう!?」


霊夢のいきなりの暴言に怒り心頭のご様子。どうやら譲れない何かがあるらしい。

虎耳はピンと立ち、尻尾も真っ直ぐ上に伸びてぶんぶん振られている。後ろから見たらおそらくドロワーズが丸見えだろう。

……褌かもしれない。そういえば外界で鼠がプリントされたパンツを買っていたがまさかそんなことはありえないだろう。

そんな下着のことはどうでもよく、星のコロコロかわる表情に霊夢はしゃがみこんでプルプルと震えていた。


「え、いきなりどうしたのです。大丈夫ですか?」


いきなりしゃがみこんだ霊夢をみて心配したのか、星は困った顔になり、霊夢を覗き込んだ。

尻尾がさきほどより下向きになりゆっくりと振られているが、どことなく不安げだ。


「星。あんたちょっと、がおっていいながら首を傾けてみて」

何故か満身創痍な霊夢が鼻を押さえながら立ち上がり、震える声で言った。

心なしか目が怪しげに光っている。すごいよマ○ルさんくらい光っている。


「えっと……が、がおっ?」

「毘沙門天! アンタの弟子は最高だぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「きゃぁぁぁ血が、鼻から血が噴出してます!」


星の無意識での上目遣い&首傾けながらの「がおっ」攻撃に霊夢は撃沈した。

いや、これで撃沈しないものなど存在しないであろう。

炬燵に篭っている紫ですら声だけで思わず頭をぶつけ悶えているほどである。

信仰心と共に噴出した真紅は、銀色の世界に映える。

(あぁ……今年も忙しい年になりそうだわ)

霊夢は天使の笑顔のまま意識を手放した……









――そして一週間後

「マドモアゼル。先日の悩み事に対する解答は出たのかな?
君と別れてから今日で丁度一週間
時間にして168時間 分にして10080分 秒にして604800秒
と言っている間にも 23秒が過ぎてしまった
今日も君の 話し相手になりたい」

「うっさい」


霊夢は今日も雪かきをしていた。

ただし今日は早朝ではなく、もう太陽も西へと傾いている時刻だ。

黄昏時。雪が赤く染まり、キラキラと輝いている。

先日の星の虎耳異変は解決の方向へと向かっていた。

―― 一週間に一度、博麗神社で虎耳を装着した星のライブを開く

これが解決の決め手だった。

虎耳の星を見れてファンはホクホク。お賽銭もあつまって霊夢もホクホク。

聖とナズーリンが鳥居の後ろで泣いているが、ことの元凶なので現在放置中である。

今年は年始の挨拶に宴会、そして今回のライブの準備と忙しい毎日だった。

いやまだまだ慌しくゆっくりできない日々が続くだろう。


「霊夢。あなたはそれでいいのかしら?」

「どうせ数ヶ月もしたら落ち着くでしょ」

「そう……」


霊夢は相変わらず炬燵に足をつっこみ、上半身だけ隙間から出している紫に背中を向けている。

ただもくもくと雪を掬っては掲題の端へ投げる。

掬っては投げる。

掬って……

雪をその場に落とし霊夢はスコップを頬り投げ、背中を向けたまま紫に語りかけた。


「紫」

「なにかしら?」

「クリスマスはあんた冬眠してたわよね」

「え? ……うんシテタワヨ? 修羅場モードってなにかしら」

「なんで片言なのよ」

「本当なら今も絶賛冬眠の真っ最中よ」

「……紫」

「なにかしら?」

「一日だけ私をあんたの家に匿って」


風が二人の間を通り抜ける。

銀色の世界に二人だけしか居ない。そんな錯覚に陥る。


「や、やっぱり今のは無……」

「ふふ……いいわよ。あまえんぼな私のお嫁さん♪」

「~~~!!」


霊夢はスコップを拾い雪かきを再開する。

博麗の巫女は優しくて……寂しがりやで、恥ずかしがりやだ。

でも今年は少し自分に素直になっていこうと、一週間遅れの新年の目標を立てた。


夕日が照らす少女の唇がわずかに動く。

(今年もよろしく。紫)

(こちらこそよろしくね。霊夢)
最近東方の夢を見なくなってきて寂しいこじろーです

友人に言われました。最近妖夢の半霊(嫁)への愛が足りないのではないかと
たしかに嫁に関するSSを何一つ書いていないではないか
今回もぶっぱ率が少ないし、これは一発ヤらないといけないかもしれない

まったく我の嫁は恥ずかしがりやだからディスプレイからなかなか出てきてくれないのよね。このぉ愛いやつめっ!
よし決めた。新年の目標は「嫁に会いに行く」に決定です!

それでは又将来にお会いいたしましょう。またにてぃ~♪
こじろー
http://maira001.blog113.fc2.com/
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
バトルドームがwwwwww超エキサイティングwwwwwww
2.名前が無い程度の能力削除
ここは妊娠までいっちゃっても良いとこでしたか
ならばまた会いましょう
3.ぺ・四潤削除
星の無意識での上目遣い&首傾けながらの「がおっ」攻撃。ピコピコ動く耳。
「しばらくの間、私を飼ってもらえませんか?」

そこに俺が居たら鼻血を噴出しながら鳥居に頭を連打しすぎて穴という穴から血を流して倒れていただろう……
4.名前が無い程度の能力削除
これはいい病気
5.こじろー削除
>超エキサイティング
あのCMは肉密度120%くらいカルチャーショックを受けたもんだぜ……
また再販してくれないかなぁ

>ならばまた会いましょう
こいいろ と こじろー ってにてるよね
だからあえて言おう
にんっ!

>鼻血を噴出しながら鳥居に頭を連打しすぎて穴という穴から血を流して倒れていただろう……
穴という穴に血をつめるための栓をするだなんて……おう卑猥卑猥
誰かこの寅丸を絵に描いてくだち! 萌えますから主に我が。主に我が。大事なことだから二度言いました

>これはいい病気
不治の病ってどこで治療したらいいんでしょう……
だれに聞いても「もう手遅れです」といわれる我でした ま~る