これは付き合い始めて暫く経った、私と霊夢さんの年末の日の出来事です。
「ふぃ~~、終わった終わった。」
「もう、そんな爺くさい声を出さないでくださいよ、霊夢さん。」
私がお盆を持って居間に戻ってみると、霊夢さんが炬燵に入るところでした。
流石に今のは十代の女の子が言う台詞としては不適切だと思い、私は軽く注意することに。
でも、霊夢さんは全く取り合ってくれません。
それどころか、反省の色なんてこれっぽっちも見せず、「早くこっちきてあんたも温もりなさいよ」と、手を拱いてます。
仕方ありません。そもそもそのつもりでしたし。
私が手に持っているお盆には二人分の湯飲みと急須が載せられいて、それを炬燵の上へ。
そして私も炬燵へと足を通します。
もちろん、霊夢さんの隣に。
「やっぱり二人でやると早いわね~。」
さっきまで二人でこの博麗神社の大掃除をしてました。
私もすっかり此処の住人です。
「…………霊夢さんがあんなことしなければ、もっと早く終われたんですよ?」
あまり大きな声では言えませんが……思い出すだけでも恥ずかしい事です……。
いくら正式にお付き合いを始めたとはいえあんなこと……。
「だって仕方ないじゃない……早苗が四つん這いになってお尻振ってるの見たらついムラムラっと──」
「ど、どうしてそんな卑猥な言い方するんですか!? 私はただ床の雑巾掛けをしてただけです!」
「なに怒ってんのよぉ……さっきはあんなに悦んでたじゃない……?」
「…………もう、霊夢さんなんて知らないっ!」
最近の霊夢さんは大胆です。
嬉しくもあるんですが、私的にはもっとムードとかを考えて欲しいです。
「そんな怒んないでよぉ……ねえ早苗~?」
「………………」
くいくい
そっぽを向いた私を振り向かせようと、霊夢さんが必死になって私の袖を引っ張ってます。
霊夢さんのこういう可愛いところ、私以外誰も知らないだろうなぁ。
そんなこと考えると、ついつい許してあげたくなります。
でももう少し我慢。
「ねぇ……早苗ってばぁ……?」
「………………ん。」
ふにふに
声色に甘みが増して、更にはほっぺたをつんつん攻撃してくる霊夢さん。
……ふふふ、流石にこれには私も降参です。
「もう……今回だけですよ?」
「うん。次は気をつけるから。」
前も同じようなこと言ってましたが……仕方ないですね。
これも惚れた弱みとかいうやつでしょうか?
「もうすぐ年も越しますが……霊夢さんは何か来年の抱負とかあるんですか?」
「抱負? そんなのあるわけ無いじゃない。そういうあんたはどうなのよ?」
霊夢さんの答えに期待してたわけじゃありません。
そんなことだろうなぁ、と思ってましたし。
でも私は違います!
「もちろんあります! 来年の異変には、私は霊夢さんのサポートかできればペアで組みたいです!」
握りこぶしまでみせて、強い意気込みをアピールしたのに、霊夢さんには伝わらなかったみたいです。
理解できない、とでも言いたげに炬燵の上に膝をついてこっちを見てます。
「せっかく自機に昇格したのに、なに言ってんのよ。」
ずっと自機をやってきた霊夢さんだからこそ気付かないのかも。
そもそも私は異変への参加に拘っているんじゃありません。
「だって……霊夢さんと同じ空を飛んでみたいじゃないですか。」
私の真の目的を聞かされた霊夢さんは、手に取ったみかんをその場に取りこぼしてしまいました。
…………そんなに驚く事でしょうか? あっ霊夢さん、今面白いくらいにぽかーんと口を開けちゃってます。
「なっ、何言ってんのよ、あんたは!?」
後から恥ずかしさがやってきたのか、ワンテンポ遅れてそっぽを向く霊夢さん。
ふふふっ、でも耳まで真っ赤なのが見えちゃってます♪
「……それに私はそんなの反対よ。」
「…………え?」
反対されるとは思ってもみなかった私は言葉を失ってしまいました。
私なんかじゃあ、足手まといって事でしょうか……。
だけどこっちに向き直った霊夢さんは、やっぱり恥ずかしそうに頬を掻きながら──
「あんたに、怪我でもされたらと思うと……気が気じゃないわ。異変どころじゃ無くなっちゃうじゃない。」
ガバッ!
「きゃっ!?」
「霊夢さ~~~ん!!」
悲鳴を上げたのは霊夢さん。
だって私が突然抱きついたから。
「さ、早苗!? あんたその前触れもなく抱きつく癖、何とかしなさいよ!?」
「だって仕方ないじゃないですか! 霊夢さんが一々格好良いこと言うんですもん!」
あんなこと言われて、私が喜ばないと思う方がおかしいです。
「な、なによ……私が悪いって言うの?」
「そうです、霊夢さんが悪いんです!」
断言しちゃいます。
ホント霊夢さんは罪作りな人です。
「でも私、そんな霊夢さんが大好きです──。」
首に抱きついた私を、霊夢さんは振り解こうとはしませんでした。
「…………。」
だけど黙り込んでしまった霊夢さん。
私、怒らせちゃった?
心配になって、霊夢さんに声を掛けようとしたその時──
ちゅ。
「ひゃああ!?」
今度は私が悲鳴をあげる番になりました。
霊夢さんもですが、多分、今の私の顔も負けず劣らず真っ赤っ赤だと思います。
「なっ、なっ、なんで行き成りキスするんですかぁ!?」
「し、仕方ないじゃない!? 早苗が一々可愛いこと言うから……!」
そ、そんなの横暴ですっ……!
「な、なによ……」
「なんですか……」
暫し睨みあいになる私たち──もちろん、顔は赤いままですが。
そんな犬も食わない睨み合いが続くはずも無く、私たちはどちらからともなく笑い出していました。
「ふふふ、私たち、よくつまらない事で言い合ってますけど、似たもの同士って事なんでしょうか?」
「さぁ? 魔理沙に言わせたら、私は捻くれ者で、あんたは頑固者って言いそうだけど。」
てっきり同意してもらえるものだと思ったのに、霊夢さんの答えはぞんざいでした。
「……どうしてそこで魔理沙さんの名前が出てくるんですか……?」
「? ちょっと早苗、どうして怒るのよ……?」
知らず知らず声がむっとしたものになっていたようです。
鏡もないので分りませんが、多分顔も怒っていることでしょう。
でも今度ばかりは絶対霊夢さんが悪いんです……!
「ねぇ……早苗ってば……?」
「…………ふんっだ。」
ぷい。
今度は私がそっぽを向く番。
謝ったって、早々許してやるもんですか。
「早苗……あんた……まさか妬いてるの?」
「っ……!?」
──図星です。
だって仕方ないじゃないですか。
事ある度に、魔理沙、魔理沙って……私より長い時間を霊夢さんは魔理沙さんと過ごしてきたのは分ります。
でも霊夢さんの恋人は、魔理沙さんじゃありません──私なんですから。
「ふ~ん……そう。だったら良いわ。嫌って言うほど可愛がってあげる♪」
そっぽを向いているのが徒となりました。
霊夢さんの言葉の真意を確かめる間も無く身体で思い知る事に。
すっ。
「……? ひゃん!?」
炬燵を隠れ蓑に、霊夢さんの手が私の身体に触れてきました。
そして容赦なく、私の身体のとある場所へと指を這わせてきました。
……“どこ”をなんて恥ずかしくて言えません!
「あっ……! れ、霊夢さん……そこはっ……!」
羞恥心から、身体をくねらせて、私は思わず霊夢さんの手から逃げようとしました。
でも霊夢さんはそれを良しとせず、空いた手で私を抱き寄せて執拗に責めてきます。
すっかり私との行為に手馴れてしまった霊夢さんは、私の弱いところなんて目を瞑ってでも分るようです。
──それこそ、炬燵に隠れて見えなくても。
「そこは、何? ほら、はっきり言いなさいよ?」
今じゃぴったりと互いの身体を寄せ合ってるため、霊夢さんの吐息が耳に当たります。
それすらも、今の私の身体には刺激として感じてしまって──
押し寄せる快楽の波に、私の思考は徐々にのまれていきます……。
「はぁんっ……! だめ、だめです霊夢さん! わたしっ──」
──おかしくなっちゃう!
荒い息を吐きながら、口先ばかりで霊夢さんの手を拒む事もできない私……。
いえ、正確には既にその行為を身体が受け入れてしまってるんです。
その証拠に、私の身体は無意識のうちに自らの腰を浮かせて、もっともっと求めています。
「ふふふ……良い感じに目がとろけてるわよ、早苗。……もう我慢できないのかしら?」
コク。
意地悪な霊夢さんの問いかけに私は言葉も無く頷きました。
さっきしたばっかりだっていうのに……ああ……わたしの身体はますます霊夢さんに溺れていってるようです。
「漸く素直になったわね……そりじゃあお望みどおり──」
『お~い、霊夢!? 居るんだろう~!? 返事しろ~~!?』
突然聞こえてた第三者の声に、私も霊夢さんも、はっとしました。
え!? こんなときにお客さん!?
しかも声から察するに魔理沙さんです。
どうしてこんなタイミングで……!
失意のどん底にまで叩き落された私と違って、何故か霊夢さんはにやりと顔を歪ませました。
すっと立ち上がり、居間を出ると魔理沙さんの元へ。
「あら、魔理沙。今年は早いわね、とりあえず上がんなさいよ。」
「ああ、今年は例年より人が集まりそうだったからな、一番乗りするために早めに来たぜ!」
どうやら魔理沙さんは、初詣に来たみたいです。
──まだ日も暮れてないのに。
「今、お茶入れるから待ってなさい。」
「ああ、頼むぜ。」
私を置いて、台所へ向かう霊夢さん。
そして魔理沙さんは、私と向かい合うように炬燵に入り込みました。
「よっ、早苗。……うん、どうした? なんだか顔が赤いぞ!?」
「あっ……いえ、その……炬燵に当たりすぎたのかな……なんて。ははは。」
モジモジとしながら乾いた笑みをこぼす私に、魔理沙さんはとても不思議そうな顔をしています。
「おいおい、じゃあどうして炬燵で顔を隠すんだよ。余計のぼせちまうぜ?」
おかしな奴だな、と零す魔理沙さん。それもそのはず、だって私の身体が火照っているのは、炬燵のせいじゃないんだから……。
「くくくっ……。」
いつの間にか戻ってきていた霊夢さんが、必死に可笑しいのを我慢していました。
「ほら、あんたの分よ。」
「お、サンキュー♪」
魔理沙さんにお茶を出しながら、私の隣へと戻ってきた霊夢さん。
すっかり暖かいお茶に夢中になっている魔理沙さんを余所に、私は霊夢さんに小声で話し掛けました。
(霊夢さん……責任、とってくださいよぉ……)
すっかりスイッチの入ってしまった私の身体は、今も霊夢さんを求めてうずうずしちゃってます。
──本当は、こんなこと言うのも恥ずかしいのに。
そして返って来た霊夢さんの答えは、やっぱり意地の悪いものでした。
(あら、そんなこといって良いの? ……今夜は寝かせないわよ?)
霊夢さんの言葉どおり、私たちは新年早々、朝までハッスルすることになりました。
私もうずうずしちゃっててどうにもなりません。どうしてくれますか。
貴方は別の場所でしかるべきお話を書くべきであります!! 今回のお話で見捨てるどころか一生貴方についていくことを決意しました。
きっと三人で炬燵に入りながら霊夢は足を使って早苗さんを弄ってあげているに違いない。
魔理沙に気づかれないよう必死に耐える早苗さん。いいよね。見えないプレi
脱字報告です。「……“どこ”をなんて恥ずかしくていません!」「言えません」ですか。
期待しておりますよっと。
でもこちらでは程々にがいいんですかね?
自分はこういうの大好きなんですけど嫌がる人もいるかと思うと複雑です
真昼間から盛りやがって、いいぞもっとやれ!
大好きですが、こっちではほどほどに、ですかね。
今年一年楽しませていただきました。
来年も新作楽しみにしています。
来年も是非、レイサナの道を歩み続けて欲しいです
貴方のレイサナは大変罪作りだwもっと!もっと!