(今日はエイプリルフール。妹紅を驚かせてやるわ!)
夜の竹林で藤原妹紅を待っているのは蓬莱山輝夜、かぐや姫である。昔はこの場所で二人は殺しあいを続けていたが時が過ぎるにつれてほぼ遊びに近ずいていった。今日は四月一日、エイプリルフールである。というわけで妹紅を呼んでいわゆるドッキリを仕掛けようとしていた。
半刻ほどすると集合場所に妹紅が現れた。
「ねぇ輝夜、大事な話って何?」
輝夜は笑ってしまわないように注意してから妹紅に向かって真面目な顔で言った。
「私ね、月に帰ることにしたの」
妹紅の顔から表情が消えた。
「嘘…、嘘でしょ」
「残念だけど本当よ、だから今日はお別れをしようかと思って」
「本当に…、本当にいなくなっちゃうの?」
「えぇ、残念だけどね」
(妹紅が口をぽかーんと開けてる所なんてそうそう見られないから今日はラッキーね♪騙したかいがあったもんだわ)
「じゃあね妹紅。貴方のことを私は忘れない、私は貴方の事がとても大好きだったわ」
(さすがにそろそろドッキリって事伝えないとまずいかしら)
輝夜が種明かしをしようとした時妹紅の頬を涙が伝っていった。
そして妹紅はいきなり輝夜の胸元に飛び込んで来た。
あの後、妹紅が泣き止むまで背中を叩いてあげたりなど自業自得なのだがとても疲れた。妹紅が泣き止んだ頃に私は言った。
「帰らないから安心なさい」
妹紅の頭を撫でながら言った。
「…本当?」
首を傾げて聞いてくる。
「本当よ」
「…そっか、じゃあさ私の事を大好きって言ったのは?」
「…馬鹿ね。本当に決まってるじゃない」
「…そっか」
妹紅は安堵の表情で私の膝の上で眠りに落ちた。
(どうしよう妹紅が可愛い過ぎる)
某メイドの様に鼻血が出そうになるのをこらえつつ妹紅が起きるまで頭の戦争が勃発していたのは言うまでもない。
これはGJ